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異邦人モリサキ
[386]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/16(土) 04:23:34 ID:???
***
A 「恩人……てやつさ。あんたがご丁寧に調べ上げた通りにな」
森崎とて、幾つもの戦場を生き抜いてきた男である。
ただ一方的に気圧されているわけではなかった。
初撃を凌いだのであれば次に来るのは攻めの好機だと、森崎は理解していた。
そんな森崎の、しっかりと息を整えて吐き出した言葉には、棘がある。
受け取る者を刺す棘だ。
そして棘に含まれているのは、緩やかな毒だった。
「……賢しいな、東洋人」
細かな棘から指先を伝う毒に、氷青色の瞳が険しさを帯びていく。
その表情に森崎は己の考えが正しかったことを確信し、僅かに口の端を上げる。
眼前の男は、ソフィアが世話になった、と口にした。
それも礼金を用意するほどの。
何故、この男がそれを知るのか。
「余所者は知り合いが少なくてね」
誰かと違って、と言葉にはせず目線に込める。
じり、と。それを耳にした男の気配が変わっていく。
余裕に満ちた酷薄の下から、ちろちろと怒りの種火が顔を覗かせようとしている。
もう一歩踏み込めば、それは炎となって燃え上がるだろう。
しかしそれは森崎のみならず、おそらくはこの男の傍にいるソフィアをも巻き込む熱となる。
故に森崎はあえて一歩を退いた。
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0ch BBS 2007-01-24