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1- レス

異邦人モリサキ


[400]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/18(月) 01:18:34 ID:???
言った森崎が、手にした新聞をぱんと叩く。
見出しには、『ヴァルファ=プロキア会談破談』との文字が踊っていた。

「いいか? まず、今月の頭のことだ」
『うんうん』
「ゲルタニアの首相選挙が終わって、いつも通りコールっておっさんが勝った」
『ゲルタニアって、お隣の国だよね』
「そうだ。プロキアとも国境を接してる」

ドルファンの北東に位置するゲルタニアは十数年前に共和制へと移行した軍事大国である。
両国の間にはベルトニア山脈が聳えており、隣国とはいえ人的交流はそれほど多くはない。
政治的関係は、共和制移行の際に生じたゲルタニア=プロキア戦争にドルファンが
ゲルタニア側として参戦した経緯もあって比較的良好である。
ベンヤミン・コールは現職の首相であり、共和制移行以来、実に四選を果たしていた。

『で、そのゲルタニアのおじさんがどうしたの?』
「ああ、そのハゲが余計なことを言い出したんだ。ゲルタニアはドルファンとプロキアの
 休戦問題の早期解決を期待しており、仲介の労をとる用意もある、ってな」
『どういうこと?』
「要は、お節介を焼いてこの戦争をちゃんと終わらせてくれるってのさ」
『ふうん。いい人だね』
「だーかーら、そう簡単に終わっちゃ困るんだっての!」
『あ、そうか。……ひゃ!』

宙に浮かぶ小さな妖精が、悲鳴と共に天井近くまで舞い上がる。
指で弾こうとした森崎の手から逃れたのだった。

『何するんだよ、キミ!』
「話、戻すぞ」
『もう!』

ぷりぷりと怒ってみせるピコの様子を気にした風もなく、森崎が話を続ける。


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