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異邦人モリサキ
[461]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/23(土) 00:58:37 ID:???
***
A 正面から頼み込む。
その空間は静謐に満ちている。
「お邪魔しま〜す……」
分厚い樫の大扉は、森崎が引くと音も立てずに開いた。
柔和な白に統一された内壁は森崎の視線よりも少し上からアーチを描き、頂点で繋がって
ドーム状の天井を形作っている。
飾り窓から射す朝の光が古びた長椅子を飴色に照らし出す、その中を貫くのは深い紅の絨毯だった。
真っ直ぐに祭壇へと続くそれは、さながら告解の道である。
「……誰か、いませんか〜」
『ねえキミ、どうしてそんなに小声なの』
「大声出せる空気じゃねえだろ、何か」
おそるおそる、といった風情で絨毯を踏みしめる森崎の、その囁き声すら音の波となって
壁に反響するように感じられた。
陽光の透き通るような白と内壁の乳白に押し固められた静謐を揺るがす、それは罪悪である。
自然、押し黙った森崎が無人の教会の中央に立ち尽くす。
外に囀る小鳥の声も、この白の中には届かない。
まるで時の止まったようなその空間に、
「――――何か御用ですか」
唐突に、声が響いた。
低く、静かな、しかし異様に近い、声。
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0ch BBS 2007-01-24