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1- レス

異邦人モリサキ


[463]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/23(土) 01:01:17 ID:???


「……なるほど。最近この街へいらしたのですね。それでこの街に住んでいるはずの、
 以前に世話になられた方の消息が知りたい……と」

純白のベールの下から覗く静謐な微笑は、淡々と紡がれる言葉と相まってひどく乾いた印象を与える。
喉がひりつくような感触を覚えた森崎が、唾を飲み込みながら曖昧に頷く。

「はあ……まあ、そんなところで……」
『テキトーなこと言っちゃって』

頭の上にちょこなんと肘をついて言うピコの言葉は無視しつつ、森崎が困ったような笑顔を浮かべて続ける。

「……いや、それでその、信徒名簿なんかを……まあ、見せてもらえれば、話も早いかと思いまして……」
「構いませんよ」
「だよな、いや、だと思いました! それじゃまあ、そういうことで……って、いいのかよ!?」

あまりにもあっさりと頷いたシスターに、思わず踵を返そうとしていた森崎が
逆に驚きと共に訊き返す。

「いやいやいや、マズいんじゃねーのそういうの!? もうちょっとこう、警戒心をだな」
『キミが言うかね……』
「私どもの教区では、特に隠し立てするようには申しつかっておりません。
 名簿に記載をさせていただく際にも、その旨は皆様にご説明しております」
「あ、そ、そうなんだ……、ですか……?」

取り乱す森崎とは対照的に、あくまでも平静かつ淡々と話すシスター。
ひどく釈然としない気持ちで森崎が呟いたときである。
きい、と微かに軋む音を立てながら、祭壇の脇に据えられた扉が開いた。

「―――何を騒いでいるのですか」


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