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異邦人モリサキ
[482]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/24(日) 16:20:15 ID:???
「そこのお嬢さん、五月の花嫁になってみないかい!」
そんな声がかけられたのは、森崎とソフィアが出店を冷やかし、果汁入りの氷水を飲みながら
歩いていたときのことだった。
見て下さいあのお花綺麗ですね、おぉそうだな見たことないけど何て花なんだろうな、
あれもチューリップなんですよ珍しい品種ですけど、へえそうなのかよく知ってるな、と、
二人がその声を完全に無視したのは、自分たちにかけられたものだとは露程も思わなかったからである。
「ねえ俺っちの話、聞いてるかな! そこの黒髪の人の横の、そうあなた、お嬢さん!
五月の花嫁、ねッ!」
「……?」
「あァ!?」
ほとんど肩に手が触れんばかりの距離にまで近づいて再度発せられた、どこまでも軽い声に
ソフィアと、そして森崎が振り返る。
立っていたのは、中年男性であった。
僅かに生え際の後退した髪を油でびっちりと固め、身にまとうモーニングは原色の黄。
陽光にチカチカと反射するのは金糸銀糸の刺繍だろうか。
まるでノエルの作る『上級者向け』の服だな、と思いながら森崎が男に向けて一歩を踏み出す。
ちょうどソフィアを背に隠すような位置取りである。
「……男連れを目の前でナンパたぁ、いい度胸だな」
「ぃえっ!? ちょ、ちょっと東洋のお兄さん……目が、目が怖い!
そうじゃなくて、五月の花嫁が、ちょっとお話、聞いてもらえませんかァー!?」
ぺき、ぺきと拳を鳴らす森崎を、しかし押し留めたのは意外なことにソフィアであった。
「あ、あの、モリサキさん!」
「……?」
「た、たぶんこの方は、その、モリサキさんがお考えのような方では、ないと……思います」
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0ch BBS 2007-01-24