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1- レス

異邦人モリサキ


[498]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/28(木) 00:45:26 ID:???
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「行ってこいよ」

森崎が告げるのは、直截な一言であった。
迷うのならば行けと、少女の背を押すように言う。
ステージというものに少女がどのような気持ちを込めるのか、今の森崎は知らない。
それでも、そこに何かを求めるのであれば立ち止まる道はないと、森崎は思う。
それは明日の命の保証のない、傭兵という身の上からくる生き急ぎ方であっただろうか。

「ですが……」

言い淀むソフィアの目には、躊躇いがある。
その躊躇いの内にはジョアンのことも含まれているのだろうというのが、森崎の直感である。
舞台に立つことか、それによって人目につくことか、あるいは自分の意志で何かをしようとすることそれ自体か、
いずれあの男の気に障るのだろう。
目の前の少女、一回りも下の年端もいかぬ少女は、それで森崎に累が及ぶことを懸念しているのだ。

「俺のことは、気にすんな」

ならば、そう言ってやるのが森崎有三という男の役割である。
身一つより他に守るものとてないのが風来坊の強み、火の粉が振りかかるならば払えばいいと笑うのが、
今この少女にしてやれる最上のことだった。
あとはソフィア自身が決めることだと、目線で告げる。
得るものと失うものとを天秤にかけて、決断すればいい。


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0ch BBS 2007-01-24