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異邦人モリサキ
[551]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/30(土) 20:12:00 ID:???
「お父さんも家に戻って。お母さんが心配するわ」
「……。おい、東洋人」
突き放すようなソフィアの態度に、悄然と肩を落とした男が歩き出して二歩。
ぎろりと、森崎を睨んだ。
すっかり酔いの醒めた、しかし黄ばみ、充血して濁った目。
「今後、娘に近づいたら―――骨の二、三本は覚悟しろ」
それだけを言い残して、去っていく。
ずるり、ずるりと歩みに取り残されるような右足が石畳に擦れる音の、すっかり消えた頃。
ソフィアが、森崎の方を向かないまま、俯いて口を開く。
「……ごめんなさい。父が、不愉快なことばかり言って」
「いや……」
その声音の重苦しさに、森崎は咄嗟に言葉が出ない。
それでも何か場を取り繕おうと切っ掛けを探す森崎の機先を制するように、
ソフィアが続けていた。
「父は……ロバート・ロベリンゲは、昔は、立派な騎士だったんです。
今はあんな姿ですけど、私は……私は父を、尊敬しています」
それは、誰に向けた言葉だったのだろうか。
弁明にも謝罪にも届かず、さりとて告解とも寛恕を求める言葉ともつかぬ、宙ぶらりんの独白。
その意図を掴めずにいた森崎に、少女が俯いていた顔を上げると向き直り、改めて深く頭を下げた。
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0ch BBS 2007-01-24