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異邦人モリサキ
[571]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/07/03(火) 02:02:34 ID:???
//剣術訓練
「百九十一、百九十二、百九十三―――」
汗の臭いと熱気の充満する屋内訓練場に谺するのは、数をかぞえる声である。
ぶうん、と風を切る音が響くたび、その数は増えていく。
「……うへえ。モリサキのヤツ、気合入ってるなー」
「出撃が近いという緊張感の現れだ、お前も見習え」
遠くからはそんな仲間たちの声が聞こえる。
しかし、剣を振るう森崎の精神はそれほど研ぎ澄まされているわけではない。
むしろその内心は焦りに乱れ始めていたのである。
走り、投げられ、悪夢の如き筋肉痛と戦い続ける内に身体は少しづつ元の通り動くようになってきた。
しかし剣の勘はまだまだ戻っているとは言い難い。
これで戦えるのか、幾多の敵と刃を交え、いくさ場から生きて戻れるのか。
焦りは迷いを生み、迷いは剣筋を鈍らせ、鈍った剣筋がまた焦りを呼ぶ。
そんな悪循環から目を逸らすように、森崎は闇雲に剣を振るっていたのである。
腕が軋む。肩が痛む。背筋が引き攣る。しかしそれ以上に、胸の奥に澱む何かが、重かった。
「―――そこまでだ、モリサキ」
数が三百を超えた頃、彼を止めたのは鋭く重い声。
主任教官、ヤング・マジョラムであった。
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0ch BBS 2007-01-24