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1- レス

異邦人モリサキ


[574]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/03(火) 02:05:54 ID:???

*D26.6
訓練所イベント


「―――貴様らが外国人傭兵か! なるほど、聞きしに勝るとはこのことだ。
 あまりに貧相で、俺としたことが不覚にも驚かされたわ!」

そんな声と共に下卑た笑い声が響いたのは、森崎が復隊した数日後の昼下がりである。
何だなんだ、と耳目を集めたのは一人の男だった。
晴天の下にぎらぎらと輝く白銀の板金鎧。
初夏の太陽に照らされて陽炎すら揺らめかせるその表面には精緻な獅子の彫刻が刻まれ、
瞳の部分にはご丁寧に象嵌すら施されている。

「……自由騎士か」

ジョアン・エリータスの凍り付くような殺気どころか、港で対峙した棒使いにも遠く及ばないであろう
気構えのない顔つきを一目見るなり、関わるのも馬鹿馬鹿しいとばかりに踵を返そうとする森崎。
そういえば午前中には遠くでまた馬上槍試合の大会が開かれていた気がする。
参加者や従卒は三々五々解散したようだったが、まだ残っていた物好きな、あるいは暇を持て余した者が
傭兵たちの訓練する一画にふらりと立ち寄ったようだった。

『放っといていいの?』
「金持ちの洟垂れ相手にしてる暇なんざねえよ。こちとら遅れを取り返さなきゃならないんだぜ」
『ま、それもそうだね……って、何か騒いでるよ?』

ピコの言う方へと目をやれば、その中心にはやはり無闇にぎらぎらと輝く鎧姿がある。
小脇に兜を抱えた男が、座り込んだ傭兵の一団に近づくと、あからさまな侮蔑を込めて何かを言ったようだった。
ざわり、と空気が変わる。
言われた男たちの目が次第に据わっていくのが、遠目からもわかった。
貧乏人、だの、捨て駒、だのといった単語が、風に運ばれて切れ切れに聞こえた。


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0ch BBS 2007-01-24