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1- レス

異邦人モリサキ


[592]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/05(木) 01:10:13 ID:???
「……」

振り向かぬ森崎には、その表情は見えない。
しかし僅かな間を置いて、小さな溜息と金属が擦れる音とが聞こえた。
どうやら意図は伝わったようであった。

(さて、次は……どうしたもんかな)

思案しながら倒れた男へと歩み寄る森崎。

「起きな、お坊ちゃん」
「……き、きしゃまぁ……!」

自慢の鎧の腹に爪先で軽く蹴りを入れながら言う森崎に、倒れた男が我に返ったように激昂する。
口の中を切ったのか、滑舌が悪いことおびただしい。

「お、お、俺をだりぇだとおもっへる……!? かの騎士侯ひゃく、せばすしゃん・じょわんうぃるから
 八代つじゅく武門のほまりぇ、じょわんうぃる家の、ひぃっ……!?」
「おう、そうかい、名門のお坊ちゃん。よーくご存知だぜ」

全身を覆う鎧の重量に、男は起き上がることができないようだった。
誉れも何もなく地に転がったまま、口から涎で薄まった血を溢しながらまくし立てる男へ
のしかかるようにして、森崎が告げる。

「だからよ、俺ら貧相な傭兵としては武門の誉れ高き騎士侯爵様の八代目だか九代目だかに
 胸ぇ借りて、一丁稽古でもつけてもらおうかと思ってな」
「にゃ、にゃに、を……」

陽光に照らされて熱い白銀の鎧を拳でごつんと一つ叩いて、森崎がニヤリと笑う。


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