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異邦人モリサキ
[596]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/07/05(木) 01:27:04 ID:???
「ひぃ……っ」
森崎の鋭い眼差しに間近で睨まれ、思わず首を縦に振ってしまう男。
「なら、話は終わりだな。この場には何もなかった、問題も、諍いも、何にも、」
と、森崎が言いかけた、そのとき。
「―――!?」
太陽は燦々と照りつけている。
雲一つない空は初夏の色を隠すこともなく、風は火照った肌を癒すが如く、爽やかに吹いている。
だと、いうのに。
(な、何だ……この感じ!)
すう、と。
その場を覆ったのは、鳥肌の立つような冷気である。
それは物理的な温度ではない。
ただの気配である。
しかし人の奥底、骨の髄と臓腑の中とを寒からしめる、怖気に満ちた気配であった。
反射的に顔を上げた森崎が、自由騎士の存在など忘れたように跳ね起きると、一歩を飛び退く。
「……」
広い野原に立ち、あるいは座り、あるいは倒れ伏したままの全員が、冷気に誘われるように振り返る、
その先には黒の一色があった。
蒼穹の下、陽光の白と大地の緑と土色の世界から抜け落ちたような、黒。
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0ch BBS 2007-01-24