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異邦人モリサキ
[598]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/07/05(木) 01:29:26 ID:???
手は、握られたままでいる。
男を見下ろしながら一節ごとに区切るように発音される、それはさながら罪の宣告である。
「そ、それ……、は……」
自由騎士が、炎天下に鎧までを着込んだ身でありながら蒼白な顔色でジョアンを見上げる。
今にもガタガタと震えだしそうな表情の自由騎士を、この場に現れたときから一寸たりとも変わらぬ
微笑を向けるジョアンが手を引き、立ち上がらせた。
一人では上体を起こすことも叶わぬ重量を片手で引き上げたジョアンが、懐から取り出した絹のハンカチで
自由騎士の鎧についた泥土を丁寧に落とすと、周囲を睥睨するように、口を開く。
「友人が大変な失礼をしたようだ。このジョアン・エリータスが深く詫びよう。
―――が、それはそれとして、だ」
汚れたハンカチから手を離すジョアン。
地に落ちたハンカチが、風に吹かれて転がっていく。
「私の友人を傷つけた礼も、相応にさせてもらわねばなるまい。
……相手は、誰かな」
微笑は、変わらぬ。
変わらぬまま、声は牙と爪とを帯びていた。
直立不動のままでいた自由騎士の男が、ジョアンの視線に促されて慌てて指さしたのは、
やはり森崎である。
ジョアンの氷青色の目が、その姿を認めた途端に蛇の如く細められていく。
「ほう……貴様か、東洋人」
「……悪縁も縁の内、か」
嫌な言葉だ、と吐き捨てた森崎の身に一切の油断はない。
抜刀こそしていないものの、利き手は剣の柄に置かれていつでも抜けるように構えている。
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0ch BBS 2007-01-24