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1- レス

異邦人モリサキ


[6]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/01(金) 00:38:53 ID:???
『むぅ……あたしをお忘れなら、思い出させてあげるよ! えいっ』

言葉と共に急降下。
勢いのついたその身体が真っ直ぐに男の顔めがけて飛ぶと、ブーツに包まれた小枝のような脚が
唸りを上げて繰り出された。
綺麗な回し蹴りが、男の鼻を直撃する。
男の頭が、衝撃と共に跳ね上げられた。
その拍子に頭巾が落ちて、男の顔が顕になる。
まず現れたのは、黒い髪である。
南欧の港には珍しい、夜の海のような漆黒。
髪の下には、やはり黒い、切れ長の瞳が輝いていた。
紛うことなき、東洋人である。
その東洋人が、蹴られた鼻を反射的に押さえながら口を開く。

「痛ぇっ! 何すんだ、ピコ!」
『ピコ、って……わかってるじゃない! もう!』

東洋人がピコと呼んだ妖精の如き影が、憤懣やるかたない様子で腰に手を当てる。
その仕草を見て、男がにやりと口の端を上げて笑った。
年格好に不相応な、悪戯っぽい笑み。

「はいはい、俺の頼りになる相棒のピコさん……だったっけ?」
『……まだ足りない?』
「おっと、これ以上蹴られたら男前が台無しだぜ」

冷たく言って足を振り上げたピコに、男が慌てて顔を引く。

『さ、いつまでもおバカなことやってないで、船を降りよ。
 日が暮れる前に色々しなきゃいけないんでしょ?』
「そうだな―――と」

荷物を手に振り返った男の目の前に、一人の女性が立っていた。


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