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異邦人モリサキ
[711]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/07/17(火) 00:20:16 ID:???
頬をいっぱいに膨らませたロリィが、森崎とレズリーの間に割り込んできたのである。
「どうしてお兄ちゃん、ロリィといっしょにって言ってくれないの?
お兄ちゃん、ロリィのこと、キライ?」
「いや、そうじゃねえよ」
「……?」
こういった流れになることは当然予測していた森崎が、混乱の極みで何かを怒鳴ろうとしていた
レズリーの機先を手振りで制し、慌てることもなくロリィに向かって言う。
「お前と占ってみたい、なんて言ったら……お前のことが大好きな『お姉ちゃん』に怒られちまうからな」
「……」
僅かな沈黙が降りた。
ぷく、と膨らんだ頬が、次第に萎んでいく。
彼女なりに、何かを黙考しているらしかった。
「……」
「……」
「……そっか! そうだね!」
どういった思考回路が、どういった経緯で働いたのかは森崎には見当もつかない。
つかないが、ともあれロリィは何事かを納得したようだった。
ぱあ、と曇り空が晴れるように、ロリィの顔に笑みが広がっていく。
「お姉ちゃん、ロリィと離れたらひとりになって、さびしくなっちゃうもんね!
……でもお兄ちゃん、それ、ぶっぶ〜、だよ! だって、お兄ちゃんがお姉ちゃんといっしょだったら、
今度はロリィがさびしくなっちゃうもん! だから……お姉ちゃんと行くのは、だーめ!」
「……!? ロ、ロリィ……?」
「お姉ちゃんは、ロリィと占ってもらうんだもん! お兄ちゃんはそこで待っててね!」
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