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1- レス

異邦人モリサキ


[713]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/17(火) 00:22:22 ID:???
「どうせ俺たちゃ、明日をも知れねえ傭兵だ。後腐れがなくって、練習台にはちょうどいいだろ」
「……」
「おっと、そう怖い顔すんなよ。俺だって死にたがりってわけじゃねえ」
「……」
「……」

ぎろりと横目で睨んだトニーニョの方を、森崎は見ようとしない。
ただ口の端を上げ、薄く笑った表情を作ったまま、遠い山肌に燃える炎の絵を見上げている。
そんな森崎の様子にしばらく厳しい顔をしていたトニーニョだったが、やがて大きなため息をついて
口を開いた。

「……なら、いいさ」

首を振ったその眼前で、ゆらりとテントの入り口にかけられた布が揺れる。
それを見た森崎は、空気を変えるように殊更明るい声を作るのだった。

「と、出てきたみてえだな。……おーい、どうだった?」
「うん! ロリィたち、すご〜く仲良しだねえ、って!」

呼びかけるや駆け寄ってきて言うロリィは満面の笑顔である。
一歩、二歩を遅れてロリィの後をついてくるレズリーにも、森崎が訊く。

「そうだったのか?」
「あ、ああ……大体そんな感じさ」

歯切れの悪い返事を返すレズリーの顔は、どこかぼんやりとしているように見えた。

「……そうか」
「ああ、そうさ」


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