※人気投票開催中※
01/17(日)00:00-01/30(土)23:59
第二回鈴仙奮闘記キャラ人気投票
※新板できました※
ダイス創作物語板
ブログ
現行スレ
投票
最新20
板
1-
前
次
新
レス
異邦人モリサキ
[763]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/07/20(金) 09:44:32 ID:???
「トニーニョ……」
遮るもののなくなった二人の間に、濡れたような風が吹く。
雨が近いのかも知れなかった。
「ネイが侮辱されたあの時、真っ先に飛び出したのはモリサキ、お前だった。
本当なら、俺がやらなきゃいけないことだったのにな」
その頬に僅かに浮かんでいたのは、自嘲の笑みだろうか。
「俺は躊躇ったんだ。一瞬、考えてしまった。貴族と俺たちの身分の差や、立場の違いや、
この先のことや、そういう、本当に大切なことに比べたらどうでもいい何かを、な」
「……」
「だが……お前は迷わなかった。あの糞野郎を、モリサキ、お前は正面からぶん殴った。
ぶん殴ってくれたんだ」
森崎の目を真っ直ぐに見据え、トニーニョは一言ずつを噛み締めるように言う。
「仲間の名誉のために真っ先に飛び出すような男になら、命を預けても悔いはない。
俺は、そう思う。皆は、どうだ?」
最後は、問いかけだった。
静寂は俄にざわめきを生み、ざわめきは次第に密かな相談になり、やがて相談は一つの声に結実する。
「……ああ、そうだな」
「俺たちも異論はねえぜ」
「第二部隊はお前が仕切ってくれや、モリサキ」
「頼むぜ、モリサキ!」
三百の同意が波となり、森崎に決断を促すように押し寄せる。
その波に背を押され、森崎は―――
前
次
写
名前
E-mail
0ch BBS 2007-01-24