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【運命が】ファイアーモリブレム39【迫る】


[108]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 09:44:49 ID:???
膝にこびりついた芝と泥を剥がし、すりむけた患部をガーゼで塞ぐ。
幸い軽い打撲で済みそうだ。暫く安静にしていればすぐにまた走れるだろう。

リブタ「助けてくれてありがとう三杉。でも俺……悔しいよ。イスラスのこと馬鹿にされて…悔しかったんだ」

三杉「だからといって感情的になるのは得策じゃなかったな。それこそ奴らの思う壺だ。
   お構いなしに『守備練習』させてもらえる立派な口実作りをしてくれたんだから」

シャル「……でも、いい加減我慢の限界。わたしも……ううん、今は殆ど下部に落とされちゃってるけど
    旧アヤックスのみんなたちだってリブタと同じ事考えてる」

彼らは長い間名門クラブという下駄を履き、イスラスだけに頼って戦おうとする腑抜けた男たちだった。
だが、三杉が日本から研修に来たことで彼らは変わった。体が大きいだけと貶されていたリブタを鍛え、
自ら孤独を選び続けていたイスラスの心を解かし、チームの方向性を見事一つにまとめあげたのだ。

三杉「だが時が経てば季節が変わるように、人の意識や気質も変わってしまうものさ。
   今の新体制を見ればわかるだろう?クライフォート……彼の統制はボクやイスラスが築いた時よりも
   もっと厚い、一枚岩へとなっている。悔しいけれどこればかりは認めざるを得ない」

一つの大きな派閥として有無をいわさず引っ張っていくチーム態勢。この状況を三杉はよく知っている。

三杉「jrユース時代のボクたちのチームもそうだった。そしてそうなったチームはたしかに強い。
   主張や理念など試合の中では技術や精神へと取って代わられる。誰もが勝利を目指しボールを追いかける」

淡々と語りながらリブタの治療を進める三杉。シャルは包帯を巻き終え、薬箱をパタリと閉めてうつむく。

シャル「それでも……このままじゃダメだよ。いくらなんでも相手を狙って怪我をさせる守備だなんて……」

三杉「君の主張ももっともだ。道徳的には君のほうが正しい。だが、ボクたちがいるのは勝負の世界。
   綺麗事だけでは語れない世界で戦っていることを、君も十分学んできたはずだろう?」


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0ch BBS 2007-01-24