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【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】


[440]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/01(土) 12:03:07 ID:???
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//馬術1


「うわっと、と……と!」

演習場の一角に設けられた林の中、情けない声を上げたのは森崎有三である。

「ふう……相変わらず慣れないぜ、馬ってやつは」
「お前が怖がるからだ。馬は乗り手の怯えを敏感に読むからな」

鞍上、バランスを崩しかけた森崎に言うのはトニーニョだった。
共に腕を磨こうと、森崎の誘ったものである。
しかし馬とのコミュニケーションの初歩で四苦八苦する森崎に比べ、仏頂面の白人は
僅かな体重移動と手綱捌きだけでいとも容易く馬を操っているように見える。
こうも腕が違うと、共同訓練というより個人教授に近い。

「ちぇっ……要はナメられてるってことかよ」
「かもな」
「お前にゃそんな素振りも見せやしねえのにな……何かこう、特別な手綱とか使ってるんじゃねえか?
 桂剥きの人参でできてるとかよ」
「……」
「……? おい、トニーニョ」

お前の努力が足りないんだ。
馬鹿なことを言っていないで鍛錬に戻るぞ。
そんな、いつも通りの説教臭い返しを期待した森崎の軽口は、しかし無言によって粉砕される。
見れば、トニーニョはぼんやりと木々の向こうを見ているようだった。
常らしからぬ様子に眉根を寄せた森崎が声をかける。


0ch BBS 2007-01-24