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【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】


[912]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/26(金) 17:48:57 ID:???
何を想像したのか、ピコが怪訝そうな表情で言うのへ森崎がため息をつく。

「おいおい、相手はこそ泥や引ったくりだけとは限らねえんだぞ。
 火付け、押し込み、殺しの捜査、武器弾薬の密輸にテロ、麻薬まで区警の領分だ。
 最前線は命懸け、実戦経験じゃそこらの騎士なんぞ足元にも及ばねえだろうぜ」
『で、あのサムって人は最前線にいたの?』
「知らねえよ、んなこた」
『……』
「ま、ここまで残ってんだ。運もあるかも知れねえが……それだけじゃねえ、ってことさ」

と、森崎が肩をすくめてみせたとき。

「準決勝、第一試合の出場者の方、お願いいたします」

外からかけられた声は、進行を担当する係員のものである。

「おっと……もう出番か」
『なんで最後に試合したキミが第一試合なんだろうね。不公平じゃない?』
「ま、言っても仕方ねえだろ」

不満気なピコの頭を指先でひと撫でして、森崎が立ち上がる。
がしゃり、と金属的な音が響いたのは、天幕の対角線上。
同じように立ち上がった男の、板金鎧が擦れ合って鳴った音である。
がしゃ、ごしゃ、と耳障りな、しかし森崎にも聞き慣れた喧しい音が近づいてくる。

「おう、貴様が噂の東洋人か!」

野太い声の主が、森崎の眼前で立ち止まる。
薄暗い天幕の中、漆黒の鎧に走る無数の傷と修繕の痕が見えた。


0ch BBS 2007-01-24