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【新隊長】異邦人モリサキ3【始動】
[130]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/11/22(木) 19:55:53 ID:???
低く落ち着いた、しかし聞く者に奇妙に違和感を抱かせるような声音。
そしてまた穏やかという印象からは程遠い、それは男である。
浅黒い肌に、焼け焦げた薪のような巻き髪は西洋圏出身の特色だ。
精悍、と呼ぶに相応しい顔つきの中、異質なのは瞳である。
薄い灰色の瞳には、およそ揺らぎというものがない。
感情、衝動、意思、欲求、そういった人というものを構成する一切が、そこには存在しないように見えた。
精巧な硝子細工が眼窩に嵌っているような、そんな印象を与える目を正面から見据えながら
森崎が身振りでカイルに話を促す。
はっとしたように背筋を伸ばし、カイルが口を開いた。
どこまでも職務に忠実な青年である。
「……先ほど申し上げようとしていたのは、彼らの件です」
「……」
「ドルファン陸軍編成部はこの度、外国人傭兵大隊の増設を決定しました」
カイルの選んだその単語に、森崎が片眉をぴくりと上げる。
「増設……? 増員、じゃなくてか」
「申し遅れた」
カイルが何かを答えようとするより早く、正面の男が言う。
その声に、森崎はようやく違和感の正体を感じ取る。
眼前の男の言葉には、人としてあるべき感情が篭っていないのだ。
瞳と同じ、細工物から発せられる音の塊。
嵐の夜に風の鳴る、あるいは瀑布の落ちゆく怒涛のような、声ではなく音としか言えぬ、
そんな音がどうしてか意味を持ったが如き、それは言葉なのだった。
「ドルファン陸軍、外国人傭兵『第二』大隊長、カルロス・サンターナだ。
我が傭兵団三百名、十二月一日付の着任となる」
「第二、大隊……」
森崎の呟きを引き取るように、カイルが続ける。
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0ch BBS 2007-01-24