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【新隊長】異邦人モリサキ3【始動】


[45]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/01(木) 19:55:38 ID:???
「サマになってきたじゃねーか、カイル」
「あ、いえ、その、……あ、ありがとうございますっ」
「……何で仕事から一歩外れるとそうなるんだ、お前?」

苦笑を抑えきれぬ森崎の前で、カイルが少年のような顔を紅潮させている。
こと与えられた任務については完璧に近い仕事ぶりである。
酒保商人との交渉や傭兵大隊の予算管理、軍部との連絡、書類雑務といったものは
既に大方をこの童顔の青年が取り仕切っていた。
管理業務に慣れぬ森崎が丸投げした結果であったが、この形で上手く回っているのだから
問題はなかろう、などと当の森崎は呑気に考えている。

「優秀だよな。よく気がつくし、読み書きも金勘定もできる」
「や、やめてくださいっ」

あわあわと、顔の前で手を振る仕草。
先ほどまで理路整然と報告をまとめていたのと同一人物であるとはとても思えない。

「地元じゃ手代だったんだろ? 何で傭兵なんかに応募しようと思ったんだ」
「テダイ?」
「おっとスマン、商人の手伝い、だ」

怪訝そうな表情を浮かべるカイルに、森崎が訂正する。
うっかりすると慣れた言葉が口をついて出てくるあたり、精神的な弛緩があるのかもしれなかった。
いかんいかん、気を引き締めねば、と内心で反省する森崎を前にして、カイルが口を開く。

「あ、はい。その……えっと」

もじもじと、足先で「の」の字を書くカイル。
急かしても余計に萎縮するか、赤面してまともに言葉が出なくなるかであると分かっていた。
森崎はぼんやりと飾り柱の木目が何に似ているか、などと考えながら待っている。


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