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1- レス

キャプテン森崎外伝スレ12


[940]日はパリより(仮) ◆5qvYBJdbJQ :2017/10/14(土) 21:50:08 ID:pD/LglpY
僕は丘に立っていた。
いつの間にか郊外に移動していたのか。どこか知らぬ小高い丘の上に僕はいて、
暗くなった夜空の向こうにパリの街の光が煌々と輝いていた。
僕の傍に父さんはおろか人っ子1人もいない、ただ1人だけでパリを眺めている。

何の気もなく突如として、3つの太陽がパリから湧き上がってきた。
水滴の着地を逆再生したようだというのが直観である。不思議な事に
3つも火の玉が上がっても空は少しも明るくならず、ぼんやりと暗い空のままだった。

3つの太陽はどれも同じ大きさではない。1つは握り拳ほどもある大きさだが、
もう2つは普段見る太陽より少なくとも1周りは小さい。そのうちの1つの小さい太陽が
不意に大きな太陽の周りに沿って回り始め、大きな太陽はお供を連れて東の空へと飛び去ってしまった。

2つの太陽が地平線の彼方へ消え去った途端。夜空は急に明るくなり、瞬きする間によく晴れた青空へと変わっていた。
残った太陽はいつの間にか真上で光っていたかと思うと、
パサリと音を立て小石が落ちるように呆気なく足元の草むらに転がっていた。

腰をかがめ、手を伸ばして取ろうとすると、地面が揺れはじめた。

(逃げるな!)

倒れるように太陽へと飛び込む。熱い!胸に!胸に!

太陽は何の違和感もなく体に溶け、ガーッと全身を熱で叩きはじめた。
全身を突き刺すような圧で身動き一つもでき



一郎「太郎!」
岬「……んう」

父さんが肩をゆすっている。周りには荷物と天井とリクライニングシートが見える。


0ch BBS 2007-01-24