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1- レス

【イタリアJrは】俺inキャプ森6【弱いはず】


[589]森末(仮):2015/01/17(土) 00:21:50 ID:???
やがて我に返り、自身の反応に自ら驚く岬を尻目に、
少年はニコッとこれまたわざとらしすぎる程に清々しい笑みを浮かべてそのまま立ち去って行った。
後に残ったのは茫然とする岬に、転々と転がる少年が置いて行った"トモダチ"。
しばらく呆けていた岬だったが……それでもようやく転がるボールを回収すると、
改めて少年が去って行った方角を見つめ、物思いに耽る。

岬「(一体……一体、なんだったんだ……?
   初対面の相手に頭で考える前に先に言葉が口から出るなんて、今まで無かった事なのに……。
   それに……これは……この気持ちは……?)」

ボールを持ちながら、不意に岬が瞳を閉じれば……。
その瞼に映るのは、つい先ほどまでそこにいた謎の少年の快活な笑み。
笑顔を得意な顔であると自負する岬から見ても、それはあまりにもわざとらしすぎたものだったのだが……。
それでもそれは、何故か深く深く、岬の心に刻まれてしまっていた。
しかも悪印象ではなく、好印象として。

あの笑顔を見るだけで、気持ちが嬉しくなる。
共に笑いあいながら、サッカーをプレイしたい。

それは遠い昔、岬がまだ利己主義に目覚める前――本当に純粋にサッカーを楽しんでいた頃に、置いてきた筈の感情。
この世界では……少なくとも、このフランスに移り住んだ頃には既に、その感情は失くしてしまっていた筈である。
それを思い出させた――否、「本来あるべき岬太郎」に近づけたのは、間違いなくあの少年の笑顔。

一体あの少年は何者なのか……そして、自分の心に一体何が起こってしまったのか。
岬がそれを知る事になるのは、まだ先の事である。


0ch BBS 2007-01-24