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【前略】鈴仙奮闘記19【向日葵仮面より】


[739]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/08/03(日) 21:33:59 ID:???
――ここに来て、早速問いを胡散臭くはぐらかし始める。
そもそも、これまで具体的かつ丁寧に紫が説明してくれた事自体が奇跡なのである。
霊夢は始めから、これ以上は期待していなかった。

紫「……個人が、個人の好きなように努力をし、そうして人が仙人や天人となり、妖怪が神となる事までは、
私とてそう問題無いと思っていますわ」

紫は、霊夢の問いに応える代わりに、そう前置きをしながら再び話し始める。
霊夢を諭す筈で始めた講釈は、いつしか紫による演説に近い物となっていた。

紫「しかし。もしも「努力」という正義の名の下に、強者が打倒され続け、弱者がより虐げられ続け。
そして、個人の裁量に任されるべき「努力」が、いつしか生きる為に強制され続ける社会となったら?
努力し、強くならなければ、努力を知らぬ怠け者と虐げられ、切り捨てられる。
努力し、強くなっても尚、何時しか来たる下克上の影を見て、疑心暗鬼に陥る。
――もしも幻想郷がそんな社会となったら。 私は、それは幻想郷の終焉と思っています。
何故ならそれは、幻想郷が外界と同質になる事を意味しているから。
……霊夢も、そんな事は望んでいない筈よね?」

――その口調は、最後の呼びかけを除いては、普段の少女らしい物では無く。
千年以上を生き、人間と妖怪の作る多種多様な社会を見続けて来た、「賢者」による重々しい物だった。

霊夢「…………そうね。 私も正直、魔理沙や今の森崎君みたいな変わり者が好き勝手するのは
自由と思うけれど。 それが広まって、いつしかその自由が奪われてちゃあ本末転倒だもんね」

紫「中々理解が早くて助かるわ、霊夢。 ……安心した。
だけど敵は他にも……――と。 これはまた別の話かしら。 御免ね、忘れて頂戴」

言いたい事を告げ、霊夢の考えを聞いて心底安心したのだろう。
紫はそれを最後に演説を止めて再び虚空に亜空間を開き、その身をうずめていく。
紫は最後に一言を言い残して去っていった。

紫「――じゃあね、霊夢。 ……全ては、我々が愛する幻想郷の為に」


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0ch BBS 2007-01-24