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【深遠なる】鈴仙奮闘記24【蒼きフィールド】


[176]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/21(日) 18:04:11 ID:WbgK50x2
松山が考えていた、鈴仙の知る彼らしからぬ理想を聴き、さとりは共感を示す。
彼女もまた、試合において自身のチームメイトを信じ続け、
そして、地上との親交を深めるという理想論的な目標の達成の為尽力していた。
その理想の裏に隠れた、決して無視できない現実の暗さを知りながら。

さとり「……さて。 前提は分かりました。 即ち、貴方が人の絆を信じる清廉な少年であるという事は。
ですが、今の貴方はどちらかと言えばその反対。 つまり、スタンドプレーを好み、他者との関わりを拒絶している。
この理由は一体どうして? そこまでも、かつての過ちに対する罪の意識が深いから?」

松山「……それは半分正解だ。
俺は、かつての俺の罪を許す事は出来ない。 しかし、それ以上にもっと許せない物がある」

鈴仙「あっ。 それってやっぱり……さっきのチームメイト?」

松山「……違う。 俺にとってもっとおぞましく、そして巨大な存在だ」

――ピシッ。

……刹那、世界が再び歪んだ。
暗闇に亀裂が入り、いよいよ松山の本心が露わとなっていく。

松山「……俺は……俺は……!!」

ピシッ、ピシピシッ……!

鈴仙「(胸を締め付けられるような感覚……! これが、松山という少年が抱いていた真の怒りと悲しみ!
これまでは混沌に隠されていたけれど、この感情は鋭く。 そして、淋しい……!)」

先程の襲い掛かる暗闇と比べ、今の変化は外面上大人しいと言っても良い。
しかし、今回の変化はその分、鈴仙の心情に深く訴えかけるような錯覚を覚える。
亀裂からは、次第に今までの黒よりも更に黒い色と……そして、不気味さすら覚える美しい白とが見え隠れていた。


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0ch BBS 2007-01-24