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【深遠なる】鈴仙奮闘記24【蒼きフィールド】


[177]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/21(日) 18:05:36 ID:WbgK50x2
松山「……俺が、世界で一番許せない存在。
それは過去の罪でも、それを出汁に俺を追い詰めるふらのの皆でも無い。 俺は―――!」

バリイ……ンンッ!

やがて、亀裂が完全に割れ、松山の世界は更に深部へと達する。
その世界とはつまり―――完全なる黒と、完全なる白との二色の世界だった。

松山「俺は……過去の罪を許そうとし、あまつさえ自身の罪の責任を無理解なチームメイトに擦り付けようとする。
そんな身勝手な……自分の心に潜む『影』が、一番許せないんだ!」
省63

[178]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/21(日) 18:07:02 ID:WbgK50x2
さとりはポイと、ポケットから何かを影山へ投げつけた。
鈴仙は影だけと化した松山に近づいて、それが何かを確かめると。

鈴仙「これは確か……姫様も持っていたDVDドラマのケース。 それで、タイトルは……!?」

――それは少年向けの特撮ドラマのようだった。
しかし、鈴仙が目を丸くした理由はそのタイトルやストーリーでは無い。
そこには間違いなく、あの時の試合に出ていた矢車の姿が映っていたからだ。

さとり「……矢車想とは即ち、外界の特撮ドラマの登場人物が一人。 省72

[179]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/21(日) 18:09:41 ID:WbgK50x2

鈴仙はどうしても、松山に何かを言いたくて堪らなかった。
誰よりも自身に厳しく、にも関わらず弱い彼を救えずとも、何かを……。

鈴仙「…………」

あまりに強烈な松山の自我を受けて戸惑うさとりを尻目に、鈴仙はこう口を開いた。

A:「私だって、かつて罪を犯した事があるから言うけど。 ――罪やそれを許さない自分も含めて、今の貴方なんじゃない?」
B:「中途半端って言うけれど……中途半端で、一体何が悪いって言うの?」 省28

[180]森崎名無しさん:2014/12/21(日) 18:11:59 ID:89HRSoaA


[181]森崎名無しさん:2014/12/21(日) 18:23:15 ID:gdMJhXp2


[182]森崎名無しさん:2014/12/21(日) 18:30:33 ID:???
Wのおやっさんの台詞が思い浮かんだ

[183]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/21(日) 22:44:23 ID:WbgK50x2
B:「中途半端って言うけれど……中途半端で、一体何が悪いって言うの?」

鈴仙「……私は、正直ほとんど部外者だし。 だから、的外れな事を言うかもしれないけれど」

鈴仙はどうしても言いたくなった。

鈴仙「……中途半端って言うけれど……中途半端で、一体何が悪いって言うの!?」

影山「えっ……?」

鈴仙「――私も、凄く中途半端だから。
昔働いていた場所でも、色々良くしてもらっていたのに、途中で逃げ出したり。 省50

[184]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/21(日) 22:45:58 ID:WbgK50x2
さとりと鈴仙は、互いに地獄を知り、それを乗り越えて来たという点で共通していた。
そうした意味では、この松山の葛藤にも何らかの共感を覚えていたのかもしれない。

影山「……」

影山は影のまま、黙って静かに鈴仙達の言葉に耳を傾けていた。
恐らくは、こうした慰め文句も彼の中では一度考えた内容ではあるだろう。
しかし、それでも、同じ事を自分で考えるのと他者から言われるのとでは意味合いは大きく異なる。 省52

[185]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/21(日) 22:47:18 ID:WbgK50x2
――鈴仙がそう言ったのと同時に、松山の影の上に本来の松山の輪郭が現れ、周囲は白夜のように光る。
その白色は、塗料のように気持ち悪い白では無く。
適度に黒と入り混じった、薄く幻想的で。 とても美しい白色だと鈴仙は思い――意識はそこで途切れた。



***



鈴仙「う、う〜ん……」

??「――目が、覚めたか」

――鈴仙が意識を取り戻した先は、再び地霊殿の暗い牢獄だった。
省32

[186]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/21(日) 22:48:35 ID:WbgK50x2
鈴仙「……松山君は、どうなったんですか? 矢車君が今もここに居るというのは、失敗したって事……?」

矢車「それは逆だ。 むしろ、相棒は酷く感謝している。
――自分を喪いかけ、俺という虚像のヒーローに救いを求める自分を、それで良いと言ってくれた……とな」

さとり「ただ、やっぱり私達の干渉が彼の未熟な精神にとって重荷だったようで。
なので今は、疲れて眠っている状態らしいです」

鈴仙「……そう。 だったら、それはそれで……良かったのかもね」
省60


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