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【レイセンガ】鈴仙奮闘記29【タダシイヨ】


[333]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/04(木) 23:21:18 ID:Cm0uhXRw
パスカル「……いや。やはりこれで耳を隠したんだろう。
名前が書いてあったのは確かに気になるが、それにしたって、面を裏側にしてしまえば問題無いからな」

鈴仙「問題はそこじゃないわね。もっとよく見て、そのタオルの色を」

パスカル「色? べつに、所々白っぽく色落ちしてるとこはあっても、
それ以外は何の変哲も無い、淡いオレンジ色に見えるが……」

鈴仙「そうそうそれそれ! この色落ちして白くなってるところから、耳が透けて見えちゃうのよ!
そして佳歩はこれ以外に耳を隠せる道具を持っていない! だから佳歩はスタッフにドリンクを渡せない。
すなわち、佳歩が下剤を仕込む事はできない! どう、この推理!?」

パスカル「ふ〜む。確かに、推理上大きな穴は見当たらないが……」

鈴仙は完璧な推理だと思って、パスカルにそう豪語する。しかしパスカルの表情は鈴仙の期待よりも芳しくない。
その表情の理由については、再びある程度の余裕を取り戻したらしい佳歩により語られた。

佳歩「……パスカルさんの言う通り、鈴仙さまのおっしゃる推理には致命的な欠陥はありません。
確かに、所々色落ちしているタオルだったら、完璧に耳を隠せるという確証はない……かもしれません。
でも――それって、証拠としては弱くありませんか?」

鈴仙「……え?」


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