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【レイセンガ】鈴仙奮闘記29【タダシイヨ】


[397]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/05(金) 23:12:02 ID:???
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鈴仙「――それにしても、一体どうしたのよ、佳歩? 自分がスパイだなんて……」

佳歩「…………」

鈴仙が声を掛けても、佳歩はその場にへたりこんだままに動かない。
心配になってウサギ達が佳歩の下に群がって来るも、今の論戦で全力を使い果たしたのか、
人形のように虚ろな目をして反応を示さない。

てゐ「……はぁ。もうすぐ試合開始だってのに。――って、まさか」

永琳「――これこそが、本来の聖徳ホウリューズの目的だった。
下剤を飲む飲まないはあくまで副次的な要素に過ぎず、実際は私達の不信を煽り。
そして精神的に消耗させるための作戦だったのかもしれないわね……」

パスカル「そ、そんな! だったら早く止めてくださいよ、エイリンさん!
貴女は最初から分かっていた筈だ、カホはスパイなどしていないと!
彼女のロジックと、その矛盾についてもいち早く気付いていた筈だ! なのに……!」

中山「――気付いていたが。俺達ではどうしようもできない問題だったんだ」

先程まで冷静さを保ってはいたが、やはり普段は気の合うパートナー同士が疑い対立し合うという構図が響いていたのか。
パスカルは柄にも無く感情的に永琳を問い詰めようとするが――それは、中山によって制された。

中山「永琳さんでは、佳歩の暴走を止める事は出来るまい。彼女は聡明であり全知全能に最も近いが。
しかしその実、ませた少女の心の痛みや迷いを癒す事は出来ない。それが出来るのは、同じ心に痛みや迷いを持つ者だけさ」

永琳「……代わりに説明してくれて有難う、中山君」

永琳は中山を労いつつ、掴みかかられたパスカルの腕をそっと元の位置に戻す。
それから、再び鈴仙と佳歩の方へと、静かに視線を向けていた。


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0ch BBS 2007-01-24