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【レイセンガ】鈴仙奮闘記29【タダシイヨ】


[851]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/21(日) 23:26:56 ID:mvW/tvXk
高杉「ケケ、今更天才に助けを乞うのか? ――って、……!?」

大丸「……と、飛んだ……? アラン・パスカルが……飛んだ?」

パスカルは、その次の瞬間、ボールを両脚に挟み、大きく空中を闊歩していた。

布都「な、何……! 今の世の中は、人間も空を飛びうるのか!」

岸田「フライング・ダッチマン……って、それとはまた違ぇよ。……た、多分な」

高杉と大丸の力強いタックルはパスカルが元居た地上を掠り、
布都と岸田の鋭いタックルは、それぞれあまりの威力にフィールドに傷を付けたが、
しかし、それでも彼らが空へと至る事は敵わなかった。


中山「これは……『クリップジャンプ』……!!」

――中山は、パスカルがこの局面で放った技を熟知していた。
天才ファン・ディアスが習得し、来生が何故か覚えており、
翼も遠いブラジルの地で身に付けつつあるというこの大技を、
あのアラン・パスカルが再現してみせた事に、中山は少なからず驚いていた。
……が、その直後に、彼はある意味で納得もしていた。

中山「(ディアスの影に隠れていたパスカルは、これまで彼と共に居続けた事による弊害で、
自身の実力をどこか信じられずに居たのかもしれない。
そしてそれが、単身幻想郷に入り、そこでエース的な存在として頼られる内に、
彼が無意識に封じ込めていた、自身の真のポテンシャルを解放したのかもしれないな……)」


川上「……く、くそっ! だが……お、おれが。俺が……止めてやる!!」

バッ!


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