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【秋空模様の】鈴仙奮闘記36【仏蘭西人形】


[825]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/26(日) 12:48:07 ID:???
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反町「あの……穣子さん」

穣子「一樹君。……ほんとに来てくれたんだね。良かった……」

――反町は試合終了間際に告げられた言葉に従い、夜の校舎で穣子と一緒に居た。
そよ風が木を撫でる音と虫の鳴き声以外に音が無く、
窓の外から覗かせる月と星以外に光が無い世界にたった二人で、他の人は消えてしまったように思えた。

穣子「今日、勝てて良かったね……」

反町「ええ。そりゃあもう。皆のお蔭だとしか言いようが無いです」

普段の素朴で元気な穣子とは違う様子に内心でどぎまぎしながら、
俺は盛大に外しちゃいましたけどね、と反町は苦笑いしながら答える。
穣子はそんな事ないよ1点決めたじゃん、と笑顔で応じてくれたが、やはりぎこちないと思えた。

反町「…………」

穣子「…………」

やがてやってくる沈黙。
反町がお喋りでない以上、穣子が口を閉ざしてしまったら何の会話も生まれない。
暫く二人は、風や虫の音に耳を澄ませるしかなかった。
が、そんな中で不意に穣子が決然と口を開いた。

穣子「……一樹君。やっぱり、あなたは……私達なんかと、一緒にいるべきじゃないよ」


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0ch BBS 2007-01-24