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屁理屈推理合戦withキャプ森
[105]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ
:2017/01/02(月) 23:48:22 ID:4yGz+HWo
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【とある哀れな老人の手記】
「一体、どうしてこんな事に……」
私は何度目かも分からぬ言葉を呟いた。
「私は……死にたくない。まだ何も成し得ていないのに……」
――あれは恐らく、70年程前の事だろうか。
私はサッカーボールを取りに体育用具室に入ったところ、事故により鍵がかかってしまった。
最初は些事と思い、何とか出られる方法を探していたが、具合が悪く、どうしても出る事が出来ない。
助けを待てども、一向に助けは現れなかった。
海運会社の父親が乗った船が難破した事など、私には知りようがなかったし、
浮気相手と再スタートを切りたい母親としては、私は行方不明で失踪した、とした方が都合が良かったのだろう。
「私はプロになって……日本をワールドカップに……」
それが私の夢だった事は、痴呆が激しくなった今も辛うじて覚えている。
もっとも、寝たきりとなって動く事すらままならない今の私にとっては、途方もない夢ではあるが。
……そして、この悪夢のような現実も、そろそろ終わりの時が来たようだ。
「もり……さき……」
――殆どが体育用具室で過ごした、長いようで短い人生の走馬燈が走る。
そんな時に、何故その単語が浮かんだのかは、私にもよく分からない。
ただ分かったのは。果たせぬ夢を抱いたままであっても、永遠の眠りは等しく穏やかで安らかであるという、
たった一つの真実のみだった。
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0ch BBS 2007-01-24