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屁理屈推理合戦withキャプ森
[392]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ
:2017/03/01(水) 00:51:59 ID:???
気付けば、その子は笑っていた。口元を歪めて、泣き声以外の音を出そうとしていた。
……笑うって、どうやるんだっけ。彼はそれすらも判らない様子だった。
そう。その子は――彼は、何も知らない。無垢な赤子に罪は無いのだ。
そして彼は決して、彼の父親と同じようにはなるとは限らない。彼には、無限の可能性が残されている。
「――何、笑ってんのよ……!」
……にも関わらず、私は、その無垢さが泣き声以上に腹立たしかった。
全てを失い、暗闇の狂気に囚われた私は、光を掴もうと笑うそいつが憎らしかった。
「……今、……笑ったか? ……俺の事を……笑ったか?」
サッカーは楽しいが、男のスポーツだ。女はマネージャーとして男を支えるべきだ。
少なくともふらのの町では、その認識が絶対だった。
だからこそ、私は小さいときからずっとサッカーに夢中であるとともに――自分の性別を偽り続けて生きて来た。
「俺」の一人称は使い慣れているし、好きだ。使っていると、自分も強い男になれる気分になれるから。
…………。
私の表情に本能的な恐怖を覚えたのか、赤ん坊はもはや笑っていなかった。
しかし、私の怒りは、私の狂気は、私の憎しみは――もう止まらない。
「……笑うな。……笑うな。……笑うな笑うな笑うなワラウナワラウナァアァァァ!!」
女の癖に男のスポーツをして、男に勝って、でも結局は力に負けてしまう道化な私を笑うな。
お前もあいつらと同じ男だ。結局は私の事を笑うんだろ?そうに決まっている。
ふざけるな。何がママだ。何が母親の務めだ。何が母性だ。
世間一般で語られる赤子に対する印象など、今の私には無い。あるのはただ殺意だけだ。
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0ch BBS 2007-01-24