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【赤と8ビットの】キャプテン岬【物語《ロマン》】


[324]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/05/27(日) 20:09:00 ID:4HTfgGS2
ドアマンに案内されてルドワイヤンに入る。予約の確認が済んだ後、今度は食事の用意が出来るまでと、
ウエイティングコーナーへと案内された。細かい柄の絨毯、壁の美しい装飾、
落ち着いた明るさの照明が部屋に満たされている。

芸術的な待合室の様子にうっとりとしかかっていると、
部屋の中央近くの椅子で葉巻をくゆらせている壮年の紳士を見かけた。

顔つきは長嶋茂雄をフランス人にして、社交界の風に慣らした風といった方が良いだろうか。
眉は濃く目鼻の彫りは深く、貫録がありながらもどこか飄々とした風を漂わせている。
何やら雑誌を読んでいるようだが、僕らに気付くとパタリと閉ざし、
にこやかな笑顔を向けて歩み寄ってきた。

紳士「ムッシューミサキ、遠路はるばるよくお越しになりました」
岬父「ムッシューマルシェ、こちらこそ一介の異邦人への心遣い痛み入ります」

鷹揚に遠方の客をねぎらう相手に、父さんは東洋的微笑を卑屈にみられない程度に浮かばせて
礼を返す。
この人が今日の会食の相手、パリ特別市党第一書記ジャコブ・マルシェその人なのだろうが、
この人もオーダーメイドのランパン・オン・ブルーのスーツを小粋に着こなし、
ピシリとしながらも華やかさを失わないオーベルシーの革靴でスラリと立つ様は、
とても「労働者階級の前衛部隊」指導者層のいで立ちとは思えない。

こうした思想的、社会階級的矛盾を目の当たりにしているうち、相手は父さんから僕の方に向かい、
親し気に僕へと話しかけてきた。

マルシェ「モン・プサン(※)、フランスへようこそ。君を見ると羨ましくなる、
     私も君ぐらいに聡明な子供だったら、もっと幸福な子供時代を過ごせただろうに」
岬父「いえいえ、愚息にそれは褒めすぎです。私ともども至らぬところばかりですよ」
岬「ど、どうも、初めまして。岬太郎です」


※:直訳は「ひよこ」、他人の子供を呼ぶときの愛称の1つ。


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0ch BBS 2007-01-24