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【赤と8ビットの】キャプテン岬【物語《ロマン》】
[326]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI
:2018/05/27(日) 20:12:46 ID:4HTfgGS2
給仕「こちらドラモットのブラン・ド・ブランになります。料理が出来上がるまで、今しばらくお待ちください」
食前酒にシャンパンが(僕にはガス抜きの水が)運ばれ、並々とグラスに注がれる。
グラスが置かれたテーブルのクロスはアラベスク模様の白レースで、
下に敷いている深紅色のサテンも相まって、しっとりとした煌びやかさを放っている。
父さんとマルシェはウェイターに軽く会釈を交わした後、グラスを目の上に挙げる。
マルシェ「日仏社会主義の連帯に」
岬父「代わることの無い両党の友好に」
マルシェ「A votre sante」
岬父「ア・ヴォートル・サンテ」
岬「乾杯」
互いに視線を交わした後、すっと飲み干しグラスを空にする。
グラスをテーブルに置きちらりとウェイターの不在を確認した後、
相手はおもむろに懐から厚く膨れた封筒を取り出し、父さんに差し出した。
マルシェ「早速ですが、こちらを受け取っていただきたい。ここにあなたの仕事に不可欠な
同志の住所、電話番号、職業、人脈等個人情報が記載されている」
父さんが封筒を開けると、何枚もの紙には全て達筆なフランス語がぎっちり詰まっていた。
文章をじっくりと熟読している間、僕はさりげないほほ笑みを浮かべながら、じっと黙っていた。
内容からして真っ当な仕事でない以上、迂闊に話すと迷惑になる。
気にはなるが相手が話を振るまで待つほかない。
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0ch BBS 2007-01-24