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【赤と8ビットの】キャプテン岬【物語《ロマン》】


[538]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/07/21(土) 17:17:13 ID:MntFltFA
流れてきたのは『大地讃頌』だった。日本でも5年生の時卒業生に向けて、皆で歌った事のある合唱曲だ。
父さんにその事を話したら、何か遠い目をどこかに向けた後、感慨深く話したのが印象に残っている。

岬父「そうか。もう『仰げば尊し』じゃないのか」

昔よりは教師も厚かましくなくなったなとか、あれこれ口にしながら時の流れを感じていたのが、子供心にもよく分かった。
そういった人生の感慨といった面だけではなく、僕はこの曲を気に入っている。
人は小さく、大地は大きく偉大で、尊い。自分の存在が小さくなりながらも縮こまらず意気が清く力強く広がっていく。
天井一面に広がる宗教画のような静かな迫力をもたらすこの曲が大好きだ。

目の前で歌ってくれている絹代と直の歌声は、まさに昔感じた感動を呼び起こすものだった。
歌声を聴いているだけで心がおごそかになり、どこか寂しさを感じる声調を聴いているうちに、
危うく入部を希望しそうになりそうだった。
そうなるところを食い止めたのは僕のサッカーに対する夢と、夕子のおかげに他ならない。
といってもこのそばかす嬢が僕に気持ちを改めるよう説得したわけではない。
彼女の歌声が他2人に比べ著しく音痴であるために、どうにか変心を免れる事ができたのだ。
音が外れ発する声がグラグラにゆれる。音程はカナダにでも旅行へ出たのか、行方が分からない。
正直に言えば僕の歌も彼女と同じぐらいであり、ここで僕も音痴だと告白すれば、
もしかしたら少しは打ち解けていたかもしれない。


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