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【赤と8ビットの】キャプテン岬【物語《ロマン》】
[61]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI
:2017/12/10(日) 17:14:50 ID:???
後から思い返せば返すほど、あそこは現実のパリに存在しないような気がしてならない。
この後何年もの間、僕はパリのあちこちを歩き回ったが、maison(メゾン)はただこの
1軒しか見つからなかった。
そしてこのmaisonは世の雑音喧騒を水で打ち鎮めたような、浮世離れした空気をまとっている。
後ろのマロニエに日光が遮られ、木洩れ日に照らされる壁は山葡萄のつたが所々覆っており、
ドアのふちはゼラニウムで飾られている。
いつの間にか来てしまった異世界に、ふーうと大きくため息をつく。つき終わると
何故か心がなごやかになる。もっと眺めていようとmaisonに向けて歩き出すと、
木の扉がキイイと開き、1人の少女が現れた。
年頃や背丈は僕と同じくらい、顔つきや肌の色からして間違いなく東洋人、そしておそらくは日本人だ。
両耳から1房ずつ髪の毛を垂らし、後ろ髪はシニョンでまとめ、利発そうな瞳の前に
赤ふち眼鏡をスマートにかけている。可愛らしいが怜悧な印象を受ける少女だった。
これから店先の掃除をしようというのだろう、身長よりやや小さい竹箒を両手で胸元に抱えている。
少女は僕に気付く様子もなく、サラッサラッと店先を掃きはじめる。
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0ch BBS 2007-01-24