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【赤と8ビットの】キャプテン岬【物語《ロマン》】


[646]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/19(日) 00:36:37 ID:1d+YvWAA
優「岬さん、今のお姉ちゃんに近づいちゃ危ないです」
岬「姉さん?あの人優の姉さんなの」
優「はい。いつもは優しいお姉ちゃんですけど、どうしてか時々あんなになって、
  ああなると怖いですから、危ないです」

ギュッと掴んで離そうとしない。確かにあの鬼気迫る表情を見ると、下手に触ると
こっちまで火の粉が飛んできそうだ。そう思って優と共に目の前のいざこざを眺めているうちに、
少女の手が勢い余ってシャルポワの手首をはたき、カートリッジが勢いよく宙を舞う。

あっ、と声を上げたのは優だ。そしてほとんど同時に、大事に抱えていたキャンパスなどの画材を僕に押し付ける。

優「すみません!」

言うなりバッと道路へ走り、最後はわき目もふらずに飛び込み2本とも無事にキャッチした。
だがそこは道路のど真ん中、それもパリ中心部の大通りである。車が来ない訳が無い。


グオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!
ギイイイイイッ!


案の定、大型トラックが優に向かってきている。相手も気付いたのだろう、
急いでブレーキを踏んでいるが、スピードが速すぎて到底間に合いそうにない。
1トンや2トンでは済まない大型車だ。轢かれたらひとたまりもないだろう。


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