キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【さらば】キャプテン森崎29【友よ】

175 :2 ◆vD5srW.8hU :2008/11/14(金) 14:32:14 ID:???
ギルド「(………ダメ、なのか)」

実況が告げた通りロスタイムが始まった。審判が時計を見始め、観客席のあちこちから無数の感情を込めた叫び声が上がる。
そんな中西ドイツJrユースの監督マイケ・ギルドは絶望と後悔に押し潰されて頭を垂れていた。

ギルド「(サッカーでは何が起こるか分からない。日本の勝率だってある程度はあった。それは十分に分かっていた筈だった。
だが…1−3だと?あの幻のGKミューラーが3点も奪われ、西ドイツの希望の星のシュナイダーがたった1点しか取れない…
内容は悪くなかったが、そんな事は言い訳にすらならない。純粋にチームとして劣っていたのか?選手達が油断していたのか?
それとも…それとも私のせいなのか?私がもっと上手く選手達を導いていれば、この結果にはならなかったのか?)」

放送「ロスタイム1分経過!掲示されたロスタイム4分のうち既に3分しか残っていません!
最早誰もが日本の勝利を否定できません。しかしそれでも西ドイツの選手達は走り続けます!」

ギルド「(私はここに座っている事しか出来ない…彼らと共に汗を流す事すら出来ない…)」

ギルドはただただ項垂れている事しか出来なかった。だから選手達の様も目に映らなかった。
しかし項垂れていても耳は閉ざせない。何時しか観客のざわめきが消え、放送だけが喋っている。

ギルド「………?」

静けさと言う名の音は彼の耳に届き、彼に顔を上げさせた。そしてマイケ・ギルドは気付いた。
諦めや開き直りではない、言葉にしにくい感情で戦っている彼の選手達の姿に。



琴音「………なんだか、凄い。良く分からないけど、凄い」

あずみ「…きっとこれが、サッカーが世界で最も人気があるスポーツである理由なんですよ」

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0ch BBS 2007-01-24