キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【さらば】キャプテン森崎29【友よ】
1 :
2
◆vD5srW.8hU
:2008/11/11(火) 08:18:42 ID:???
漫画「キャプテン翼」のSGGK・森崎有三くんの視点で小学生時代〜Jrユース編を(いつかは)
テキストゲーム化しようという企画スレです。以前は"1”氏が書いておられた物ですが、諸事情により
続けられなくなった所を私、"2”が引き継いだ物です。
基本は毎回出る選択肢の中から第三者(ロムしている人)が、どれかひとつを選ぶ事によって
森崎くんの各数値が上下したり、結果が分岐し、その結果によって、森崎くんが活躍したり
しなかったりして物語が進んでいく…といった展開です。(サウンドノベルみたいな感じ)
過去スレのログはこちらのまとめページで見られます↓
http://www32.atwiki.jp/morosaki/pages/1.html
選択肢、ミス指摘、質問以外の雑談は混雑しそうな時はこちらでお願いします。
本スレでも進行毎に15レス程度までの反応レスなら問題無しとしています。
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1221232179/l50
2ちゃんねるとは別の場所の板なので、ブラウザによっては外部板登録が必要です。
なんらかの理由で雑談スレが落ちている時は、本スレでも遠慮なく雑談をどうぞ。
【前スレまでの簡単なあらすじ】
全国中学サッカー大会で優勝した森崎の今度の戦場はヨーロッパです。投票によって選ばれたキャプテン森崎率いる
全日本Jrユースは西ドイツのハンブルグと5−5の引き分けを演じてからダークホースと言う評判と共に
第一回フランス国際Jrユース大会に乗り込みました。そしてグループ予選でイタリアを4−1、アルゼンチンを4−3で下し、
準決勝でフランスを4−1で倒した全日本Jrユースはとうとう決勝戦に辿り着きました。決勝の相手は
皇帝カール・ハインツ・シュナイダー率いる西ドイツJrユース。前半に翼がケガと引き換えに先制点を奪い、
更に後半三杉が命懸けの特攻で追加点を奪って2−0と健勝ムードが漂い始めますが、後半19分
遂にシュナイダーに1点返されてしまいます。その後も西ドイツが猛追撃をかけましたがなんとか
全日本がカウンターチャンスを掴んだ所で試合時間はもう10分足らず。果たして森崎達は勝ち切れるのか、それとも?
…こんな感じで話は進んでいます。
468 :
2
◆vD5srW.8hU
:2008/11/22(土) 00:43:38 ID:???
??「きゃっ!」
ドシン。トサッ。
松山「あ、ご、ごめん!大丈夫か!」
物思いにふけりながら歩いていた松山はすれ違った女の子とぶつかり倒してしまった。
藤沢「だ、大丈夫。下は雪だ…し…」
松山「………あ」
慌てて助け起こした次の瞬間、彼と女の子、藤沢美子は目を丸くして固まった。彼女こそがかつて
松山に想いを込めた鉢巻を放棄され、失意の中にアメリカに旅立つ事になった元ふらの中サッカー部マネージャーである。
松山「………え、えっと…アメリカに、居る筈じゃ…」
藤沢「…戻ってきたのよ。お父さんの仕事が終わったから」
松山「そ、そうなのか。それは、良かった…んだよな、うん…」
469 :
2
◆vD5srW.8hU
:2008/11/22(土) 00:44:35 ID:???
468はフライングです。失礼しました。
470から改めて。
470 :
2
◆vD5srW.8hU
:2008/11/22(土) 00:44:49 ID:???
〜北海道、ふらの高校〜
松山「ハァ〜…」
自分の番号が合格者リストに載っているのを確認して松山は安堵の溜息をついた。
根が心配性の彼は周りが大丈夫だと言っても中々自信を持てず、いままでプレッシャーを持て余していた。
松山「無事受かって良かったァ。これで新しい学生生活が…ハァ〜…」
松山はまた溜息をつく。今度はそれは安堵ではなく苦々しい思い出の為だった。
全国大会ベスト4まで行き、更に日本代表として一定の成果を収めた彼はふらの中で英雄扱いされてもおかしくなかった。
しかしマネージャーの気持ちを踏みにじった事件がJrユース大会中に知れ渡ってしまった事で、
彼に向けられる視線は想いの他冷たくなった。元が誠実な男前と言う評判だったので落差も激しかった。
女子から軽蔑されただけではなく、今までサッカー部になけなしの予算を取られていた他のクラブはここぞとばかりに
彼のネガティヴキャンペーンを張った。彼と苦楽を共にしたサッカー部の仲間達は各々の進路の為に
散らばっていってしまい、松山は孤立無援で肩身の狭い思いをしながら中学生活を終えるしかなかった。
松山「(でも大丈夫だ。ふらの中からここに進む奴らは多くないし、ここでもう一度清々しい学生生活を送るんだ!
まずはサッカー部に挨拶に行こう、俺の実力と知名度ならきっと断られない筈…)」
471 :
2
◆vD5srW.8hU
:2008/11/22(土) 00:45:03 ID:???
??「きゃっ!」
ドシン。トサッ。
松山「あ、ご、ごめん!大丈夫か!」
物思いにふけりながら歩いていた松山はすれ違った女の子とぶつかり倒してしまった。
藤沢「だ、大丈夫。下は雪だ…し…」
松山「………あ」
慌てて助け起こした次の瞬間、彼と女の子、藤沢美子は目を丸くして固まった。彼女こそがかつて
松山に想いを込めた鉢巻を放棄され、失意の中にアメリカに旅立つ事になった元ふらの中サッカー部マネージャーである。
松山「………え、えっと…アメリカに、居る筈じゃ…」
藤沢「…戻ってきたのよ。お父さんの仕事が終わったから」
松山「そ、そうなのか。それは、良かった…んだよな、うん…」
472 :
2
◆vD5srW.8hU
:2008/11/22(土) 00:45:33 ID:???
パニックを起こししどろもどろになる松山を見て逆に冷静になったのか、藤沢は溜息をつきながらコートについた雪を叩き落とした。
藤沢「手紙で知っているの。貴方があの後学校の皆にどんな扱いを受けたか」
松山「あう…」
藤沢「最初はいい気味だって思ったけど…よく考えたら、別に松山くんが私の気持ちに気付く義務なんてなかったのよね」
松山「えっ?」
藤沢「安心して。もう済んだ事で、松山くんの悪い噂を流す気は無いから」
松山「ふ、藤沢…」
思いの外寛大な言葉に涙ぐみそうになる松山。しかし踵を返していく藤沢の表情は決して暖かくなかった。
藤沢「もっとも…その鈍感さを何とかしないと、一生女の子には相手にしてもらえないと思うけど」
松山「うっ………」
ソフトに拒絶され肩を落とす松山。更にとぼとぼと向かった先のサッカー部では先輩達が3月だと言うのに雪かきもせず
麻雀に勤しんでいるのを見て愕然とする事になる。松山光、15歳の高校生ライフは間違いなく前途多難であった。
473 :
2
◆vD5srW.8hU
:2008/11/22(土) 00:47:07 ID:???
誤爆してしまいましたが、今日はここまで。
森崎は一人で良いです。増えるのは中里と立花兄弟とリ兄弟だけでいいです。
474 :
マロン名無しさん
:2008/11/22(土) 01:03:14 ID:???
かわいそうな松山を日向の力で東邦に!
だって、北海道じゃサッカーも高校生活も無理だよ、もう
475 :
マロン名無しさん
:2008/11/22(土) 01:06:15 ID:???
松山ァー!
もらい泣きしそうだよ俺
2さん、中国戦もあるんですね!
楽しみにしてます
476 :
マロン名無しさん
:2008/11/22(土) 01:15:52 ID:???
いや中国はWYにもあったか
リ兄弟にルー、飛翔、王、肖などが加わったら賑やかだな
477 :
マロン名無しさん
:2008/11/22(土) 01:17:01 ID:???
ふらの中はなあ…
これほどカードの引きによって負のイメージが強化されていったチームもなかったw
478 :
マロン名無しさん
:2008/11/22(土) 02:14:47 ID:???
中国は王を中盤に下げてリ兄弟と飛翔の3トップかな?
479 :
マロン名無しさん
:2008/11/22(土) 03:00:33 ID:???
そういやワールドユース編最終回で森崎だけ翼の結婚式呼ばれてねーんだよな
画像見て唐突に思い出したが
480 :
マロン名無しさん
:2008/11/22(土) 04:04:09 ID:???
このスレの翼なら正直やりかねないが、原作だとどうだろう。
写真を撮っていたのが森崎ってところじゃないのか?w
481 :
マロン名無しさん
:2008/11/22(土) 18:08:56 ID:???
藤沢やな女になっちまったな
482 :
マロン名無しさん
:2008/11/22(土) 19:46:03 ID:???
2のキャラクターは総じて黒いからな
483 :
マロン名無しさん
:2008/11/22(土) 20:03:15 ID:???
正直こんな女とは付き合わなくて正解だろw
484 :
マロン名無しさん
:2008/11/22(土) 20:12:12 ID:???
そこで「実はオレ、女なんだ」イベントですよ!
あのときは惜しかった…
485 :
マロン名無しさん
:2008/11/22(土) 22:28:13 ID:???
小田あたりが藤沢と付き合うと面白そうw
486 :
マロン名無しさん
:2008/11/22(土) 22:56:16 ID:???
普通に藤沢がツンデレに見えた俺はギャルゲ脳
487 :
マロン名無しさん
:2008/11/22(土) 23:56:27 ID:???
>>2
さんは腹黒キャラ作るの大好きだなww
488 :
マロン名無しさん
:2008/11/22(土) 23:59:18 ID:???
藤沢に関しては黒いと思わん
単なる忠告じゃね?
489 :
マロン名無しさん
:2008/11/23(日) 00:19:33 ID:???
藤沢「手紙で知っているの。貴方があの後学校の皆にどんな扱いを受けたか」
松山「あう…」
藤沢「最初はいい気味だって思ったけど…よく考えたら、別に松山くんが私の気持ちに気付く義務なんてなかったのよね」
松山「えっ?」
藤沢「安心して。もう済んだ事で、松山くんの悪い噂を流す気は無いから」
腹黒
490 :
マロン名無しさん
:2008/11/23(日) 00:25:11 ID:???
どこがよ
491 :
2
◆vD5srW.8hU
:2008/11/23(日) 00:35:13 ID:???
〜秋田県、とあるスキー場〜
シャシャアアアアアアアアアアアアアアーッ!!
志望校の秋田商工に二人揃って無事合格した立花兄弟は、合格祝いを兼ねてスキー場で滑っていた。
政夫「分かってるな、和夫!競争だ!」
和夫「おう!負けたら晩飯奢れよ!」
その気になればシンクロナイズドスケーティングならぬシンクロナイズドスキーイングも出来る二人だが、彼らは今あえて
兄弟間で競い合う事で一人一人の能力を上げようとしていた。Jrユースであまり出番がなかった二人は
『二人一緒じゃないと役に立たない』と見られていたのが原因だと判断し、一人でも活躍できる力を身につける事にしたのである。
スキー客「な、なんだあの二人!?」「は、速い、速すぎる!」「キャーッ、飛んだ!…って一回転して着地!?」
「何処のプロだあいつらは!」「スキー場荒らしか!?」「つーか、あんな危ない二人が居るんじゃ滑れないぞ!」
余談だが、白熱しすぎた二人の勝負は運営側に止められ、この日は決着がつかなかったらしい。
〜大阪府、立波高校〜
早田「(しっかし、世界大会でベストイレブンまで行ったこの俺様に奨学金すら出さないとは…
やっぱ遅れに遅れまくった日本サッカーは俺たちの世代で変えるっきゃないな!)」
早田は地元の立波高校に進んだ。最初はサッカーレベルの高い高校にサッカー推薦入学をしようとしたのだが、
DFと言う目立たぬポジション故か彼を高く評価した学校は無く諦めて普通入学する事になったのである。
492 :
2
◆vD5srW.8hU
:2008/11/23(日) 00:35:43 ID:???
早田「(正直言ってここのサッカー部はそこまで強くない。全国上位を狙うなら俺自身が一年の頃から
有望な奴をスカウトしていかないと…おお、早速あそこにガタイが良い奴が!)おーい、そこのデカい奴!」
中西「ん、ワイのこ、と…か…?あ、あんさんは!?」
入学式もサッカー部への挨拶も済ませていない内にいきなりスカウト活動に勤しむ早田。
彼が最初に声をかけたのは、かつてのキーパー、現相撲取りの中西太一であった。
かつて自分を文字通り叩きのめした早田が自分と同じ高校を選んでいたとは
夢にも思っていなかった中西は仰天し恐怖で縮こまってしまうが、早田は構わずマイペースにしゃべり続けた。
早田「そう、お前だよ。なんだ、俺の事知ってるのか?ヒュー、有名人は辛いねえ」
中西「(有名人?なんのこっちゃ…しかもひょっとしてワイの事忘れとるんか!?)」
早田「お前ちょっと肉がつきすぎだが、シェイプアップすれば良いGKになるぜ!俺と一緒に全国を目指そう!」
中西「(いいいっ!?いやや、こいつと一緒にサッカーなんていやや!)い、いや、ワイは…その、うどん屋になるんや!
すんまへん、ワイは日本一のうどん屋を目指しとるさかい他の事なんてやっとるヒマあらへん!」
中西は早田怖さに必死にサッカー復帰を拒んだ。すると早田は意外にもあっさりと引き下がる。
早田「なんだ、うどん打ちか…他にやりたい事があるんならしょうがねえな」
中西「(ホッ…)」
早田「ん?うどん…うどんとデブ…うどんとデブとサッカー…?」
中西「(げげげっ!?お、思い出すな、思い出すんやない!)ど、ど、どないしたんやあんさんさん?」
早田「なんでどもってるんだよ。お前見てると何か思い出しそうなんだが…まあ気のせいだな、ハッハッハ!」
中西「(な、なんでやねん…これはこれで納得いかへん…)」
493 :
2
◆vD5srW.8hU
:2008/11/23(日) 00:36:00 ID:???
〜長崎県、比良戸中〜
佐野「合格おめでとうございます次藤さん!…でもなんでジャージ姿なんですか?」
次藤もまた地元の国見学院を受験し合格していた。しかし合格発表日にも関わらず
次藤は学ランではなくジャージを着スパイクを履き佐野達の前に立っていた。
次藤「なんば言っちょるばい佐野。ワシがここにこの姿でおる以上答えは一つしかなか!」
佐野「…つまり、受験シーズンに溜まったストレスを発散させろ、と」
次藤「ガッハッハ!せめて後輩達ば最後に鍛え直す位の建前はつけるタイ!」
比良戸中メンバー「建前って自分で…」「次藤先輩らしいけどな!」「こりゃあ今日の練習はキツくなりそうだな!」
体験入部部員達「あれが日本代表まで行った次藤先輩…」「ここのOBだって聞いてたけど、今日会えるなんて!」
本音を隠そうともしない次藤のノリの良さに後輩達が苦笑し、入学を目前に控えた新入生達が
これが日本代表の貫禄かと感心する。その内の一人が笑いが途絶えない中元気良く手を上げた。
新入生A「はいっ、次藤先輩質問です!」
次藤「おう、威勢が良かね。何でも聞くばい!」
494 :
2
◆vD5srW.8hU
:2008/11/23(日) 00:36:19 ID:???
新入生A「他の人は皆標準語なのに、次藤先輩だけ地の喋りなのはキャプテン特権ですか?」
比良戸中メンバー「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「!!!?」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
佐野「あ………」
体験入部部員達「あっ、それ俺も気になってた」「規律を重んじる為にキャプテン以外は標準語って言うルールなんだろ」
次藤「………うぐぁあああああああああああああああああああああああああああ〜〜〜〜〜っ!!!」
ドガッ!ドガァッ!ゴガシャッ!バキィッ!
体験入部部員達「あべしっ!」「ひでぶっ!」「ぴぎゃっ!」「ままー!」
じとうくん ごういんなドリブル!
しんにゅうせいAくん ふっとばされた!
しんにゅうせいBくん ふっとばされた!
しんにゅうせいCくん ふっとばされた!
しんにゅうせいDくん ふっとばされた!
この年、比良戸中サッカー部は新入生が中々入ってこない事に悩まされたらしい。
佐野「トホホ…明太子が舌にしみるぜ…」
495 :
2
◆vD5srW.8hU
:2008/11/23(日) 00:41:45 ID:???
今日はここまで。南葛高校と東邦学園は普段目立っている分
回収すべき伏線とかが残っていなくて描写が随分短くなっちゃったのがちょっと残念。
そしてあの藤沢美子が腹黒に見られるとは…普段の己の業を思い知った気分です(笑)。
496 :
マロン名無しさん
:2008/11/23(日) 01:00:40 ID:???
>藤沢「安心して。もう済んだ事で、松山くんの悪い噂を流す気は無いから」
ここでしょう。
藤沢「安心して。もう松山くんの悪い噂を流す気は無いから」
藤沢「安心して。もう済んだ事。(私は)松山くんの悪い噂を流す気は無いから」
で、完全に逆の人間になるw
497 :
マロン名無しさん
:2008/11/23(日) 01:52:38 ID:???
藤沢はただのツンデレだろ
腹黒キャラは岬の女がいるからもういらん
498 :
マロン名無しさん
:2008/11/23(日) 01:55:15 ID:???
てめえのいるいらないなんて(ry
499 :
マロン名無しさん
:2008/11/23(日) 10:40:47 ID:???
あとは若林かな?
あいつドイツで叩かれてるだろうなァ・・・・・
練習試合の5失点はテレビ放映されて西ドイツの国辱キーパーになり
日本戦では大口叩いた挙げ句ディアスのシュート一本も止められず3失点で日本の国辱キーパーにもなったが
500 :
マロン名無しさん
:2008/11/23(日) 12:47:08 ID:???
俺が若林だったら死にたくなる
501 :
2
◆vD5srW.8hU
:2008/11/24(月) 00:39:36 ID:???
森崎「ま、当分あいつらと同じチームになる事も無いだろうし、どうでもいーか」
翼「どうでも…って、4年後のワールドユースでまた一緒になる筈だぞ。アジア予選もあるんだから実際は3年後だ」
森崎「3年ねえ…果たしてお前、そんだけ長くブラジルで持つのか?」
翼「そのセリフ、そっくりそのまま返すのも面倒臭いな」
何時も通り決して友好的とは言えない会話をかわしあいながら何時の間にか南葛中に来ていた二人。
こっそり覗き見していると南葛中と大友中の練習試合が行われていたが、両チームのメンバーは
彼らが見慣れていた自分達ではなく新しい世代になっていた。
新田「南葛にV4は有り得ん!この新田瞬様が静岡に居る限りなあっ!」
山森「悪いが俺は負ける訳にはいかない!先輩達の常勝伝説は俺たちが引き継ぐんだ!」
古尾谷「プレス甘いぞ!皆もっともっと走れ!」
森崎「おー、やってるなあ。スコアは…前半15分で、1−0でうちがリードか」
翼「山森の年代には大した奴が居ないから、来年も南葛中が全国制覇できるかな」
森崎「(古尾谷先生も相変わらず当たり障りの無い指示しかださねーな。俺としちゃ有り難かったんだが)」
翼「ん?なんだあの女の人は。試合を見たいのならあんなにコソコソ木の陰に隠れたりしなくてもいいのに」
森崎「!………関わり合いにならない方が良いぞ。それにそろそろ時間だ」
琴音「あああ〜…山森くぅ〜ん…」
502 :
2
◆vD5srW.8hU
:2008/11/24(月) 00:40:19 ID:???
ひとしきり南葛市内を見て回った二人は幾分余裕を残しながらバス停にたどり着く。
だが、そこで二人を待つ様に立っていた人影が目に入るに連れ二人の足が止まった。
翼「あれは…」
森崎「…チッ、しょうがねえな。3分時間を潰してきてやる、それまでに済ませろよ」
翼「…すまない」
森崎が踵を返すのを確認してから翼は自分を待っていてくれた早苗に駆け寄った。
一方で仏頂面のままわき道に入った森崎は、今度は自分を待っていてくれた存在を発見する。
中山「おっ、そっちから来てくれたか。助かったぜ」
森崎「中山!なんでこんな所に…」
中山は補助用の杖を地面に突き立てながら壁に寄りかかっていた。足下には使い古した感じが強いボールがある。
中山「いや、見送りに来ようと思ったらあの娘…南葛のマネージャーで翼の彼女だよな?先に来てたみたいでさあ」
森崎「彼女かどうかは知らんが…ま、あの場所には居たくないよな。独り者としちゃ」
中山「違いないな。ハハハ」
森崎「やれやれだぜ。ハハハ」
503 :
2
◆vD5srW.8hU
:2008/11/24(月) 00:41:14 ID:???
中山「おっといけない。後どれくらい時間があるんだ?」
森崎「ん〜…約束の時間に空港につくバスがここに来るまで後3分ってトコだな」
中山「そうか。それじゃ急がないとな…」
森崎「………」
二人の間にもどかしくもどこか心地良い沈黙が流れる。
中山「なんだか、色々言いたい事はあったんだが…実際に会っちゃうとどうでも良いって気分になるな」
森崎「でも、ブラジルへの国際電話は高いぜ〜?郵便代だってバカにはならないし」
中山「マジかよ。そりゃ地球の反対側だからある意味当然かも知れないが…」
森崎「だから、言いたい事があるならさっさと言っといた方が良いぞ。あ、餞別も大歓迎だ」
中山「ん〜…そうだな。じゃあ、俺に出来る最高の餞別をさっさと済ませちゃうか」
森崎「?」
中山は壁から背を離し杖の両端を両手で持った。そしていぶかしむ森崎が見守る中、右足を振り上げ…
パキャッ!
乾いた破裂音と共に杖を真っ二つに割った!
森崎「なっ…!」
504 :
2
◆vD5srW.8hU
:2008/11/24(月) 00:42:26 ID:???
呆気に取られた森崎を尻目に中山は駆け出した。足下のボールと共に。杖を使わず、自らの足で。
中山「待っているぞ、森崎!3年後の全日本ユース合宿で、また会おう!」
そのドリブルは森崎から見れば下手だった。Jrユース大会では雑魚以下とされただろうし、
かつての中山自身のドリブルにあったキレや優雅さは影も形も無かった。
だが、今この瞬間の中山のドリブルを止める事は誰にも出来ないだろう。森崎は何の根拠も無くそう思った。
森崎「ハッ…バ、バカヤロー!!治ったんならさっさと言え、今の今まで心配していた俺はなんだったんだー!
このスカポンタン!そんなお子様ドリブルが世界に通用すると思ったら大間違いだぞー!ちゃんと練習しやがれえっ!!」
翼「おい、森崎!バスが来たぞ、早くしろ!」
森崎「なにィ!てめえの都合で時間潰させやがった癖に…どいつもこいつもバカばっかりだ、畜生!」
数分後、森崎と翼はガラガラのバスに乗っていた。事実上の貸切状態なのを良い事に
お互い通路の反対側の二人用の椅子を一人で独占している。
翼「さっきはなんだったんだ?急に叫びだしたりして」
森崎「ふん、なんでもねえよ。お前こそ一体何の話だったんだ?」
翼「…ケジメをつけただけだよ」
森崎「ケッ…そうやって女に現を抜かしていやがれ。ブラジルで通用しなけりゃさっさと日本に帰って再会できるぞ」
翼「何を言っても負け犬の遠吠えにしか聞こえないって、自覚してるのか?」
運転手「(なんだこのやかましいガキどもは。あ〜あ、朝から厄介な客乗せちまったぜ)」
505 :
2
◆vD5srW.8hU
:2008/11/24(月) 00:44:00 ID:???
今夜はここまで。明日はいよいよエンディングが終了する!…筈。
506 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 00:54:29 ID:???
中山さああああうわああああん!!!!11
507 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 00:59:27 ID:???
今日も笑いと感動をありがとう、乙です!
508 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 00:59:40 ID:???
中里と若林はどうなったんだろ?
特に中里は高校進学してないようだし
509 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 01:01:41 ID:???
両者ともいい別れをしたようで何より
森崎に恋愛イベントは必要ないと思ってたけど
他キャラにだけ彼女できてずっと独り者ってのも複雑…
510 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 01:03:52 ID:???
運転手かっこよす
511 :
2
◆vD5srW.8hU
:2008/11/24(月) 01:04:52 ID:???
>>508
中里「忍の字は人目を避ける事の意也。作者から忘れられるのも極意の一つなり。ニンニン」
512 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 01:09:46 ID:???
2ねいさん
翼と早苗は原作通りの進展と見てよろしいのでしょうか?
だとしたらなんか悔しい・・・!ビクビクッ!
513 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 01:16:54 ID:???
それぐらい許してやれw
514 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 01:18:56 ID:???
つ【おいしいところをもっていく】
515 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 09:50:02 ID:???
一応キャプ森にもあのボクサー野郎は出てきてたはずだけどあれっきりかな?
516 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 10:54:50 ID:???
目頭があつくなったよ。
エンディングが終わったら、blog以降かな。
517 :
2
◆vD5srW.8hU
:2008/11/24(月) 13:23:08 ID:???
数十分後、成田空港で二人を出迎えた片桐は漂う険悪なオーラに思わず苦笑してしまった。
片桐「お前達は万年犬猿の仲だな。よくもまあこれで数年間チームメイトで居られた物だ」
森崎「やっと別々のチームになれるんで嬉しくて堪らないですよ」
翼「こういう時だけ気が合うね、森崎」
売り言葉に買い言葉を交わす森崎と翼。片桐はそんな二人を見かねたのか、咳払いをして話題を変えた。
片桐「とにかく、今日のロサンゼルス経由サンパウロ行きの便でお前達二人にはブラジルに行ってもらう。私達と共にな」
森崎「はい…って、”たち”?」
翼「片桐さん以外に誰か…」
ガラガラガラ…
少女「それは、わ・た・し♪」
トランクを引きながら突如声をかけてきた少女に、森崎も翼も戸惑いを隠せなかった。
深い青色にも見える黒髪を肩の上で切り揃えたその少女は、どう見ても森崎達と同じ年代にしか見えなかった。
空色のブレザーとスラックスに包まれた小柄だがメリハリの利いた体でさりげなくポーズをつけており、
更に愛くるしいと言える顔に心底楽しそうな笑顔を浮かべて茶目っ気たっぷりの雰囲気を醸し出している。
彼女は呆気に取られた少年達二人の先手を取る様によく通る声でハキハキと喋りだした。
陽子「初めまして!日本サッカー協会役員の片桐陽子、16歳です。兄さん共々これからよろしくね、翼くん、森崎くん!」
518 :
2
◆vD5srW.8hU
:2008/11/24(月) 13:23:28 ID:???
森崎「えっ…か、片桐?」
翼「兄さんって…」
片桐「そうだ、私の妹だ。こいつにはブラジルに滞在してもらいブラジルサッカーの運営面を研修しつつ
日本サッカー協会とブラジルサッカー協会のパイプ作りに務めてもらう。勿論、お前達二人のサポートも仕事に含まれる」
森崎「へえ〜…とりあえず、よろしく(16歳…俺より一つ上だけなのに、もう日本サッカー協会でそんな仕事を任されているのか?)」
翼「よろしくお願いします(そういえば俺、片桐さんの事何も知らないな…ますます謎めいてきたぞ)」
陽子「は〜い。それじゃ、自己紹介も済ませた所で乗り込み場に…」
少年「あ、あのっ!大空翼さん、森崎有三さん!」
向かいましょう、と言う陽子の言葉が発せられる事は無かった。その前に別の声にかき消されてしまったのだ。
今度は何だ、と振り返る4人の前に立っていたのは動きやすそうな服装の少年だった。
顔立ちこそ幼さが目立つ物の年齢は森崎達に近い様で、小柄でいかにもすばしっこそうな体格である。
片桐「(ん…?誰だ彼は。知っているか、陽子?)」
陽子「(兄さんが知らないのに私が知ってる訳無いじゃない)」
片桐兄妹がアイコンタクトを交わし首を捻るが、少年はそんな事は気にならないのか
それとも目に入らないのか、緊張した声で森崎と翼に向かって続けた。
少年「あんたらは俺の事なんか覚えていないと思うけど…ブラジルへ行っても頑張って下さい!そして…そ、その…」
519 :
2
◆vD5srW.8hU
:2008/11/24(月) 13:24:43 ID:???
言いたい事を言い尽くしたのか、先程までの勢いが信じられなくなる程の小声でどもりだす少年。ここで森崎は…
A 「確かに覚えが無いな。誰だ、お前?」ストレートに聞いてみた。
B 「そろそろ時間だな。早く行きましょう」無視して皆を促した。
C 「……………」黙ったまま翼の反応を見守った。
D 「ちょっと待ってろよ…ほれっ」荷物からサッカーボールを取り出して投げつけた。
E 「あ〜…そうだ、なか、仲原中の12番だっけ?」少年の事を思い出した。
☆2008/11/24 15:00:00☆から投票期間を設けます。
そこから15票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合はその次の票をタイブレーカーに使います。
どれか一つに確定した場合はその時点で投票を止めて下さい。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。
520 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 15:00:07 ID:GwaB1dhA
Eに一票いれますよっと
521 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 15:00:16 ID:MwRNz5mc
E
522 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 15:00:19 ID:zj1ba8yV
E
523 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 15:00:40 ID:NYwYy1m6
D
524 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 15:00:40 ID:3BEePCjB
D
525 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 15:00:48 ID:ORWWDn6Q
E
526 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 15:01:14 ID:8Lgt43YD
D
527 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 15:02:26 ID:0N3LY62R
D
528 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 15:02:56 ID:UrSBDwSS
A
529 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 15:03:26 ID:h+SrhYgD
D
530 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 15:03:47 ID:NB0uZwj7
D
こいつ原作では超翼信者だからなんとか引き入れたいな。
531 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 15:04:07 ID:6Mio3Cs6
D
532 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 15:05:11 ID:HcQUw6mH
B
これは森崎が思い出せたかの判定をした方がよかった気がする
533 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 15:06:21 ID:???
A1
B1
D7
E4
Dに決定
534 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 15:07:50 ID:g1VGp+hY
E
535 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 15:12:35 ID:???
森崎かっけー
536 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 15:15:50 ID:???
割と後輩の好感度は高い森崎(新田除く)
537 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 15:18:44 ID:???
しかしとりあえず思い出しはしてないんだよな?
538 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 15:24:17 ID:???
>>537
思い出すのは別選択肢だからな
539 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 15:30:29 ID:???
原作の翼だとEなの?
原作どおり、原作より良、悪の三パターンあると思うから
Cは確実に原作どおりで、もしEもそうならこの中ではDが良選択かなあ
540 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 15:40:42 ID:???
森崎のボールを受け継いだ葵はGKへのコンバートを決意するのだった……
541 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 15:51:41 ID:???
ここで好印象得てもイタリア行ったら
葵→(逆恨み)→森崎
になると思うが。
542 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 15:58:25 ID:???
なんかあったっけ
543 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 16:00:26 ID:???
イタリアが恨んでるのは全日本そのものだから
葵→(逆恨み)→翼もじゃん
544 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 16:01:34 ID:???
恨みの大本は森崎と日向だからなあ
545 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 16:21:47 ID:???
「日本人は下手糞」と見下されてるよりマシだと思うんだけど
546 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 17:22:05 ID:???
おおお!
陽子さんと葵!
さっそく夢の競演が…wktk
この昂ぶりはイタリア戦以来だぜ!
547 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 18:17:19 ID:???
Jrユース大会後の数ヶ月、翼と一緒に実業団チームに入って練習して
どれだけ成長してるんだろうな
548 :
2
◆vD5srW.8hU
:2008/11/24(月) 23:09:54 ID:???
>D 「ちょっと待ってろよ…ほれっ」荷物からサッカーボールを取り出して投げつけた。
ポイッ。
少年「うわっ、とっ、たっ…よっ、ほっ」
トサッ。ポーンッ、ポンッ、ポムッ。
片桐「ほう…」
陽子「あら、上手ーい」
突如ボールを放り投げられた少年は慌てふためきながらも見事トラップし、そのままごく自然にリフティングを始める。
そのリフティングは実に巧みな物であり、ボールを自分の体の一部にすると言う表現がピッタリだった。
森崎「…上手いじゃないか。こんな所にやってくるなら、サッカー経験者だろうとは思ったが」
少年「あ、あはは…(うわ、条件反射でやっちゃった。でも良かったのかな?)」
森崎「(しかし、誰だこいつは?これだけの実力者ならある程度の知名度がある筈だが)」
いきなり現れた謎の存在の正体に心当たりが無く森崎は顎を撫でたが、先に正解に辿り着いたのは翼の方だった。
翼「仲原中の12番だね」
少年「!!(覚えててくれた…俺の事覚えててくれた!)」
549 :
2
◆vD5srW.8hU
:2008/11/24(月) 23:10:12 ID:???
森崎「仲原中?そんなの全国大会にいたか?」
少年「え…いやあの、うちは全国大会出場経験はなくって…」
翼「東海地区サッカーフェスティバルで練習試合を行った事があるよ。うちとね」
森崎「サッカーフェスティバル…えーと…3年の時の春にやったっけな?」
3年間の奮闘の記録を脳内で巡っていく森崎。やがて当たりを引きポンと手を打つ。
森崎「おお!思い出したぞ、確か楽勝の試合の筈が敵のたった一人に井沢とかがごぼう抜きされて
その後どやしつけた記憶が確かにある!お前、あの時の単独突破してきた奴か!」
少年「は、はい!そうです!あ、葵新伍って言います!(森崎さんも思い出してくれた!)」
憧れのスター二人が両方とも自分の事を忘れていなかった事に少年、葵新伍は感激して泣きそうになる。
しかし直後に続いた森崎の無遠慮な言葉に涙が出るどころか笑顔を引きつらせる事になった。
森崎「なーるほどな…その他の連中は0−10で負けた癖にペコペコ有難うとか言ってくるヘタレどもだったから
さっさと記憶から除外していたが、そんなとこに何故か一人だけまともなプレイヤーが居たんだ。思い出した」
葵「ア、ハハ…(こ、これって褒められてるのか?それに0−10じゃなくて0−11だったのに…
でも当然だよな、俺なんかとは違って森崎さんは雲の上の人だし。常識で考えたらこうなるよなー…)」
翼「(相変わらず本音と建前を使いこなせない奴だ…だが、それならそれでちょうどいい)葵、って言うんだね。
あの試合の後ヤケになった顔だったから心配だったけど、ちゃんとサッカーを続けていた様で嬉しいよ」
葵「は、はい!こ、今年は俺がキャプテンなんで、なんとか全国出場したくて…(翼さんは良い人だ!)」
550 :
2
◆vD5srW.8hU
:2008/11/24(月) 23:10:32 ID:???
自分をちゃんと見てくれていた翼に葵が歓喜満面に振り返る。この時点で彼の脳内では翼>森崎が確定した。
片桐「おい、そろそろ行かないと間に合わなくなるぞ」
葵「あっ…はい!すみません、時間をとらせちゃって!それじゃ…」
翼「もう時間か。じゃあ、これをあげるよ。つまらない物だけど」
葵「えっ?あっ!こ、これは…!」
慌てて森崎にボールを返し立ち去ろうとする葵を翼が呼び止め、その手に何かを握らせる。
そして4人は渡された物を見て固まる葵を尻目に空港の内部に進んでいった。
陽子「ねえ翼くん、あの子に何を渡したの?」
翼「コインを3つ…アメリカドルの25セント、フランスの10フラン、そして日本の100円です」
森崎「はあ?お前、フランスのフランはともかくとしてアメリカドルなんてどうやって手に入れたんだ?」
翼「普通に銀行で貰ったんだよ。手数料さえ払えばやってくれるよ」
陽子「あ、そうか。将来のワールドカップ開催国のコインね!」
翼「そうです。お守りにしようと思ってたんですが、あいつに渡した方が良いかな、って思って」
陽子「フフッ。翼くんって結構ロマンチストなのね」
森崎「(ロマンチストっつーか、こいつの場合現実を軽視しがちな夢みるバカなんだけどな)」
*葵の翼に対する感情が(崇拝)になり、森崎に対する感情が(憧れ)になりました。
551 :
2
◆vD5srW.8hU
:2008/11/24(月) 23:11:20 ID:???
一旦ここまで。今夜中にもう一回更新したい所。
552 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 23:20:05 ID:???
ちっ…運命を変えるのはこれからだ
553 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 23:26:11 ID:???
くっDはハズレだったか…ストレートにいくべきだった読みが甘かった。
554 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 23:27:28 ID:???
葵からの印象が良くなったのは間違いないだろう
どのみち翼への崇拝は避けられなかった可能性もある
このやばいイメージがここではどう変わるか…
555 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 23:27:50 ID:???
これは…思い出してても本音と建前を使いこなせず
そこを翼が利用する展開は一緒そうだな
556 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 23:36:30 ID:???
>>554
> 翼への崇拝は避けられなかった可能性もある
翼の言葉やコインの下りを森崎がやるとはどうしても思えんしな
557 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 23:41:31 ID:???
まあ、中山、中里、山森が加わりトリオも成長してる全日本ではスタメンどころか
代表入りも微妙だしな!と負け惜しみを言ってみる
558 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 23:49:08 ID:???
基本的に葵は単純バカだけど悪い奴じゃないから利用するなり仲良くなるなりできるだろうな
まずはイタリアでの将来が気になるわけだが…
559 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 23:53:43 ID:???
イタリア到着
葵「森崎さんを尊敬しています!」
イタリアサポ「なにィ!?」
560 :
マロン名無しさん
:2008/11/24(月) 23:57:51 ID:???
>>559
わろた
561 :
マロン名無しさん
:2008/11/25(火) 00:04:15 ID:???
原作で親しかったヘルナンデスがキャプ森では反日感情を露にしてるしな
562 :
2
◆vD5srW.8hU
:2008/11/25(火) 00:42:24 ID:???
やがて旅客機に乗り込んだ一行は取っていたビジネスクラスの席に座る。片桐と翼は通路の右側の2席、
陽子と森崎は左側の2席になり間に挟んだ中央の3席でお互いの顔は見えなくなった。
森崎「(ラッキー、片桐さんより陽子さんの方がずっと楽しい旅になるぜ。ざまあみろ翼め)」
翼「(森崎め、ニヤニヤして。女に現を抜かしているのはお前の方じゃないか)」
片桐「(やはりこの二人を離して正解だったな。機上で喧嘩などされたらイメージに傷がつく)」
陽子「(そもそも翼くんには彼女が居るらしいからこの組み分けになったんだけど、別に言わなくても良いわね)」
それぞれの思惑と共に4人は席に座る。初対面の女の子相手に
どんな話題を振ろうかと森崎が悩みかけた頃、陽子の方が話しかけてきた。
陽子「ねえ、森崎くん」
森崎「あ、はい。なんですか?」
陽子「出来ればでいいんだけど、敬語は止めて欲しいな。これから長い付き合いになるんだし」
森崎「あ〜…うん、わかったよ陽子さん。これでいいか?」
陽子「合格♪私はブラジルについたら年がら年中あっちこっちを飛び回る事になるんだけど、
時々君たちの所に訪れて情報をあげたり便宜を図ったりする事になるわ」
森崎「情報?」
陽子「そう、情報。例えば、あれからシュナイダーとかがどうしているかとかね」
563 :
2
◆vD5srW.8hU
:2008/11/25(火) 00:42:48 ID:???
森崎「へえ…」
有益な情報の匂いを嗅ぎつけ森崎の目が大きくなる。陽子も満面の笑みで応えた。
森崎「それは面白い。聞かせてくれよ」
陽子「オッケー。まずはカール・ハインツ・シュナイダーね。彼はJrユースの大会後、ブンデスリーガの名門バイエルン・ミュンヘンの
トップチームでプロデビューを果たしたわ。まあ流石の彼と言えどまだ15歳だから今の所は客寄せパンダの役割だけど、
それでも厳しい環境で揉まれてメキメキ実力をつけているらしいわ。いずれ彼は世界のトッププレイヤーになるでしょうね」
森崎「15歳でプロデビューとは流石に凄い…(それにしても客寄せパンダって、随分はっきり言う人だな)」
陽子「でしょう?エル・シド・ピエールはボルドーの一年代上のユースチームに昇格したわ。あの世代のフランスはホントに
人材不足だからね〜、彼とナポレオンにかかる期待は凄く大きいわ。ピエールのプロデビューは18歳目前辺りが私の予想よ」
森崎「実際にピエールとナポレオンだけだったもんな、あのチーム」
陽子「うんうん。それからファン・ディアスは地元のアルヘンチノス・ジュニアーズの1軍のレギュラーになったわ。勿論いきなり
エースと言う訳にはいかないけど、彼のとんでもない個人技と真似の出来ないプレイスタイルはクラブの武器って早くも評判よ」
森崎「なるほど…ブラジルに居たらいずれ奴と戦う事があるかも知れないんだな」
陽子「是非とも見てみたいわ。次にジノ・ヘルナンデスだけど…彼はかなり不遇の日々を過ごしているらしいわね。
Jrユース大会での結果が悪かった事をサポーターに責められたり所属クラブのインテルの上層部になじられたり…
ただ、本人は黙々と地道な努力を続けて再起を図っているらしいわ。また森崎くんの前に立ちはだかってくるかもね」
森崎「フッ、その時は返り討ちにしてみせるさ(そもそもイタリアのフィールダーはカスだったしな。チョロイチョロイ)」
564 :
2
◆vD5srW.8hU
:2008/11/25(火) 00:43:08 ID:???
陽子「期待しておくわね。そして最後に、多分一番貴方が聞いておいた方が良い人物の情報よ」
森崎「へ?」
陽子「若林くんよ。彼はあの後ハンブルガーSVに戻ったんだけど、以前とは別人の様に
凄いハードトレーニングをこなす様になったそうよ。周りがオーバーワークを心配する程にね」
森崎「…ふ〜ん。でも、プロを目指す奴なら当たり前の事を今更始めたってだけだな」
陽子「おお、流石森崎くん強気ねえ。これは日本代表正GKの争いも激化しそうで楽しみだわ♪」
森崎「日本代表…」
陽子の言葉尻を捉え、ふと感慨深げな表情を浮かべた森崎は窓の外を見た。
空港の滑走路と言う、日常では中々お目にかかれない場所が彼の視界に飛び込んでくる。
陽子「どうしたの?」
森崎「いや、大した事じゃないんだ」
陽子「そう?私の仕事には貴方達のメンタルケアも含まれているから、差し支えないんなら教えて欲しいんだけど」
森崎「なんていうか…結構遠い所まで来たな、って(時々怖くなるんだ。俺は一体どこまで行くのか、って)」
陽子「………」
陽子は後半の部分は口に出さなかった森崎をしばらく見詰め、おもむろに口を開いた。
565 :
2
◆vD5srW.8hU
:2008/11/25(火) 00:43:47 ID:???
陽子「お疲れ様」
森崎「へ?」
陽子「試合の合間位はゆっくり休んで良い物よ。その分次の試合を頑張らなっきゃね」
森崎「次の試合…」
陽子「そうよ。森崎くんが自分で言ったじゃない?リーグ戦に例えるなら、まだ初戦で勝っただけだって」
森崎「そうか…そうだったな」
陽子「安心して。これからなが〜くてたいくつな十数時間のフライトが始まるから。
すぐにまたボールを蹴りたくてしょうがなくなってくるわよ♪」
森崎「言われてみればリフティングでもしたくなってきたなあ…」
ピンポーン。
機内放送「本日は日本航空ワールドワイドをご利用頂き誠に有難うございます。これより離陸準備に入りますので、
安全の為お客様は各々の席につきシートベルトの着用をお願いします。繰り返します、シートベルトの着用を…」
陽子「あ、離陸時間よ。ベルトベルト」
森崎「ちぇっ。あ〜あ、早くブラジルに着かないかな」
566 :
2
◆vD5srW.8hU
:2008/11/25(火) 00:45:28 ID:???
こうして森崎達若き日本代表の戦いは終わりました。
ですが読者の皆さんは既にお気づきでしょう。
今までの戦いが序章に過ぎず、森崎の本当の戦いはこれからだと言う事に。
ブラジルで彼を待ち受ける運命。数多の戦場を駆け抜けた戦友達のその後。
復讐の牙を磨ぐライバル達のその後。そして、まだ見ぬ新たなる強敵達。
それらを語るのは少し後の事にして、今はほんの少しだけ筆を休ませて下さい。
キャプテン森崎 Jrユース編 及び無印版
完
2008年12月1日に
http://capmori2.blog49.fc2.com/
にて始まる
キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜でまたお会いしましょう。
2 ◆vD5srW.8hU
567 :
マロン名無しさん
:2008/11/25(火) 00:48:37 ID:???
ついにヒロインきたわあ
2ねいさん今まで乙
そしてこれからもよろしく
568 :
2
◆vD5srW.8hU
:2008/11/25(火) 00:50:42 ID:???
長い間ご愛読有難うございました。
2007年3月12日に代理人として立候補した時は上手くやっていけるか
不安でしたが、参加者の皆様の暖かい声援と積極的な支援でなんとか
ここまで辿り着け感無量です。これから私は一週間の準備期間を取り、
その間に続編の準備を固めます。その間も、勿論その後も
森崎板には積極的に参加していきたい所存です。今後ともよろしくお願いします。
それでは、お休みなさい…と言ってもこれから外伝で投票とかしてるだろうけど♪
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