キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【月は】キャプテン松山12【出てゐるか】
1 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/06/22(月) 20:39:52 ID:???
キャプテン森崎のスピンアウト作品。東方サッカーネタのキャプテン森崎番外編作品です。
ただし主人公は松山光。何かと不遇な彼の発言や行動を第三者(ロムしている人)が
カードを引いたり、選択の中からひとつを選ぶ事によって進んでいきます。
筆者がわかってないなと思われたところの批判、意見は大歓迎です。雑談もOKです。
永遠亭との試合開始! (間が長かったですが) キャプテン松山も12スレ目。またよろしくお願いします。
前スレ
【天才と】キャプテン松山11【凡才と】
http://capmori.net/test/read.cgi?bbs=morosaki&key=1243324231
登場人物、あらすじ、練習の説明などテンプレは
>>2
からになります。
734 :
森崎名無しさん
:2009/07/12(日) 20:54:35 ID:VkCA01qo
F
735 :
森崎名無しさん
:2009/07/12(日) 20:59:50 ID:s7VnfYkE
J ナックル
攻撃が見えにくくなるだけだ、盾は要らん
736 :
森崎名無しさん
:2009/07/12(日) 21:07:10 ID:+CRwRFxY
B
737 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/12(日) 21:56:29 ID:???
>>735
鈴木智恵子「……」
B 槍と盾だよね
松山「(う〜ん……武器防具……)」
シャンハイ「……」
にとりに質問されてから、松山は、メイド服に似た装いしたシャンハイに目を向けながら考え込む。
主人の視線が気になり、シャンハイがそわそわしだしたのを見て、にとりが咳払いをした。
松山「っと……」
にとり「決まった?」
再度問われて……出した答えは。
シャンハイが自分の身を守れる盾と、片手で扱える槍。それらを作ってくれと頼んだ。
にとり「機動性と小回りを活かすんだね。槍ならリーチもあるし」
松山「う、うん(あんまり物騒な武器にしたくなかっただけなんだよな……)」
にとり「わかったよ。じゃ、一旦シャンハイを借りていくね」
そこでにとりの部屋の、開いてたドアの隙間から何かが飛び出てきた。
見た目は鈍い銀色の……未確認飛行物体みたいなフォルムのそれが、シャンハイの目の前で停止する。
738 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/12(日) 21:57:58 ID:???
シャンハイ「わあ……!……?」
松山と二人の時以外は、あまり積極的に喋ろうとしないシャンハイも、驚きに声を上げてしまった。
しかし円盤形物体は、リアクションも見せずに、一部ランプを点滅させてるだけだった。
そこでにとりが、いつの間にか持ってたリモコンを操作すると、シャンハイの周りで旋回を始める。
松山「にとり……それは?」
にとり「へっへ。ちょっとした発明品。シャンハイを見てると色々刺激されちゃってさ」
動力とかは企業秘密と言ってから、この円盤(名前はまだない)についてきてとシャンハイに伝える。
松山も首肯したのを見て、シャンハイは空飛ぶ円盤を追いかけてにとりの部屋に入っていった。
にとり「完成は決勝戦の翌日かな。……いよいよあと一試合なんだね」
松山「そうだな。優勝が目の前なんだ。気を抜かず頑張ろうな!」
にとり「あ〜、うん。……そだね」
熱血口調で応じた松山。
にとりからすれば、微妙にずれた受け取り方と言えたが、それ以上は控えてお互い部屋に戻る。
それから夕食間近になって、シャンハイが戻ってきた。肩に乗ってもらい、一緒に夕食を摂りに行く。
松山「今日の夕食は何かな。ちょっと豪勢にするって話だったけど……」
いつもの広いテーブルの周りには、イーグルスメンバーほぼ全員が集まっていた。
欠員はなし。今日は決勝進出のお祝いなので幽々子もちゃんと参加していた。
そして台所から、早苗とメイド2人が料理皿を運んでくる。その料理とは……
739 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/12(日) 21:58:13 ID:???
先着で
守矢神社の食卓→ ! food ! food ! food
*ステーキorうな重出現の場合、ささやかなボーナスがあります。
740 :
森崎名無しさん
:2009/07/12(日) 22:01:10 ID:???
守矢神社の食卓→
ハンバーガー
メガ牛丼
オムライス
741 :
森崎名無しさん
:2009/07/12(日) 22:01:31 ID:???
守矢神社の食卓→
キャビア
カツ丼
カップぬるぽ
4のキーパーが弱いのはGKのレベル設定がザコキャラと同じ(平均レベル)だから
742 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/12(日) 22:02:11 ID:???
カップぬるぽ!?って何それは何です!?
743 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/12(日) 22:42:30 ID:???
守矢神社の食卓→ ハンバーガー メガ牛丼 オムライス
運ばれてきて、各自の前に並べられたのは、まず目を引くメガサイズの牛丼と……
卵の焼き方が絶妙なオムライス、そして意外な料理が添えられていた。
射命丸「これは……見たことない料理ですね」
楓「だね。西洋とか大陸の料理かな」
海の向こう(幻想郷には海はないが)の料理かと、天狗の記者の二人が憶測をたてる。
それについて松山が説明するより早く、台所から最後に出てきたフライハイトが顔を出した。
フライハイト「ハンバーガーって言うんです。簡単に言えば牛肉をパンで挟んだ食べ物で……」
そこからフライハイトの料理への薀蓄が開始され、射命丸と楓は几帳面にメモを取り続ける。
しかし他の顔ぶれは、準決勝戦の後ともあって、お腹を空かせたと先に頂く結論に達した。
フライハイト達も会話を切り上げて、自分の前のお椀や料理皿を確保する。
フライハイト「すまない。ちょっと興が乗って……」
カペロマン「(それよりこのレパートリーの多さについて説明しろよ……)」
744 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/12(日) 22:43:17 ID:???
東西の違いはあれど、ドイツ人らしからぬ料理を連発するフライハイトに対して……
カペロマンが褒めていいやら呆れてよいやら反応に困る顔して、結局黙って牛肉を咀嚼する。
どの料理もやはり美味しく好評で……晩餐の時間もみんなが満足して終わる。
松山「エネルギー補給できたな。あとは一晩ぐっすり休めば……ん?」
全員が夕食後の歓談など始めるなりして。
そんな中で、カペロマンは一人だけ先に退出していく。追いかけようにも憚られる雰囲気だ。
松山「(最近、なんか様子おかしいよな……)」
それから松山は、いつも通りに食器を片付けて、自室へ戻ることにした。
廊下の板を軋ませ歩きながら、萃香の謎かけに近い発言を思い出す。
松山「一体何が言いたかったんだろう? 部屋に戻って落ち着いて考えてみればわかるか?」
悩む松山の真似をして、首を傾げてるシャンハイを横目で見ながら、松山は部屋に戻った。
745 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/12(日) 22:43:36 ID:???
行動を選択してください。
A チームメイトと話す(*誰と話すか選択)
B 練習をする(*誰かを誘えます)
C 迷宮探索(*早苗は誘えません)
D アイテムを使ってみる
E 霊夢の資料を読んでみる
F シャンハイの相手をする
G カペロマンを探しに行く
H 萃香の謎かけについて考える
I.今日はもう休む(*ガッツが全快します)
J.その他 したいことを併記してください
*『22:50』までの間、自由選択肢の案のみを受けつける時間を取ります。
*それ以前の投票は無効となります。
*先に3票入った選択肢で続行。ageでお願いします。sageではカウントできません。
746 :
森崎名無しさん
:2009/07/12(日) 22:55:07 ID:+gfkLuW2
G
747 :
森崎名無しさん
:2009/07/12(日) 23:00:33 ID:Z1nuf7VE
G
748 :
森崎名無しさん
:2009/07/12(日) 23:50:38 ID:YPSiCepg
G
749 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/13(月) 00:03:35 ID:???
G カペロマンを探しに行く
部屋に戻って、萃香の発言の真意を読もうとするが……
どうにも最近のカペロマンの様子、変調が気になりだした。
松山「駄目だ! このままじゃ集中できない。一度探して話し合ってみよう」
部屋を出て、まずはカペロマンの部屋へ行き、ノックする。
しかし三度目のノックでも反応がなかったので、今は不在だと考える。
松山「どこか出て歩いてるのか? ……練習かなあ」
いない場所にこれ以上居ても仕方ないので、松山は社務所を出て神社内でカペロマンを探し始めた。
750 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/13(月) 00:03:56 ID:???
先着で
カペロマンを探せ! → ! card
と!とcardの間のスペースを埋めて書き込んで下さい。マークと数字で分岐します。
ダイヤ・ハート→ 練習場にいた! 早苗と諏訪子と練習している。
スペード→ 見つからない……が、楓を見つけた。
クラブ→ 見つからない……自室へ戻ろう。
クラブA→ フライハイトが目の前で青白い顔で倒れてるぞ!?
JOKER→ 松山「カペロマン!」???「誰のことだそれは。私はファビオ・カペ……」
今日はここまで。
カップぬるぽ とは一体……
751 :
森崎名無しさん
:2009/07/13(月) 00:05:16 ID:???
カペロマンを探せ! →
ダイヤ2
752 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/13(月) 21:29:03 ID:???
カペロマンを探せ! → ダイヤ2
ダイヤ・ハート→ 練習場にいた! 早苗と諏訪子と練習している。
とくにカペロマンが行きそうな場所に心当たりはなかった松山は、やっぱり練習場に赴いた。
松山「(今まであんまり話なんてしてこなかったしな……カペロマンに限らないけど)」
積極的にチームメンバーと話したり仲を深めるよりも、練習や他にのめり込んでいた。
夜の散歩にもなる時間に、そんな追憶をしながら、やがて練習場にたどり着くと
松山「ボールを蹴る音だ(誰か使ってるのか)」
暗がりで誰かわからないので近付くと、松山と同じぐらいの背格好の二人と、背が低いシルエット。
いたのはカペロマンと……早苗と諏訪子だった。
松山「……!」
753 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/13(月) 21:29:33 ID:???
思わず足を止めて、立ち往生してしまう。
もう少しこのままの状態を続けていたら、回れ右する選択が頭にちらついたろう。
だが生憎、そうはいかなかった。いや、させてくれなかった。
カペロマン「おっキャプテン。いいところに来たな!」
カペロマンが松山を見つけたのだ。声をかけてきたので、視線(とくに早苗の)が気になりはしたが
そのまま三人の近くへいくと、意外なことに、早苗の向けてる視線に冷たさを感じなかった。
松山「(……何だろう。吹っ切れた顔をしてる)カペロマン、いいところってどうかしたのか?」
問い返すと、カペロマンは自分で言っておきながら、少し返答に詰まって……やがてこう言ってきた。
カペロマン「いやな。……ここにキャプテンがやり残しをしてる三人が集まってるってことさ」
松山「やり残し? ……ああ」
言いたいことはすぐに判った。
早苗とはコーチ業の完遂。諏訪子とは最終日にコーチをしなかったこと。
そして……今晩探してたカペロマンとの「やり残し」は……
カペロマン「オレと白黒……ハッキリさせとかねえか? 今度はオレがブロックやってもいい」
松山「……」
754 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/13(月) 21:30:10 ID:???
どうしますか?
A 早苗のコーチをする
B 諏訪子のコーチをする
C カペロマンと決着をつける
D どれも断らせてもらう
*先に「4」票入った選択肢で続行。ageでお願いします。sageではカウントできません。
755 :
森崎名無しさん
:2009/07/13(月) 21:31:14 ID:azsrcWso
C
756 :
森崎名無しさん
:2009/07/13(月) 21:34:14 ID:2bivpLLc
A
757 :
森崎名無しさん
:2009/07/13(月) 21:36:52 ID:OZ01Fa9M
C
758 :
森崎名無しさん
:2009/07/13(月) 21:37:15 ID:IPMXjZKs
A
759 :
森崎名無しさん
:2009/07/13(月) 21:37:16 ID:n+HMp5N2
C
760 :
森崎名無しさん
:2009/07/13(月) 21:37:29 ID:88mbq/XM
C
761 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/13(月) 22:09:24 ID:???
C カペロマンと決着をつける
早苗の仕上げ、諏訪子に最後のコーチング。
それらに心残りがないわけではなかったが、松山がここで選んだのは……勝負の決着。それのみだった。
返答を聞き、カペロマンが唇の両端をニヤリと持ち上げる。
カペロマン「よし、勝負だな。……あん時のこと覚えてるか?」
手近にあったボールをポンポンと蹴り運びながら
練習場の中央。センターサークルのほうへ移動する。松山もそれを追いかけながら、まずは話を交わした。
松山「覚えてる。最初は口論でもめたんだ。それで……」
カペロマン「頭にきたオレが、サイドワインダーぶちかましたんだっけな」
松山「あの時はお互いによく知ってなかったしな」
二人とも、今でこそ笑い話にもできる。
けれど、もしも。……一つか二つの選択や道筋を違えてたら、今でも消えない遺恨があったかもしれない。
実際。サイドワインダーに吹き飛ばされた時、悔しさと敗北感に打ちのめされた時。消えない思い出だ。
762 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/13(月) 22:09:46 ID:???
松山「じゃあ今日はその鬱憤を晴らさせてもらおうか」
カペロマン「ギャラリーは二人。ちょうどあの時いなかった面子だな」
前の時は、守矢神社の世帯主といえる三人の内、八坂神奈子がいた。
今回は、東風谷早苗と洩矢諏訪子が、勝負の邪魔にならぬよう見ている。
諏訪子「ね、早苗はどっちが勝つと思う?」
早苗「松山君です。気持ちではカペロマン君に勝ってほしいですが」
後ろから聞こえたギャラリーの会話(主に早苗の天然毒舌)に、松山カペロマン双方とも肩を落とす。
松山「(か、開始前からダメージが……)」
カペロマン「(なるほど確かにこれは効く……キャプテンの気持ちもちょっと分かったぜ……)」
ダメージから立ち直ったのは、日頃振り回されたり毒舌浴びせられたり蹴り飛ばされたり……
それら経験においては圧倒的に勝る松山が先だった。カペロマンが精神的タフネスを褒めてくれる。
松山「そ、そうか? いや、はは……」
カペロマン「いやそんな照れた顔されても正直反応困る。……で、勝負方式どうする?」
763 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/13(月) 22:10:26 ID:???
どうしますか?
A 松山がドリブル、カペロマンがタックル
B 松山がシュート、カペロマンがブロック
C 競り合い強さで勝負する
D その他 勝負内容を併記してください
*『22:20』までの間、自由選択肢の案のみを受けつける時間を取ります。
*それ以前の投票は無効となります。
*先に3票入った選択肢で続行。ageでお願いします。sageではカウントできません。
764 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/13(月) 22:12:49 ID:???
訂正します。
A 松山がドリブル、カペロマンがタックル
B 松山がシュート、カペロマンがブロック
C 競り合い強さで勝負する
D カペロマンがドリブル、松山がタックル
E カペロマンがシュート、松山がブロック
F その他 勝負内容を併記してください
*『22:20』までの間、自由選択肢の案のみを受けつける時間を取ります。
*それ以前の投票は無効となります。
*先に3票入った選択肢で続行。ageでお願いします。sageではカウントできません。
765 :
森崎名無しさん
:2009/07/13(月) 22:15:28 ID:ugFClt2g
B
766 :
森崎名無しさん
:2009/07/13(月) 22:24:36 ID:goi8aJI6
B
767 :
森崎名無しさん
:2009/07/13(月) 22:26:09 ID:0VaF1Uug
F ひとつのボールを挟み込んで二人同時にシュート
768 :
森崎名無しさん
:2009/07/13(月) 22:30:51 ID:OZ01Fa9M
E
769 :
キャプテンレミリア
◆t2UAZ3G5UI
:2009/07/13(月) 22:33:48 ID:3jS1NZhQ
F ひとつのボールを挟み込んで二人同時にシュート
770 :
森崎名無しさん
:2009/07/13(月) 22:34:33 ID:rZaLfDGs
B
771 :
森崎名無しさん
:2009/07/13(月) 22:35:21 ID:IPMXjZKs
B
しかしホント最後まで嫌味な奴だな・・・いつか試合で叩き潰せるといいなぁ
772 :
森崎名無しさん
:2009/07/13(月) 22:44:57 ID:???
え?カペロマンいいヤツじゃないか…?
773 :
森崎名無しさん
:2009/07/13(月) 22:49:46 ID:???
さな…
774 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/13(月) 22:50:31 ID:???
勝負より前、松山が練習場へやってくる前のこと。
夕食を終えてカペロマンは……今日の試合で何もできなかったことを痛感し、自然と練習場へ足を運んだ。
カペロマン「夜間練習……こんな山奥でやるなんざ想像も……ん?」
カペロマンが練習場に赴くと……コートに明かりがついていた。
他ではあまり見ない、河童特性の照明器具が導入されてる為、危なげなく真っ直ぐ歩いていくと……
ボールを蹴る音が耳に届く。誰かが練習している。
カペロマン「(誰だ……?)」
どのみち練習目的なので、近付いていくと、その輪郭がハッキリとしてきた。
緑の長髪、特徴的な巫女服。神社の風祝の東風谷早苗が一人で黙々とボールを蹴っていた。
カペロマン「こんな時間に誰が練習してるかと思えば……早苗さんかよ」
その声が届いて、早苗がカペロマンに気付いた。
何だかぼんやりしてたが、はっとしてから近付いてきて、挨拶を交わす。
775 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/13(月) 22:50:49 ID:???
早苗「こんばんは。カペロマン君も練習ですか? ……試合のあった日なのに」
カペロマン「あ〜まぁそうだが……(今日の試合は何もできなかったしな)」
そんなことを直接誰かに言うつもりはないので、こっそり心中でぼやくだけにして、別のことを訊く。
カペロマン「……コーチもなく一人で練習か?」
早苗「さっきまで八坂様がいました。もうじき洩矢様がこちらへ来ることになってます」
カペロマン「それだって練習捗らねえだろ? 何ならキャプテンやフライハイトも呼んできてやろうか?」
未経験組が顔を揃えたところで、成果は得られないだろと親切心から言ったが
しかし早苗は、どうにも最初から暗い表情をしたまま、その申し出を断ってきた。
早苗「フライハイト君には……最近、すごく心配かけちゃってる。だから……」
カペロマン「心配? ああ……キャプテンとの確執か」
いきなり核心を突かれて、ぐっ、と早苗が唇を噛み、両の手を震わせ握り締めた。
それに気付いてもあえて知らぬ振りで、カペロマンはボールをリフティングしながら、早苗に問うた。
カペロマン「随分長引いてるよな。そんなにキャプテン気に入らないのか?」
776 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/13(月) 22:51:11 ID:???
沈黙が下りた。
最初は、早苗には答えるつもりはなかったみたいだが……
今日の準決勝で気持ちに区切りがついたのか、カペロマンに背を向けながら、独り言のように語り始めた。
早苗「気に入らないとか……そういうの今日まで分からなかったです。自分でも。でも……」
カペロマン「でも?」
早苗「……今日やっとわかりました。私の松山君への気持ちが」
言い方が恋の告白みたいだなと思って、茶化そうと考えたが、早苗の声質はあくまで硬い。
その雰囲気から、余計な発言を控えてカペロマンが続きを促すと……
早苗は短く息を吐き出してから、複雑にもつれた感情を、たった一言に……凝縮した。
早苗「憎い」
カペロマンは、一瞬の反応で、「あん?」と返してしまう。
耳に届いた早苗の呟きが、その意味が理解できなかった。まるで察しがつかなかった。
まさかこの場面で、この人の好い巫女少女の口から、そんな言葉が出てくるとは夢にも思わなかったのだ。
早苗「憎い、です。私は松山君が憎い」
777 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/13(月) 22:51:45 ID:???
重ねて強調されたので、さすがに本音だと認識せざるを得ず……カペロマンがとりあえずで問い質す。
カペロマン「そこまで言う程か? キャプテンちゃんと筋は通してきたじゃねえか」
松山の行動は問題あったが、少なくとも大会から途中離脱などしておらず、チームのために尽力している。
間違っても、自分が抜けるから後はどうでもいい、などという選択はしてないのだ。
早苗がそこまで言う理由がカペロマンには判らなかった。
早苗「神様は……人に忘れられるとどうなるか……知ってます?」
全く関係ない処に話が飛んだ。さすがにカペロマンも顔をしかめて、少々語気を荒げてしまう。
カペロマン「おいおい、突然何を言って」
早苗「消えちゃうんです」
会話にはなっていなかったが、早苗が重ねてきた言葉は流石に無視できなかった。
カペロマンが口をつぐむと、その沈黙を埋めるみたいに早苗が話す。
早苗「科学が発達して、信仰が失われて……八坂様も、洩矢様も……外の世界にいたままだと」
カペロマン「消える……ってのか」
778 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/13(月) 22:52:24 ID:???
あのフランクな姉ちゃん(神奈子)と、見た目と裏腹に貫禄ある少女(諏訪子)の姿を頭に浮かべる。
人間妖怪とも打ち解けてて、明るく笑ってる二神の突然のヘビーな事情を明かされ、返答に詰まる。
そこでカペロマンも、早苗の声も震えてることに、やっと気がついた。
早苗「結構悩んだんです。外の世界から幻想郷へ来るとき……お友達とかそれなりにいました」
それでも天秤にかけた時、早苗にとって真に大切で大事なのは神奈子と諏訪子で……
二神が消えぬよう、仕える風祝として幻想郷で信仰を集めようと決心した。
早苗「でも貧乏くじなんかじゃありません。それが風祝で、東風谷早苗の当たり前だったから」
カペロマン「……」
早苗「それでですね。勢い込んでやってきたはいいけど、幻想郷では空前のサッカーブーム!」
外の世界でサッカーは知ってても、積極的に知識を取り入れたりはしてこなかった為……
サッカーの知識も経験も無いでは、山の妖怪から信仰も得るのは難しく、途方に暮れていた。
そんな折。二神はある行動に踏み切った。
カペロマン「そこで苦肉の策で、キャプテンが外の世界からお呼ばれした……そういうわけか」
早苗「びっくりしました。神徳も得られてないのにお力を使って。それも……」
外の世界から無関係の少年を巻き込んだことに、当初はかなり憤りを覚えたと打ち明ける。
それでも紆余曲折あって、その少年は信仰を得られるよう尽力すると約束してくれたわけだが……
779 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/13(月) 22:52:37 ID:???
カペロマン「そこで目的を変えた。だから憎いって?」
それならまぁ憎む理由として通る気がして、確認してみたが、早苗は静かに首を振り否定した。
早苗「残念だったけど……それはしょうがないです」
幻想郷に触れて、色々なことがあって、松山の望みは変わった。
それは仕方ないこと、そう言いながらも早苗は(寂しげにだが)それについては納得してると話した。
黙って話に付き合ってきたが、カペロマンはそろそろ焦れてきた。
カペロマン「……ハッキリしねえな。それなら何が理由なんだ?」
早苗「……」
そこで夜空の月を見上げるようにして、月明かりに照らされた横顔を見せながら、早苗は話を再開した。
口調は重い。できれば言葉にしたくないという想いがありありと伝わってきた。
早苗「準決勝の時。松山君が幻想郷屈指の選手を抑えた時に、こう思っちゃったんです。
どうしてあそこにいるのが私じゃなくて、チームを離れる松山君なんだろう……って」
780 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/13(月) 22:52:52 ID:???
追憶をに耽ってたカペロマンは、松山の自分を呼ぶ声に反応し、我に返った。
松山「どうしたんだよ一体。急にぼさっとして」
カペロマン「悪い。で、何で勝負だ?」
松山「オレがシュートでカペロマンがブロックだ。……全力でいくからな」
こうして勝負の場に立つと、やはり気持ちが燃えて……ついでに生来の粘着さが活性化してしまう。
松山は俄然やる気で、北国シュートが最も威力を出せるミドルエリアにボールをセットした。
その前で、ゴールを守るように、カペロマンが立つ。
松山「よし……準備はいいかカペロマン」
カペロマン「いつでもいいぜ。(今日見たシュートはアイツにも引けをとらない。間近で見せてもらう!)」
合図などは特に無い。
ただ、松山がボールへ向けて走り寄り、大きく足を振り上げる。それが合図だ。
松山「いくぞっっ!!!」
781 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/13(月) 22:53:07 ID:???
先着2名様で
松山→ ! card 【北国シュート】 62 +(カードの数値)=
カペロマン→ ! card 【ブロック】 43 +(カードの数値)=
MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→松山の北国シュートが豪快に決まる!!
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。
≦−2→カペロマンがブロック成功……!?
*カペロマンがJOKERを出した場合のみ、ブロック成功となります。
*数値が30差の場合、松山の能力が上がります
*数値が10差以内の場合、カペロマンの能力が上がります
782 :
森崎名無しさん
:2009/07/13(月) 22:54:08 ID:???
松山→
クラブK
【北国シュート】 62 +(カードの数値)=
783 :
森崎名無しさん
:2009/07/13(月) 22:54:11 ID:???
松山→
ハート4
【北国シュート】 62 +(カードの数値)=
784 :
森崎名無しさん
:2009/07/13(月) 22:54:32 ID:???
カペロマン→
ハート9
【ブロック】 43 +(カードの数値)=
785 :
森崎名無しさん
:2009/07/13(月) 22:56:56 ID:???
すごい無理ゲーだw
786 :
森崎名無しさん
:2009/07/13(月) 22:57:15 ID:???
正直、Aが選ばれなくてよかったと思ったぜ……
787 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/13(月) 23:16:30 ID:???
松山→ クラブK 【北国シュート】 62 +(カードの数値)= 75
カペロマン→ ハート9 【ブロック】 43 +(カードの数値)= 52
≧2→松山の北国シュートが豪快に決まる!!
シュートを撃つ直前、松山の目はボールの芯に、まるで磁力同士が引き合うように吸い寄せられた。
最も威力を発揮できる蹴り方が判る。きっと幻想郷に来てなければ、辿りつくに一ヶ月どころか一年……
否。それでもこのレベルまでもっていくのは難しかったかもしれない。
カペロマン「……ぐ、ぅ!!」
両足を全力を注ぎ、低い弾道に体ごとぶつかるカペロマン。
しかし松山の北国シュートは、どんな手をつくしてもカペロマンがブロック成功できる威力ではなかった。
やがて両足とも強引にピッチから引き剥がされ、浮遊感の後、背中からピッチに倒れる。
カペロマン「ぐぼっ、がは……!」
すぐに痛む腹を押さえて、苦しげにせき込む。
下腹を直撃して吹き飛ばされたカペロマンが、胃液まで出そうになって蹲る。
慌てて松山が、早苗と諏訪子も駆けつけて介抱を始めた。
788 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/13(月) 23:16:55 ID:???
カペロマン「くぁ! なんつー威力だよ! こんなの使えりゃ点取り放題じゃねえか」
痛みに顔をしかめながら、賛辞か罵倒かハッキリしない台詞を連発する。
本人もわかってなさそうなので、とりあえず受け止めながら、松山は自分の勝利を宣言した。
松山「これで1勝1敗だな!」
カペロマン「あーくそ。……ブロックでも構わないと言ったが……負けるとやっぱ悔しいぜ」
そんな風にこぼすカペロマン。負けず嫌いという点では、カペロマンも松山に引けはとらない。
そこで彼から、もう一つ別の勝負をもちかけてきた。
松山「北国シュートとサイドワインダーを?」
カペロマン「その名前はともかく、これでイーブンだ。あとは必殺技同士で決めてみないか?」
松山はちょっと考え込んだ。
今の体力は、北国シュートを撃ってかなり消耗している。
もう一発撃つと、今日のシャンハイへの補給はできなくなってしまう。
松山「(どうする……ここで勝負を受けるか?)」
789 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/13(月) 23:17:40 ID:???
どうしますか?
A
>>767
の勝負を受ける
B
>>767
の勝負は受けない
*先に3票入った選択肢で続行。ageでお願いします。sageではカウントできません。
*松山のガッツ残量 (250/900)
790 :
森崎名無しさん
:2009/07/13(月) 23:17:59 ID:n+HMp5N2
A
791 :
森崎名無しさん
:2009/07/13(月) 23:19:09 ID:azsrcWso
A
792 :
森崎名無しさん
:2009/07/13(月) 23:21:20 ID:0VaF1Uug
A
793 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/13(月) 23:50:03 ID:???
A
>>767
の勝負を受ける
決断は早かったが、松山は一瞬、部屋に残してきたシャンハイに軽く詫びを入れた。
奇妙な間を感じて、三人が不思議そうに見てくるが、そこで改めて勝負を受ける。
松山「ボールを挟み込んで、両側からシュート……でいいのか?」
カペロマン「威力比べだからな。もちろんギリギリサイドエリアでな」
ボールを運び、ペナルティエリアの右角の辺りにセットする。
ここなら松山の北国シュートも角度的に厳しくもなく、カペロマンのサイドワインダーも威力を発揮する。
カペロマン「どっちが勝っても恨みっこなしだぜ」
松山「わかってるよ。でもやるからには勝つ!」
抜かせよ、とカペロマンは勝つのは自分だと言い放った。
スーパーシューティングプレイヤー、最強の称号を目指す決意。本職のストライカーとしての矜持。
チームメイト同士でもここは決して譲れない。
794 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/13(月) 23:50:27 ID:???
静かな夜の空気が――張り詰めていく。
早苗「……」
諏訪子「これって真剣勝負……だね」
早苗がいつしか汗を掻いていた手のひらを握りしめ、諏訪子が両手で帽子のつばを掴む。
二人とも、それまでの和やかさとはかけ離れた気迫に満ち溢れる表情をしている。
松山「合図、お願いします」
松山からそう言われて、おっかなびっくり反応をしてから、二人とも首肯する。
幻想郷住人の弾幕ごっこと違う、外来人同士の決闘の合図を、諏訪子は早苗に託した。
諏訪子「それじゃ、早苗、お願いね」
早苗「……わかりました。それでは……」
はじめ! と
澄んだ声が夜の練習場に響き渡った瞬間、松山とカペロマンがボールに向かい足を振り上げた。
ひとつのボールを挟んで。雪国の意地とサイドのスペシャリストの意地とプライドを賭けて!
松山「ここだ! ここで決めるんだ!!!」
カペロマン「うなれ! サイドワインダー!!!」
795 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/13(月) 23:50:40 ID:???
先着2名様で
松山→ ! card 【北国シュート】 62 +(カードの数値)=
カペロマン→ ! card 【サイドワインダー】 61 +(カードの数値)=
MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→松山の北国シュートが蛇の牙を折る!
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。
(カペロマンの足に痺れが)(両者とも足が痺れて動けなくなる)(松山の足に痺れが)
≦−2→カペロマンのサイドワインダーが荒鷲の翼を?ぎ取る!
*勝利した側に能力ボーナスが入ります。
今日はここまで。
796 :
森崎名無しさん
:2009/07/13(月) 23:50:54 ID:???
松山→
ダイヤK
【北国シュート】 62 +(カードの数値)=
797 :
森崎名無しさん
:2009/07/13(月) 23:50:58 ID:???
松山→
ハートK
【北国シュート】 62 +(カードの数値)=
798 :
森崎名無しさん
:2009/07/13(月) 23:52:16 ID:???
カペロマン→
ハートK
【サイドワインダー】 61 +(カードの数値)=
799 :
森崎名無しさん
:2009/07/13(月) 23:52:39 ID:???
おいいいいいいいいいいいいい
800 :
森崎名無しさん
:2009/07/13(月) 23:53:20 ID:???
3連続K、名勝負過ぎる
801 :
森崎名無しさん
:2009/07/13(月) 23:57:15 ID:???
うおおおおおおおおお!
802 :
森崎名無しさん
:2009/07/13(月) 23:58:29 ID:???
これは両方にボーナスが欲しい引き
結果的には最高のものだと思うし
803 :
森崎名無しさん
:2009/07/14(火) 18:43:01 ID:???
さて、一部始終を見ていた早苗はどう思うのか…
これでもなお松山への嫉妬を引きずるようなら
二神の支えとしても失格と言わざるを得ないだろうな
早く吹っ切れて自分がどうありたいか、どうあるべきかを持って欲しいもんだ
804 :
森崎名無しさん
:2009/07/14(火) 18:52:48 ID:???
もう松山が身を粉にして守矢の信仰に捧げたとしても、憎いのは変わらないところまで来てるだろ
つまり感情の絶対値としては 松山 > 守矢
になってさえいるかもしれない
愛情と憎しみは執着という意味でコインの裏表だからな
ここまで憎まれるのも男冥利に尽きるんじゃないか
805 :
森崎名無しさん
:2009/07/14(火) 19:23:50 ID:???
愛の対義語は憎しみではなく無関心、だっけ?
早苗さんの中で松山はどうあっても
吹っ切ることのできない近しい存在として
根を張ってしまったのかもなあ
806 :
森崎名無しさん
:2009/07/14(火) 20:01:34 ID:???
せっかくの活躍や名勝負も早苗が居ると台無しだな
もっと純粋にサッカーを楽しみたいぜ
807 :
森崎名無しさん
:2009/07/14(火) 20:16:00 ID:???
そこまで言われると、最初にメインヒロインとして考えてたであろう松山さん涙目だなww
808 :
森崎名無しさん
:2009/07/14(火) 20:32:53 ID:???
早苗さんは置いといて青春してるのう
こうやって馬鹿やれる男友達と離れるのは淋しいもんだ
809 :
森崎名無しさん
:2009/07/14(火) 21:56:56 ID:???
最初の方の服買ったり杜矢が出たりの流れは
どんなギャルゲーもかなわないぐらい幻想メモリアルだった
この先早苗さんが完全に嫌われキャラになったとしても
あのときめきをくれただけで早苗さんと中の人には
ありがとうを言いたい
810 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/14(火) 22:14:57 ID:???
多くのレスありがとうございます。
事情があって今は返答はできませんが……
勿論ボーナスはちゃんと用意しますね。
松山→ ダイヤK 【北国シュート】 62 +(カードの数値)= 75!
カペロマン→ ハートK 【サイドワインダー】 61 +(カードの数値)= 74!
=1→カペロマンの足に痺れが
北国シュートとサイドワインダー。
お互いの象徴であるべき必殺シュートの小細工なし真っ向激突。
両者とも全力をぶつけた直後は、軸足で体勢を支えることも叶わずに芝に倒れた。
松山「……!」
カペロマン「うぐっ!」
地を這う軌道と、横ばいに揺れ動く特殊な回転をかけたキックの激突で
練習場の芝に伏した二人の、中間距離にあるボールには強烈な回転がかかり、不規則に揺れ動いている。
ボールはまだ誰の物でもない。即ち先に立ち上がり、拾えた側の勝利!
カペロマン「……(何ィ!? あ、足がっ!?)」
体を起こして立ち上がろうとしたカペロマン。
しかしまさかの不測と足の痺れに襲われて、前のめりに崩れる。
811 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/14(火) 22:15:20 ID:???
そして、その目の前で……!
松山「よし! もらったぞカペロマン!」
素早く立ち上がった松山が、激突の影響を感じさせないしっかりとした足捌きで、ボールをキープする。
勝敗は――決した。
キック力に差はなかったが、衝撃を逃がす柔軟性の差が現れた。
皮肉なことに……柔軟性とは、いつか森崎に指摘された松山の欠点。
それが幻想郷にやってきたことで、これ程のギリギリの勝負を制する武器に昇華されていた。
カペロマン「……」
見上げる自分と、見下ろすキャプテン松山。
受け入れるとか以前に、勝敗の構図として余りにも完全すぎて、ぐうの音も出ないとはこのことか。
松山は、カペロマンが足が痺れて動けないのに気付いて、助け起こそうとする。
松山「大丈夫か、立てるか?」
カペロマン「ああ。……サンキュー」
*カペロマンの評価値と信頼度が物凄く上がりました
812 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/14(火) 22:16:17 ID:???
松山の手を取って立ち上がったカペロマンだが、やはり足元がおぼつかなくて、グラリとよろめいた。
近くにきていた早苗と諏訪子が、二人で両側からカペロマンを支える。
諏訪子から、松山とカペロマンの勝負に惜しみない喝采と賛辞が送られた。
諏訪子「最初はささやかな発端から生まれた名勝負か。眼福だったね早苗! 早苗……?」
返答はなく、その代わりにカペロマンを支える諏訪子にかかる重みが増した。
早苗は、雲間から差し込む小望月の光を受けながら、決意を固めた双眸を松山へと向けていた。
松山「東風谷……さん」
早苗「私は……やっぱり松山君が許せません」
松山「……うん」
こうやって互いの目を見ながら会話するのはいつ以来だろう?
早苗の第一声は予想通りに厳しく辛らつで。でも最初に言っておくべきことだった。
そしてここからが、早苗が自分に課すべき
早苗「でも。……でも。私は努力していきます」
早苗が、ゆっくりと手を差し出してきた。握手を求めてきた。
松山からはまだそれに応じることができない。黙って早苗の話を聞き続ける。
813 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/14(火) 22:17:23 ID:???
早苗「今の私には何も足りてない。松山君やフライハイト君みたいに試合で八坂様達の力にもなれない。
カペロマン君みたいに、実力ある相手に自分を示すこともできない。だから……努力します」
松山「(努力……)」
早苗「そしていつか、今は許せなくても。いつか笑顔でお話できるよう、努力します」
精一杯の発言が終わる。ぷつと会話が途切れた。
松山は返事の代わりに、黙って早苗のたおやかな手を取った。
友愛の握手ではない。敵対の握手でもない。きちんとお別れする為の……握手をした。
早苗「今までありがとうございました」
皮肉なものとなったが、心の込められた送別の言葉。
どちらともなく手が離される。早苗は語るべきことを全て終えましたよと、背中を向けた。
その背中姿が、思い出の中の誰かと重なって見える。……松山は自然と口から言葉を紡いだ。
松山「ごめんな、東風谷さん」
松山 (ごめんな、藤沢)
814 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/14(火) 22:18:56 ID:???
決着をつける。その時になって、松山が返せた言葉はそれだった。
早苗「……」
早苗が反応して、僅かに身じろぎをした。
しかしそれでおしまい。お互いに、これ以上は会話を続けることはできない。ただ松山は思った。
松山「(……いつか。またこんな機会がやってきたら)」
最初はただ泣きじゃくるだけで終わった。二度目にはこんな風に謝罪で終わるしかなかった。
だけど今度は、誰かに、ありがとうと言えるようになる。謝罪じゃなく感謝を伝えられるようになろう。
その意味でもう一度。松山光から東風谷早苗に向けて。
心の中で
「ごめん」
と、繰り返した。
815 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/14(火) 22:19:58 ID:???
こうして、様々な「やり残し」は終わった。
何も言わずに黙って側で見ていた諏訪子が、松山達の気持ちの整理がついたと見て、帰ろうと言ってきた。
諏訪子「じゃ早苗。そろそろ帰ろうよ」
早苗「あっ。はい……きゃあ!?」
くるっと背後に回って、早苗の背中をぐいぐいっと押しながら、松山とカペロマンに肩越しに向いて言う。
途中、帽子と視線が一瞬だけ夜闇の中の木々の間に向けられた。
諏訪子「この辺には覗キマもいそうだよ。長居しないで帰っておいでね」
その発言に応えたみたいに……巨木の枝が風に吹かれて不自然に揺れた。
後は振り返ったりせず、風祝と土着神は境内の方角へ引き上げていった。
*早苗と諏訪子が帰っていきました
816 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/14(火) 22:20:59 ID:???
松山「(東風谷さん達は帰っちゃったな。そうだカペロマンは……)」
カペロマンは、まだボールを蹴り足りないと言っている。もうちょっと練習していくつもりのようだ
松山「(俺はどうしよう。シャンハイも置いてきたままだし……)」
どうしますか?
A 部屋に戻る
B カペロマンと練習する
C チームメイトの部屋に行く
D ぶらぶらと神社を散歩する
E その他 行動を併記してください
*『22:30』までの間、自由選択肢の案のみを受けつける時間を取ります。
*それ以前の投票は無効となります。
*先に3票入った選択肢で続行。ageでお願いします。sageではカウントできません。
ひとまず構想整理しますので、今日はここまで。
いやちゃんとまとめられてるのか……今はこれが精一杯。お疲れ様でした。
817 :
森崎名無しさん
:2009/07/14(火) 22:27:51 ID:???
乙でした
818 :
森崎名無しさん
:2009/07/14(火) 22:39:46 ID:vcUWkAbc
A
乙でした
??「『漢たちはボールで語り合い、乙女はその姿に心を打たれた。
乙女はその光景を深く、深く心に焼き付けたのであった』
…ふむ。これがあの者なりの置き土産であったわけか」
…いかん、涙が出てきた
早苗さんの言葉が何よりのボーナスでした、本当にスレ主に感謝したいです
819 :
森崎名無しさん
:2009/07/14(火) 22:45:20 ID:vxbfwdII
A
820 :
森崎名無しさん
:2009/07/14(火) 22:48:25 ID:pRNG4v8s
A
(´;ω;)ウッ…「ありがとう……さよなら…」
乙でした
821 :
森崎名無しさん
:2009/07/14(火) 23:37:35 ID:???
結局みんな松山には甘いな…
822 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/15(水) 00:26:18 ID:???
乙感謝です。
今日のぶんで、ひとまずボーナスだけまとめました。
お別れはこういう形になりましたが……これでは甘いという意見も確かにありますね……難しいです。
先着2名様で
ボーナス!(松山用) → ! card
ボーナス!(カペロマン用) → ! card
と!とcardの間のスペースを埋めて書き込んで下さい。数字で分岐します。
K→ 松山(シュート+2、全能力+1) カペロマン(シュート+3、ブロック+4、全能力+2 ???)
J〜Q→ 松山(シュート+2) カペロマン(シュート+2、ブロック+3、全能力+1)
6〜10→ 松山(シュート+1) カペロマン(シュート+2、ブロック+2)
2〜5→ 松山(シュート+1) カペロマン(シュート+1、ブロック+2)
A→ 松山(ボーナス無し) カペロマン(シュート+1、ブロック+1)
JOKER→ 松山(シュート+3、全能力+2 ???) カペロマン(シュート+5、ブロック+5、全能力+3 ???)
今度こそ、ここまで。
823 :
森崎名無しさん
:2009/07/15(水) 00:27:52 ID:???
ボーナス!(松山用) →
ハート9
824 :
森崎名無しさん
:2009/07/15(水) 00:38:28 ID:???
ボーナス!(カペロマン用) →
スペード4
825 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/15(水) 23:55:52 ID:???
A 部屋に戻る
早苗たちの姿も見えなくなり……
さっそくシュート練習に精を出すカペロマンに、松山は声をかけた。
松山「それじゃ俺は先に部屋へ戻るな」
おう、と顔をゴールへ向けたまま、手だけで答えたカペロマンだが……、
松山が引き上げようとすると、思い出したみたいにあわてて引き止めた。
カペロマン「ああ、ちょっと待て待て」
松山「……?」
松山が何かと思い立ち止まって振り返る。
シュート直前でそのままの状態のボールから、強引に視線を剥がしたカペロマンは、ぽつぽつ語り始めた。
826 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/15(水) 23:56:52 ID:???
カペロマン「さっきの勝負だが……あれはオレの負けだよな」
松山「うん。そうだけど」
カペロマン「(……天然め)でもな、チーム同士の対戦ならまだハッキリはしてねえ」
松山「……?」
だから、つまりな。どうも言語化に苦労してるように、くしゃくしゃと不快そうに髪を掻いて
カペロマン「さっきの続きは……お互いのチーム、正式な試合で決着つけようってことだ!」
爽やかに洗練された物言いなんかじゃない。唾を飛ばすように乱暴に叫びをぶつけるように。
けれどそれは……カペロマンなりの別れと激励の言葉だった。
松山はまた、言葉に詰まった。だけど握手なんて手段は用意されてない。苦労してでも言葉を伝える。
松山「わかったよ……必ず、この続きしような」
カペロマン「できりゃ優勝でもかけてな。約束だぜ」
誓いを立てた。だがカペロマンは握手はしようとしなかった。
代わりに、強く握りしめた拳を松山の胸にぶつける仕草をする。
グローブを交える儀式のように、松山とカペロマンは互いの拳を打ち合わせた。
*松山 → (ライバル) ← カペロマン
827 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/15(水) 23:57:20 ID:???
カペロマン「(にしても……キック力でオレが負ける『三人目』か……)」
最初の一人は、西ドイツの皇帝。
周りから囃し立てられ勝負したものの吹き飛ばされ、焦げ臭い匂いが鼻をついたのをまだ覚えている。
二人目は、ドイツの殺し屋。
相手の挑発に乗り挑んで……敗北。直後に浴びせられた切り裂くような侮蔑の言葉もまだ覚えている。
カペロマン「(あの二人みたいに吹っ飛ばされなかったが……だからこそハッキリした、か)」
互いに最大の力を発揮したあの激突で、足に痺れが残ったのは自分の方。
その事実は、双方のシュート力の、僅かだが誤魔化しようのない差を明確に浮かび上がらせた。
この天然キャプテンは、助っ人の中でも幻想郷に深く順応し、攻撃守備両面で大きく成長を遂げていた。
松山「なんなんだよまた急にぼさっとして」
とぼけた顔して暢気な声。そのすっとぼけた顔を見てる内に、敗北の苦味がせり上がってきた。
カペロマンはへそと口を曲げて、強気にやや邪険にこう答えた。
カペロマン「練習してて分かったが……さっきのでシュート力がグンと上がったみたいでな。今度は……」
松山「カペロマンもなのか! 実は俺もさっきの勝負でシュートのコツを掴んだ気がしてさ!」
カペロマン「……………………天然め。もう帰れ!!」
いきなり怒声を上げたカペロマンに松山は目を剥くが
彼はもう一切取り合わず、猛然とやる気を出してシュート練習に打ち込み始めてしまった。
松山はもう一度、そんな頑張りを見せる彼に戻ると告げて……夜の練習場を後にした。
カペロマン「ったく……こんなだから天然は始末に負えねえ」
???「同感ですわね」
独りごちに、艶めいた声が返ってきた。
一瞬で、顔色を失ったカペロマンの目の前で……スキマが開いた。
828 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/15(水) 23:58:04 ID:???
【幻想郷・26日目・深夜】
練習場から、境内、社務所と来た道を引き返して、松山は部屋に戻ってきた。
シャンハイ「光様、おかえりなさいませー」
松山「っ、た、ただいま」
いきなり留守にして体力も消費して引け目を感じてたが……
シャンハイは、松山の帰還に喜びを見せるだけだった。今日の補給は無理と伝えても変わらない。
松山「(主人に仕える人形……もしこんな彼女が捨てられたら、どんな感情を人間に抱くんだろうな)」
シャンハイの笑顔を前にして、考えてることじゃないなと思いながら……松山は更に深く考えてしまう。
大きく信頼を寄せてる者を裏切ればどうなるか、今の松山には察しはつく。苦くとも経験を重ねてる賜物だ
捨てた者を怨むのか、憎むのか忘れるのか? ……お話で知るホラーの人形への見方が変わった気がした。
シャンハイ「どうかしましたか? ……お顔、悪いです」
松山「顔色って言ってくれ……まあ十人並みだけど。さて……」
829 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/15(水) 23:58:20 ID:???
どうしますか?
A シャンハイと話す
B 萃香の謎かけについて考える
C イーグルスメンバーの分析をする
D 相手チームメンバーの分析をする
*先に3票入った選択肢で続行。ageでお願いします。sageではカウントできません。
帰宅が遅れてしまったので……今日はここまで。
お疲れ様でした。
830 :
森崎名無しさん
:2009/07/16(木) 00:08:37 ID:Ch9wap+o
A
831 :
森崎名無しさん
:2009/07/16(木) 00:11:54 ID:1Rf46DFQ
A
832 :
森崎名無しさん
:2009/07/16(木) 00:13:53 ID:dm1MEqYw
B
833 :
キャプテンレミリア
◆t2UAZ3G5UI
:2009/07/16(木) 00:14:37 ID:ftLgJLTU
A
834 :
キャプテン松山
◆RxYivCScyw
:2009/07/16(木) 17:51:25 ID:???
A シャンハイと話す
松山「(よし、眠くなるまでシャンハイと話すか。あ、そういえば)」
松山は、シャンハイの睡眠や休息について改めて聞いてみた。
するとシャンハイは、アリスから予め言い含められてたと明かして、両手に一冊の本を抱えていた。
シャンハイ「アリス様からマニュアル預かってます」
松山「あ、ありがと。(えっと……?)」
どこに隠してたか釈然としないが、マニュアル本を渡され、回復に関した項目に目を落とす。
アリスの人柄を物語る流麗な文体が書き記されていた。内容は……
松山「(最初に……『最後まで全部読むように』か。どれどれ……)」
アリス『シャンハイの精神構造(自我イド超自我)は総じて人間とは非なるもの。そも人形なのだから
当然の帰結ね。メラトニンやセロトニンといった分泌も無いから眠るという発想や欲求自体が
シャンハイには備わってないと考えてもらって構わないわ。私自身いろいろ試してみたけれど
魔法によって浅いレム睡眠状態(に近しい機能不全状態)に陥らせることは可能だったわ。
ただしそれも回数をこなすうちに耐性をつけることまで実証を得てる。よってシャンハイには
睡眠とは蓄積された疲労回復の有効な手段たりえない。ただし近くの人間が眠る際に抜け出る
アストラル体から要素を供給(吸収、摂取)される事によって回復するのだから一概にそうとも
言えないのかしら? 頑強ながら精神的要因に左右される点など、妖怪と相通じるところが』
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0ch BBS 2007-01-24