キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【魔界の】幻想のポイズン50【軽業師】
1 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/02/27(日) 23:00:48 ID:???
全幻想郷JrユースのFW、反町一樹が幻想郷・外の世界のサッカー界に旋風を巻き起こすというスレです。
この話はキャプテン森崎のパラレル作品で、
東方Project(東方サッカー)とのクロスオーバー作品です。
もしかしたら他のアニメや漫画、小説などからもキャラが出たりするかもしれませんがご了承下さい。
本編のように、選択肢を選んだりカードを引いたりして物語が進んでいきます。
【前スレ】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1296050878/l50
[前スレのわかりやすいあらすじ。]
スウェーデンJrユース、サンパウロFCと並み居る強敵を撃破してきた幻想郷Jrユース。
合宿もラストスパートに入り、更に練習に励む中。
最後に現れた練習試合の相手は、魔界で修行し力をつけた新鋭チーム――命蓮寺ナムサンズ。
命蓮寺の代表・聖白蓮。過去の偉大なプレイヤー・博麗靈夢。そして、魔界の軽技師・佐野満。
彼らを中心としたチームに、果たして幻想郷Jrユースは打ち勝つ事が出来るのか!?
反町「きみは ゆくえふめいになっていた さの じゃないか!」
魔理沙「魅魔様魅魔様魅魔様魅魔様魅魔様魅魔様魅魔様魅魔様魅魔様魅魔様」
霊夢「私はババアを超えるぞJOJOー!」
佐野「ドリブル特化だがドリブルした瞬間エースに止められた。 な、なにを(ry」
リグル「得点も取って守備もして更にボールも運ぶ! エースに課せられる仕事は多い!」
パチュリー「リグル最高や! 他のFWなんていらんかったんや!!」
早苗「ゴールは絶対許早苗!」
星「これでも世界トップレベルのシュートなんですけどね……」
ナズーリン「メンチ乙」
ボス戦だけあって流石に強いぞ命蓮寺! 1点リードしているけど幻想郷Jrユースは勝てるのか!?
そんな幻想のポイズンも記念すべき50スレ目、これからもよろしくお願いします。
823 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 00:42:34 ID:qF6T4Eqw
B
824 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 00:46:32 ID:eqIe6Mzo
B
敵にパサーがいないのよ
825 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 00:56:38 ID:???
全体の作戦・フォーメーションも決まってないから決めかねる
妖精1はマーク決定してるから4−4−2か4ー5−1かぐらいかは決めないと方針が定まらない
826 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 00:57:42 ID:???
俺は4−4−2のつもり。火力勝負なので、ワントップは危ないかと。
827 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 00:58:15 ID:???
前半のうちになるべくリード欲しいし最初はツートップがいいんじゃないですか?
828 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 01:02:30 ID:eRwrFY0E
B
829 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 01:04:00 ID:???
DFは芋さんと河童とレティとチルノでいいですかな?
レティ「土台人生ェ…」
830 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 01:08:26 ID:???
かなあ。んでもって芋のサイドのSHに秋姉…おや、そうするとOMFがメディスンか?w
831 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 01:10:20 ID:???
いやそこはメディではなくてパルパルでは?
それでほぼベストのはず
832 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 01:11:42 ID:???
能力はいうまでもないが、判断力と人格に問題あり。
パス出さないで突っ込むトップ下は厳しすぎるぞ。
833 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 01:12:47 ID:???
MFはボックス型じゃないの?
834 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/22(金) 01:13:50 ID:???
>B.「妹紅さんがいいと思います。ヒューイの競り合い弱さをカバー出来ます」
=========================================================================
輝夜「ふぅむ……(文のパスが少し気になるけど……ま、何とかなる範囲よね)
わかったわ、それじゃあ妹紅はボランチ……。
ヒューイを文のいるサイド側にして、妹紅はビクトリーノ君側にしましょう。
穣子は左サイドバックで……DFの残りはレティとチルノにしましょうか」
反町「レティさんはともかく……チルノですか?」
輝夜「勇儀が妖精1のマークを外した場合の保険が欲しいからね。
あいつのブロック能力は、その1点だけを見れば大会でもトップクラスの筈よ。
妖精1は……まあ、とりあえずボランチの位置においておきましょうか」
反町「DFじゃないんですか?」
輝夜「星熊勇儀はあんたと同じように遠めからでも撃ってくる可能性あるしね。
不慣れでしょうけど、マンマークでひっつくだけなら出来るでしょ」
−−−−−
−−−−−
−−−−−
−−−−−
−EFD− Eヒューイ 760/760 F妖精1 750/770 D妹紅 950/950
C−A−B C穣子 700/700 Aレティ 760/760 Bチルノ 840/840
−−−−−
−−@−− @
835 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 01:14:14 ID:???
……あ、妖精1忘れてたw
マーク要員をDFからでなくMFから割くなら、ボックスにせざるを得ないね。
836 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/22(金) 01:14:50 ID:???
こうしてすいすいと決めてゆき、ひとまず守備陣についてはひと段落。
これで計6人のフィールダー出場者が決定し、残るフィールダーはあと4人。
出番が確定とされている反町・リグル・パルスィを除けば、残るはたった1人だけである。
輝夜「ま、そのフィールダーを決める前に……GKを決めましょうか」
反町「そうですね。 早苗さんがいれば早苗さんで決定でしたけど……」
輝夜「セービングに強いけどスタミナに不安があり、一対一にも弱い大妖精か。
一対一にすこぶる強いけどセービングは二流なヤマメか……どうする?」
反町「むむむ……」
A.「大妖精にしましょうよ。 あいつは勇儀さんのシュートを止めた実績もあります」
B.「ヤマメにしましょうよ。 大妖精の弱点は大きすぎますけど、ヤマメのなら決して大きすぎる訳ではないです」
C.「監督が出てくださいよ。 カリスマなセービング見せてくださいよ」
D.「俺……実はゴールキーパーもやってみたいなぁって……」
E.その他 自由投票枠
先に3票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。
837 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 01:15:06 ID:qF6T4Eqw
A
838 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 01:15:58 ID:oGl3RjL+
A
839 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 01:19:10 ID:5QmAtkn+
B
840 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 01:20:12 ID:???
リグル1トップ
パルスィで中央突破、静葉と反町はフォロー
このさいパルパルで進めるだけ進んでこぼれ球を確保するのはどうだろう
841 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 01:20:50 ID:HtKXlRi6
B
842 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 01:20:51 ID:cqp3TDbg
C
843 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 01:21:31 ID:UITCHevY
B
ヤマメの出目はJOKERが多いしきっとなんとかしてくれる
844 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/22(金) 01:34:36 ID:???
>B.「ヤマメにしましょうよ。 大妖精の弱点は大きすぎますけど、ヤマメのなら決して大きすぎる訳ではないです」
============================================================================================
輝夜「……ま、どっちも弱点はあるしね。 チルノもいるしヤマメで大丈夫か。
よし、それじゃあ最後のフィールダーね」
GKをヤマメに決定し、輝夜は最後のフィールダーを決定しようと巻物に視線を落とす。
輝夜「リグルはFW、パルスィはMF。 あなたはどちらでもいけるから……。
まあ、FWを入れるならあなたはMFに。 MFを入れるならあなたはFWとして出場してもらう事になるかしらね」
反町「リグルのワントップとかは駄目なんですか? 妖精1はマンマーク要員ですから……。
中盤に6人置いたとしても、実質的には5人みたいなもんですよ?」
輝夜「相手の中盤はそこまで人数をかける程ではないし、何より伊吹萃香を相手にする以上ワントップはちょっとね……。
前半も、萃香はDFとして出場するのだから決して楽勝な訳じゃないのよ?」
反町「なるほど……それじゃあ……」
A.「お空を入れて得点力の強化を図りましょう」
B.「美鈴さんを入れて空中戦で有利に立ちましょう」
C.「無難にうどんげがいいと思います。 守備もそれなりに出来ますしサイドハーフとしても使える筈です」
D.「無難に静葉さんがいいと思います。 穣子とのコンビプレイもありますし」
E.「メディスンがいいんじゃないですか? どんな状況でも活躍してくれるはずです」
F.「相手の弱点は前半ですよね? もう前半からパチュリーさん使ってしまうのも手では?」
G.「てゐは何かやってくれそうな気がします!」
H.その他 自由投票枠
先に3票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。
845 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 01:36:02 ID:oGl3RjL+
F
846 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 01:36:06 ID:qF6T4Eqw
D
847 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 01:36:19 ID:5QmAtkn+
E
848 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 01:36:56 ID:bIO6o6xQ
F
849 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 01:37:08 ID:HtKXlRi6
B
850 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 01:38:12 ID:cqp3TDbg
B
851 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 01:38:15 ID:qF6T4Eqw
Fに変更お願いします
852 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 01:38:24 ID:orDTpMYE
F
853 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/22(金) 01:39:06 ID:???
>>851
変更了解です。それでは、Fで決定ですね。
854 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 01:42:50 ID:???
パチュはシュート撃たずに後半も守備ドリブルパスと活躍してほしいところだな
855 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 01:48:09 ID:???
うむパチュだけにパス専念しろということだな
856 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/22(金) 01:50:44 ID:???
>F.「相手の弱点は前半ですよね? もう前半からパチュリーさん使ってしまうのも手では?」
=================================================================================
輝夜「! パチュリーを……?」
反町「前半でリードを稼ぐには、最初から全力で行くしかありません。
その為には、パチュリーさんを前半から使うしかないかと……」
輝夜「話はわかるけど……パチュリーは切り札だからねぇ……。
前半で使っちゃうと、後半には立ってるだけで精一杯って感じになっちゃうし。
局面を変えられるような選手が手元に残らなくなっちゃうわ」
反町「前半で局面を変える必要が無い程にまで突き放せばいいだけですよ」
輝夜「ふむむ……」
ここまで反町の提案をホイホイ聞き続けた輝夜も、ここに来て初めて悩むような表情を浮かべる。
それも当然と言えば当然。
喘息持ちのパチュリーの活動時間は決まっており、精々45分しかフィールドに立つ事が出来ない。
故に、パチュリーは後半から投入するのがセオリーなのだが……。
しかし、反町の言うように前半で大量リードを奪い、逃げ切る策というのも理解出来る。
だからこそ、輝夜は悩みに悩みぬくのだが……。
輝夜「(これは私の監督としての判断力が問われているわね。
私を名将か凡将かを分けるターニングポイントと言っても過言では無い。
カリスマ的に考えて、私がここで出すべき判断は……)」
先着で「★で囲まれた部分を順に」コピペしてください、
★パチュリー「後半から青い顔になる」→! card★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。
JOKER→にとり「こんなこともあろうかと、パチュリーをメカパチュリーに改造しておいたよ!」 メカパチュリー「ヨロシク ヨロシク」
ダイヤ・ハート・スペード→輝夜「……いいわ。 ハイリスクハイリターンだけど、だからこそハマれば強い!」
クラブ7以上→輝夜「やっぱり駄目よ。 ここは静葉を入れておきましょう」
クラブ6以下→輝夜「やっぱり駄目よ。 ここはイナバ(うどんげ)を入れておきましょう」
857 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 01:51:18 ID:???
★パチュリー「後半から青い顔になる」→
スペード4
★
858 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 01:52:09 ID:???
メカパチュリーwww
859 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/22(金) 01:52:30 ID:???
輝夜さんがちゃんと反町の言う事を全部聞いてくれた所で本日はひとまずここまで。
続きは明日以降となります。
それでは、今日も遅くまでありがとうございましたー。
860 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 01:53:19 ID:???
メカパチュリー「オツ オツ」
861 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 01:55:17 ID:???
乙
ガッツあまってても後半は無理ってことなんかな
862 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 01:58:29 ID:???
三杉のスキル・心臓病みたいにハーフタイムで回復しないって事じゃない?
863 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 02:05:35 ID:???
霊夢達がいなくなると殆ど秋空勢で埋まるな
下手したら秋空・パルパル連合軍だけで一試合いけるんじゃないか
864 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 02:13:02 ID:???
秋空が完全に揃ってれば、予選突破くらいはできるんじゃない?
結局、最後に負けたのはもこたんが抜けた弱点をつかれたみたいな部分あるし
865 :
森崎名無しさん
:2011/04/22(金) 02:23:57 ID:???
南米のかませ犬さんと最速ウイング(笑)はさておき、鬼さんコンビがいきなり相手か……
やはりこのスレは難度が高い、だがそれがいい
866 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/23(土) 00:28:33 ID:???
>★パチュリー「後半から青い顔になる」→ スペード4 =
>輝夜「……いいわ。 ハイリスクハイリターンだけど、だからこそハマれば強い!」★
==============================================================================================
パチュリーを前半から出す事は相応にリスクがある策ではあるが……。
しかし、反町の指摘も的を射ているという事も輝夜は理解していた。
ウルグアイの弱点――前半、立ち上がりの悪い所を徹底的に叩き、優位に立つその作戦を。
ここは使った方が勝率が高いと輝夜は判断し、反町の言葉に大きく頷くのだった。
輝夜「それじゃあ、これでスタメンは決定ね……」
−J−H− Jリグル 750/750 H反町 880/880
−−−−−
−G−I− Iパルスィ 700/700 Iパチュリー 700/700
−−−−−
−EFD− Eヒューイ 760/760 F妖精1 750/770 D妹紅 950/950
C−A−B C穣子 700/700 Aレティ 760/760 Bチルノ 840/840
−−−−−
−−@−− @ヤマメ 750/750
輝夜「パチュリーがいれば霊夢がいないという大きな穴も埋めることが出来る。
無論、これはあくまで前半だけだから……前半だけで何とかカタをつけれる程度に攻勢に出てね」
反町「……とはいっても、あまり俺やリグルが前半から飛ばしすぎるのも不味いですよね」
輝夜「他に点取れる選手がいなくなるからね……。 まあ、そこら辺は臨機応変にやって頂戴。
なに、あんたなら多少遠めから撃っても入るんだし大丈夫よ」
反町「(人を化け物か何かみたいな目で見られながら言われてもなぁ……)」
いざとなれば多少遠めからでも撃つようにと反町に言い含め、輝夜は巻物にフォーメーションを書き記した後。
更に2、3、大会に向けての注意点などを話し……こうして初戦、ウルグアイJrユース戦へ向けてのスタメンは決定した。
パチュリーを前半から出すという大博打は、果たして吉と出るか凶と出るか……。
それは大会本番――試合当日にならなければ、わからない事であった。
867 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/23(土) 00:30:11 ID:???
―― フランス国際Jrユース 開催日 前日
フランス国際Jrユース――各国の若きサッカー戦士達が、その力を見せ付けあうこの大会の前日。
各国の合宿所の多くは、大会本番にベストなコンディションを出せるようにする為に――と、この日を休養日にあてていた。
しかし、どんな時にも、どんな所にも例外はいる。
この日殆どのサッカー戦士達が休息をしていた中で、練習をしていた者達もいたのである。
日向「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」
ドゴッ……ギュオオオオオオンッ!! バンッ!!!
全日本Jrユースの宿舎内のグラウンドでは、日本のエースストライカー――日向小次郎が吠えていた。
前回の幻想郷Jrユースと命蓮寺ナムサンズとの試合を見て、日向はまだ自身の力は足りないと断定していた。
全国中学生サッカー大会で猛威を奮ったタイガーショット。
そして、そのタイガーショットを更に昇華させ、威力も破壊力も向上させたネオタイガーショット。
その威力は間違いなく、今大会でもトップクラスの威力を持っている筈だった……。
……しかし、それはあくまでも、"トップクラス"でしかなく……頂点に立っている訳ではない。
日向「(こんなもんじゃ足りねぇ……! あの反町の面を恐怖で染め上げるには……!!
大会で勝ち誇るには……まだまだこんなもんじゃ全然足りねぇ!!)」
868 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/23(土) 00:31:17 ID:???
反町一樹――かつては彼の下にいた、うだつの上がらない二流ストライカー。
そんな彼は、日向の知らない間にとてつもない成長を遂げてこの世界へと帰って来た。
驚異的なシュートコントロールと、超一流と呼べるストライカーの勘を備えて。
その事実は、彼の誰よりも強い自尊心を傷つけ……彼は自身への怒りで腸が煮えくり返りそうな程に苛立っていた。
反町一樹以下でしかない自分――その事実を否定する為に……否。
誰にも負けない、世界一のストライカーである事を証明する為に……彼はこの日、幾多ものシュートをゴールへと蹴り込んだ。
しかし、成果は上がらない――如何に鍛えようにも、中学生である彼のキック力は、既に限界に近かったのだ。
日向「(どうすればいい……単純なキック力を増すにも……こんな設備の整ってねぇ場所じゃ限界がある。
ちっ……)うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
怒れる虎は、懸命に牙を磨いていた。次の大会で自身が世界最高のストライカーなのだと証明をする為に。
869 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/23(土) 00:32:26 ID:???
翼「(リグルに対抗する為には、今の技だけじゃ不十分だ……!)」
日向が練習をする反対側のコートでは、大空翼がダイレクトシュートの練習に精を出していた。
ドライブシュートにミラクルドライブ、更にはスカイドライブを会得し。
現段階では、MFとして十分過ぎるだけの得点力を有している翼。
しかし、彼はこれに決して満足をしていなかった。
前回の練習試合で見た、リグル=ナイトバグには――今のままでは敵わないだろうと考えていたからである。
翼「(リグルの凄い所は何よりもダイレクトシュートだ。
華麗なドリブルに守備力も素晴らしいが、やはり一番の武器はダイレクトシュート。
……俺はそれに勝てるようなシュートを編み出さなければならない)」
稀代のサッカー小僧、大空翼は――何を間違ってしまったか、リグルをエースだと認識してしまった。
その事実は、同じく練習試合を見に行っていた者達の殆どを呆れさせたのだが……。
しかし、この勘違いは結果的にはいい方向へと転がったと言える。
森崎や日向といったチーム内でのライバルの他に、別チームにライバルを見出す事が出来たのだ。
それは翼の心に強い対抗心と、リグルに負けないように一層強くならねばという思いを引き起こさせていたのである。
翼「岬君、もう一度低いボールをくれるかな?」
岬「うん、いいけど……低いボールの技を覚えるの? 翼君にはもうスカイドライブがあるのに……」
翼「ちょっと考えてる事があってね……。 とにかく、頼むよ」
岬「うん……(なんだか練習試合以降翼君の様子が変だな……僕の計画に支障が出ないといいんだけど)」
翼「(待っててくれリグル、君と戦う時までに……俺はこの技を完成させるぞ!)」
練習に付き合ってくれた岬にセンタリングを再度要求しつつ、大空翼はボールにあわせて駆け出す。
リグルの技を見て感銘を受け、その技をヒントに……既に構想は完了している新技。
狂える鷲は、今正に、新たな武器を掴もうとしていた。
870 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/23(土) 00:33:58 ID:???
早田「……おう、なんだよこんな場所に呼び出して」
次籐「今日は練習は禁止じゃなかか?」
三杉「特別に監督に言って許可してもらったよ」
そして、更に離れたサッカーコートでは――早田誠と次籐洋。
全日本守りの要であるこの2人が、幻想郷帰りのエース――三杉淳に呼び出されていた。
元々、あまり三杉とは仲が良いとは言えない両者は三杉に呼び出された事に懐疑的な感情を覚えていたのだが……。
呼び出した本人はといえば、いつもの爽やかで……しかし、どこか人を小バカにしたような表情を浮かべつつ。
サッカーボールを足元で弄りながら、口を開く。
三杉「君達に集まってもらったのは他でも無い……既に察してるかもしれないが……。
これから君達には、僕の指示通りに練習をしてもらいたいんだ」
次籐「……そら構わんが、なんでワシらを選んだ? 日向や翼も練習しちょるタイ」
三杉「これから長い大会……このチームのウィークポイントは出来る限りなくしておきたい。
長所を伸ばすよりも、短所を補いたいんだ。 そう考えて、君達には集まってもらった」
早田「あ? なんだ、そりゃ俺達に喧嘩売ってんのか?」
三杉の言葉に思わずカチンと来た早田と次籐が三杉に掴みかかろうとすると……。
三杉は苦笑をしながら手を振って否定し、説明をする。
三杉「そういう意味で言ったんじゃないさ。 僕が言いたいウィークポイントとは……森崎のことさ」
早田「あァ? 森崎ィ? なんで俺達を鍛える事が森崎の弱点を補う事に……って、あ……」
次籐「ふぅむ……なるほどのう」
三杉「そう……森崎の一対一の弱さとスタミナの不足。 それらを解消するには、君達を鍛えるのが一番という事だ」
871 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/23(土) 00:35:04 ID:???
三杉の言葉に、早田は一瞬、理解が及ばなかったが……。
しかし、次籐はすぐに理解をしたのか顎を撫でながら納得をしたように嘆息し。
早田もまた、頭をかきながら思わず出そうになっていた手を後ろへと引っ込める。
それを確認した後、三杉は更に先を続けた。
三杉「今更、森崎の一対一の強さを鍛え。 更にスタミナを増やすというのは不可能に近い。
特に後者に至っては、一朝一夕でスタミナを増やせという方が無理だからね」
次籐「じゃが、ワシらを鍛えるのならばまだ出来んこつ無いという事か」
三杉「次籐がシュートブロックの精度を高めることが出来れば、森崎は不要にスタミナを浪費する事はなくなる。
早田がゴールに近づく者を寄せ付けなければ、一対一を挑まれる事だって無い。
この全日本の守護神――森崎の弱点を解消する為には、君たちの成長が不可欠だという事だ」
早田「まあ一対一なんて、そもそもそんな状態にする事自体がDFにとっちゃ恥だからな……」
872 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/23(土) 00:36:14 ID:???
超人的なセービングで、誰しもが止めるのは不可能だろうと思えるシュートをとめ続ける全日本の守護神――森崎有三。
そんな彼の唯一と言っていい弱点は、その小さな体躯故の当たり弱さから来る一対一の弱さ。
そして、消費する体力が大きすぎるセービングをするが故のスタミナの不足である。
これらさえ解消出来れば世界一のキーパーとなれるだろうが……。
将来はともかく、既に大会が始まるまで残り1日となった今では鍛えなおすのは土台無理な話。
苦手としている科目を一流にするのも、基礎体力を増やすのも、一朝一夕で出来る筈が無いのである。
しかし、ブロックに強い次籐を更に強めて、森崎のセービング機会を減らし。
タックルの強い早田を鍛え上げて、森崎に一対一をさせないようにする事ならば……。
今の得意能力を更に伸ばすという事ならば、可能性は無い事も無い。
三杉「さぁ、わかってくれたら早く練習といこう。 2人分コーチするのだから、こちらとしても時間を無駄にはしたくない」
早田「へいへい、わかったよコーチさま」
次籐「(あんリグルちゅう小娘のシュートば、今度こそ止めれるようにならんと……)」
橙、天子、藍、衣玖と続いてきた全日本選手陣の強化。
その最後の仕上げ――三杉による、全日本の二大ストッパーとスイーパーの強化特訓は。
果たして成功するのか、失敗するのか……?
873 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/23(土) 00:37:46 ID:???
先着で「★で囲まれた部分を順に」コピペしてください、
★三杉「パスカットとかもやれたらいいね」→! card★
★早田「パスで逃げられたら意味ねーしな」→! card★
★三杉「君 も リ グ ル か」→! card★
★次籐「翼ほどは狂ってないタイ」→! card★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。
二人の特訓カードのマーク・数字が一致した場合、数値の合計に+5されます。
JOKERの場合は、自動的に相手のマークと一致になります。
二つのカードの合計値が、
874 :
森崎名無しさん
:2011/04/23(土) 00:38:24 ID:???
★三杉「パスカットとかもやれたらいいね」→
クラブ9
★
875 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/23(土) 00:38:50 ID:???
【早田】
35→早田、神になる。スキル・パスカット+2入手!「カミソリクリアー」、「シェイビングカット」会得!
「カミソリタックル」発動率3/4、吹っ飛び係数4追加、補正+3に! 更に全能力+2!
31〜33→早田、超化。スキル・パスカット+2入手!「カミソリクリアー」、「シェイビングカット」会得!
「カミソリタックル」発動率3/4、吹っ飛び係数4追加、補正+3に!
26〜30→早田、進化。スキル・パスカット+2入手!「カミソリクリアー」会得!
「カミソリタックル」発動率3/4、吹っ飛び係数4追加、補正+3に!
22〜25→早田、変身。スキル・パスカット+2入手!「カミソリタックル」発動率3/4、吹っ飛び係数4追加、補正+3に!
18〜21→早田、覚醒。「カミソリタックル」発動率3/4、吹っ飛び係数4追加、補正+3に!
11〜17→早田、パワーアップ。「カミソリタックル」発動率3/4!
2〜10→特に効果はなかった……。
【次籐】
35→次籐、神になる。「ヘビーブロック」、「ギガントブロック」、
「パワークリアー」会得! スキル・タックル+1、スキル・せりあい+1取得! 更に全能力+2!
31〜33→次籐、進化。「ヘビーブロック」、「ギガントブロック」、
「パワークリアー」会得! スキル・タックル+1、スキル・せりあい+1取得!
26〜30→次籐、進化。「ヘビーブロック」、「ギガントブロック」、
「パワークリアー」会得! スキル・タックル+1取得!
22〜25→次籐、変身。「ヘビーブロック」、「パワークリアー」会得!スキル・タックル+1取得!
18〜21→次籐、覚醒。「ヘビーブロック」、「パワークリアー」会得!
11〜17→次籐、パワーアップ。「ヘビーブロック」会得!
2〜10→特に効果はなかった……。
>>869
のミスを修正……。
>狂える鷲は、今正に、新たな武器を掴もうとしていた。
は正しくは
>狂える鷹は、今正に、新たな武器を掴もうとしていた。
になります。松山は別に狂ってなんかなかった!
876 :
森崎名無しさん
:2011/04/23(土) 00:39:02 ID:???
★早田「パスで逃げられたら意味ねーしな」→
クラブA
★
877 :
森崎名無しさん
:2011/04/23(土) 00:39:50 ID:???
★三杉「君 も リ グ ル か」→
クラブ9
★
878 :
森崎名無しさん
:2011/04/23(土) 00:40:23 ID:???
★次籐「翼ほどは狂ってないタイ」→
ハートA
★
879 :
森崎名無しさん
:2011/04/23(土) 00:40:41 ID:???
これはひどいwwwww
880 :
森崎名無しさん
:2011/04/23(土) 00:40:52 ID:???
次籐…(涙)
881 :
森崎名無しさん
:2011/04/23(土) 00:41:13 ID:???
これはひどい
もっとやる気だしんしゃい
882 :
森崎名無しさん
:2011/04/23(土) 00:41:53 ID:???
三杉の数字は安定してるんだけどw
883 :
森崎名無しさん
:2011/04/23(土) 00:49:24 ID:???
二人ともAとか酷すぎるww
884 :
森崎名無しさん
:2011/04/23(土) 01:32:18 ID:???
エー?二人ともAなのー?
885 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/23(土) 01:52:54 ID:???
>★三杉「パスカットとかもやれたらいいね」→ クラブ9 ★
>★早田「パスで逃げられたら意味ねーしな」→ クラブA ★
>9+1+(マーク一致+5)=15=早田、パワーアップ。「カミソリタックル」発動率3/4!
>★三杉「君 も リ グ ル か」→ クラブ9 ★
>★次籐「翼ほどは狂ってないタイ」→ ハートA ★
>9+1=10=特に効果はなかった……。
=================================================================================
早田と次籐、全日本守りの要である2人が強化されれば、更に守備は磐石になる。
そして、森崎のウィークポイントを補強するのにも繋がる。
そう考えて開始された練習は……しかし、散々たる結果に終わった。
三杉「君達は……やる気があるのかい?」
早田「…………」
次籐「…………」
三杉のコーチングには問題は無かった。
むしろ、早田や次籐と同年代――まだ中学生という年齢から考えれば、大人顔負けのコーチをしていた。
しかし、対照的に練習をする当の本人達の動きはまるで芳しくなかった。
早田だけは、まだ辛うじて得意のカミソリタックルを発動させやすくなる動きの術を身に付けられたが……。
次籐に至っては、まるで成果というものを出せなかったのだ。
これには当然のように三杉も静かに怒気を2人に向け、早田と次籐は居心地悪そうに俯く。
三杉「……まぁ、いい。 君達の動きに精彩が無い理由は……概ね把握している。
大方、反町と佐野のことだろう?」
早田「うっ……」
次籐「……そん通りタイ」
三杉「まったく……メンタルのケアくらい、自分でしたらどうだい?」
886 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/23(土) 01:54:01 ID:???
そう、この2人が精彩を欠く動きをしていた根本的な原因は……反町と佐野。
両者ともに、気がかりな存在が他所のチームにいたことである。
図星をさされた2人はギクリと表情を歪ませ、三杉は呆れたような表情を浮かべる。
早田「……俺ぁよ、どうしてもわかんねぇんだよ。
反町がどうしてあんな風になっちまったのか。 ……本当に、訳がわかんねぇんだ」
三杉「それは僕だってわからない。 しかし、君は反町とそこまで親しかった訳ではないんだろう?」
早田「……ああ、別に親友って訳じゃなかったし、言ってみればただのルームメイトだ。
でもよ、同じ部屋で数日間過ごした仲である事に変わりはねぇだろ?
あいつは、あいつが消える前の日、悩んでたんだ。 それをもし聞いてやってれば……。
もしかしたら反町がああなっちまわなかったんじゃねーかとか、思うんだよ」
早田誠は、反町の変化に理解が追いついていなかった。
そして、反町の変化に対して――心の底で、罪悪感を持っていた。
性格的には熱くなりやすく、義理と人情に厚い早田。
あの夜、反町が悩む言葉を流したりせず、しっかりと聞いてやっていれば……。
反町が変化する事もなければ、このチームで一緒に戦えていたかもしれない。
もしかしたら自分の選択が、彼の人生そのものを変えてしまったのではないか。
その思いはどうしても残ってしまい……ゆえに、悩む。反町のこの変化は、果たして本当に良かった事なのか……と。
三杉「……今更そんなことを言ったって仕方ない事だろう。
それに、反町にとっては幻想郷にいった事はラッキーだったに違いないさ。
もしもこのチームに残っていれば……間違いなく、日向の添え物が精々……。 いや、それすらも無理だったろうからね」
早田「それは……わかってるさ。 あいつが強くなったのは、あいつにとっては結果的に良かったんだろう。
だがよ、どうして全日本に帰ってこないんだ? そんなのおかしいじゃねぇか!
お前だってこうして戻ってきた。 力をつけて戻ってきたのに、あいつは戻ってこねぇ。
あいつはこのまま幻想郷で骨を埋めるつもりなのか? そんな訳のわかんねぇ場所で、一生過ごすつもりなのかよ!?
それがラッキーだとは……俺はおもわねぇぞ」
887 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/23(土) 01:55:22 ID:???
もしも反町が全日本に戻ってきてさえいれば、早田のこの悩みも幾分かは解消されていただろう。
だが、反町は幻想郷として――幻想郷の代表として戦う事を選んだ。
もしかしたら、反町が単純に全日本と戦いたかっただけなのかもしれない。
或いは、日向なんかとツートップを組むのが嫌で幻想郷を選んだだけなのかもしれない。
しかし――もしも反町が、この先もずっと幻想郷で生涯を過ごすというのなら――。
反町の人としての生は、正しかった道から大きく歪んでしまう事となる。
早田「日本に帰れば親もいりゃ兄弟もいる。 住み慣れた町だってあるだろうさ。
そんなのを捨てて、訳わかんねぇ土地に……俺はあいつを放り出しちまったのかもしれねぇ……」
三杉「……君の言う事も、理解出来なくは無い。 だが……それを決めるのは、反町だ。
それに、この大会が終われば――ひょっこり日本に帰って来る可能性もあるさ」
次籐「わいにしちゃ、楽観的な考え方じゃなかか?」
三杉「可能性の話をしているだけさ。 とにかく、早田……君が責任を感じる事ではないだろう。
反町が幻想郷に行ったのは……そもそも君が原因じゃなく、迷惑な妖怪の仕業なのだしね。
まあ、あまり気に病まない方がいい」
早田「……また妖怪かよ。 ったく、なんだよその妖怪ってのはよ……あー、もう! 訳がわかんねぇ!!」
三杉「いい加減慣れた方がいいよ、大会ではそんなのとやりあう事になるんだから」
頭を掻き毟りながら、いらだった様子で悪態をつく早田。
ため息交じりに三杉は宥めると……続いて次籐に視線を向け、問いかける。
三杉「それで……次籐は、佐野の現況についてかな? あれだけ大敗したのを心配してるって所か」
次籐「むぅ……そん通りタイ」
888 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/23(土) 01:56:49 ID:???
次籐の悩みとは、やはり自身の自慢の後輩――佐野満の事であった。
反町に呼び出されて幻想郷に行き、しかし、その場で即座にいらないと言われ。
八雲紫に利用価値を見出されて、サッカー初心者の集まりであった命蓮寺に預けられた佐野。
彼は幻想郷サッカー界の表舞台に立つ事なく、陰で力を蓄え続けて奮起の時を待った。
そして、いよいよ表舞台に飛び立つべく――と、練習試合を行い……無様に過ぎる程に負けた。
それはもう、手痛く負けた。惨めに負けた。大敗もいい所だった。スレタイが泣いていた。
そんな佐野を、次籐が気にしない道理は無いだろう。
次籐「はじめはワシも全日本ば戻ってこんかった佐野を叱ろうとおもっちょったが……。
あん試合見た後じゃ、佐野に会うのも残酷タイ。
……何より、ワシも幻想郷の連中にはまるで歯が立たんかった。
あん状況じゃ、あいつにかける声もなかか」
三杉「それで上の空になっていいという話にはならないけれどね……。
……次籐、君の言う事も理解は出来るさ。 だが、今はそんな事に気を取られては困る」
次籐「そんなこつじゃと!?」
三杉「ああ、そんなことだ。 彼を心配するなど、バカバカしいにも程がある」
三杉の冷たい言葉に思わず次籐はいきり立つが……しかし、三杉は涼しい顔を浮かべ更に続ける。
三杉「……君の知る佐野は大敗で心が折れる程にまで弱いのかい?」
次籐「むっ!?」
三杉「だとすれば、所詮はそこまでの人間だったという事だ。
そうでないのならば、心配をする必要性は無い。 どちらにせよ、佐野を心配する意味は無いさ。 違うかい?」
早田「お前なぁ……励ますつもりならもうちょっとマシな言葉使えよ」
三杉「これは失礼」
889 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/23(土) 01:57:50 ID:???
三杉の言葉を聞いた次籐は、自分は佐野を信じていなかったのだろうかと自問自答をする。
――言われてみれば、佐野を信じていなかった。否、むしろ、次籐は今、自身の自信を失いかけていた。
オータムスカイズとの試合で何も出来ず、そして、幻想郷との試合で無様に負ける佐野を見て。
あんな者に勝てる筈が無いのだと……心の奥底で、そう思っていた。
それが、結果的に佐野を心配することへと繋がった――。
自分が落ち込んでいる以上、佐野も落ち込んでいるのだろうとどこかで思っていたのである。
しかし、果たして本当にそうだろうか……? 佐野は……恐らくは落ち込んだだろうが、しかし、心まで折れたのだろうか?
自分の知る佐野は、そこまで弱い人間だったか……違う、と、次籐は思う。
次籐「……ワシとしたことが、弱気になっちょったようタイ」
ボリボリと、早田とは違い無駄に力強く頭をかきながらそう呟く次籐。
それを見て三杉はふ、と笑い……ボールを片付け、宿舎内へと戻ろうとする。
三杉「さて、それじゃあ戻るとしようか……。
悩みも晴れたところで練習、といきたいが……これ以上はオーバーワークになる」
早田「ああ……すまなかったな、三杉。 折角練習に付き合ってくれたのによ」
次籐「こん失態は、試合でチャラにするタイ」
890 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/23(土) 01:59:05 ID:???
早田「しっかしなぁ、三杉に慰められるとは思わなかったぜ……」
三杉「ふ……君達にいつまでも落ち込んでいてもらっては困るからね。
君達は貴重な使えるDFなのだし。 石崎や高杉だったら、無視してるよ。
というより、そもそも特訓に誘わない」
次籐「……はぁ、相変わらずじゃなわいは」
早田「一瞬でもいいやつかもなんて思った俺の心を返せ!」
こうして全日本Jrユース、大会前の最後の特訓は終了した。
その結果は散々なもの――望んでいた成果の、半分も満たせなかったと言える。
しかし、この日の特訓で……早田と次籐の迷いや悩みは、若干とはいえ晴れた。
そういう意味では、この特訓――。
大会前に主力選手である彼らの心の憂いが取れたという事は、大きな成果であった。
三杉「(やれやれ……果たして、これで幻想郷に通用するか……。
先に彼らの話を聞くべきだったかもしれないな……そういう意味では、僕の失態でもあるか)」
だが、当然ながら三杉自身はこの結果に不満を抱いていたようだったそうな。
891 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/23(土) 02:00:11 ID:???
という訳で本日はひとまずここまでです。
折角必殺パスカットの名前とか考えたのに出番こなかったワロタw
明日はこの続きからです。早く試合に行きたいですが、もうちょっとお待ちを。
それでは、お疲れ様でしたー。
892 :
森崎名無しさん
:2011/04/23(土) 02:02:01 ID:???
シェイビング乙、いいセンスだ
893 :
森崎名無しさん
:2011/04/23(土) 02:05:12 ID:???
まこっちゃんは本当にいい人。お疲れ様でしたー
第三部あったらどうなるんだろうな
また幻想編なのか日本高校編なのか海外編なのか
894 :
森崎名無しさん
:2011/04/23(土) 02:06:43 ID:???
海外なら、やっぱりサンパウロなのかー?
895 :
森崎名無しさん
:2011/04/23(土) 02:08:30 ID:???
翼がサンパウロ
森崎がパルメイラス
日向と若島津がメキシコ
松山がリバプール
若林がハンブルガー
この中で選ぶならどこがいい?
896 :
森崎名無しさん
:2011/04/23(土) 02:08:30 ID:???
イタリア行ってナンデス虐めあるで
897 :
森崎名無しさん
:2011/04/23(土) 02:26:04 ID:???
ロリ天罰w
898 :
森崎名無しさん
:2011/04/23(土) 02:26:50 ID:???
世界中のGKを体育座りにするつもりかw
899 :
森崎名無しさん
:2011/04/23(土) 07:12:14 ID:???
スレタイが泣いていたわろたw
900 :
森崎名無しさん
:2011/04/23(土) 09:05:00 ID:???
言うな…w
901 :
森崎名無しさん
:2011/04/23(土) 12:07:57 ID:???
佐なんとかさんは犠牲になったのだ……
902 :
森崎名無しさん
:2011/04/23(土) 15:25:20 ID:???
いつか佐野になって反町と戦うシナリオが見たい
ポイズンさんの作戦で動くシュートの魔王に挑むなんてワクワクする
903 :
森崎名無しさん
:2011/04/23(土) 15:34:19 ID:???
ワクワクを通り越して怖いですw
シュート魔王超怖い超怖い
904 :
森崎名無しさん
:2011/04/23(土) 16:19:05 ID:???
なんか早田の言う事でビルマの竪琴思い出した
早田「反町ー、一緒に帰ろう!」
905 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/24(日) 00:56:15 ID:???
>>892
どうも、乙感謝です。
>>893-898
第三部は、一応構想自体は出来てますね。
ただ、実際にどうなるかは今後の展開によっても左右されたりすると思うので明確にどうこうなるとはまだ言えませんです。
そもそもやれるかどうかもまだわかりませんしね。
>>899-903
佐野が主人公として、反町を倒すシナリオを考えた事もありますが……。
やっぱり幻想のポイズンである以上は反町が主人公という前提を崩せませんので断念しましたね。
いつかお遊び企画としてやってみるのもいいかもしれません。
反町を相手に戦う恐ろしさがわかると思います。
906 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/24(日) 00:57:32 ID:???
こうして全日本の選手達が練習に励んでいた頃……もう1つの国もまた、同じように修練に取り組んでいた。
フランスJrユース――今大会の主催国である、このチームの宿舎において。
フランスJrユースの問題児にして、エースストライカー――ルイ=ナポレオンが。
全日本の日向と同じように、必殺シュートの完成に取り組んでいたのである。
ナポレオン「(悔しいがキャノンシュート程度じゃどの国にだって歯がたたねぇ!
もっと強力な……威力の高いシュートが必要だ!!)」
血気盛んで頭に血が上りやすく、しばしば短気であると評される性格のナポレオン。
しかし、そんな彼も自身の実力と周囲の実力を比較するだけの冷静さは持ち合わせていた。
そんなかれは、偵察に向かった練習試合で見た、反町一樹の超威力のシュートにも驚きはしたが……。
命蓮寺の選手――寅丸星が放っていたシュートを、軽々と止めた幻想郷の正GK――東風谷早苗の存在にも危機感を抱いていた。
ただ見ただけでは確実にはわからないが……。
しかし……ナポレオンのキャノンシュートは、恐らくは星のレイディアントトレジャーよりも弱い。
そして、そんなシュートを、早苗は軽々と止めていた。
今のままでは、とてもではないが彼女から点を取れないと――そう危機感を抱いていたのである。
ナポレオン「うおおおおおおおおおおっ!!」
ギュンッ……ギュオオオオオオオオオオオオオッ!! バンッ!!
なんとしてでも、新必殺シュートを開発しなければならない――と、ナポレオンは練習に励む。
さとりとこいしが加入し、守備力が強化をされたフランス。
しかし、攻撃に関しては彼女達が加入する以前とまるで変わらない状況だったのだ。
中盤での守備にボール運びにと動き回らなければならないピエールの事を考えれば……。
点を取る為には……勝つ為には、ナポレオンの成長が必要不可欠なのである。
ナポレオン「はぁっ……はぁっ……」
こいし「ちょっとー、25cm〜。 今日は練習禁止の日でしょ〜? 何勝手にやってんのよ〜?」
ナポレオン「はぁっ……邪魔だ、あっち行ってろ」
907 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/24(日) 00:59:13 ID:???
何本ものシュートを撃ち、既に疲労困憊といった様子で肩で息をするナポレオン。
そんなナポレオンの近くまで、ナポレオンに勘付かれないままに移動し。
不意に声をかけたのは……このフランスに派遣をされた選手――ボランチの、古明地こいし。
不用意に声をかけられたというのに、ナポレオンはといえば既に慣れたのか表情一つ変えず。
ただ無愛想に練習の邪魔だとこいしを見ずに何とか息を整えながら再度練習に取り掛かろうとし……。
一方で注意をしたこいしはといえば、ナポレオンの反応を見てげんなりとした顔をしつつ……。
しかし、一転してにやりと楽しげな笑みを浮かべると、ナポレオンの肩をちょんちょんとつつく。
こいし「ねぇねぇ25cm」
ナポレオン「うるせぇな! 練習禁止なのはわかってんだよ!!
これ以上邪魔するなら俺の25cmキャノン……を……?」
これを受け、短気なナポレオンは一発ヤってやろうかと険しい顔つきをしながら思い切り振り返り……。
そして、そこで見た。
こいし「1人で練習したって効率悪いって。 どうせならさ、皆でしない? ね、皆?」
ブラボー「ブラボーなこいしの判断! ブラボー……おお、ブラボー!!」
ジョルジュ「任せておけ、この私は練習においても大陸一な男だ」
ユニフォームに着替えた……どいつもこいつも情けなく、頼りない顔をしたチームメイト達。
そして、彼らの前に立ち、してやったりの顔を浮かべるこいしの姿を。
ナポレオン「……何やってんだ、お前ら? 今日は練習禁止日だぞ?」
こいし「だからそれをあんたが言わないの。 みーんなさ、ナポレオンの練習に付き合ってくれるって」
ナポレオン「はァ? 俺の練習に? ……そこのザルもか?」
アモロ「うぅ……れ、練習相手になるかどうかはわからないけど……。
さとりさんが正GKになった以上、役に立つにはこういう裏方仕事くらいしかないから……。
あ、でも出来ればあまり痛くしないで手加減してね?」
ブラボー「この私のブラボーなブロックも、練習相手に不足となるとは思えんが?」
ジョルジュ「私は大陸一上手くセンタリングを出せる男だ、心配するな」
908 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/24(日) 01:00:14 ID:???
思わずぽかんと口を開けながら並んだチームメイト達に問いかけるナポレオン。
それを聞いて、さとりが来た事によりサブキーパーへと落とされたアモロはぶるぶる震えながらも頷き……。
ユニフォームの上に何故か厚手のコートを着た男、ブラボーは不適な笑みを浮かべ肯定。
更に、自称・大陸一の男であるジョルジュはニヒルな笑みを浮かべる。
ナポレオン「……じゃあ、そっちにいる連中はなんなんだ?」
フェレーリ「他の皆が練習するってのに、自分だけ休んでるってのもアレだしな……」
ドゴール「こいしに付き合ってもらいながら、何とか大会でお前達の足を引っ張らないように出来るよう技でも覚えようと思って」
ベルジェル「何せ激戦区のDグループだからな……予選落ちなんてしたらフランスに住めなくなるし」
ルスト「ま、そういう事だ」
ナポレオンの更なる問いかけに答えたのは、ナポレオンの練習に特別付き合うという訳ではない選手達。
彼らがここにいた理由は、単純明快……。
ナポレオンの助力となる為に、練習に付き合う為に練習をしようとしていたのではなく。
大会で少しでも勝ちあがれる可能性を上げる為に、各々の力を上げようと純粋に練習をしに来ていたのである。
ボッシ「俺も……ナポレオンばかりに迷惑かけてられないから、少しは役に立てるように頑張るつもりだよ。
……ワントップにして守備に回して少しでも壁を増やした方がいいなんて言われたくないもんな」
ナポレオン「……へっ、しかし、いいのかよピエール? お前までこんな所にいて。 監督の命令違反だぜ?」
ピエール「………………」
ナポレオンとコンビを組む、ツートップの片割れ――ボッシがそう呟いた後。
ナポレオンはその言葉を鼻で笑いながら、挑発的に一番後方に立っていた男――。
このチームのキャプテン、エル=シド=ピエールに問いかけた。
ここまで一度も口を開かず、そして、無表情のまま一同の様子を見守っていたピエール。
規律を何よりも重んじ、命令違反など言語道断とする彼が、この勝手な自主練習を許すとは。
ナポレオンには到底思えなかったのだが……。
909 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/24(日) 01:01:54 ID:???
ピエール「……仕方ない事だ、と考える」
ナポレオン「……なにィ?」
意外にも、ピエールはこの練習を……渋々ではあるが認めるといった旨の発言をした。
これにはナポレオンも思わず眉を顰めて、懐疑的な視線を送り……。
他の者達も、精々見てみぬふり程度で済まされると考えていた予想が覆った事で一様に驚く。
だが、ピエールは相変わらず無表情のままで更に続ける。
ピエール「俺達が入ったDグループは……先ほどベルジェルが言ったように激戦区だ。
5チームの中から決勝リーグへと上がれるのは、僅かに2チームのみ。
先日の偵察で見た幻想郷はもとより、南米の強豪であるアルゼンチンにウルグアイ。
欧州の猛者であるイタリア……いずれも一筋縄ではいかない相手ばかりだ。
俺達が勝ち上がる為には……今からでも、僅かな時間だけでもいいから練習し……力をつけるしかあるまい」
ナポレオン「いいのかよ? 大会初日――つまり明日にゃ、もう試合が始まるんだぜ?
今日練習をしてコンディションを崩してて勝てるか?」
ピエール「試合はやってみなければわからないが、不利になるのは間違いないだろうな。
だが、俺達がが成長をしなければ、いずれにしろ不利なのは違いない」
ナポレオン「っていうより、俺達はもとよりこいつらの成長の方が問題だけどな」
アモロ「うう……」
ピエール、ナポレオン、こいし、さとりといった主力選手以外の選手達は――。
お世辞にも強いとは言えない、フランスJrユースの台所事情。
多少なりと危険な賭けになろうと、その主力選手以外の者達を鍛えなくては……。
どれだけピエールやナポレオンたちが強くなろうと、その穴を突かれて負けるのは明白と言える。
だからこそ、ピエールはこの禁止されたはずの練習も渋々ながら認めた。
彼らの成長こそが、フランスJrユース予選突破の鍵になるのだから。
910 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/24(日) 01:03:08 ID:???
ピエール「そういう事だ……わかったら、早く練習を始めよう。
今はとにかく、一分一秒でも時間が惜しい」
ナポレオン「へいへい、わかりましたよキャプテン様。 おら、お前ら並べ。 蹴り込んでやる」
ブラボー「ブラボー……おお、ブラボー……」
アモロ「ひぃぃっ!」
手を叩き、早く練習を開始しようとピエールが告げると……。
ナポレオンはいきなり仕切りだしたピエールに悪態をつきつつ、アモロとブラボーをゴール前に立たせ……。
当然ながら、彼らにシュート練習を付き合ってもらう為である。
こいし「じゃ、ふぇっくんとぼーちゃんは私と一緒にしましょ」
ボッシ「お、おう!(ぼーちゃん?)」
フェレーリ「(俺、ふぇっくん?)」
ピエール「ルスト、ベルジェル、ドゴールは俺を相手に守備の練習だ。 いいな?」
ルスト「わかった!」
そして、残った者達はオフェンス組とディフェンス組に別れてこいしとピエールのコーチを受ける事となった。
ナポレオン「(完成させてやる、新シュート! 明日戦うイタリアのカティナチオを、俺が粉砕してやる!!)」
ピエール「(サトリ達が来てから、皆の動きは格段に良くなった。 だが、まだ足りない……。
あと少し……あと少しだけでいいから、皆に力をつける事が出来れば……!)」
こいし「(お姉ちゃん、明日――いよいよ明日! 私達の力を知らしめる時が来たよ!!
私達も総仕上げ頑張るから、お姉ちゃんも頑張ってね!)」
フェレーリとボッシを相手に、コーチを続けながら……古明地こいしは思いを馳せる。
今、この時も、あの意外にも動けるデブとともに練習をしているであろう最愛の姉の事を。
果たして最弱の国と言われたフランスJrユース……幻想郷でその地位を失墜させた古明地姉妹は。
大会にて、汚名を返上する事が出来るのかどうか……。
911 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/24(日) 01:04:28 ID:???
以上、判定も何もありませんが本日はここまでです。
それでは、お疲れ様でした。
912 :
森崎名無しさん
:2011/04/24(日) 01:06:05 ID:???
乙でしたー
他の国はこうして特訓している間に反町たちはスライド行進の練習かよ(笑)
主力がごっそり抜けたのに大丈夫かねw
913 :
森崎名無しさん
:2011/04/24(日) 02:41:59 ID:???
まともに強いのは反町、リグル、ヒューイ、パルスィ、パチュリーだけだもんな
914 :
森崎名無しさん
:2011/04/24(日) 02:47:58 ID:???
まあ個人的には負けてもいいやくらいの軽い気持ちだなあ。第三部が楽しみだw
915 :
森崎名無しさん
:2011/04/24(日) 11:29:02 ID:???
ポイズンスレは、やっぱりおもしれえw
いつも思うのが・・・脇役の魅力がすごい。
フランスや、軽業師に肩入れしてしまいそうな自分が怖いぜ。
916 :
森崎名無しさん
:2011/04/24(日) 20:43:32 ID:???
脇役といえば、そろそろ将来性のあるサンタナの出番かな?
917 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/25(月) 00:09:02 ID:???
>>912-913
どうも乙感謝です。
まあ主力が抜けても強いですからw (というか抜けて勝てないならこんな展開にしません)
反町の圧倒的強さを実感してください。
>>914
どうも。第三部はもしなるとしてもずっと先の事になるので、
それまで退屈な思いをさせてしまうかもしれませんがすみません。
>>915
ありがとうございます。あまり脇役を目立たせすぎるのもいけないのでしょうが、つい書きたくなっちゃうので。。。
>>916
次のサンタナさんのターンは雛さんが加入をしてからですね。
外伝の方はサクサクと展開をしていくつもりです。
918 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/25(月) 00:29:44 ID:???
こうしてフランスJrユースの面々が、大会を明日に控えた中、無理を承知で練習をしていた頃。
一方でそのフランスへと派遣された選手――古明地さとりはといえば。
同じく地獄へと落ちた、若き天才GK――若林源三とともに練習をしていた。
若林「いくぞ、さとり……はぁっ!!」
バシュッ……ギュオオオオオオオッ!!
とてもゴールキーパーとは思えない爆発的なキック力を生かし、思い切りシュートを蹴り放つ若林。
シュートを撃った場所はさとりの苦手としているペナルティエリア外。
そのシュートは、以前のさとりならば、まず間違いなく弾くのが精々といえたものだったが……。
キュッ……バッ!!
さとり「と め ま す ! !」
バシィィイイイッ!!
しかし、古明地さとりは横っ飛びで見事にそのシュートを止めて見せた。
しかも、ワンハンドキャッチという余裕を見せる止め方で。
さとり「ふぅ……ふぅ……。 ……ここまでにしましょう、明日はもう試合。
これ以上の練習は、明日の試合に悪影響を出します」
若林「ふん……俺には出場できる目は無いというのに、よくそんな事が言えるな」
さとり「ふふ……源三君なら大丈夫、正GKに戻れますよ」
若林「簡単に言うな。 大会が始まれば、余程のことが無い限りGKの交代なんてものはない。
全日本のB組は西ドイツくらいしか強敵がいない以上、しばらくは森崎の天下が安泰だ。忌々しい事にな」
さとり「……それでもきっと大丈夫です、きっとね」
919 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/25(月) 00:30:45 ID:???
額に流した汗をタオルで拭いつつ、今日の練習を切り上げようとするさとり。
それに対して、若林は若干不満そうな表情をしながらも頷き……。
2人は軽口を叩きあいながら、じっと互いを見やる。
巨漢の男に、見るからに華奢な女。
このフランスでの合宿の間、ほぼ毎日をともに過ごした地の底に落ちたキーパー。
この秘密の特訓も、大会前日のこの日が――とうとう最終日。
即ち、2人の別れの時という事となる。
自然、2人は軽口を叩きあいながらも……どこか不自然な沈黙に包まれる。
さとり「……源三君には、本当に感謝をしています。 貴方がいなければ、私はいつまでも立ち上がれなかった。
ここまで私がやってこれたのも……源三君のお陰です」
若林「……何を今更言ってやがる。 お互いが得をする為だけの、共同練習だった筈だろう。
感謝なんてするんじゃねぇよ」
不意にこの沈黙を破ったのは、さとりの方だった。
彼女はその顔に、僅かな笑みを浮かべながら若林への感謝を告げ……。
それを受けた若林は戸惑うようにうろたえながら、ぶっきらぼうに返答しそっぽを向く。
しかし、そんな若林の心情は……覚妖怪であるさとりにはよく聞こえていた。
さとり「……『俺の方こそ感謝している』ですか。 ふふ……」
若林「!! か、勝手に人の心を読むなと言ってるだろうが!」
さとり「そうは言われましても、私にとっては呼吸をするようなものですから……。
ふふ……源三君は、もう少し素直になってもいいと思いますよ?」
若林「く、くそっ……これ以上からかうだけならもう帰るぞ!
元々、俺とお前は敵同士なんだ! 大会が始まれば、そんな事も言えないくらいにボコボコにしてやるぜ!」
さとり「……そうですね。 お互いが優勝を目指す以上、私達は敵同士ですものね」
920 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/25(月) 00:31:45 ID:???
若林の心を読み、それをさらりと喋るさとりに……。
当の若林は顔を真っ赤にしながら怒りを露にし。
自身が持ってきていたスポーツバッグを引っつかみ、帰路につこうとする。
そんな若林の様子を見ていたさとりは……しかし、やはり微笑を湛えつつ、小さく、呟く。
さとり「……私はD組、幻想郷を筆頭に多数の強豪国に囲まれたグループ。
はっきり言って、決勝に上がるのは至難の業でしょう」
若林「……ふん、今更、弱気にかられているのか?」
さとり「いえ、まさか。 むしろ、逆ですよ」
言いながら、さとりはキーパーグローブを外し……そっとゴールへと視線を向ける。
横は7.32メートル。縦は2.44メートル。
このゴールの大きさに比較をすれば、ほんの小さなボールを。
この大きくぽっかり口を空けたゴールへ入れるのが、サッカーの基本ルール。
さとりや若林の役割は、その小さな小さなボールをゴールに入れないよう……体を張って阻む事。
文字にしてみれば、なんとも途方に暮れるかのような話に思える。
さとり「何点も決められればザルと呼ばれ、疎まれ、蔑まれる。
一度の失敗が取り返しのつかない事になり、どれだけ成功しても試合終了の笛が鳴るまでは安堵をする事はできない。
……一度は、心が読めるというだけでこのポジションを選んだ事を悔やみました。
もっと華やかなFWやMFが良かったとも、思いました」
若林「………………」
さとり「でも……今は、逆に楽しみなんです。
大会に出てくるあらゆるストライカーのシュートを止めて、驚く顔を見るのが」
若林「……それがGKの楽しみ、愉悦感というものだ」
さとり「ふふ……ただ、やはり少し怖くもあります。 また蔑まれる事になるのではないかと、不安にもなります……」
921 :
幻想のポイズン
◆0RbUzIT0To
:2011/04/25(月) 00:32:54 ID:???
かつて反町の驚異的なシュート力の前に何も出来ず、ザルキーパーの烙印を押されたさとり。
そんな彼女は、やがてこのGKというサッカーをやる上で或いは一番損なのかもしれないポジションに嫌気がさしていたが……。
しかし、その思いも……若林とともに練習を繰り返し。
また、フランスJrユースのヘタながら努力を繰り返す面々を見る事で、前向きになっていった。
だが、染み付いたトラウマというものは、そう簡単に拭えるものではない。
眼前に迫る強烈なドライブ回転のかかったシュートに、それに為すすべなく吹き飛ばされる自分。
そして、スコアボード上に増えてゆく敵チームの点数に、観客達から聞こえる陰鬱なため息。
それらはさとりの心の奥深くにしっかりと根強くこびりつき、今尚、さとりを苦しめる。
自身の肩を抱き、小さく震えながらさとりは再び黙し……。
若林はさとりの気持ちがわかるのか、ただ無言でスポーツバッグを肩に下げながらさとりを見つめていたのだが……。
先着で「★で囲まれた部分を順に」コピペしてください、
★誰も得しないフラグ→! card★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。
JOKER→さとり「源三君……私に勇気を下さい……」 言いながらさとりは衣服を脱ぎ……若林の浮き球がアップ!!
ハート10以上→さとり「源三君……私に勇気を下さい……」 なんとさとりは目を瞑った!
ハート9以下→若林「大丈夫だ……今のお前なら、もう二度とザルとは呼ばれん」 若林がそっとさとりの手に自らの手を重ねたぞ!
クラブA→ハート10以上+松山「若林、今日は練習禁止だぞ! 何やってるんだ!」 真面目な松山君が連れ戻しに来ました。
それ以外→さとり「……ふふ、ごめんなさい。 やっぱり私は弱いですね……」 しばらくしたら落ち着いた!
922 :
森崎名無しさん
:2011/04/25(月) 00:33:24 ID:???
★誰も得しないフラグ→
ダイヤ10
★
923 :
森崎名無しさん
:2011/04/25(月) 00:35:23 ID:???
フラグバキバキ
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