キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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レス数が900を超えています。1000を超えると表示できなくなるよ。
【運命の扉】ファイアーモリブレム34【開かれるとき】

1 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/08/26(金) 20:09:03 ID:???
キャプテン森崎のスピンアウト作品です。『ファイアーエムブレム紋章の謎』の世界に
送り込まれた森崎が、マルスたちと共にアカネイア大陸を冒険する物語となっています。
基本は本編と同様に、選択肢の中から第三者(ロムしている人)がどれかひとつを選ぶ事によって進んでいきます。
また必要に応じてトランプを引いてもらったりしてランダムに進行していくこともあります。

【注意】
このスレの物語やキャラの性格は、中の人の都合で原作並びにキャプテン森崎本編とは異なる場合があります。
設定などもストーリーの都合上若干オリジナル要素が含まれていますので、苦手な方はご注意ください。


〜これまでのお話〜

武術や勉学だけでなく、サッカーの腕前も優れて無ければ一流の王宮騎士にはなれない。
従騎士と正騎士たちの合同で行われる練習試合に参加する森崎と第七小隊。
相手チームはジョルジュやフレイなど優れた指揮能力を持つ戦士たちを中心に怒涛の攻めを展開する。
防戦一方に追いやられる森崎たちも懸命に反撃するが、力及ばず敗れてしまう。
敗戦に落ち込むだけでなく、他人との競争や蹴落としに恐怖を感じ始めるクリスたちに
森崎は教官らしく親身に相談してしっかりと心を立ち直らせ、独り立ちさせてゆくのだった。

そしていよいよ訪れた最終試験。この日のために訪れた特別講師はなんとあのアベルだった!
他にも一筋縄ではいかない面々を取り揃えた試験官たちを前に、第七小隊は栄光をつかむことが出来るのか?
密かに動き出す影の集団やモロドフ伯爵の帰還の先に待ち受けるものとは……?


☆前スレ
【最終】ファイアーモリブレム33【試験】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1312119978/l50


☆過去スレ
http://www32.atwiki.jp/morosaki/pages/44.html
上記のページの『過去ログ』内からどうぞ。

259 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/13(火) 00:14:28 ID:???
アベルのHPは19でしたね。修正致します。
============
カタリナ 22/22 ファイヤー(攻速…10 係数…ダイヤK〜8)
命中判定→ ハート6 +15+指揮(5)+支援(3)=29
攻撃判定→ ハートK +10+指揮(5)+支援(3)=31

アベル 19/32 鋼の剣(攻速…13 係数…)
回避判定→ スペード7 +13+指揮(2)+砦(4)+3『黒豹』=29
守備判定→ ハートA +6+指揮(2)+砦(2)=11

カタリナの攻撃!アベルに20ダメージ!
アベルは倒れた。カタリナは80の経験値を得た
カタリナのレベルが7に上がった!
============
先着『1名』様で

カタリナ 魔道士 レベル7
     成長率
H 22 80+! numnum=
力 5 40+! numnum=
技 9 70+! numnum=
速 10 75+! numnum=
運 7 75+! numnum=
武 10 70+! numnum=
守 5 20+! numnum=
魔 4 3+! numnum=

!と cardの間のスペースを埋めて『名前もまとめて』書き込んで下さい。

※合計が100を超えれば1アップです。

260 :森崎名無しさん:2011/09/13(火) 00:14:58 ID:???
カタリナ 魔道士 レベル7
     成長率
H 22 80+ 92 =
力 5 40+ 97 =
技 9 70+ 36 =
速 10 75+ 90 =
運 7 75+ 17 =
武 10 70+ 34 =
守 5 20+ 73 =
魔 4 3+ 59 =

261 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/13(火) 01:24:43 ID:???
カタリナ 魔道士 レベル7
     成長率
H 22 80+ 92 =172→+1
力 5 40+ 97 =137→+1
技 9 70+ 36 =106→+1
速 10 75+ 90 =165→+1
運 7 75+ 17 =102→+1
武 10 70+ 34 =104→+1
守 5 20+ 73 =93
魔 4 3+ 59 =62


カタリナ 魔道士 レベル7 EXP20 0戦0勝0敗
        成長率
HP22/23     80
力  6       40
技 10      70
速 11       75
運  8      75
武 11      70
守  5      20
魔  4       3

以上のようになりました

262 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/13(火) 01:27:49 ID:???
カタリナ「(正騎士たちの信用を集め、仲間との信頼を深め、そしてマルス様とお近づきになる。
     もうすぐです。もうすぐあのお方のお望みを叶えてあげることができる……)」

アベル「(この娘……出来る!?)」

魔法に関してはあまり学がないアベルだったが、多くのガーネフの配下たちと戦ってきた経験が何よりも物語っていた。
本能的に、彼女の魔法には彼ら闇の司祭のような禍々しくも強力な術が固まっているのだと。

カタリナ「(アベルさん相手ならば手加減は必要ないですね。……はぁぁぁっ!!)」

ギュオオオオオオオォォォォ!!

クリス「カタリ……ナ……?」

これまで一番多く共に修練の時を重ねてきたクリスでさえ見たことのない彼女の力の本質。
マルス、シーダ、カイン、そして森崎もカタリナの真の実力を目の当たりにして驚愕する。

カタリナ「舞い上がれ炎の滝よ!そして打ちつけ!エルファイヤー!!」

アベル「馬鹿な!?ファイヤーの魔導書でワンランク上の呪文を成功させただと!?」

ドボボボボボボッ!ボボッ!ドボボォォォッ!!

アベル「(ぐっ……冗談キツイぜ。俺たちの世代じゃこんな魔法扱える奴なんて一人もいなかったぞ)」

抜群の反応を見せ、次々と降りしきる炎の雨を避け続けるアベル。
しかし、先ほどカインと競り合った際に負傷した脇腹の刺すような痛みがほんの僅かだが判断力を鈍らせてしまう。

アベル「しまっ…」

ボシュッ!!

263 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/13(火) 01:29:01 ID:???
アベル「ぐわあああぁぁぁっ!!!!」

エスト「ア、アベルっ!?」

カイン「(俺は……夢でも見ているのか?俺があれだけ苦戦した相手を……見習いの、こんな年端もいかない少女が……?)」

シーダ「(この間まで攻撃魔法が唱えられなかったはずなのに……なんて成長なの……?)」

マルス「(僕の目に狂いはなかった。やはり彼女の魔法は既に完成された……本物だったんだ)」

森崎「(これだ。これを待っていたんだ。カタリナの覚醒こそ第七小隊の真の姿だ。
   へへ……目をかけてやった後輩がここまで活躍してくれるとは教官冥利につきるぜ)」

アベル「……ははっ……まいったまいった。降参だ。すごいな君。いったいどこでこれだけの魔法を習ったんだい?」

煤けた顔を手で払いながら、アベルは魔力を開放して疲れたのかぺたりと座り込んでいるカタリナに駆け寄る。

カタリナ「た、たいしたものじゃないですよ。私の魔法なんてそんな……」

アベル「学の薄い俺でも分かる。誰かの、それも高名な司祭の指導がない限りあんな術式を発動させるなんて無理だ。
    そうじゃないんだったら……きっと君は魔道の神様に愛された『天才』なんだろうね」

謙遜しようとするカタリナだったが、自分を見下ろすアベルの目の鋭さに言葉を飲み込む。

アベル「なんにせよ、これで君たちは合格だ。俺をここまで圧倒的に打ち負かしたんだ。自信を持てよ」

カタリナ「あ、の……アベルさん。私、私は……」

アベル「悪いな。魔道に関しては俺はからっきしでな。君のような可憐な才女とは吊り合わないよ」

なにか言いたげそうなカタリナを振り切るように、アベルは心配そうに駆け寄るエストと共に砦の方へ引き上げていった。

264 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/13(火) 01:30:34 ID:???
カイン「ま、まてよアベル!まだ俺たちの決着は……!」

アベル「安心しなカイン。今の攻撃を受けて少しばかり気が変わったぜ。
    もうしばらくこの騎士団に世話になるつもりだ。……直にジェイガンさんから話があるはずだ」

カイン「えっ…?そ、それは本当かアベル!」

アベル「ああ。俺もあんな失態をエストに見せたままだとカッコつかないからな」

カイン「そうか……ああ、分かった!楽しみにしてるぞ!」

アベルはひらひらと手を振り、返事の代わりをしつつ城の方へと引き上げていった。


先着『2名』様でブロックごとに判定をお願いします

騎士リザルト→! card
天馬騎士リザルト→! card

!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します

ダイヤ→クリスに経験値20
ハート→カタリナに経験値20
スペード→クリスとカタリナに経験値10
クラブ→(騎士)鋼の剣入手(天馬騎士)鋼の槍入手※奇数でクリス、偶数でカタリナのものになります
JOKER→ぜんぶまとめて!

265 :森崎名無しさん:2011/09/13(火) 01:31:24 ID:???
騎士リザルト→ ダイヤJ
お、マルスはきづいたな

266 :森崎名無しさん:2011/09/13(火) 01:32:00 ID:???
天馬騎士リザルト→ クラブ10

267 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/13(火) 01:35:12 ID:???
騎士リザルト→ ダイヤJ→クリスに経験値20
天馬騎士リザルト→ クラブ10→鋼の槍入手

※クリスが20の経験値を、カタリナが鋼の槍を入手しました。
============
しばらくして残された正騎士たちから、エリスの待つ第一砦へと集合するようにと指示が出る。
そこで最終試験の結果発表がクリスたち第七小隊に言い渡されるだというのだ。
森崎たち講師陣は、先に砦の方へと移動することになる。その最中、マルスが話しかけてくる。

マルス「森崎、お疲れ様」

森崎「マルスか。結局従騎士の連中だけで型をつけちまって拍子抜けだったか?」

マルス「ははっ、僕達の力を借りずともあれほどの力を出せるなら何も問題はないよ。
    ……それより、ジェイガンからの伝達だ。第二部隊のルークとライアンだけれど……
    最終試験の模擬戦にて戦闘不能。大きく評価点を下げることになった、だって」

森崎「なにィ!」

マルス「今回の部隊の配分は君が用意したものだったみたいだね。
    ……ジョルジュ将軍が言うには、少し第三部隊に戦力を割きすぎだったみたいだね」

森崎「……だがよ、アベル相手ならあれくらいの戦力がないと正直不安でしょうがなかったぜ」

マルス越しのジョルジュの厳しい言葉に、森崎は思わず口を尖らせる。
自分の判断は間違っていない。最良の布陣を敷いたはずである。

マルス「君のその判断は間違っていないと僕も思う。だけど、結果を残すことは出来なかった。
    厳しいことを言うようだけれど、もしこれが本当の戦場だったら彼らは全滅したということになるんだ。
    ……どんな採点になり、どんな結果が彼らに言い渡されるのかはまだ明らかじゃないけれど
    もしもの時、彼らを立ち直らせることが出来るのは最も親身だった教官である君だけなんだ」

268 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/13(火) 01:36:51 ID:???
森崎「…………」

マルス「人を教えて、導くことは本当に難しいことだと今回教えられたよ。
    どれだけ平等に接しようとしても、感情が、気持ちが表に出てきてしまう。
    ……王子である僕がこれだけ困惑してるんだ。君だって相当苦しんできたんだと思う」

森崎「ああ……そうだな。だが、後進を育てていくのが先人の勤めでもある。
   自分のことだけで手一杯にするつもりはないさ。俺は必ずやり遂げてみせる」

アカネイア大陸への憂いを断ち切れるだけの自分の後継者に相応しきものを育てなければならない。
だが、やはり現実は厳しく森崎の前に立ちふさがってくる。
破滅のツボによる弱体化は相変わらず体力を蝕み、本来の実力を発揮させづらい。
そして第七小隊全員を相手に本当に教官らしく、平等に接してこれたか振り返れば疑問が残ってしまう。

森崎「(全員違う才能。違う実力。違う感性を持っている。そんな集団をまとめ上げる教官という仕事。
   サッカーに例えるのならばキャプテンというよりも監督に近いだろう。
   城山監督や古尾谷監督……三上監督も、こんな苦労を常に抱えていたのかな)」

ただの馴れ合いだけでは終われず、結果もしっかりと残さなければならない。
そんな重責を抱えてきたであろうかつての恩師たちのことを思い出しながら、森崎は結果発表の場へと向かった。



ジェイガン「うむ、揃ったな」

第一砦に集まった第七小隊をひと通り見渡し、ジェイガンは資料を片手にこほんと咳をする。

ジェイガン「では、クリス率いる第七小隊よ。ここで最終試験の成績を伝える。心して聞くように」

ざわ……ざわざわ……

269 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/13(火) 01:38:41 ID:???
エリスに太鼓判を押されたロディとセシル。
アベルに合格だと言い渡されたカタリナとクリスの表情は緊張に包まれながらも明るい。
しかし彼らとは対照的に、ルークとライアンの顔には不安の影が覆っていた。
全員揃って正騎士になることが近衛騎士団設立の条件。
自分たちのせいでクリスたちの足を引っ張ってしまうのではないかと気が気でないのも無理はない。

ジェイガン「正騎士昇格者。クリス!」

クリス「は…はいっ!やった!合格よ!」

ジェイガン「続けて…カタリナ、ロディ、セシル」

カタリナ「はい!やりましたねクリス!みんな!」

セシル「やったわ!これであとは剣と槍を買って…ふふふふふ」

ロディ「…セシル怖いぞ。ともあれ、私も嬉しい。長年の希望がついにかなった」

森崎「(これで6人中4人が合格…あとはルークとライアンだけか…)」

固唾を飲んで教え子たちを見守る森崎。まだジェイガンは口を開こうとしない。

ライアン「(ああ……ゴードン兄さん……)」

ルーク「(ちっくしょう……ルーク伝説もこんなところで打ち切り決定か……)」

ジェイガン「正騎士昇格者は……」

270 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/13(火) 01:40:00 ID:???
先着『2名』様でブロックごとに判定をお願いします

ルークの運命→! card
============
ライアンの運命→! card

!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します

ダイヤ・ハート→合格とする!しかし……
スペード・クラブ→残念だが今回は見送りだ。しかし……
JOKER→合格とする!さらに昇進祝いの装備を進呈しよう

271 :森崎名無しさん:2011/09/13(火) 01:40:13 ID:???
ルークの運命→ ハートQ

272 :森崎名無しさん:2011/09/13(火) 01:40:16 ID:???
ルークの運命→ クラブJ

273 :森崎名無しさん:2011/09/13(火) 01:42:21 ID:???
ライアンの運命→ スペード7

274 :森崎名無しさん:2011/09/13(火) 01:42:21 ID:???
ライアンの運命→ ダイヤ8

275 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/13(火) 01:46:24 ID:???
ルークの運命→ ハートQ→合格とする!しかし……
ライアンの運命→ スペード7→残念だが今回は見送りだ。しかし……
============
明暗がくっきりと別れてしまったところで一旦ここまで。
次回からは拠点パートを何度か挟みつつの長期のサッカーパートへと突入します。
ただひとり試験に落ちてしまったライアンの運命や如何に!?それではまた〜

276 :森崎名無しさん:2011/09/13(火) 01:56:35 ID:???
ジェイガン「ルーク、合格とする!しかし……今後の成長率はワシと同じだ!」
ルーク「なにィ!?」

ジェイガン「ライアン、残念だが今回は見送りだ。しかし……なんか可哀想なのでパルティアを勝手に贈呈する!」
大陸一「なにィ!?」

乙でした〜

277 :森崎名無しさん:2011/09/13(火) 07:31:18 ID:???
ライアン武者修行編スタートか…!

278 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/15(木) 12:20:25 ID:???
>>276
乙感謝です。ジェイガンの暴走もここまで来れば立派なものですw
ちなみに『しかし』はジェイガンの台詞ではなく後の展開を指すものです。紛らわしくてすみません。
>>277
それに近い展開にはなりそうです。はたして教官である森崎はどう動く?
============
ジェイガンの口から出てきた言葉は二人の運命を明確に切り分けた。

ジェイガン「ルーク。最終試験での減点はたしかに大きなものであった。
      だが、これまでの模擬戦やサッカーの試合の活躍頻度を考慮し合格点を与えよう」

ルーク「へ…?す、するってーと…?」

目をぱちくりさせて、まだ状況をはっきり把握できていないルークの肩をロディがぽんと叩く。

ロディ「お前も合格したんだルーク。これまでのお前の活躍は講師たちはしっかりと見ていたんだ」

ルーク「う……うっしゃあーーーっ!!ルーク伝説はまだ終わらねぇんだな!やっほーい!!」

勢い良く飛び上がり喜びを全身で表すルークを微笑ましく眺める仲間や講師たち。
だが、そんな中一人だけ気が気でなく不安を抱く少年が佇んでいる。

ライアン「(最終試験でリタイアしたにもかかわらずルークさんは合格した。
     でもそれはルークさんがこれまでの試験で良い成績をとっていたからで……)」

これまでの自分はどうだった?相手の攻撃を奇跡的に耐えしのぐなど光るところは見せたものの
弓兵らしい活躍は指で数えるほどしか無い。ルークに比べその印象はどうしても薄くなってしまう。
そしてライアンは悟った。自分自身に合格の自信が全く持てない時点で、この後言い伝えられる結果は決まりきってしまったのだと。

ジェイガン「第七小隊からの合格者は以上5名とする」

クリス「えっ…?」

279 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/15(木) 12:22:20 ID:???
セシル「ちょ、ちょっと待ってくださいよジェイガン様!まだライアンが呼ばれて…」

ジェイガン「…最終試験での棄権による減点が主な原因だ。
      アリティア騎士の最大の教訓である『生存』を守れぬものに正騎士になる資格はない」

ルーク「なっ…なんでだよ!俺だってリタイアしたんだぜ!なんでライアンだけ失格に…」

ライアン「いいんですルークさん。……せっかくルークさんは合格できたんですから」

ルーク「だ、だけどよ!納得いかねーじゃんかよ!俺たちは全員で一緒に合格するって約束したじゃねーか!」

ロディ「これ以上自らの立場を悪くすることは言うな。……ライアンの気持ちを汲んでやれ、ルーク」

ルーク「っ……」

森崎「(ライアン…駄目だったか…)」

ゴードンの弟という立場から、森崎は彼に何処か負い目を感じていた所がある。
彼の兄を守りきれなかった責任とでも言うのか、彼を正騎士にさせることでその暗い気持ちを払拭できると思っていた。
だが、自分はライアンを合格させることは出来なかった。もちろんライアン自身の力不足が原因であることは違いない。
しかし、自分の教え方や接し方一つで少しでも結果が良くなっていたのかもしれない。
そんな後悔の念が、そして全員合格という規約を守れなかったという無念が森崎と第七小隊を包んでいた。

カタリナ「……待ってください!」

森崎「(カタリナ…?)」

時が止まったような、重苦しい雰囲気を跳ね除けようと動いたのは意外にもこの少女だった。
いや、戦う勇気を得て従騎士屈指の力を手に入れた彼女だからこその行動だったのかもしれない。
カタリナはジェイガンの前に出ると、膝を折り地に手をつき頭を下げる。俗に言う『土下座』の構えをとった。

ジェイガン「…何のつもりだ?」

280 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/15(木) 12:23:49 ID:???
カタリナ「私のようなものが差し出がましいことはわかっています。
     でも……お願いします!どうか、どうかライアンにもう一度チャンスを与えて下さい!」

クリス「カタリナ…!?」

ジェイガン「なにィ…?」

カタリナ「お願いします!吊り合わないと思いますが私の正騎士の資格を賭けてでもかまいません!
     ライアンは同じ第七小隊の仲間なんです!お願いします!もう一度、もう一度チャンスを下さい!」

森崎「(カタリナ…こんなことが出来る娘だったのか…?)」

初めて出会った時の印象は、臆病で内気を絵に書いたようなオドオドとした自信なさ気なオーラを身に纏う少女だった。
勝気で明朗なクリスと並んでいたことで、その印象はさらに色濃く森崎の脳内に焼き付いている。
だが、今の彼女は自分の立場を棄権にさらしてまで仲間の進退を救おうとしているのだ。あのカタリナが。

クリス「待ってカタリナ。その仕事は部隊長の私のものよ」

スッ…ガチャッ

重装の無骨な音を鳴らしつつ、クリスも膝と手を地面についてジェイガンを見上げ勢い良く頭を下げる。

クリス「第七小隊の失態は隊長である私の失態です。お願いしますジェイガン様!
    ライアンを……いえ、私たち第七小隊にもう一度チャンスを下さい!」

ジェイガン「むっ……」

ためらうこと無く床に額を擦り付けるクリスの姿を見て、ジェイガンは呻き顔をしかめる。

281 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/15(木) 12:25:13 ID:???
セシル「私からもどうかお願いします!約束したんです!全員で正騎士に、そして近衛騎士になると!」

ルーク「ぐっ……女の子にこれ以上無様な真似をさせられるかよ!たのむジェイガン様!いや、ジェイガン大明神!」

ロディ「第七小隊は常に共にあった。一人でも欠けることすら許されることではない」

セシル、ルーク、ロディも次々と頭を下げていく。その騒然たる光景に講師たちは言葉を失い立ちすくんでいた。

森崎「(ちっ……あいつら……なんてことをしやがるんだ……)」

ジョルジュの言葉が蘇ってくる。第三部隊に戦力を割きすぎたことが今回の失態の原因だと。
ライアンの失格の責任は自分の判断ミスも間違いなく絡んでいるのだ。
それを今、クリスたち若き従騎士たちが仲間を守るため、救うために恥を捨てて行動を起こしている。

森崎「(くそっ!教官として、アイツらを導いてきたものとして俺に出来ることと言ったら……!)」

クリスたちを助け、ライアンを庇うことか?だがそれは自らの失態を認めてしまうことである。
それにたとえライアンにチャンスを与えられたとしても他の従騎士たちにとってそれは不平等なものだ。
恵まれた環境に生まれてこなかった森崎だからこそ、彼らのような目立たぬ存在の苦しさも十分理解できてしまう。
人生の先輩として、後輩たちに何を伝え何を残せるのか。精一杯悩んだ末、森崎の出した結論。それは……


☆どうしますか?

A「見せてやる!これが俺のがんばり土下座だ!」自分も頭を下げてジェイガンに懇願する。
B「そんな都合のいいことを夢見てるんじゃない!」往生際の悪いクリスたちを止める
C ジェイガンに視線を投げかけ無言の抗議を行う。

2票集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。

282 :森崎名無しさん:2011/09/15(木) 12:35:50 ID:24zViSsc
B

結果は結果として皆を諭す。
その上でライアンに修行を施す。
できなければアベルにお願いするなり対応する。

283 :森崎名無しさん:2011/09/15(木) 12:40:17 ID:/EygSIYQ


284 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/15(木) 13:51:01 ID:???
>B「そんな都合のいいことを夢見てるんじゃない!」往生際の悪いクリスたちを止める

森崎「(仲間と一緒に正騎士に。そのためだったら自分の立場すら厭わない、か)」

美談である。しかし、甘い幻想でもある。特にキャプテンという立場に固執し
多くの手段を取り犠牲を強いてきた森崎にとってはクリスたちの行動は滑稽極まりないものに見えていた。

森崎「やめないかお前たち!」

クリス「森崎さん…!」

カタリナ「森崎さんからもお願いします!私たちは、皆で一緒に近衛騎士に…!」

森崎「そんな都合のいいことを夢見てるんじゃない!お前たちはもう正騎士に、一人前の王宮騎士団に選ばれてるんだぞ!」

ロディ「!」

セシル「そ…それはそうかもしれないですけど……でも、アタシたちは仲間で…」

森崎「試験の結果は絶対だ。合格したものは正騎士になり落ちたものは従騎士のまま。そうですよねジェイガンさん」

ジェイガン「……ああ、その通りだ」

ルーク「なんてことを言うんだよ森崎さん!アンタだって俺たち全員の合格を願っていたんじゃねーのかよ!!」

森崎「これが現実だ。実力の伴わないものは落ちぶれていく。そうならないためにお前たちは
   これまで厳しい訓練に耐え、学び、戦ってきたんじゃないのか?
   それともなんだ。気の合う仲間と馴れ合うために、お前は正騎士になりにきたのか?」

ルーク「ぐっ……!」

285 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/15(木) 13:52:35 ID:???
ジェイガン「これまでの試験結果を考慮した故の結果だ。確かに光るものはあるものの、
      まだ正騎士に昇格させるほどの実力を兼ね備えてはいないと判断した。
      ……残念だが、近衛騎士団の話も無かったことにさせてもらうぞ」

カタリナ「そ、そんなァ……」

クリス「(森崎さんは私たちの味方だって信じてたのに……あんまりだよ、こんなの……!!)」

第七小隊の悲しみを帯びた視線が突き刺さるのを森崎は感じていた。だが、森崎は厳しい表情を崩さなかった。

森崎「(きっと俺は薄情な教官だとアイツらから恨まれるんだろうな。だが、俺は心を鬼にしてでもお前たちに伝えたいんだ。
   実力の無いものは何時迄経っても栄光を掴みとることは出来やしない。
   優しさだけでは乗り越えられない壁があるということを、今のうちに理解してくれ)」

優しさと甘えはまったく違うものだということを、森崎は彼らを信頼しているからこそ伝えたかった。
皮肉にも森崎もまた、自分への好感という犠牲を強いてクリスたちを助けようとしていたのであった。

ジェイガン「…それではこれにて合格発表は終わる。なお、正騎士の叙勲式についてだが…」

重苦しい雰囲気の中、ジェイガンが後日の予定を伝えようとする。しかしその時……

????「諸君!まだ一勝負あるぞ!」

低く響く、しかしどこか穏やかな雰囲気もあるその老人の声の方を森崎たちは振り向いた。

森崎「モ……モロドフさん!?」

第七小隊の最終試験はライアンのみ落第という残念な結果となった。
嘆き悲しむ従騎士たちに、森崎は現実の厳しさを心を鬼にして説き伏せる。
だが、突如森崎たちの前に現れたモロドフによって事態は新たな展開を迎えることになる。

『前日編・森崎有三の7日間で分かる王宮騎士講座』 おわり

286 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/15(木) 13:55:06 ID:???
ここで少し時間は遡る。アカネイアと日本の交流を繋ぐものとして
サッカー協会の研修生として派遣されたモロドフは協会員の片桐宗正とレストランにて待ち合わせをしていた。

片桐「おまたせ致しました。モロドフ氏」

モロドフ「いえ、私もいま来たところですじゃ。もっともこのような台詞は逢引の時に相応しいものと思いますがの」

片桐「ふふ…冗談がお好きなお方ですね。それより、電話でも話したとおり
   今日は有意義な企画が纏まりそうなので、その確認をお願いしたいのですが」

モロドフ「はい。それではお店の中へ入りましょうか」

その後、簡単な食事を取りつつ片桐はバッグから書類を何枚か取り出しモロドフの方へと差し出す。

片桐「以上、3チームほど選手を見繕っておきました。目を通しておいてください」

モロドフ「日本とアカネイア。2つの世界のプロサッカーリーグ同時開催を記念した親善大会ですか…」

片桐「はい。2年ほど前にアリティアカップという大会が行われたことは覚えておりますよね」

モロドフ「それはもちろん。主催国でありながら3位というものたりぬ結果では老いた脳でも忘れることはできません」

片桐「前大会のリベンジも兼ねて、ぜひ検討の程をお願いしたいのですが。
   昨年のユース選考特別試合において、アカネイアの皆様のサッカーセンスは類まれなものだと認識しているのです。
   双方のスキルアップも出来ることまちがいなしですよ」

287 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/15(木) 13:56:27 ID:???
モロドフ「……なるほど。話はわかりました。確かにこちらとしても非常に興味深く有益なお話ですね」

片桐「先日のユース大会での優勝もあり、日本のサッカーに対する興味は確実に大きくなりつつあります。
   他国の一流リーグに見劣りしない試合を行える地盤を、開催前に彼らに身につけてもらいたいのです」

モロドフ「うむ。まだサッカーの歴史も浅く未熟なものが多い我が国も同じことが言えるでしょうな」

片桐「それでは…!」

モロドフ「……一つ、条件をお願いしたいのですがよろしいでしょうか?」

片桐「ええ。私に出来る事でしたら」

モロドフ「……このリストの者たちにも招集をかけてやってください。
     ユース大会を制覇し、大きな力を手に入れつつある今のあなた方協会の力ならば可能なことでしょう」

そう言うとモロドフはメモ用紙を片桐に手渡してくる。その名前の一覧を見た片桐は一瞬驚くもののすぐに笑と言葉を返す。

片桐「分かりました、お任せ下さい。それでは、一週間後に再びこのレストランにて」

モロドフ「ええ。両国のサッカーの反映を願う、素晴らしき大会にいたしましょうぞ」

アカネイア大陸への遠征。そして親善大会。この知らせはプロリーグ開催を待つ若きクラブチームに大きな波紋を起こすことになる。

288 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/15(木) 13:58:21 ID:???
〜南武フースバル練習場〜

新田「早田さん、聞きましたか?片桐さんからの例の話」

早田「ああ。まさかこんな形でアイツらと再戦できるとは思って見なかったな」

石崎「アカネイアのカワイコちゃんたちにまた会えるんだなあ。デヘヘ…」

???「ほーう。その大陸の女の子はそんなに可愛いのか」

石崎「あ、キャプテン!そりゃあもうよりどりみどりで右も左も困っちゃうっすよ。
   守備の機会がこれほど待ち遠しい相手はいないというかなんというか」

話の輪に入ってきたのはフースバルのキャプテンであり司令塔である小豆沢である。
石崎たち『黄金世代』よりも上の世代の中でも随一の技術を持つ優れたプレイヤーだ。

小豆沢「なるほど。これは陽子くんにも伝えて置かなければな。
    チームマネージャーに敵チームの情報を教えておいて損はないだろう」

石崎「うへぇ!か、勘弁して下さいよ〜!」

事務室へ行こうとする小豆沢を追いかける石崎を、新田はしばらく楽しそうに眺めていたが徐々に顔に影を落としていく。

新田「……早田さん。俺たち南武フースバルに勝ち目はありますかね?」

289 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/15(木) 14:00:43 ID:???
日向が取り仕切るヒューガーが積極的に支援する私設クラブ『東邦タイガース』や
全日本ユース代表の多くが所属している『南葛ウイングス』に比べればどうしても戦力に不安を感じてしまう。
小豆沢のような優秀な選手は稀であり、お世辞にも他の選手からは彼ほどの技術も力も無いのが現状なのだ。
これも『黄金世代』のみに注力してきた日本サッカー協会にも原因の一途があるのだろうが。

早田「ある」

新田「そうですか!?うちは俺と早田さんと石崎さん、キャプテンぐらいですよまともなのは」

早田「そうかな?俺はある男に目をつけてる」

そう言うと、早田は練習に明け暮れているピッチの方へと視線を移す。
そこには休憩時間にもかかわらず元気よくボールを蹴る少年がいた。

早田「あいつは栗栖(くりす)。俺はあいつのプレイを見て翼を、そして……」



フースバルの すごい 新人→! card

!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します

ダイヤ→日向のような強靭さを思い出したぜ
ハート→岬のような優れた技術を思い出したぜ
スペード→三杉のような指揮力を思い出したぜ
クラブ→松山のような粘り強さを思い出したぜ
JOKER→森崎のような豪胆さを思い出したぜ

290 :森崎名無しさん:2011/09/15(木) 14:02:26 ID:???
フースバルの すごい 新人→ ダイヤ8
おや、並行世界の同一人物。

291 :森崎名無しさん:2011/09/15(木) 14:10:02 ID:???
成長率の悪いベテランの自衛丸さんとか、コンクリも易々貫く怪力の志田さんとか
仮面被った黒衣の神湯さんとかもいるのか…胸熱。


292 :森崎名無しさん:2011/09/15(木) 14:12:41 ID:???
残念、神湯さんは登録名として「支離薄」を名乗っているからそちらで呼ぶように。

293 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/15(木) 14:57:14 ID:???
>>290
オリキャラ繋がりということで、アカネイアのクリスに選ばれなかった性別の方を
フースバル所属の『キャプ翼4』のオリキャラにすることにしていました。
>>291
漢字でも登録できそうな名前の人も結構いますよねw佐治くんとか馬路くんとか…
>>292
いっそのことシーズンごとに登録名を変えてみるのはどうでしょうか?来年は地郁くんだ!
============
フースバルの すごい 新人→ ダイヤ8
>ダイヤ→日向のような強靭さを思い出したぜ

その少年は今はイタリアセリエAの名門、ユベントスに鳴り物入りで入団した
日本の誇るストライカーこと日向小次郎を想像させるような姿をしていた。
日に焼けた健康的な肌、肩まで捲り上げられた袖口から見えるその逞しい腕は
彼の強靭なフィジカルの強さを物語っているようだ。

早田「あいつのプレイは翼のようなセンスと日向のような強靭さを思い出させたぜ」

少年がネットに蹴り込むボールの音は明らかに他の選手と違っていた。
ネットが悲鳴をあげるように軋むその光景から、
栗栖という少年にとんでもないシュート力が秘められていることが伺える。

新田「……確かに、他の先輩方たちに比べれば幾分マシかも知れませんね」

自分にはない天性的なキック力に少し嫉妬しつつも、新田は冷静に戦力を分析する。
確かに彼の力があれば、他の強豪にも互角に持ちこめられるかもしれない。

栗栖「(もう少しだ。もう少しであのシュートが完成する…!)」

ドゴッ! ド ゴ ッ !  ド  ゴ  ッ  !

豪快なフォームから繰り出されるそのシュートは不可思議な軌道を描きながらも多大な威力が備わっていた。

294 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/15(木) 14:59:13 ID:???
早田「噂じゃあの日向の師匠でもある吉良耕三氏の秘蔵の教え子だとかなんとか言われてるらしいぜ。
   その豊富な資金力で有力な外人選手を確保している東邦に入らず、うちに来てくれたのは大助かりだぜ」

新田「得点力はいくつあっても困らないですからね。…でも、エースストライカーの座はそう簡単に渡せませんよ」

早田「へへ…あんまり後輩イジメはすんなよな?」

新田「失礼な!森崎さんじゃあるまいし、そんなことはしませんよ」

早田「ははは、あいつのは愛情の裏返しってやつじゃねーの?」

新田「ど、どうだか…!(森崎さんに見せてやるんだ。進化した俺のスピードサッカーを!)」

先日の特別試合で森崎との蟠りは解かれたのか、新田の森崎への恨みは殆ど無くなっていた。
こうして冗談として過去の遺恨を口に出せるようになったのが何よりの証拠である。

早田「(待ってろよ森崎!特別試合の借りはこの大会で晴らさせてもらうぜ!)」

親友との熱い戦いを胸に、早田と新田は栗栖の練習へと混ざっていくのだった。

295 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/15(木) 15:00:53 ID:???
〜南葛ウイングス練習場〜

?????「ここかァ…ミサキの故郷ってやつは」

その男は肩をいからせ、堂々とした足取りで指定された練習場へと向かっていく。
協会の指示により、他国のリーグに研修を命じられるのはよくある話だが
まさか新リーグ開催を控えた新生プロクラブに呼ばれるとは思って見なかったこの男。
しかし、同時に伝えられた親善大会の話を聞き二つ返事で了承することになった。

早苗「お待ちしていました。遠路はるばるようこそ。私はチームマネージャーの中沢早苗よ。
   元フランスユース代表ストライカー…ルイ・ナポレオンくん。歓迎するわ」

ナポレオン「おう!俺が来たからには得点には事欠かせねぇぜ。
      百発百中、狙った得物は逃さない。俺のキャノン砲が火を噴くぜ!」

ワールドユース大会にて日本に屈辱的な敗戦を喫し、評判を大きく下げたフランスの大砲がそこにいた。
あの大会後、ピエールは自分の力の無さを嘆くように黙々とサッカーに打ち込む毎日を送っている。
全てはあの日失われたかつての栄光を取り戻さんため。尻でセービングされたという汚名を払拭せんがため。
なによりも、森崎のいるチームと再び相まみえられるこの機会を逃さんため。
ナポレオンは古巣シャンゼリゼに別れを告げ、岬の紹介もありこの『南葛ウイングス』へと移籍することになったのだ。

早苗「それじゃあチームの皆に紹介するから、ついてきて」

ナポレオン「(サッカー後進国とは既に過去の話になりやがった日本の新設クラブか。
      主な戦力はユース代表や地元の有力な大学生という話らしいが……)」

簡単な自己紹介が行われ、ナポレオンは早速ウイングスの練習へと参加する。
その中でナポレオンの目に止まった存在がいた。それは…

296 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/15(木) 15:02:52 ID:???
ウイングスの すごい 邂逅→! card

!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します

ダイヤ→ウイングスのエースストライカー、来生である。
ハート→ウイングスのキャプテンであり司令塔の井沢である。
スペード→ウイングスの攻撃の要、滝である。
クラブ→ウイングスの守備の要、高杉である。
JOKER→似ているのは髪型だけか?岩見である。

297 :森崎名無しさん:2011/09/15(木) 15:03:30 ID:???
ウイングスの すごい 邂逅→ クラブ3

298 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/16(金) 20:50:15 ID:???
ウイングスの すごい 邂逅→ クラブ3
>クラブ→ウイングスの守備の要、高杉である。


ナポレオン「(俺たちに屈辱的な敗戦を塗りたくった日本のプロクラブとはどんなものかと身構えてみりゃあ…)」

静岡県の中でもサッカーに対して最も積極的に活動している南葛市。
今回、日本にプロサッカーリーグが設立すると聞いて一番にチーム結成を謳ったのも南葛市長だった。
他のクラブチームとは違い、企業母体を持たない純粋市民参加型のこの特殊なチームは
かつての『黄金世代』の仲間たちを主に集め、来たるプロリーグ開催に備えて練習に励んでいるというのだが…

ナポレオン「(全日本ユースの連中がいるとは聞いていたが、どれも本大会じゃ見たことねえ控えの連中ばかりじゃねぇか)」

だが、拍子抜けしたナポレオンの目を鋭くさせる存在が現れる。
ゴール前に立ち、積極的に周りに支持を出しながらもシュートコースを制限させる巧みな守備を見せるDFがいたのだ。

高杉「中里走れ!お前の持ち味はカットからの素早い切り返しなんだ!」

中里「御意!」

高杉「岩見、もっと積極的にプレスを仕掛けてもいいぞ。後ろは俺とメクネスさんが守り切るからさ」

岩見「ああ!」

メクネス「ふむ。だいぶ視野が広くなったな高杉。先週に比べて見違えるような成長だ」

高杉「へへ…ありがとうございます」

ナポレオン「(あいつは…?)」

回りこむようにして、その巨漢DFの背後に立つ。ユニフォームには高杉という名が記されていた。

299 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/16(金) 20:51:28 ID:???
ナポレオン「(うちのルストよりもいい動きしてんじゃねーの。…いっちょ試してみるか)
      ヘイ、マネージャー!ボールひとつよこしな!」

早苗「え?あ、ちょっと、今はシュート練習じゃ…!」

早苗の静止を振り切り、足元のボールを素早く掠め取るとナポレオンは高杉のいるゴール前へと駆けていく。

ナポレオン「おい!そこのデカブツ!」

高杉「デカブツって…俺のことか?」

中里「このチームに高杉殿より大きな選手は存在しないでござるよ」

岩見「…気を付けろよ高杉。あのナポレオンって奴はサッカー誌でも有名な札付き野郎だって噂だぜ」

ナポレオン「俺の見たところ、このチームで一番まともそうなのはお前みたいだからな。
      どうだ?フランスリーグで猛威を振るってきた俺の『キャノンシュート』を受けてみる気はないか?」

井沢「あ、あいつ〜!キャプテンかつ司令塔であるこの俺を無視して何故高杉に!?」

滝「まあまあ。ちょっと面白そうだから様子を見てみようぜ」

来生「へん。なんだかんだであいつは森崎に尻でシュートを止められるようなヘタレだろ?たいしたことないっての」

修哲トリオが囃し立てる中、高杉はその細い目を少し釣り上げながら言葉を返す。

高杉「…いいだろう。俺もこのチームの守備の要という自負はある。
   だが、もしも俺が勝ったらちゃんとマネージャーの指示通りに練習に励むんだ」

ナポレオン「へっ、随分な自信じゃねぇか。おもしれえ」

300 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/16(金) 20:52:40 ID:???
早苗「(も〜っ!みんな好き勝手なことばかり言っちゃって!
   やっぱりちゃんとした監督を用意してくれるように市長さんにお願いしたほうがいいのかなあ)」

実のところ、この南葛ウイングスというチームに監督は存在しない。
日本サッカー協会に在籍している片桐陽子の勧めで、早苗は海外で活躍中の翼のサポートを学ぶべく
本格的なマネージャーの資格を得るためにこのチームへと入団したのだ。

早苗「(陽子さんもサンパウロでロベルトがいないときに監督代行をしてたって言ってたし、
   私も翼くんをただ応援するだけじゃなく、助けに、支えになれるようにと決意したのに…これだものね)」

この同窓会のような和やかな雰囲気は嫌いではないが、もう少し真面目に練習して欲しいというのが本音である。

早苗「(翼くんも、今頃新シーズンに向けて調整に励んでいるのかな?私も今、燃えに燃えてるよ!)」

遠く離れていても心で通じ合う、最愛の人を思いながら早苗はホイッスルに唇を当てた。

ピピーッ!!

早苗「よーし!その勝負、チームマネージャー兼監督代行中沢早苗が預かるわ!
   高杉くん、ナポレオンくんに日本のプロリーグの恐ろしさを教えてあげなさい!」

高杉「つってもまだ開催前なんだけどなあ」

すっかり乗り気になった早苗に苦笑しながらも、高杉はナポレオンに物怖じせずにどっしりと構えを取る。

ナポレオン「へっ。貴様にプロとアマの違いってやつを叩きこんでやるぜ」

高杉「それはありがたい。今は少しでもチーム力を上げておきたいんだ。遠慮はいらないぜ」

ナポレオン「ぬかせ!うりゃ〜〜〜〜〜っ!!!」

高杉「(一度言ってみたかったんだよねこれ) と め る !」

301 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/16(金) 20:54:25 ID:???
先着『2名』様でブロックごとに判定をお願いします。

ナポレオン→! card+ キャノンシュート33=
============
高杉→! card+ ブロック24=

!と cardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードの数値で分岐します

【攻撃側】−【守備側】(ディフェンダー)
≧5→高杉を豪快に吹き飛ばしボールはネットを突き破る!
≧4〜2→高杉を吹き飛ばしボールはネットに突き刺さる!
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に
≦−2→ブロック成功。ボールを奪った!

【補足・補正】
『キャノンシュート』吹っ飛び係数2
高杉のカードがダイヤで『鉄壁ブロック』で+8(減衰効果+2 減衰範囲-2)
高杉のカードがハート・スペードで『パワーブロック』で+3
その他は>>11を参照してください。

302 :森崎名無しさん:2011/09/16(金) 20:55:32 ID:???
ナポレオン→ ハート6 + キャノンシュート33=

303 :森崎名無しさん:2011/09/16(金) 20:55:50 ID:???
ナポレオン→ ダイヤ2 + キャノンシュート33=
お、いっぱしのブロッカーの能力だ

304 :森崎名無しさん:2011/09/16(金) 20:56:17 ID:???
高杉→ スペードA + ブロック24=

305 :森崎名無しさん:2011/09/16(金) 21:01:52 ID:???
一瞬、高杉って誰だっけと思いだそうとしたら高杉和也が浮かんできた
キャプ翼の高杉って下の名前あったっけか

306 :森崎名無しさん:2011/09/16(金) 21:06:57 ID:???
高杉「真吾」だってさ

307 :森崎名無しさん:2011/09/16(金) 21:36:08 ID:???
>>305
なぜか一瞬、上杉和也に見えた

308 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/17(土) 17:46:58 ID:???
>>305-306
原作でもあまり下の名前で呼ばれる機会が無いですからね。
シンゴといえば葵の方に印象が行ってしまったのもありますしw
>>307
かっちゃん!
============
ナポレオン→ ハート6 + キャノンシュート33=39

高杉→ スペードA+(不利-2) + ブロック24+(パワーブロック+3)=26>吹っ飛び

【攻撃側】−【守備側】(ディフェンダー)
≧5→高杉を豪快に吹き飛ばしボールはネットを突き破る!
============
高杉「(俺だって、ワールドユース大会でただ指を加えてベンチを温めていたわけじゃない)」

自分と同じく巨漢を活かしたパワー系DFの次藤洋。
ワールドユース大会では何度も日本のピンチを救った彼の活躍は高杉の目に強烈に焼き付いていた。
力ならば負けはしない。だが、それ以外の要素では大きく水を開けられていると実感した。

高杉「(俺が試合に出られないのは森崎がチームを牛耳り、メンバーを自分の都合のいいようにしているから。
   俺はずっと自分の実力不足をそんな子供じみた考えで言い訳をしてきたんだ)」

南葛高校で明らかに自分より実力の劣っていた中山が、再び力をつけて全日本ユースのスタメンを獲得したように
自分にも、まずすべきことがあるのではないか。森崎を王座から引きずり下ろす前にもっと大切な事があるのではないか。
名門修哲の一員の誇りを取り戻すべく、高杉はこのプロリーグに全力でトレーニングを積み上げてきた。
元より体格や身体能力は優れているのだ。これまで伸び悩んでいた分も相まって自分でも驚くほどに実力が身についてくる。

高杉「うおおおおおおぉぉっ!!」

309 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/17(土) 17:48:22 ID:???
だが、高杉が遠回りしていた分だけ他の者達は前に進んでいたというのも事実。
大会での不振により評価が落ちてはいるものの、やはり世界クラスのストライカーの素質を秘めている
この男の必殺シュートを相手にするにはまだまだ実力に差があった。

ナポレオン「ぶっ飛びなぁ!!」

ド ム ッ ! !

高杉「へぶらばっ!?」

高杉を豪快に跳ね飛ばしながら突き進むボールはネットを突き破るほどの破壊力を見せた。
ユース大会で世界一になったにも関わらず、南葛ウイングスの選手たちは世界のトップクラスの実力に度肝を抜かされる。

ナポレオン「へっ!見掛け倒しかよ。がっかりしたぜ。これが『プロ』と『アマ』の違いだ。
      才能だけじゃ、もうサッカーをやっていける場じゃないってことを覚えておくんだな」

高杉「(うぐぐ……このままじゃダメだ。これじゃあ何時までたっても俺は若林さんを助けてやれそうもない……)」

まだまだ自分は甘かった。高杉は悔しさで顔を震わせながらも、いつか彼を見返すほどの実力を身につけてみせると心に誓うのだった。

早苗「(ナポレオンくんの加入で攻撃力が抜群に高まったわね。あとは…やっぱり監督かしら?)」

マネージャー業の延長にするには、今の自分ではさすがに手に余ってしまいそうだ。
幸い、優秀な少年サッカークラブも地元には数多くある。なんとか親善大会の間だけでも頼めないかどうか
早苗もまた、選手たちとは別の戦いを繰り広げていくのである。

310 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/17(土) 17:49:57 ID:???
〜東邦タイガース練習場〜

吉良「いいかお前たち。ユース時代とは違い、これからは試合時間も45分と長くなってくる。
   この軟弱な砂を走りこみ、フルタイム走り負けしない持久力を身につけろ。
   どれだけ高い能力があろうとも、体力がなくなってしまえばそこまでなのじゃからな」

一同「「「「「はいっ!!!」」」」」

莫大な資金を使い、室内トレーニングルームを地元沖縄のようなビーチ仕様に変えた吉良は
これから長いプロの世界で戦っていく選手たちを徹底的に鍛え上げていた。

吉良「(小次郎たち『黄金世代』の活躍により、確かに日本のサッカーに対する熱意はこれまでとは比べられんものとなった。
   しかし、あいつらより下の世代のレベルが例年下がり続けてるとも囁かれておる。
   海外のプロたちに負けぬ選手たちをコンスタントに輩出していくためにも、
   この『東邦タイガース』をまさに一流選手養成の虎の穴のようにしていかなければなるまい)」

日本のサッカーを世界一にする。その旗本の下で、自分は『リセット』の力を協会より託された。
日向が再起不能な状態に陥る度に行使してきたこの力だが、これでは日向や他のリセット対象選手が大成しづらい環境に陥ってしまう。
そうならないためにも『黄金世代』意外の選手たちの強化こそ、指導者である自分の役目なのだと吉良は考えていた。

吉良「(一人一芸。可能性。気持ち。この三原則を掲げ、わしはまずこの日本の頂点を目指す)」

目指すは数年後に行われると噂されている世界最大規模のサッカー大会での代表監督。
まだ正式名称も決まっていないが、全てのクラブチームとナショナルチームを戦わせるというとんでもない大会だという。
協会の意向ではロベルト本郷に指揮を託すようだが、このプロリーグにて
好成績を納め続けられれば協会も、何より世論が黙ってはいないだろう。

吉良「(まずはこの親善大会であいつの実力を見ておこうか…)」

チーム資金はそれこそ湯水のように用意されていた。吉良は貪欲かつ野望を持つ優れた素質の選手に徹底的に声をかけていた。
そうして補強された『助っ人』選手を吉良はにやりと笑みを浮かべ眺める。

311 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/17(土) 17:51:50 ID:???
タイガースの すごい 補強→! card

!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します

ダイヤ・ハート→スペード・クラブ+「ショットガンドリブルだ!」怪我により一流クラブから放出されたイタリア出身の選手だ。
スペード・クラブ→「オホホホホ!」奇声を上げながらも華麗なテクニックを見せるアメリカ出身の選手だ。
JOKER→「もらった!」どこのリーグにも所属していない無名の選手。だがそのプレイは星のように見るものを惹きつける。

312 :森崎名無しさん:2011/09/17(土) 17:55:54 ID:???
タイガースの すごい 補強→ ハート5

313 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/17(土) 18:35:17 ID:???
タイガースの すごい 補強→ ハート5
>ダイヤ・ハート→スペード・クラブ+「ショットガンドリブルだ!」怪我により一流クラブから放出されたイタリア出身の選手だ。


?????「ショットガンドリブルだ!!」

ズバババッ!!ババッ!

細かいフェイントを挟みつつ、相手のバランスが崩れた瞬間一気に加速して抜き去っていく
パワーとテクニックが織り交ざった見事なドリブルを見せる、細目が特徴の選手がいた。
彼の名はバンビーノ。元ミランの優秀な選手ながら、練習による大怪我が元で放出された経歴を持っていた。

????「オー!ちょこまかちょこまか目まぐるしい動きですネー!デ・ス・ガ…」

バンビーノ「くっ…?」

????「イタダキデース!ローズスッティ〜〜〜ルッ!!」

ズバアッ!!

一度かわされながらも、素早く後ろに張り付き滑るようなタックルを放つ金髪の美男子。
彼の名はミハエル。発展著しいアメリカサッカーを引っ張る若きエースである。

バンビーノ「さすがはミハエルだ。そう簡単に抜かせてはもらえないか」

ミハエル「チッチッチ。ワタシのマークを外せるものはこの世におりまっせ〜ん」

吉良「(怪我により栄光をもぎ取られたバンビーノ。優れた素質を持ちながらも劣悪な環境で飢えていたミハエル。
   彼らは出番を、試合を求めている。サッカーをすることでしか己を誇示できない者ならば
   黎明期まっただ中のこの日本プロリーグは自分の力を証明するに相応しい舞台だろう)」

314 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/17(土) 18:37:04 ID:???
もちろん彼らに頼るだけでなく、自分が鍛えあげてきた『教え子』たちの成長も勝利の鍵となってくるだろう。

沢田「反町さん、いきますよ!」

反町「ナイスパスだタケシ!」

沢田の的確なパスに頭をあわせて巧みなポストプレイを決めるチームキャプテンの反町。
彼の落としたボールに駆け込むのは南葛高校を卒業後、東京へと移り住んできた山森である。

山森「いっけぇぇぇっ!!」

グルッ…ズバッシャアッ!!

反町「よし、その調子だ山森!今の感覚を忘れるなよ!」

山森「これも反町さんの指導のおかげです。ありがとうございます」

全日本ユース特別試合の合宿中、山森はよく自分と共に行動していた反町に懐いていた。
彼の泥臭いながらも熱心なプレイに憧れ、そして新田ともう一度別チームで戦おうという誓いの下で
山森はこの『東邦タイガース』のチームの門を叩いたのである。

沢田「反町さん、いよいよあと一週間後に迫りましたね」

反町「ああ。アカネイア大陸の選手たちとの親善大会。それだけじゃないぞ。
   今年開催する日本リーグの他チームとの大事な前哨戦にもなってくるんだ」

山森「そのためにも、もっとたくさんの技を身に付けなくてはいけませんね」

反町「ああ。バンビーノやミハエルだけに頼っていては彼らをマークされた際に立ち行かなくなる。
   今度は少し形を変えて、もう一度攻撃の連携を確認するぞ」

315 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/17(土) 18:38:41 ID:???
そう言うと反町は一旦沢田にボールを預けて、山森を伴い前へと走っていく。

沢田「(日向さん。僕達は今、少しでも日向さんに追いつけるように頑張っています。
   ユベントスにでも若島津さんと一緒に活躍できるように、応援しています)」

遥か異国の地にて戦い続けているであろう憧れの先輩を思いながら、沢田はボールを蹴り出した。


牙を研ぐ若虎たち→! card

!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します

ダイヤ→沢田「僕だってドライブシュートを撃てるくらいの力を身につけたんです!」
ハート・スペード→沢田「やっぱり反町さんといえば低い球からの強烈なダイビングヘッドですよね」
クラブ→沢田「さっきの動きが納得行かない。もう一度山森の空中戦を試してみよう」
JOKER→沢田「え?反町さんがいつもの低い球じゃなく高い球を要求している…?」

316 :森崎名無しさん:2011/09/17(土) 18:48:53 ID:???
牙を研ぐ若虎たち→ クラブ4

317 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/18(日) 19:53:26 ID:???
城山さん、キャラクターの使用許可をしていただきありがとうございました!
私信故のここでのお返事をどうかご了承くださいませ。
今回新たに登場した栗栖がちょうど島崎世代と同年代ということもあり
新世代の優秀な選手たちとして後々登場させていきたいです。
もちろん城山監督自身も南葛ウイングスの監督候補として考えていますね。
これからも楽しく和やかな城山スレを楽しみにしています!
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牙を研ぐ若虎たち→ クラブ4
>クラブ→沢田「さっきの動きが納得行かない。もう一度山森の空中戦を試してみよう」


沢田「すみません反町さん。さっきの連携をもう一度確認したいんですが」

反町からは違うパターンの攻撃を試してみようとの指示だったが、沢田は先ほどのプレイに十分な達成感が感じられなかった。
もっと鋭く切り返すことが出来る。もっとパスを早くすることが出来る。
反町の競り合いや山森のシュートだってもっと制度の高いものが期待できたはずなのだ。

山森「僕からもお願いします。皆に比べて才能の足りない俺は繰り返し練習することで精度を上げていくしか無いんです」

山森の豆粒のように小さな、しかし瞳の奥に燃える大きな熱意の炎に負け、反町は頷いた。

反町「分かった。それじゃあもう一度サイドアタック経由の速攻を試すぞ!」

ミハエル「(ン〜確かに才能だけではサッカーは確かに巧くはなりません。
     しか〜し、やはり才能の如何によって選手の限界は決まってしまうのは残酷で〜す)」

ミハエルの目に映る山森のプレイは残念ながら世界トップクラスにはとても並べるものではなかった。
故郷ロサンゼルスでも彼のように努力や鍛錬で才能をカバーして必死に夢を食いつなごうとする者たちは数多い。
それはサッカーだけに限らず他のスポーツや芸術、音楽活動などでもそうだ。
才能に恵まれたほんの一握りの『天才』にしか、成功の道は切り開けられない。
それ以外の凡人はどこかしらで夢を諦めるか、あるいは妥協していくしかないとミハエルは考えていた。

318 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/18(日) 19:54:50 ID:???
バンビーノ「おい、よそ見してていいのかミハエル?」

シュバッ!

先ほど奪ったボールを再び奪い返され、ミハエルは両手を頬に当てて甲高い声をあげる。

ミハエル「オーマイゴーッド!」

バンビーノ「(足の具合は……だいぶ良好のようだ。この大会で結果を残し、俺は必ずセリエAの舞台に返り咲いてみせる!そして…)」

東邦タイガース。下馬評ではそのチーム力の高さからリーグ優勝候補筆頭だと日夜報道されている。
それがヒューガーという巨大組織に寄る圧力なのか、それとも本当の実力からなのかは今から一週間後には明らかになる予定だ。


ついに開催される日本でのプロサッカーリーグに備え、
各チームは記念すべき初優勝という栄誉を獲得せんがため日々練習に励んでいた。
その前哨戦として、アリティアで再び『アリティアカップ』を開催する旨が片桐から伝えられる。

そして再び舞台は森崎たちのいるアリティアへ……

319 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/18(日) 19:56:04 ID:???
〜アリティア王宮〜

森崎「……とりあえず、もう一度詳しく話を聞かせてもらいたいんだが」

マルス「うん。ジェイガン、モロドフと秘密裏に進めていた計画ってこういうことだったんだね」

マルスは王宮の一室に森崎とジェイガン、そして日本から帰還したばかりのモロドフを招き入れる。
正騎士昇格試験後に突如伝えられた、『第2回アリティアカップ』の詳細を聞くためだ。

ジェイガン「はい。一部の講師陣には伝えておいてはいたのですが……
      従騎士たちの試験中ということもあり、あえて内密に話を勧めさせて頂きました」

確かにサッカーリーグが、それも前回苦渋を舐めさせられたアリティアカップが再び開催されると聞けば
従騎士たちの教官役が手につかず、ろくな指導ができなくなっていたかもしれない。

森崎「それで……モロドフさんの言っていたもう一勝負というのはいったいどういう意味なんですか?」

モロドフ「うむ。今回の参加チームは前回と同じく全4チーム。
     日本リーグからは『南武フースバル』『南葛ウイングス』『東邦タイガース』の3チームが、
     そして我々アカネイアからは王宮騎士団や今回試験に協力してもらった
     森崎殿を始めとする講師陣から選抜した特別チームが予定されておる」

マルス「特別チーム選抜…それには今回の昇格試験で合格したクリスたちも含まれているということだね」

ジェイガン「その通りです。そこで今回試験に落ちてしまった者に、もう一度チャンスが与えられるということです」

森崎「その選抜のチームに入ることが出来れば事実上正騎士になったも同然。
   今回の落第は帳消しになり、晴れて正騎士昇格の資格を得られる……そういうことか」

モロドフ「はい。しかし、当然ながら我々も前回の大会のような不本意な結果は望んではおりません。
     優勝を狙えるだけのチームを選抜するべく、中途半端な者は容赦なく切り捨てていく所存です」

320 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/18(日) 19:57:19 ID:???
マルス「ちょっと待ってくれじい。指定された代表メンバーは資料の通りなら全部で16人。
    カインやアベル、ジョルジュ将軍がいる強豪の中でライアンが入れる余裕は…」

心苦しかったが、現実的に見てマルスの目からでもライアンは他のものに比べて実力が劣っていた。
だが、今回の代表入りを逃してしまえば次の正騎士昇格試験までずっと従騎士のままとなってしまうだろう。

モロドフ「……そこで一つ提案がございます。王子、カダイン、グラとの国境にあるマクロニソスはご存知ですかな?」

マルス「ああ。前大戦では補給地点として何度も出入りしたことがあるから覚えているよ」

ジェイガン「大会開催までの3日間、そこで特別合宿を行う所存です。
      そこでライアンには正騎士に匹敵、もしくは肉薄するほどの力をつけていただきましょう」

マルス「合宿か…うん、少しでもチーム力を上げるには良い手段だと思う」

森崎「大会前の合宿は俺の世界でもよくあることだ。いいんじゃねぇか?」

モロドフ「手配の程ですが、既に整えております。明日早くにはもう出発できるかと」

ジェイガン「森崎殿。第七小隊の教官としての最後の任務、お願いしても構わぬかな?」

森崎「ちょっと待ってくれよ。俺に用意されていた休暇は明日までなんだ。
   悪いがブレーメンに合流するために、一度帰らないと……」

七日間の予定だったアリティアへの旅行は明日で終わってしまう。
大会に参加できないことは残念だが、森崎は丁寧に断ろうとする。しかしそのとき……

??「その必要はない」

バターン!!

321 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/18(日) 19:59:12 ID:???
突如部屋の中に入ってきた男。それは森崎もよく知る男だった。

森崎「か……片桐さん!?」

日本サッカー協会勤務、片桐財閥の御曹司こと片桐宗政。
森崎たち『黄金世代』を世界一のチームにするためにあらゆることでバックアップする男である。

片桐「遅くなりました。ようやくフロントの許可が降りたので…」

モロドフ「いえいえ、苦労をおかけしまして申し訳ない」

互いに頭を下げながら話をする影から、さらに3人の男が現れる。

シェスター「コニショワー!ヘーイ森崎。随分ハッピーな場所にいるじゃないか」

マーガス「こらシェスター、いきなりその挨拶はないだろう。
     初めまして。ヴェルダー・ブレーメン所属FWマンフレート・マーガスです」

ビクトリーノ「昨日付けでブレーメンに移籍したラモン・ビクトリーノだ。
       久しぶりだな森崎。そしてそこの王子様もな」

森崎「え…?ええぇぇぇ!?な、なんでお前らがここに……?」

森崎たちの前に現れたのは、ワールドユース大会にて全日本ユースと死闘を繰り広げた
ドイツユースの主力であり、森崎の入団先の選手でもあるシェスターとマーガス。
そしてアカネイア大陸へ来るのは実に5度目であり、すっかり馴染んだ感があるビクトリーノだった。

片桐「ブレーメンのフロントと話をしてきてな。合流の日程は引き伸ばしてもらってな。
   日本サッカー協会直々に、お前にはこの大会に参加し日本リーグの3チームの相手をしてもらうつもりだ」

森崎「いや、試合に出ろって言うなら出ますけど。それよりもどうしてあの3人がここに?」

322 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/18(日) 20:00:25 ID:???
片桐「プロクラブに憧れてたお前だ。一刻も早くチームに合流したかっただろう。
   今回のお詫びというわけじゃないが、お前の将来のチームメイトたちを連れてきてやった」

森崎「連れてきたって……そんな簡単に事が運ぶものなんですか?」

片桐「ワールドユース大会の優勝で、今や日本サッカー協会の権力は以前とは比べものにならないものになっている。
   それに今回の話は契約上、断りが聞かないものでもあったのだ。無理をしてでも話を通すつもりだったよ」

森崎「……難しいことはわかりませんが、とにかく納得しろってことでいいんですよね?」

片桐「今回彼らにはお前と共にアリティア選抜チームのサポートを任せている。
   ビクトリーノ共々、この大陸のことを色々と教えてやってくれ」

モロドフ「これで憂いなく指導に熱を入れることができますな。森崎殿、騎士団の者たちをお頼み申しましたぞ」

森崎「は、はぁ…(今までアカネイアとの交流は一部の人間にだけ許された特別なことだと思っていたが…)」

モロドフが日本サッカー協会の一員として働いてきたからなのかどうか分からないが、
森崎はアカネイアとの交流関係も徐々に変わりつつあることを肌で感じていた。

片桐「(…これでよろしいんですよね?モロドフ氏。私はあなたの指定通りに事を運んだだけですよ)」

モロドフ「(構いません。こちらも……そろそろ動き出さねばならぬ時が来たのですから)」

323 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/18(日) 20:02:58 ID:???
その夜。森崎は薄暗い明かりが灯る従騎士の宿舎の前に立ち尽くしていた。
本日付で正騎士に昇格したライアンを除く第七小隊の者たちは今日がここで過ごす最後の夜となるのだ。

森崎「(本当なら、全員揃って笑顔でここから卒業させてやりたかったんだがな)」

だが、どれだけ後悔したとしても一度出てしまった結果が覆ることはない。
ライアンに残された可能性は、明日からのマクロニソスでの合宿で力をつけ
選抜メンバー16人の中に選ばれることで実力を証明するしかないのだ。

森崎「(第七小隊の夢。全員揃って正騎士に。そしてマルスの近衛騎士になること。
   このままじゃその夢は二度と叶えられないものになってしまう……)」

大会のことを考えれば、未熟な従騎士たちよりも正騎士たちと一緒に鍛えたほうが自分にとっても特であることは間違いない。
特にブレーメン所属の3人が特別講師として合流したのだ。破滅のツボに苛まれた自分の実力を鍛えあげる絶好のチャンスである。

森崎「(……中山、俺はどうするべきなんだ?誰かの夢を育て、叶えてやれるほど……俺には力は無かったというのか?)」

全日本ユース特別選考試合前の合宿にて、若林と日向に脅迫された時のことを森崎は思い出していた。
『浄化』の力で本来の平凡な能力に戻され、かつての栄光を失った中山たちを自分が救ってやると森崎は二人に啖呵を切った。
平凡でありながらも数奇な運命に導かれ、天才と呼ばれる者たちと対抗できる才能を手に入れた自分ならば、と。
だが森崎はあの時頭をさげることが出来なかった。実力に劣るものは栄光を手に入れることはできないと言ったのだ。
それは確かに正しいことだし、自分の意志を今更曲げるつもりなど無い。
クリスたちのことを思ってこそ、森崎はあえて厳しい現実を彼女たちに叩きつけたのだから。

324 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/18(日) 20:05:04 ID:???
森崎「(代表メンバーは16人。ライアンがその中に入れる場所を、俺は作ってやることが出来るのだろうか?
   いや、違う。夢への道は自分の手で切り開いていくものじゃないか。
   ライアンが本気でクリスたちと一緒に正騎士になるつもりならば俺の助けなんて必要ないはずだ。だが……)」

森崎は迷っていた。力のない自分がここまでの実力と地位を手に入れられたのは自分だけの力では無いことを知っていたからだ。
誰かの助けがないと、人はあまりにも脆く崩れ去ってしまう。それは自分もライアンもきっと同じはずなのだ。

森崎「(…………くそっ!)」

森崎は足を進めた。今の気持ちは自分一人だけでは整理がつかない。誰かと話がしたいと森崎は願った。


☆どうしますか?

A 従騎士の宿舎に向かう(第七小隊や従騎士に会いに行く)
B 王宮に向かう(正騎士や講師陣に会いに行く)
C 離宮に向かう(シェスターなど地球組に会いに行く)
D アベルの店に向かう(アベルやエストに加えて他のメンバーもいるかも?)
E 明日は早いしやっぱり寝る

2票集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。

325 :森崎名無しさん:2011/09/18(日) 20:08:28 ID:easFe3uo
D

326 :森崎名無しさん:2011/09/18(日) 20:10:07 ID:faYoi4ZE
A
きちんとライアンと話すべきだと思う

327 :森崎名無しさん:2011/09/18(日) 20:10:41 ID:EsxjcWSk
A

328 :森崎名無しさん:2011/09/18(日) 20:12:06 ID:mlv6cf1o


329 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/18(日) 20:19:07 ID:???
>A 従騎士の宿舎に向かう(第七小隊や従騎士に会いに行く)


☆誰に会いに行きますか?

A クリス
B カタリナ
C ルーク
D ロディ
E ライアン
F セシル
G サッカーの上手い第三小隊の面々
H 以前セシルの所属していた第九小隊の面々

2票集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。

330 :森崎名無しさん:2011/09/18(日) 20:20:30 ID:EsxjcWSk
E

331 :森崎名無しさん:2011/09/18(日) 20:22:13 ID:easFe3uo
E

332 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/18(日) 20:28:25 ID:???
>E ライアン


森崎は誰かに導かれるように、ライアンの部屋の前へとたどり着いていた。

森崎「(やっぱり一度ちゃんと話し合っておくべきだよな)」

使命感と後ろめたさを半分ずつ抱えながら、森崎はライアンの部屋の扉を叩く。

コンコン。

森崎「ライアン、いるか?俺だ、森崎だ」


擦れあう絆→! card

!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します

ダイヤ・ハート・スペード→ライアン「…鍵は開いてます。どうぞ」か細いながらも返事が帰ってきた。
クラブ→返事がない。部屋にいないのか、無視されているのかは森崎には分からない…
JOKER→なんと第七小隊全員がライアンの部屋に押しかけていた!?

333 :森崎名無しさん:2011/09/18(日) 20:29:08 ID:???
擦れあう絆→ ハート4

334 :森崎名無しさん:2011/09/18(日) 20:29:12 ID:???
擦れあう絆→ クラブK


335 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/18(日) 20:48:33 ID:???
擦れあう絆→ ハート4
>ダイヤ・ハート・スペード→ライアン「…鍵は開いてます。どうぞ」か細いながらも返事が帰ってきた。


ライアン「…鍵は開いてます。どうぞ」

扉越しにライアンの声が聞こえる。明らかに気落ちした、元気のないものだった。
仲間たちと共にずっと目指してきた夢が目の前で崩れ去っていったばかりなのだ。仕方ないだろう。

森崎「入るぞ」

部屋の中で、ライアンは膝を抱えて座っていた。
周りには訓練用の弓矢が床に乱雑にばら撒かれており、
以前トーマスと共にゴードンの話をしたときに比べて荒れているように思えた。

森崎「……一人か」

ライアン「従騎士の兵士寮から正騎士の寮に引っ越すため、みんな部屋の掃除をしてます。
     ……邪魔になっちゃ悪いから、僕はここでおとなしくしてるんです」

森崎「そ、そうか……(うぐぐ……予想はしていたがやはり気まずいな……)」

まず森崎は明朝、マクロニソスの砦に移動し3日間の特別合宿を行うことを、
まだ正騎士昇格のチャンスがある。そのためには16人のチーム代表に入らなければならないことも伝えた。

ライアン「まだ……チャンスがあるんですね」

森崎「ああ。お前に本当にクリスたちと一緒に正騎士になるという覚悟があるというならな」

ライアンは紙に穴が開くほどに、熱心に合宿の資料へと目を通していた。
自分一人だけが躓いたせいで、揃って近衛騎士になるという共通の夢を台無しにしたという無念の反動である。

336 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/18(日) 20:50:47 ID:???
森崎「(さて、ここからが重要だ。俺自身のことを考えるならば、合宿中はビクトリーノやシェスター、
   アベルにカインなどの実力者と練習に励んだほうが確実に実力に身が付く。
   だが、今のライアンは俺の助けがなければとてもじゃないが代表入り出来るほどの力を身につけることは難しい。
   これまで第七小隊の教官として一緒に訓練に励んできたという義理もある。
   だが、今度こそアリティアカップで優勝を勝ち取りたいという望みもあるんだ)」

自分はこの合宿で、ライアンに何を伝え何を与えてやるのか。
森崎は十分に自分の意志と義務と相談した上で、ライアンに声をかけた。



☆どうしますか?

A お前ならきっとやれるはずだ。頑張れよ。(合宿中、特にライアンとは関わらない)
B この合宿中、たまにだが俺がお前を指導してやってもいいぞ。(1日だけライアンと特訓します)
C この合宿中、俺がお前の夢を叶えてやる(2日だけライアンと特訓します)
D この合宿中、お前に俺の全てを叩きこんでやる!(3日間ライアンと特訓に明け暮れます)

2票集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。

337 :森崎名無しさん:2011/09/18(日) 20:52:42 ID:bV3KlNd2
C

338 :森崎名無しさん:2011/09/18(日) 20:53:18 ID:faYoi4ZE
A
ライアンには悪いが、今誰が役立たずって森崎が一番なんだよな。
HP=ガッツを上げないとどうにもならない。

339 :森崎名無しさん:2011/09/18(日) 20:53:26 ID:mlv6cf1o
A ライアンに時間をかけてやるほどの価値はない

340 :森崎名無しさん:2011/09/18(日) 21:00:20 ID:???
これなあ、まだルークの方ならよかったんだけど、
ライアンってほんとに(活躍してるけど)伸び悩んでるからなあ

341 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/18(日) 21:15:30 ID:???
>A お前ならきっとやれるはずだ。頑張れよ。(合宿中、特にライアンとは関わらない)


森崎の出した結論は残酷なものだった。いや、それ以外に選択など無かったのだ。

森崎「(今の俺には、誰かを支えることも、助けてやることもできそうにないんだ)」

破滅のツボによる虚弱化。どれだけ鍛えようとも身につかない持久力。
以前クリスに言った言葉が、まさか今になって自分に跳ね返って来ようとは森崎も思ってもみなかった。

森崎「(自分を守れない奴に、誰かを守れる資格はない。……すまないライアン。俺は……教官失格だ)」

誰かを教え導いていくには、森崎はまだ若すぎたのだ。20歳になったばかりの若者に人の才能の行方を左右できようものだろうか。

森崎はゆっくりと、しかしけじめを付けるべくはっきりとライアンに言った。

森崎「ライアン。お前ならきっとやれるはずだ。頑張れよ」

言い終わるが早いか、森崎はライアンの部屋を逃げるように去っていった。
もしかすれば後ろからライアンの声が聞こえたのかもしれなかったが、
今の森崎には彼の助けの叫びを聴き取れるほどの余裕は無かったのだ。

342 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/18(日) 21:17:03 ID:???
ライアン「ゴードン兄さん……僕は、もう……どうしたらいいかわかりません……」

既に夜も更け、隣の部屋から聞こえていた物音も静かになる。
明日は早い。今は少しでも体を休め、僅かな可能性をたぐり寄せべく準備をするべきなのは分かっている。
だが、どれだけ目を閉じてもライアンの瞳からは涙が零れて止まらなかった。
わかっていたはずなのに。自分はもう、あの人からは見捨てられてしまったのだと、わかっていたはずなのに。

その時、ガタガタと窓が揺れる音がした。既に消灯を回った時間だ。

ライアン「だれ…だろう…?」

真っ赤に晴れた瞳をこすり、ライアンは窓を開ける。


救いの手→! card

!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します

ダイヤ→ジョルジュ「……外に出ろ」 ジョルジュがいた。
ハート・スペード→トーマス「お前、本当にこのままでいいのか?」 トーマスがいた。
クラブ→風が窓を揺らしただけだった。明日は雨になるかもしれない…
JOKER→????「そっちじゃないよ…こっちだよ…」誘うような甘い声が外から聞こえる…

343 :森崎名無しさん:2011/09/18(日) 21:17:32 ID:???
救いの手→ ハートA


344 :森崎名無しさん:2011/09/18(日) 21:21:32 ID:???
主人公の葛藤が見れるこのスレ大好きだ

345 :森崎名無しさん:2011/09/18(日) 22:22:17 ID:???
JOKERだと分岐でガーネフの使いに攫われていたかもしれんw

346 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/20(火) 17:36:30 ID:???
>>344
嬉しいお言葉本当にありがとうございます!本編の森崎とは全くの別人となっているのはご愛嬌ですw
あまり深くまで書きこむと重くなりすぎたりテンポも悪くなったりとバランスが難しいんですよね。
>>345
今回のJOKERは青い触手持ちモンスターとトモダチになる特殊イベントでしたねw
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救いの手→ ハートA
>ハート・スペード→トーマス「お前、本当にこのままでいいのか?」 トーマスがいた。


目を真っ赤に腫らしたライアンが見たものは、アリティア騎士団に研修に来た
アカネイアのアーチャーであるトーマスだった。兄を前大戦で失った不幸に心を打たれたのか、
ライアンの兄貴分になってやると名乗りでた心意気の青年である。

トーマス「ライアン、お前に話がある。ちょっと降りてこい」

ライアンのいる部屋は2階である。天井も低く、窓の塀を伝っていけば外へのアクセスは容易だ。
ライアンは上着を一枚羽織ると、トーマスの待つ庭外へとこっそりと向かう。

ライアン「あの……こんな夜中になんの御用でしょうか」

他国からの研修生とはいえ、相手は正騎士の位の者だ。未だ従騎士のライアンには逆らえるすべはない。
どこか不機嫌な様子のトーマスに怯えるように、ライアンは上目遣いで尋ねる。

トーマス「ジョルジュさんから聞いたぜ。第七小隊の中でお前だけ昇格試験に落ちたらしいな」

ライアン「……はい。でも、当然の結果だと思います。僕には……クリスさんたちみたいな才能も無ければ
     それに変わるようになる力も……何もかも無かったんですから……」

347 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/20(火) 17:37:53 ID:???
自分一人だけが落第という惨めな結果が、さらにライアンの自虐的思考に追い打ちをかけていた。
まだ他の落第者がいたのなら、共に再チャンスの選抜メンバー入り目指して血気盛んとなれただろう。
だが、これまで自分たちを育て導いてきた森崎からは見捨てられたも同然の態度を取られる。
もう彼には誰も頼れる仲間がいないのだ。第七小隊の仲間も、教官の森崎も、もう自分には見向きもしてくれないのだ。

トーマス「馬鹿ヤローーー!!」

ボゴッ!!ドッシャアーーーッ!!

ライアン「うぎゃーっ!?」

突然怒声を込めた全力パンチがライアンの顎に突き刺さる。
激しく吹き飛ばされたライアンは、そのまま地面にめり込むように倒れ込む。

トーマス「お前……本当にこのままでいいと思っているのか!?
     お前の死んだ兄貴が今のお前を見たら…どんなに悲しむか考えてみろよ!」

ライアン「!」

ライアンが正騎士を目指す一番の理由は、何よりも大好きだった亡き兄の遺志を継ぐためだ。
じんじんと熱を帯びる顎の痛みが、ライアンはゴードンの嘆きのように感じられた。

ライアン「でも……もう僕には……仲間も、教官も、誰もいないんです……!
     僕一人じゃ……どうしていいかわからないんです!
     甘えたことだっていうのは分かってます。でも……でも……!!」

従騎士の中でも特に年齢の下だったライアンは、訓練中でも大きなハンデを背負わされた。
体格も小さく、弓の腕意外に何かに秀でた才能も無かった少年は一人取り残され、途方にくれていたのだ。

トーマス「だったら頼ればいいじゃねぇかよ!」

348 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/20(火) 17:39:20 ID:???
ライアン「え…?」

トーマス「助けが欲しいならそう言えよ!何もしないで…助けを呼ぶことすらしないで
     何をしたらいいか分かりませんだ?そのこと考え事態が一番甘いんだよ!」

ライアン「トーマス……さん……」

トーマス「俺だってなァ…ジョルジュさんや他のアリティアの正騎士との実力差にもがき苦しんでるんだ。
     腕っ節の強さだけじゃ、どれだけ足掻いても覆せない差に直面して戸惑ってんだよ。
     自分だけが苦しんでると思ってんじゃねぇぞ。ライアン!」

ライアン「…………」

言葉が出なかった。自分以外の、正騎士に昇格した第七小隊の仲間たち含めて
誰もが成功を掴み、夢をかなえているものだと思っていたからだ。

トーマス「俺はもっと弓の腕を鍛えていつかジョルジュさんに追いつき、追い越せるスナイパーになるのが俺の夢だ。
     そのためにも、このアリティアカップのメンバーに選ばれて沢山活躍しなくちゃいけねぇ。
     ……頼むライアン。俺の夢の為に協力してくれよ。俺もお前の夢の為に力になるからさ」

ライアン「え……?」

そう言うとトーマスはライアンに向かって勢い良くガバァと頭を下げてきた。
それは、ライアンが従騎士で初めて誰かに頼られた瞬間だった。
いつも後方に待機し、誰かに守られ続けてきた自分が、正騎士の人間に頭を下げられ懇願されているのだ。

トーマス「……困ったとき、助けて欲しいときはな……こうすりゃいいんだよ。
     こんな当たり前のこと教えてやるのは今回限りだからな。覚えておけよ」

ライアン「あ……」

349 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/20(火) 17:40:50 ID:???
トーマス「大抵のやつは助けを呼べば手を差し伸べてくれる。それが仲間ってもんだろ。
     それでもダメだってんなら俺に言え。そんな薄情な奴、俺がぶっ飛ばしてやっからな」

ライアン「トーマスさん……トーマスさぁん!!」

ガシッ!

先輩騎士の心の暖かさにふれ、ライアンは自分がどれだけ丁寧に扱われてきたのかを思い知った。
そして、これまでの自分のままではダメなのだと思い知る。自ら進んで行動しないものには結果すら訪れない。
チャンスが目の前にぶら下がっているのに、受身な考え方では前進することなど出来はしないのだ。

ライアン「僕も……僕からもお願いします!助けてください!鍛えてください!
     僕は……!僕は正騎士になりたい!皆と一緒に近衛騎士になりたい!なりたいんです!!」

薄手の服に顔を押し付けわんわん心の叫びを吐き出す後輩の頭を撫でながら、トーマスは静かに夜空を見上げた。

トーマス「(へっ…世話のかかる後輩のお守りは大変っすね……アンタもこんな気持ちだったんすかね、ジョルジュさん……)」

自分をここまで育て上げ導いてきた先輩の教えを今度は自分が後輩に伝えていく番なのだと、トーマスは一人心に誓った。


※ライアンとトーマスの支援が(2)に上がりました。

350 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/20(火) 17:42:34 ID:???
〜マクロニソス砦〜

アリティア王宮より北上した道にある、カダイン砂漠に辺した豪壮な砦、マクロニソス。
前大戦ではドルーア同盟の居城として扱われ、アリティア解放後はアカネイア同盟軍の貴重な補給基地として使われていた。
一端の宮殿と比べても遜色ない広さのこの施設にて、3日後に迫るアリティアカップに備えて
森崎たちアリティア王宮騎士団の勇士たちは特別合宿に励むことになる。

森崎「思った以上に立派なとこだな。フィールド代わりの中庭も広いし、充実した練習ができそうだぜ」

だが、森崎たちを待ち受けていたのは思ってもみない者たちだった。

早田「よう!久しいな森崎」

新田「懐かしいな…このアリティアの空気」

森崎「早田に新田!?大会は3日後だぜ?どうしてもう来てるんだよ」

石崎「へっへ〜ん、驚いたか森崎。いわゆる視察ってやつさ!」

森崎「なにィ?視察だぁ?」

不遜な態度の石崎に訝しげる森崎の前に、自分たちよりやや年配の青年が現れる。

小豆沢「今回の大会はただの試合じゃなく、お互いの自国リーグの発展を願ったものだと聞いている。
    こうして他国のサッカーに積極的に触れ合うことも目的とされているんだ」

森崎「あなたは…?」

小豆沢「僕は小豆沢。南武フースバルのキャプテンだ」

351 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/09/20(火) 17:44:01 ID:???
モロドフ「森崎殿、今回の合宿練習は他チームとの合同のものとなる予定じゃ。
     1日目は彼らフースバルのメンバーと、2日目はウイングスのメンバーと、
     そして3日目はタイガースのメンバーとの合同練習となりますぞ」

小豆沢「君がかの『黄金世代』のユース代表キャプテンだった森崎君だね。3日後の大会ではよろしく頼むよ」

そう言うと、穏やかな笑顔をたたえながら小豆沢は手を差し伸べてくる。



☆どうしますか?

A「こちらこそどうぞよろしくお願いします」(無難な対応)
B「悪いですが俺たちは上の年代の人が相手だろうと負ける気はしませんよ」(厳しい対応)
C「お互い怪我がないようにベストを尽くしましょうね」(優しい対応)
D「…試合当日まで取っておきましょう。それが互いのためですよ」(不敵な対応)
E「(ここだ!ここで久々の未来予測だ!)」(判定で相手の未来を占う)

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352 :森崎名無しさん:2011/09/20(火) 18:06:29 ID:dAxmd36c


353 :森崎名無しさん:2011/09/20(火) 18:39:35 ID:/D0C+yS+
F

354 :353:2011/09/20(火) 18:42:07 ID:/D0C+yS+
E
でした、失礼!

355 :森崎名無しさん:2011/09/20(火) 18:45:08 ID:9A6XABkg
E

356 :森崎名無しさん:2011/09/20(火) 18:50:54 ID:???
未来予知はろくな結果見たことがない気が……

357 :森崎名無しさん:2011/09/20(火) 19:16:05 ID:???
小豆沢さんなら少なくとも戦死はしないだろうからいいじゃないか

358 :森崎名無しさん:2011/09/20(火) 19:19:29 ID:???
交通事故があるかもしれん……

359 :森崎名無しさん:2011/09/20(火) 19:23:32 ID:PVaqFqG6


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