キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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11人の戦士たち

1 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2011/12/08(木) 01:18:54 ID:???
それは異世界の人々の物語。

「楽しくて笑っちゃうとか、一人が寂しいとか、大好きな人が大切だとか……たくさんたくさん、いろんな事を知りたいの!」
                   「今でも思うよ……大切な人を守りたいって。 でも、僕にはその力が無いんだ……」

それは異世界の人々が交錯した物語。

「不老不死は見習いなんだ。 ……長く生きたら、友達の顔も名前も忘れちゃうのかな」
                   「俺にもいつか、あいつらを祝福できる時が来るのだろうか……」

それは異世界の人々が一つのものを目指す物語。

「私がいてもいなくても構わないでしょ! 本当はこんな事……サッカーなんて、したくないんだ!」
                   「と め る !」

それは異世界の人々の友情の物語。

「絆? なんて陳腐で美しくない言葉……そんなもの全て最後には千切れてしまうのよ」
                   「まだわからないのかい……心だよッ!!」

それは流れ着いた者たちの挽歌。

「(役に立たなくなったらまた捨てられるのかな……どうすればご主人様は喜んでくれるんだろう?)」
                   「速さこそ命、速さこそ文化。 しかし……人には人のペースってもんがあるわな」

                 時も空間も世界観も違う11人の戦士たち。
                彼らが集い流れ着いたのは、偶然なのか必然なのか。

              「皆揃ってお家に帰るぞ! 家に帰るまでがサッカーです!!」

※なお、この台詞などは予定です。何等かの都合により変更される可能性があるのでご了承ください。

782 :森崎名無しさん:2012/02/26(日) 00:16:58 ID:???
ヤクルトスワローズ(迫真)

783 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/26(日) 00:54:19 ID:???
>E.水銀燈
=================================================================
佐野「ええい、このまま部屋でゴロゴロしてても一向に寝れそうにねぇ!
   ちょっと居間の方に行ってみるか」

サッカーの試合を目前にし、まるで遠足の日の前の子供のように落ち着きを無くしていた佐野。
このまま部屋にいても眠れないと感じた彼は、なんとなく居間まで足を運ぼうと考えた。
もしも誰かいれば話に付き合ってもらうもよし、いなくても水でも飲んで気持ちを落ちつけようとしたのである。
そうして居間へと行ってみれば……。

佐野「おん?」
水銀燈「…………」

そこにいたのは、チームきってのドS人形――水銀燈。
何やら彼女は居間とは襖を挟んで一つ向こうとなった部屋にある古い鏡台の前でじっと立ち。
珍しく神妙な顔をしながらその鏡に触れているのである。

佐野「何やってんだ、水銀燈?」
水銀燈「……あら、どうしたの馬鹿ロンゲ?」
佐野「誰が馬鹿ロンゲやねん」

当然何をしているのか気になった佐野は水銀燈に何をしているのか問いかける。
声をかけられた水銀燈はふっ、と佐野の方に振り返ると……容赦ない言葉を浴びせ。
佐野は少しげんなりし、それを見て満足げに水銀燈は嫌らしく笑う。

佐野「……で、何してるんだ鏡の前に立って。 お化粧でもするのか?」
水銀燈「おバカさぁん。 なんでこの夜中に化粧なんかするのよ。
    っていうかそもそも私には化粧なんてものは必要ないわよ。 しなくても世界で一番美しく可憐なのだから」
佐野「……んだら何してたんだよ」
水銀燈「nのフィールドを探していたのよ」
佐野「nのフィールドぉ?」

784 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/26(日) 00:55:27 ID:???
疑問符のついた佐野の言葉に、水銀燈は1つ頷きながら鏡に手を当て口を開く。

水銀燈「何、nのフィールドを知らないの?」
佐野「知るかよ、んなもん。 なんなんだそれは」
水銀燈「説明するのも面倒くさいんだけど……まあいいわ、特別に教えてあげるから光栄に思いなさぁい」
佐野「(なんでこいつはこうまで偉そうなんだろう……)」

余裕たっぷりの表情の水銀燈とは裏腹、佐野にははっきりと苛立ちが現れていたのだが……。
まあこいつがこういう性格なのは会った時からある程度わかっていた筈だ、と自分に言い聞かせ説明を受ける。

水銀燈「nのフィールドっていうのはね、現実世界と表裏一体の空間……。
    ありとあらゆる、無数の世界とつながった空間の事よ」
佐野「……ううむ。 俺、数学は苦手なんだよな」
水銀燈「数学要素殆どゼロよ。 素直に自分の頭が悪いという事を認めなさいおバカさぁん」

しかし、佐野の頭は水銀燈の抽象的な説明を受けても理解できる程優秀なものではなかった。
結果、佐野はよくわからない言い訳をして弁解をしようとするのだが……。
当然それに水銀燈は突っ込み、肩を揺らして盛大にため息を吐きながら改めて噛み砕いた説明をする。

佐野「むむむ……なるほど。 とにかく、そのnのフィールドってのは……。
   たとえば俺の世界や水銀燈の世界、クーガーさんの世界やりっちゃんの世界、色んな世界と繋がってる世界って事か!」
水銀燈「最初からそういってるでしょうに……」
佐野「ん? というと、そのnのフィールドって所からすぐに帰れるんじゃねーのか!?」

ようやく理解が及んだ佐野は、とりあえずnのフィールド=皆が帰れるどこでもドア的物体、と解釈し。
それならばそれをつかえばすぐに自分たちの世界に帰れるのではないか、と思いつく。
これは我ながら名案だと思った佐野だが……そんな佐野の言葉を、水銀燈は一蹴する。

785 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/26(日) 00:56:41 ID:???
水銀燈「それが出来ればとっくにやってる所よぉ。 でも、どうもnのフィールドへの扉が見つからないのよね……この世界」
佐野「えぇぇ!? だってそのnのフィールドってのは、全部の世界に繋がってるもんなんだろ!?」

水銀燈の話によると、そもそも水銀燈はこの世界に来た当初、そのnのフィールドへの扉を探し回ったのだという。
だが、この世界――幻想郷を探してもその扉は中々見つからず。
結果、こうして佐野らと共に共同生活をする破目となっているのである。

水銀燈「……本来ならこれくらい古い鏡には、nのフィールドへ渡れるだけの魔力が宿っている筈なのよ。
    ここは神聖な場所とされているのだから特にそういう力は沸きやすいのに」
佐野「うぅん……まぁ、神社だしな、ここ。 神聖さには文句ないだろ」
水銀燈「だけれど扉は開かない……」

もしも扉が開けば、この幻想郷でサッカーをする事もなく、今すぐ佐野達は元の世界へ帰れるのだ。
本来ならば扉が開く程力を持っている筈だという鏡が、まるで開かないという状況に水銀燈は少々苛立ちを焦りを感じているらしく。
忌々しげに鏡に映った自らの顔を睨み付けている。

佐野「(うぅむ……オカルト関係は本当まるでわからんが……水銀燈が今、とてつもなく苛立ってる事はわかる。
    ここは何か言っておくべきか?)」

A.「幻想郷全ての場所探した訳じゃないんだろ? どっかに扉がある筈だ」 前向きにnのフィールドへの扉を探すよう提案する
B.「まあそのnのフィールドっていうのも繋がってない場所とかあるんじゃね?」 欠陥どこでもドアなんじゃないかと言ってみる
C.「まあnのフィールドが無くてもサッカーで勝ち続ければ帰れる訳だし」 前向きにサッカーの方に意識を向けさせようとする
D.「まあ何もしなくても春になれば帰れるそうだし」 冬眠明けのスキマ妖怪さんに期待しようぜと言ってみる
E.「待て、思い切り鏡に突撃すれば入れる可能性もあるんじゃないだろうか?」 鏡に頭から突撃してみる
F.「鏡の中に入れるアイテムとかは無いのかね」 鏡面世界に入れる道具は無いのかと言ってみる
G.「そうか……よし、俺は寝る!」 めんどいので寝る
H.その他 自由投票枠

先に2票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。

786 :森崎名無しさん:2012/02/26(日) 00:58:47 ID:wEgddtxE
F
デッキ探してインペラーになろうぜ!

787 :森崎名無しさん:2012/02/26(日) 01:00:36 ID:z19bSriE


788 :森崎名無しさん:2012/02/26(日) 01:01:12 ID:6BtqH4yM


789 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/26(日) 01:08:24 ID:???
>F.「鏡の中に入れるアイテムとかは無いのかね」 鏡面世界に入れる道具は無いのかと言ってみる
============================================================================================
水銀燈「はァ?」
佐野「何があるかわからん幻想郷だ。 そういうアイテムがあってもおかしくねぇだろ」

鏡の中に入りさえすれば、nのフィールドを通って元の世界に帰れる筈だと佐野は考えた。
そして、その鏡の中に入る為のアイテムから何かが幻想郷にはあるかもしれないとも考えた。
いい事言ったった!とばかりに佐野は満面の笑みとなるのだが……。

先着で「★で囲まれた部分を順に」コピペしてください、

★戦わなければ生き残れない?→! card=★

と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

JOKER→ダークドリーム「そっか! 鏡の世界に行けばよかったんだ!」 げぇっ、ダークドリーム!?
クラブA→キーン キーンと耳鳴りがし始めた…… ???「戦え…… 戦え……」
それ以外→水銀燈「……馬鹿じゃなぁい?」 水銀燈が呆れた声を出しました。

790 :森崎名無しさん:2012/02/26(日) 01:11:35 ID:???
★戦わなければ生き残れない?→ ダイヤ2 =★

791 :森崎名無しさん:2012/02/26(日) 01:14:04 ID:???
??
「鏡に「中の世界」なんてありませんよ・・・
ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから」

792 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/26(日) 02:56:30 ID:???
>★戦わなければ生き残れない?→ ダイヤ2 =水銀燈「……馬鹿じゃなぁい?」 水銀燈が呆れた声を出しました。★
========================================================================================================
佐野「へ?」

しかし、佐野の名案(笑)は水銀燈にバッサリと切り捨てられた。

水銀燈「あなた私の話の何を聞いていたのぉ? いい事、鏡というのはあくまでもnのフィールドの「入口」なの。
    鏡の中がnのフィールドなのではなく、鏡がnのフィールドに通じているだけなのよぉ」
佐野「…………早口言葉みたいでわからん」
水銀燈「あなたのミニマム脳味噌でもわかるように説明するとね。
    鏡の中に入る、というのはnのフィールドに入る、というのとイコールにはならないという事。
    わかったかしら、おバカさぁん?」

水銀燈の話によると、鏡の中の世界≒nのフィールドであるらしく。
例え鏡の中に入れるようなアイテムがあろうが無かろうが、それがnのフィールドへと行き。
元の世界へ戻れる保証になる訳ではないのだという。
つまるところ、結論から言えば佐野の提案は何の打開策にもなってないものだったという事である。

水銀燈「馬鹿が無い知恵絞ったら赤っ恥をかいたって所かしらぁ? 本当におバカさぁん」
佐野「……いやほら、俺って学業よりもサッカーに励んでたから」

水銀燈のちくちくと刺すような嫌味に佐野は必死に醜い言い訳をする。
結局、元の世界へと帰る手がかりは掴めず、水銀燈の佐野に対する評価は格段に落ちたような気がするが……。
その評価自体もそもそも高いものではなかったし、逆に水銀燈が佐野をいじる事でストレスを発散出来たと思えば。
むしろ結果的には良かったものだったのかもしれない。

とにもかくにも、こうしてこの日の夜は更けていったのだった。

                                7日目 終了

793 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/26(日) 02:57:32 ID:???
8日目

そして明くる日――いよいよ佐野の幻想郷生活初めての試合が行われるというこの日。
佐野らは朝食を取ってから、昼前に試合会場へと向かった。
1ボスチームとの試合会場となったのは、人里近くにあるという小さなサッカーコート。
霊夢の話によればもっと大きなスタジアムなども幻想郷にはあるそうだが……。
イレギュラーズの知名度と、1ボスチームの人気度を考えればそのような大きな会場を抑えても採算が合わず。
この人里近くの小さなコートが妥当な会場だとの事である。

佐野「まあ小さいつってもフィールドの大きさが変わる訳でもないし、問題は特に無いよな。
   ……っていうかこれ、人工芝か? よく幻想郷にこんな技術があるな」
霊夢「そういう技術とか裏方が得意な妖怪もいるのよ」
佐野「これ作ったの妖怪かよ!?」
レイ「神社の裏にあるコートは土のコートなのにねぇ」

会場につくなり、意外にもよく整備されているコートを見て驚く佐野達。
しかし、こともなげに霊夢は幻想郷ではよくある事だと説明し……。
それからフィールドの横に併設されたベンチへと移動し、荷物などを置く。

カイン「しかしまだ1ボスチームとやらは来ていないのか?」
霊夢「試合開始までまだ時間はあるしね……少し早く来すぎたかしら?」
ユーノ「あれ? ……霊夢、コートの中に入ってきた人がいるよ?」
霊夢「……ああ、やっと来たのね」

まだ姿の見えない対戦チーム――1ボスチームを待つ一同の前に不意に姿を現したのは……。
浅黄色の着物を着込み、眼鏡をつけた白髪の長身の男性。
その腕一杯に何やら箱を抱えつつ、佐野らの元へと向かってきている。
一体誰だろうと首を傾げる佐野達だが、霊夢だけはその人物を知っているのか一つ頷くと。
肩で息をしながら佐野らの前にようやく辿り着き、箱を下ろした男性の方に手をやりつつ口を開く。

794 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/26(日) 02:58:41 ID:???
霊夢「こちら、魔法の森の近くっていう辺鄙な場所に香霖堂っていう閑古鳥が年がら年中鳴いてるお店を開いてる霖之助さん。
   他にも幻想郷の界隈では、サッカーの実況者をやってくれてるわ」
霖之助「……霊夢」
霊夢「本当の事でしょう?」
霖之助「……コホン。 森近 霖之助(もりちか りんのすけ)だ。
    霊夢の紹介通り、魔法の森の入り口前で店屋を営んでいる。 以後、よろしく頼むよ」

霊夢のあまりにもあんまりな紹介を前に、男性――霖之助は渋い顔をするものの。
霊夢に何を言っても仕方がないと考えたか一つ咳払いをしてから、改めて自己紹介。
これには佐野らも頭を下げ、挨拶をし……なるほど、サッカーの実況者だからコートの中に入ってきたのか、と考える。

佐野「えーと……霖之助さん? なんか霊夢ちゃんと仲良くね?」
霖之助「これが仲がいいと言えるならね……。 まぁ、先代の頃からの古い付き合いだから……妹みたいなものだよ」
佐野「ギギギ……妹だと? 血の繋がってない妹的存在とか、夢のような環境じゃねぇか……! ギギギ……!!」
霖之助「……彼は何を言っているんだい?」
律子「気にしないでください。 それより、これは一体なんですか?」

やたらと霊夢とフランクに話し合う霖之助に嫉妬心を丸出しにしながら佐野は歯噛みをするのだが……。
これは満場一致でスルーされ、それよりも霖之助が持っていた箱は一体なんなのか、とそちらの方に興味が注がれる。
すると霖之助は口元に微笑を浮かべながら、大小様々な箱の中から適当なものを選び、箱を開けて中身を一同に見せる。
中から出てきたのは……。

ユーノ「……服?」
剣崎「これ、ユニフォームか?」
霖之助「僕の店はサッカー用品も揃えていてね……とはいえ、新チームのユニフォームを11人分作るというのは些か苦労したよ」

795 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/26(日) 02:59:43 ID:???
そう、中から出てきたのは佐野らイレギュラーズが試合の時に着用をするユニフォーム。
赤を下地とし、白いラインが横に入ったそのユニフォームは……。

佐野「ひ、比良戸のユニフォーム……?」
レイ「なんだい、知ってるのかい、佐野?」

それは佐野が中学生時代に着用していたユニフォーム――比良戸中学のユニフォームと酷似していた。
まさかこんな所でこのユニフォームを見れるとは、と佐野は思わず我が目を疑うのだが……。
霖之助の話によるとデザインは完全に霖之助のオリジナルであるらしく、
比良戸中学のユニフォームと酷似しているのは全くの偶然であるらしい。

佐野「はー……こんな偶然ってあるもんなんだなぁ」
剣崎「へー、佐野は中学時代はこんな色のユニフォーム着てたんだな」
律子「……私のユニフォームは緑色なんですね」
霖之助「ああ、下は黒のジャージを用意させてもらったよ」
律子「(……ノーマルグリーン、よりは少し濃いめかな。 でも、緑か……)」
ブースター「キュー?」
霖之助「君にも当然用意しているよ。 外の世界には犬や猫に服を着せる習慣もあるそうだから、それを参考に作らせてもらったよ」
アイビス「よかったね、ブースター」

律子に用意をされたユニフォームは濃いめのグリーンを基調とした長のシャツに、黒のジャージ、手袋である。
各々は用意されたユニフォームを手にあるものは感慨深げにそれを眺め、あるものは珍しそうにそれを眺め。
またあるものは少しデザインが気に入らないのか苦い表情を浮かべる。
だが、そこで苦い表情を浮かべるだけでなく……ことさら苦痛を感じているような表情を浮かべる者もいた。

水銀燈「……これに着替えないといけないのぉ?」
霊夢「そりゃまあ……そんなひらひらのスカートでサッカーなんて出来ないでしょ」

796 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/26(日) 03:00:49 ID:???
人形サイズの小さなユニフォームを片手で持ちながら、苦々しげに呟いたのは――水銀燈。
いつも嫌味で高慢な彼女にしては、珍しい眉を顰めた表情。
何故か腹部のあたりをしきりに摩っており……。
これを見て一同は首を傾げ、一体どうしたのだろうかと考える。

佐野「なんだ? なんか問題でもあるのか、水銀燈?」
水銀燈「…………別にぃ? ねぇ、着替えるって言っても、流石にこんな寒空の下で着替えさせる訳ないわよねぇ?」
霊夢「あ、何、その心配してたの? 人形の癖に。
   そりゃ当然、近くに更衣室があるからそこで着替えさせるわよ」
佐野「えっ。 ここで着替えないの?」
カイン「お前は本当にぶれんな、佐野」

しかし、この疑問はすぐに解決をされた。
水銀燈の言葉を聞いてみれば、何のことはない……ただ彼女は衆人環視の中で着替える、というのが嫌だったのだろう。
そう思った一同は笑みを浮かべ、霊夢は近くにある更衣室で着替える事が出来ると説明。
これを受けて水銀燈もようやくいつもの嫌らしい笑みを浮かべる。

水銀燈「ふぅん。 ま、それじゃ着てあげるわぁ。 センスの欠片も無いダッサい服だけど仕方ないわねぇ」
霖之助「言ってくれるね……。 ……因みにどういうのがお好みなんだい?」
水銀燈「色は黒、背中に銀の十字の刺繍が入っていて血を思わせるような赤い斑がついているような……正に闇を象徴するが如き……」
ダークドリーム「水銀燈が何を言ってるかわからない」
レイ「わかったら負けだと思うぞ、ダークドリーム」

とにもかくにも、こうして問題は解決され……一同は1ボスチームが来る前に早速更衣室を使い着替える事にした。

霊夢「……って、あれ? 水銀燈、あんたは行かないの?」
水銀燈「……あいつらが出てきてから行くわ」
霊夢「はァ? あんた、人形の癖に女に見られるのも恥ずかしいとか言う訳?」
水銀燈「……うるさいわねぇ、私の自由でしょぉ?(一緒に着替えられる訳が無いじゃない……)」

だが、何故か水銀燈は他の者達と一緒に女子更衣室へと向かう事は無く。彼女たちが戻ってきてから着替えに行く、と言い張り残っていた。

797 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/26(日) 03:02:05 ID:???
クーガー「しかしヤケに本格的だな。 てっきり私服のままやらされるもんだと思っていたが」
剣崎「俺達はともかく、水銀燈はスカートだし……それに霊夢の話だと女の人も幻想郷じゃ沢山サッカーしてるらしいからな。
   ユニフォームくらい着用してないとサッカーも出来ないだろ」

そして、男子更衣室ではイレギュラーズ男性陣が他愛もない話をしながら各々着替えを行っていた。
クーガーは着替えるのも速いのか、誰よりもいち早くユニフォームを身に着け動きやすさをチェックしており。
カインは慣れぬ洋服にてこずっている様子。
ユーノはといえば、ブースターにユニフォームを優しく着替えさせている最中である。

ユーノ「はい、ブースター。 前足上げてね」
ブースター「キュ〜」
カイン「フッ……中々着心地はよいな」
剣崎「……っていうかカイン、お前、どうやって兜つけたまんま服に頭通したんだよ」
カイン「フッ……」
クーガー「ん? 佐野、何やってんだ?」
佐野「いや、着替えたはいいけど、俺の背番号何番なのかチェックするの忘れちまって……」

クーガー、カインに続いて着替え終わった佐野は、取り付けられた鏡の前で己の背中を見ようとしていた。
幻想郷にいる時限定の、2か月後には解散する予定のチームとはいえ、
そのチームに在籍する間の背番号はどうしてもサッカー人として気になる所。
懸命に鏡を駆使し、背中の書かれた数字を読もうとした佐野の目に飛び込んできたのは……。

☆1〜11までの好きな数字を投票してください。その数字が佐野の背番号になります。

先に2票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。

798 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/26(日) 03:03:37 ID:???
りっちゃんのユニフォームはJrユース時代のバヤシさんのものと同じものだと思ってくだちゃい。
という事で遅くなりましたが本日はここまでです。
それでは、お疲れ様でしたー。

799 :森崎名無しさん:2012/02/26(日) 08:13:24 ID:OP8+uUsQ
10
ローゼンメイデン全部読んできたぜ・・・

800 :森崎名無しさん:2012/02/26(日) 08:22:13 ID:4Rz1WeuY
10

801 :森崎名無しさん:2012/02/26(日) 14:24:05 ID:vxUhFxrI


802 :森崎名無しさん:2012/02/26(日) 18:55:16 ID:???
カインって兜脱ぐと凄い美形なんだっけ?

803 :森崎名無しさん:2012/02/26(日) 19:00:50 ID:???
無駄にイケメン

804 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/27(月) 01:17:12 ID:???
>>799
布教の為に始めた外伝なのでこの外伝を通して少しでも出典作品を知ってもらえれば幸いなのです。
>>802-803
FF4ではEDで後ろ姿が見えるだけですが、イケメンっぽいですね。
因みにこのスレでは現在までカインさんは素顔を晒してません。ずっと兜つけてます。

>10
====================================================================
佐野「おおっ、10番だ!」

鏡を使って自らの背にかかれた番号を読み取り、満面の笑みを浮かべる佐野。
そんな佐野の姿を見ながら、ユーノとカインは首を傾げて一体何がそんなに嬉しいのか……と疑問に持つ。

カイン「なんだ? この背に書かれた番号がそんなに重要なのか?」
剣崎「サッカーの背番号ってのはある種の称号みたいなものなんだよ。
   その番号をつけてた名選手がいたりとか、この番号にはこんな意味がある……とか。
   そういうのがあるから、番号に拘る人がいてもおかしくはないさ」
ユーノ「なるほど……それじゃあ、佐野君の10番っていうのはいい番号なのかな?」
クーガー「まあ、チームの柱……俗に言うエースナンバーが10番っていうのはよく聞くな」

サッカーの事について詳しくは知らないユーノとカインに、剣崎とクーガーは説明。
剣崎たちもそこまでサッカーに精通をしているという訳ではなかったのだが……。
それでも背番号に込められた意味などはある程度把握していたらしく。
彼らの説明を受けてユーノ達も納得をするが……。

佐野「ヒャッホウ! 10番だ10番だ〜!」
ユーノ「……でもあれは少し喜び過ぎじゃないかな?」
カイン「……単純な奴だ」

それにしたって佐野の喜びようは異常だ、と少し呆れ……。
こうして男性陣の着替えは終わり、揃って更衣室から出てゆくのだった。

805 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/27(月) 01:18:17 ID:???
元いたベンチに帰り着いた佐野達は、まだ着替えに向かっていない水銀燈に少し驚きつつ……。
しかし、女性陣が帰ってきてから着替えに向かうと説明した水銀燈に、とりあえずは納得。
気位の高い水銀燈は、単に他のメンバーと共に着替えるのを嫌がったのだろうと解釈をしたのである。
その後、女性陣が戻ってきてから水銀燈は着替えに行き……。
その水銀燈が戻ってきた所で、ようやくイレギュラーズメンバーは全員ユニフォームへと着替え終わったのであった。

霖之助「うん、どうやらサイズが大きすぎたり小さすぎたりはしないようだね」
レイ「こういうピチッとした恰好ってのはどうも苦手なんだけどねぇ……」
水銀燈「なぁんで私の番号が5番なのよぉ? 律子、そっちと変えなさぁい」
律子「いやいや、これキーパー用のユニフォームだから。 というより、何が気に入らないのよ?」
水銀燈「5番は私がこの世で1番嫌いな数字なのよ。 下品で低俗で美しさの欠片もない数字だわぁ」
佐野「数字の5に謝れお前」

 1:秋月律子
 2:レイ=クウゴ
 3:ユーノ=スクライア
 4:カイン=ハイウインド
 5:水銀燈
 6:剣崎 一真
 7:ストレイト=クーガー
 8:ダークドリーム
 9:ブースター
10:佐野 満
11:アイビス=ダグラス

※イレギュラーズメンバーの背番号が決定しました。

806 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/27(月) 01:19:22 ID:???
(BGM:レティさんのテーマ http://www.nicovideo.jp/watch/sm15568133

レティ「あら……早かったのね、霊夢達」
佐野「むむむ……!?」

賑やかにユニフォームについてああでもないこうでもないと言っていた佐野達の耳に届いたのは。
凛とした、まるで冬の冷たさを思わせるような女性の声。
思わずそちらに振り向けば、そこにいるのは長身な、奇妙な帽子を被った女性。
その後ろにも10人程の人影を見つけた佐野は、これが今日の対戦相手――1ボスチームの面々なのだと気づき。
リーダー……キャプテンであるだろういち早く声を放った女性をもう一度見る。

佐野「(……これが、1ボスチームのキャプテン。 守備の要っていうレティさんか……)」

レティ=ホワイトロック。
霊夢の話によれば冬にのみ活動が出来るという制限があるものの、その実力は幻想郷では中堅並。
純粋な能力だけで言えば1ボスチームにいるような人材ではない、優秀なCB。
その女性としては大柄な体格を見れば……なるほど、パワーディフェンスが得意だと言われるのもうなずける話である。

霊夢「ええ、ちょっと早くつきすぎたみたいね。
   まあ、ユニフォームを渡したりする時間が取れたからそれで正解だったと言えるけれど……」
レティ「そちらは準備が既にできているようね……なら、試合時間ももうすぐだし、私たちも用意をさせてもらうわ」

少しだけレティの威圧感に萎縮する佐野の横では、霊夢とレティが軽く世間話をしており……。
しかし、それもすぐに終わるとレティは身を翻して自分たちに割り当てられたベンチへと向かった。
そして、その後ろをチームメイトと思しき少女たちがつらつらとついてゆく。

佐野「うぅん……なんという威圧感。 身長以上の圧迫感を感じたぜ……」
ユーノ「確かに……迫力というものを感じたね。 かなり気合が入ってるみたいだ」
霊夢「1ボスチームとしたって、つい1週間前に出来た新造チームに負ける気は無いんでしょうよ。
   それより皆、レティの後ろを歩く選手達をよく見ておきなさい。 今から選手の特徴を説明するわ」

807 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/27(月) 01:20:26 ID:???
霊夢の言葉を聞いて、一同は一斉に視線をレティの後ろの選手達へと移す。

ルーミア「わはー」
リグル「ほらルーミア、ちゃんと歩いてよ〜」
ダークドリーム「あっ、ルーミアだ。 隣にいるのは……誰? 頭になんかついてる」
霊夢「あのわはわは言ってる馬鹿っぽいのが宵闇妖怪のルーミアで、その隣でルーミアの手を取ってあげてるのが蛍の妖怪のリグル。
   両方とも、1ボスチームのストライカーで、ルーミアはミドルシュートも持ってるけど……。
   どっちも共通してるのはダイレクトシュートの方が得意、という事。 そして、それ以外の能力はお粗末って事くらいかしらね。
   因みにリグルは女の子だから、間違っても男って言わないように。 蹴り殺されるわよ」
佐野「(事前に知れてよかった……男っぽく見えるけど……うん、確かによく見てみりゃ女の子だなありゃ)」

レティの真後ろをついて歩いていたのは、佐野も会った事のある宵闇妖怪ルーミア。
そして、マントを羽織り頭から触覚を生やしているのは――蛍妖怪と呼ばれるリグル=ナイトバグ。
彼女たちは揃って1ボスチームのFWを務めているのだが……その実力は幻想郷でも下位。
両者ともに決定力はいまひとつであり、それもまた1ボスチームの弱さに拍車をかけているのだという。

ヤマメ「はー、相手のチームには男の人が多いねぇ。 こりゃまた珍しいもんだ」
キスメ「………………」←隠れてる
佐野「ん? なんだあの子、桶なんか持って……」
キスメ「………………」←顔を出した
佐野「うおっ、なんか出た!」
キスメ「!!」←目があったので隠れた

808 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/27(月) 01:21:31 ID:???
霊夢「あれはヤマメとキスメね。 ヤマメはあの桶を持ってる方。 地底の入り口近くに住んでる、土蜘蛛って妖怪よ。
   1ボスチームではキーパーをやってるけど……まぁ、実力は1ボス相応って所ね。とりたてていい武器もない凡庸なキーパーよ。
   キスメは釣瓶落としっていう妖怪で、あの桶からは一歩も出ない。
   だから足を使ったプレイはまったくもって問題外ね。 桶の強度を使ったブロックとパスカットしか出来ないわ。
   どちらもレティと一緒にゴールを守る、1ボスチームの守備陣よ」
アイビス「桶から出ないって……どうやって動くの……?」
霊夢「ガッポガッポ飛び跳ねる」
カイン「跳ねる……飛ぶ……。 ……フッ、空中戦はあいつだけのものじゃない!!」
律子「変な所に対抗意識を燃やさないでくださいよカインさん……」

その更に後ろを歩くのは、金髪を括った黒いリボンがチャームポイントの黒谷ヤマメと。
そんなヤマメに抱えられた桶――釣瓶落としの妖怪、キスメの2人。
彼女らにレティを加えた守備陣こそが1ボスチームの自慢であり……新設チームのイレギュラーズが彼女たちを攻略できるかどうか。
それはキャプテンの佐野の奮闘と、指示次第である。

穣子「姉よ、民衆も少なからずみている。 無様な戦いはやはり出来ぬ。 ここは力を解放するよりほかに……!」
静葉「よさぬか妹よ」
穣子「すまない、少々自分を見失いかけた」
静葉「力を解放しては幻想郷全土を揺るがしかねない大惨事に発展する恐れがある。 そうそう容易く己の力を誇示しようとするな」
レイ「……ありゃなんだい」
霊夢「……秋静葉、穣子の姉妹よ。 あれでも一応は神様……なんだけどねぇ。
   実力は……悪くは無いけどよくもないわね。 静葉はパスが上手くて穣子はドリブルが上手い、両方とも攻撃型のMFよ」

809 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/27(月) 01:22:42 ID:???
ヤマメらに続くのは、秋静葉・秋穣子の神の姉妹。
言っている言葉の意味はよくわからず、思わず佐野達は眉に皺を寄せるのだが……。
それでも警戒は怠れない筈だ、と佐野は胡散臭げな目で姉妹を見ながら強引に思い込む。
そして、そんな姉妹の後に続いてベンチに向かったのは……。

ナズーリン「我が命蓮寺では勝利を何より尊ぶ。 何としてでもこの試合、勝利で飾ろう同士タキーリンよ」

やけに小柄で秋姉妹同様、奇妙な口調で喋るネズミ耳をした少女。そして……。

滝「おう!」

佐野が見た事のある、特徴的な出っ歯を生やした青年である。
その姿を見た瞬間、思わず佐野は……。

A.「滝さん! 滝さんじゃないか!」 思わず名前を呼んじゃう
B.「なーんだ、滝さんか」 思わずなーんだと言っちゃう
C.「いや、ちょっと待て。 アレは本当に滝さんなのだろうか?」 少し注意深く様子を伺ってみる
D.「いや、タキーリンってそれは言いにくいだろ」 思わずナズーリンに突っ込んでみる
E.「あのネズミ耳の女の子可愛い!」 そんな事よりナズーリンちゅっちゅだ!!
F.その他 自由投票枠

先に2票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。

810 :森崎名無しさん:2012/02/27(月) 01:25:31 ID:ca7Ce3SE


811 :森崎名無しさん:2012/02/27(月) 01:32:02 ID:1aljynQg
C

812 :森崎名無しさん:2012/02/27(月) 01:34:01 ID:???
F
「アメリカでは、あなたがパーティーを見つけ出す!
 ソビエトロシアでは、党(party)があなたを見つけ出すのソビエトロシアじゃないか!」

813 :森崎名無しさん:2012/02/27(月) 01:40:23 ID:XUUh4dVk
A

814 :森崎名無しさん:2012/02/27(月) 01:44:53 ID:IzlLpZSg


815 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/27(月) 02:43:56 ID:???
>A.「滝さん! 滝さんじゃないか!」 思わず名前を呼んじゃう
=================================================================
滝の姿を見た瞬間、佐野は思わず叫んでいた。
この幻想郷に連れてこられて以来、周囲は全員知らない人間(一部人間でないもの含む)だった佐野。
そんな状況の最中で、然程仲が良かった訳ではないものの知人の姿を発見してしまったのだ。
その反応は当然と言え、いきなり叫んだ佐野にチームメイトが驚く中。
名を呼ばれた滝はくるりと振り向くと佐野の姿を見た瞬間、こちらもまた目を丸くし叫ぶ。

滝「おっ、お前佐野か!?」
佐野「やっぱり滝さんだ……。 え? なんで滝さんが幻想郷にいるんだ!?
   もしかして滝さんが、霊夢ちゃんの言ってた1ボスチームに入ったっていう外来人なのか!?」
滝「それはこっちの台詞だよ! ……お前、なんだって新設チームなんかにいるんだ?」
レイ「なんだい、知り合いかい佐野?」
ナズーリン「同士タキーリン、知人か?」

思わず駆け寄った両者はどうしてここにいるのか、と互いに問いかけあい……。
この姿を見て両チームの者達も、佐野と滝が知人なのだと把握をする。

佐野「お、俺もどうして幻想郷にいるのかは知らないんですよ……。 滝さんは……」
滝「俺も同じだ。 気づいたら幻想郷にいた。 ……そうか、お前もだったのか」
佐野「……あの、元の世界への帰り方とかって……」
滝「八雲紫っていう妖怪に返してもらう、しか俺は知らないな。 見た所、お前もそうだろ?」
佐野「はい……そっか、滝さんも知らないのか……」

そして、両者は簡単にではあるが互いの近況を話し合った。
どうしてこの幻想郷にやってきたのか、幻想郷から元の世界に戻る方法を知らないかどうか。
……どうしてお互い、この幻想郷のサッカーチームに加入をしたり、またはチームを新設したのかについても。

816 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/27(月) 02:45:09 ID:???
佐野「そうか、滝さんはうまいこと1ボスチームに入れたって事か」
滝「ああ、立場が違えば俺もお前みたいにチームを新設してたかもな。
  つっても、こっちは帰るのが目的じゃなくて技術を磨くのが今の所の目的だけど」
ナズーリン「タキーリン、積もる話はあるだろうがそろそろ……」
滝「あ、ああ、そうか、悪いナズーリン。 じゃな、佐野。 話はあとだ。 まずは試合をしようぜ」
佐野「あ……そうですね!」

Jrユース時代はロクに話をした事も無いが、こういった極限状態ではたった数分の会話では物足りない。
まだまだ話足りないくらいであったが……。
試合時間は迫っており、ユニフォームに未だ着替えていない1ボスチームとしては、
ミーティングの時間を考えればそろそろ着替えに向かわなければいけない時間。
話をするのは試合後に、と滝は佐野に告げるとこれに佐野も同意し……そして、去り際に一言つぶやくのだった。

滝「それにしても、俺やあいつら以外にまだ日本代表の奴が幻想郷にいたなんてなぁ……」
佐野「え? へっ、ど、どういう事だ!? ちょっ、滝さん!?」
霊夢「佐野、こっちもミーティング始めるわよ!」

「俺や"あいつら"以外」……佐野と滝以外にもまだ、幻想郷には日本代表に選ばれた選手がいる事を匂わせる発言。
これには佐野も再び狼狽し、滝に言葉の真意を問いただそうとするのだが……。
霊夢に呼び止められた佐野は素直にそれに従い、自らのベンチへと戻った。

佐野「(俺や滝さん以外にまだ幻想入りした奴がいる……?
    ……おいおい、まさかこれから戦っていくチーム全部にいたりしねぇだろうな?
    いや、まさかな……)」

思わず浮かんだ悪い予感を、鼻で笑いながらミーティングの輪の中に入ってゆく佐野。
……俗に言うフラグ建設をしたとは露知らず、佐野は監督的立場に立つ霊夢の話に耳を傾け始めるのだった。

817 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/27(月) 02:46:09 ID:???
霊夢「よし、みんなきけ。
   ……まず、最後のメンバー確認をしておくわ。 さっきのネズミ耳は、命蓮寺ってトコにいるナズーリン。
   サイドを駆け上がってからのセンタリングを得意とする、ウイングハーフね。 守備力もそこそこあるわ。
   それで佐野、あの滝って奴の選手としての特徴は?」
佐野「そのナズーリンって奴と似たような感じだ……滝さんはサイド際の動きがピカイチでな。
   ドリブル突破からセンタリングをして、アシストをする典型的なウイングだよ。 ただ、守備は苦手だったと思うぞ?」
霊夢「ふむ……となると、相手の特徴を表すとこうなるわね」

○FW ルーミア・リグル(共にダイレクトシューター)
○ウイング ナズーリン・滝(共にサイドアタックからのセンタリングが得意)
○MF 静葉・穣子(静葉はパスが得意。 穣子はドリブルが得意)
○DF レティ・キスメ(キスメはブロック・パスカットのみ。 レティはパスカット以外はそつなくこなす)
○GK ヤマメ(特に特徴は無い)

霊夢は手に持てるサイズのホワイトボードにさらさらとマジックで1ボスチームの選手達の特徴を書き。
これを全体に見えるようにする。
敵に勝つには、まず敵をよく知る事から……イレギュラーズメンバーはもう一度情報をインプットしつつ。
さて、これに対抗をするにはどうすればいいのか……この情報から何が見えてくるのかを話し合い始める。

律子「こうしてみると、1ボスチームは役割がかぶる人が多いわね……。
   FW2人・ウイング2人の攻撃陣は殆どやる事が同じじゃない?」
霊夢「そうね。 ただ、CFW2人にWG2人……FWが4人なんて編成になるとは思えない。
   恐らく1ボスチームはナズーリンと滝って奴を下げて4−4−2のフォーメーションで来るでしょうね」
佐野「そうすっと……大体こんな感じか?」

818 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/27(月) 02:47:15 ID:???
【1ボスチーム 予想フォーメーション】

−J−H− Jルーミア Hリグル
−−−−−
−−−−−
GI−EF Gナズーリン I静葉 E穣子 F滝
−−−−−
−−D−− Dレティ
−CAB− C Aキスメ B
−−@−− @ヤマメ

佐野「……あれ? そういや、ここまで出てきた選手って9人しかいねーじゃん。 残りは?」
霊夢「ああ、あれよあれ」
佐野「……あれ?」

フォーメーションを予想した所で、佐野はこれまで話してきた選手達は9人しかいない事に気づいた。
これではサッカーが出来ないではないか、と疑問に持ったのだが……。
霊夢はその疑問を端的に解決すべく、1ボスチームのベンチへと目を向けさせた。
するとそこにいたのは……。

羽目玉「ウゴウゴ……」
羽目玉「モッチャモッチャ……」
佐野「え なにあれ こわい」

緑色の球体に巨大な目玉がつき、それに蝙蝠のような羽の生えた物体がいた。
そのグロテスクさに思わず佐野はたじろぎ、他のメンバーも不快そうな表情を浮かべるが……。
霊夢の話によればあれが1ボスチーム最後のメンバーらしく、今日はあれと一緒にサッカーをしなければならないのだという。

ダークドリーム「でも大丈夫なの? 目にボール当たったら痛そうだよ?」
律子「そういう問題でもないような……」
佐野「なんか幻想郷来て初めて妖怪らしい妖怪見た気がするわ、うん。 ……ところであいつらの実力は?」
霊夢「殆どザコよ、ただの数合わせ同然ね。 ……で、話を戻すわよ」

819 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/27(月) 02:48:23 ID:???
試合前に思わぬ所でテンションを下げられた一同であるが……。
霊夢の言葉を受けて気を取り直すと、改めて1ボスチームとの試合での対策を練り始める。

霊夢「このフォーメーションを見る限りだと……1ボスチームは両サイドから攻める事が出来るようになってるわね……。
   左からはナズーリン、右からは滝……中央から秋姉妹がゲームを組み立ててもいい」
佐野「なるほどな(滝さんかナズーリンっての、どっちか1人ならレイさんをそっちに配置すりゃ良かったんだろうが……。
   両サイドから攻められちまうんじゃ殆ど意味がねぇな。 こりゃ割と厄介だぞ)」
ユーノ「ところで、ナズーリンと滝君には得点力はあるの?」
佐野「滝さんには無かった筈だぜ。 必殺シュートも無ければキック力も殆ど無い筈だ」
霊夢「ナズーリンもよ。 だからサイドアタックをかけられて突破を許しても、中央のルーミア達を防げばいいだけとも言えるわね」
佐野「なるほど……(しかし中央を固めた所でサイドから一対一狙ってこられるかもしれないなぁ……。
   サイドアタックが無くても滝さんドリブル上手いし、りっちゃんじゃ止められない可能性もある)」

やはりこの試合、キーマンとなりそうなのは1ボスチーム新人の滝一。
得点力はほぼ皆無であるものの、彼が加入をした事で1ボスチームの攻撃の選択肢は増えたと言える。

820 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/27(月) 02:49:38 ID:???
霊夢「かといって守備にばかり人数をかけるのも問題ね……レティの牙城はそう簡単に崩せない以上、攻撃にも数をかけたい」
カイン「守備と攻撃、どちらに比重も置かず均等に割り振るか?」
律子「……点が取れないからこそ、逆にこちらも点を取られる訳にはいかないという考え方もあります。
   守備に重きを置いてロースコアゲームを目指すのも一つの手かと」
レイ「いやぁ、やっぱ攻めなきゃ面白くないだろう。 守備を疎かに出来ないってのはわかるけどさ」

そして、レティ=ホワイトロック――1ボスチームのキャプテンであり、守備の要の彼女を抜くには攻撃も緩める訳にはいかない。
だが、守備に比重を置けば攻撃が疎かとなり、攻撃に比重を置けば守備が疎かになるのは自明の理である。
果たしてここはどうすべきか、佐野もまた頭をかきながら懸命に思案をする。

佐野「うーん」
霊夢「佐野、何か意見ある?」
佐野「そうだな……(まずはフォーメーションを提案した方がいいかな……? ここは……)」

A.「4−4−2でスタンダードに行こうぜ」 4−4−2を提案する
B.「5−4−1でガッチリ守ろうぜ」 5−4−1を提案する
C.「5−3−2だ。 中盤は薄くても問題ないだろ」 5−3−2を提案する
D.「4−3−3でガンガンいこうぜ!」 4−3−3を提案する
E.「3−4−3でもっとガンガンいこうぜ!」 3−4−3を提案する
F.「3−5−2で中盤を支配しようぜ!」 3−5−2を提案する
G.「いや、特に意見は無いな」 霊夢にオマカセ!
H.その他 自由投票枠

先に2票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。

821 :森崎名無しさん:2012/02/27(月) 02:52:00 ID:55cVvcEY
A

822 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/27(月) 02:52:44 ID:???
毎日更新が遅くなってすみません、本日はひとまずここまでです。
続きは明日以降書かせていただきます。
それではお疲れ様でした。

823 :森崎名無しさん:2012/02/27(月) 05:00:02 ID:26GlZZSA


824 :森崎名無しさん:2012/02/27(月) 07:34:32 ID:???
秋姉妹が出てくるとニヤニヤしてしまう

825 :森崎名無しさん:2012/02/27(月) 11:27:19 ID:???
レティさんのテーマ……重量感あるよな

826 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/27(月) 23:31:03 ID:???
>>824 これもまた、神々の遊び。
>>825 重量感というか十両感というか……

>A.「4−4−2でスタンダードに行こうぜ」 4−4−2を提案する
======================================================================
ユーノ「DF4人、MF4人、FW2人……一番基本形なフォーメーションだね?」
佐野「この試合はイレギュラーズの初陣だ。 しょっぱなから気を衒い過ぎても仕方ないだろ」
霊夢「そうね……じゃあフォーメーションは4−4−2でいきましょう」

数あるフォーメーションの中で一番基本形と言えるフォーメーション、4−4−2。
これを採用するよう提案した佐野の言葉には、特に反発意見は出なかった。

霊夢「じゃあ次はどこに誰を配置するかだけど……とりあえず、律子はGK」
律子「まあ今更フィールダーをやれって言われても困るしね」
霊夢「そしてブースターはFWのうちの1人、カインはDFに置くのは決定ね」
ブースター「キュ?」
カイン「DFか……ぽすとぷれい、というものも俺は出来るが?」
霊夢「相手のメインのシュートはダイレクトシュートよ。 空中戦に強いあんたはこの試合出来ればDFに置きたい」

続いて霊夢は具体的にどの場所に誰を当てるかを考え始めた。
まずこれまでの練習でGKとしての練習しかしていない律子は当然ながらGK。
更に佐野との練習の中で必殺シュートを会得したブースターはFWへ。
リグル・ルーミアというダイレクトシューター達への対策として、カインはDFへと配置する。

霊夢「あとはどこも白紙状態に近いけど……まずは前の方から片付けていきましょうか。
   まずはブースターの相棒を誰にするかね……候補としては……本職の佐野に剣崎、クーガー……それにダークドリームかしら?」
ダークドリーム「えっ、私? シュートあんまり得意じゃないよ?」
霊夢「パスが上手いんだからポストプレイできるでしょ? レティをかわす事を考えるなら、十分選択肢に入るわ。
   それに、シュートセンスだって悪くないんだし」
佐野「(確かにダークドリームのパスはクーガーさんと並んでチーム1だしな。
    ぐぬぬ、しかし俺にも本職FWとしてのプライドがある。 ここは何か言っておくべきか……)」

827 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/27(月) 23:32:28 ID:???
A.「FWは専門職だぜ。 本職の俺が出るよ」 自らFWに志願する
B.「剣崎さんがいいんじゃないか? ガタイはいいし、シュート力もある」 剣崎を推薦する
C.「クーガーさんにしようぜ。 ドリブル突破もシュートも出来るんだし」 クーガーを推薦する
D.「ダークドリームがいいと思うぜ。 ブースターにはサポート役が必要だ」 ダークドリームを推薦する
E.「ここはアイビスさんもいいんじゃないか? 足は速そうだったし」 アイビスを推薦する
F.その他 自由投票枠

先に2票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。

828 :森崎名無しさん:2012/02/27(月) 23:33:03 ID:TFqNYphs


829 :森崎名無しさん:2012/02/27(月) 23:33:40 ID:55cVvcEY

ダークドリームはパサーとして使わないと中盤がつらい。

830 :森崎名無しさん:2012/02/27(月) 23:34:10 ID:ca7Ce3SE



831 :森崎名無しさん:2012/02/27(月) 23:34:14 ID:pjmbaCzA
D
佐野、予定通りのMF

832 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/27(月) 23:59:40 ID:???
>A.「FWは専門職だぜ。 本職の俺が出るよ」 自らFWに志願する
=============================================================================
霊夢「そうね。 ま、ここは佐野に任せておきましょうか」
カイン「まぁ元々それが専門だというのなら、誰も文句はなかろう」
佐野「ケケケ、この俺様が大活躍する所を見ているがよい」
水銀燈「大口叩いておいてヘマこいたらジャンクにしてあげるぅ」

パスは然程上手くはないが、ドリブルで敵陣をかき回す事には定評のある佐野。
火力は高いがキープ力などボールを渡らせる事に難のあるブースターのサポート役には向いていると言え。
霊夢はこれを採用し、周囲もまた納得をする。

霊夢「じゃあ次はMFだけど……ここはサイドにクーガー、ボランチに水銀燈は決定ね」
クーガー「正面突破の方が好みなんだがなぁ……」
水銀燈「私が相手するのはあの馬鹿みたいな事してた姉妹ぃ? アレはもう、ジャンクにするしない以前に既にジャンク状態じゃないの?」
佐野「水銀燈、それ以上、いけない」
ダークドリーム「私はどうなるの、霊夢?」
霊夢「それはあと1人を誰にするか次第ね」
佐野「ぬぅ……」

次に移ったMFの構成は、まずイレギュラーズの中でも随一の突破力とそこそこの守備力を持つクーガーがサイドハーフに。
ボールカット能力がきわめて高い水銀燈がボランチに宛がわれる。
残るはパスセンスが高いダークドリームをどこに配置するか、そしてもう1人を誰にするかなのだが……。

佐野「(なるほど、ダークドリームはそのもう1人を誰にするかでポジションが変わるのか)」

833 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/28(火) 00:00:41 ID:???
パスセンスのあるダークドリームの適性は、トップ下かサイドハーフ。
残る1人を誰にするか次第で、どちらにでも置く事は可能なのである。
霊夢の考えを読み取った佐野は、すぐさま頭の中でフォーメーションを整理。
これまで出た名前以外でMFに適正がある者が入った場合、どのような形になるのかを思案する。

佐野「(候補は……ユーノ君、レイさん、それにアイビスさんくらいか。 剣崎さんは出来ればゴール前で使いたいしな。
    そうすると……ユーノ君はボランチで使うだろうから、ダブルボランチでトップ下のいない形。
    レイさんはクーガーさんの逆サイドに置かないと敵のサイドアタックが怖くなるから、自然とダイヤモンド型になるな。
    アイビスさんは……ぶっちゃけ余ったポジションに置く感じか。 この場合はダブルボランチにして水銀燈のフォロー役にするか。
    もしくはとりあえずサイドハーフにしてその後ろにレイさんを置くって感じになるのかね?)」

ユーノ案
−−−−−
I−−−F Iダークドリーム Fクーガー
−G−E− G水銀燈 Eユーノ

レイ案
−−I−− Iダークドリーム
G−−−F Gレイ Fクーガー
−−E−− E水銀燈

アイビス案A
−−−−−
I−−−F Iダークドリーム Fクーガー
−G−E− G水銀燈 Eアイビス

アイビス案B
−−I−− Iダークドリーム
G−−−F Gアイビス Fクーガー
−−E−− E水銀燈

834 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/28(火) 00:01:43 ID:???
頭は弱いがサッカーに関する事についてはそこそこの頭の回転の速さを見せる佐野。
瞬時にそれぞれのシステムのメリット・デメリットを計算し、どれが一番最適かと考える。

佐野「(うーむ、これは……)」

A.「最後の1人はユーノ君がいいんじゃないか?」 ユーノを推薦する
B.「最後の1人はレイさんがいいんじゃないか?」 レイを推薦する
C.「アイビスさんを水銀燈と同じボランチで使ったらどうだ?」 アイビスを推薦する・パート1
D.「アイビスさんをサイドハーフとして使ったらどうだ?」 アイビスを推薦する・パート2
E.その他 自由投票枠

先に2票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。

835 :森崎名無しさん:2012/02/28(火) 00:02:17 ID:KCi1nEJ+


836 :森崎名無しさん:2012/02/28(火) 00:04:05 ID:L7u6ouek
C

837 :森崎名無しさん:2012/02/28(火) 00:04:55 ID:HaHonDfA

左サイドは佐野の突破をメインにしよう

838 :森崎名無しさん:2012/02/28(火) 00:05:09 ID:YHDiP9qc


839 :森崎名無しさん:2012/02/28(火) 00:07:43 ID:???
いざ出陣!

840 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/28(火) 01:16:23 ID:???
>D.「アイビスさんをサイドハーフとして使ったらどうだ?」 アイビスを推薦する・パート2
=======================================================================================
アイビス「……私?」
霊夢「(……本来の適性的にも、間違いなく前目のポジションだしね)
   わかったわ、それじゃあアイビスを左サイドハーフ、ダークドリームをトップ下にするわ」

佐野の提案はまたもしてもするりと通った。
アイビスは一瞬、どうして自分が……と疑惑に満ちた目を佐野に向けたが……。
すぐにまた興味を無くしたかのように視線を外し、小さくため息を吐く。

霊夢「じゃあDFは左サイドハーフがレイ、右サイドハーフがユーノ。
   CBに剣崎とカインね」
レイ「えらくアッサリしてんね!?」
霊夢「だってもう選択する項目ないもの。 それじゃ、これが今日のフォーメーションよ」

−J−H− J佐野 Hブースター
−−−−−
−−I−− Iダークドリーム
G−−−F Gアイビス Fクーガー
−−E−− E水銀燈
C−D−B Cレイ D剣崎 Bユーノ
−−A−− Aカイン
−−@−− @律子

※フォーメーションが決定しました。

841 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/28(火) 01:17:46 ID:???
佐野「……うっし! いよいよだな!」

フォーメーションが決まり、試合前のミーティングが終わると同時、佐野の体はぞくりと震えた。
その震えは怖れや恐怖から来るものではなく、ただ純粋な。
これから未知なる敵とサッカーが出来る事から来る武者震いである。

剣崎「ウェウェ……佐野にあれだけ付き合ってもらったんだ! 俺も今日は頑張るぞ!」
ダークドリーム「満、オーバーヘッドキックしてよ! あれがゴールしてる所見てみたい!」

試合への期待からか、昂揚感が高まり佐野と同じく笑みを浮かべる剣崎とダークドリーム。

水銀燈「ふんっ、どいつもこいつも纏めてジャンクにしてあげるわぁ」
カイン「反則とやらだけには気を付けておけよ。 れっどかーどというものを貰うと人数が減るらしいからな。
    頭数が減ればそれだけで厄介だ」

ダークドリームらとは種類の違う、獰猛な笑みを浮かべる水銀燈にそれを諌めるカイン。

クーガー「ま、とりあえずやってみるだけやってみるか?」
レイ「そんな気概でどうすんだい。 勝負をするからには勝つよ!」

一同を遠巻きに見ながら苦笑をするクーガーに、勝気な笑みを浮かべるレイ。

律子「……大丈夫かしら。 相手は弱小チームとはいえ、経験者たちが固まってるのに」
ユーノ「僕たちは僕たちが出来る事だけをしっかりしようよ、律子。 最善を尽くすしかないさ」
律子「……そうですね」

冷静であるが故に不安になりがちな律子に、やんわりと激励をするユーノ。

アイビス「………………」

そして、その輪から離れるようにして立ち尽くすアイビス。

842 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/28(火) 01:18:47 ID:???
佐野「いいかみんな! 俺達がサッカーを始めた目的は、あくまでも八雲紫を起こす為だ!
   だからサッカーに賭ける情熱だって俺程はみんなも無いだろうし……ハッキリ言って興味ない奴もいると思う」

佐野は全員の顔を見渡してから、強くそう言う。
サッカーをする理由と目的をついつい忘れがちだが……もとはといえば、八雲紫を起こす為に始まったサッカー。
経験者である佐野を中心としてこれまで……たった1週間という短い時間ではあるが、懸命に修練に励んできた。
そこに賭ける思いも、気持ちも、熱意も10人と1匹は様々だろう。

佐野「だけど、俺は試合に勝ちたい。 皆だって勝ちたいって気持ちは同じな筈だ。
   それが大きいか小さいかはともかく、勝ちたいって欲求はある筈だ」
アイビス「………………」

最初から負けたいと思って戦いに挑む者などいない、と、佐野は考える。
その言葉を吐いた瞬間、一同は頷き……アイビスはハッと目を見開いた後、俯く。

佐野「だったら勝つ為に全力を尽くすぞ! 勝って勝って勝ちまくって、八雲紫を叩き起こして元の世界に帰るぞ!!」

そこまで吐き捨ててから、佐野はバチンと強く手の平に拳を合わせ、続けた。

佐野「相手だって俺達急造チームに負けるのは恥だなんて思ってるだろう。 でもな、そんなの関係ねぇ!!
   1ボスだろうがなんだろうがぶっとばして、勝っちまおう!!
   よし、いこう! いこうぜ、みんな!!」
イレギュラーズ「「「おう!!」」」
佐野「(勝つぞ……! とにかく、勝つ……!)」

高校3年間の青春をサッカーに費やし、その3年間で全国を制覇出来なかった男、佐野満。
彼は今、とてつもなく勝利というものに飢えていた。

843 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/28(火) 01:20:09 ID:???
ブースター「キュー……」
佐野「いくぜ、ブースター!」

号令をかけると同時に駆けだしていくチームメイト達と共に、佐野はブースターを抱えて走り出した。
イレギュラーズメンバーの中で唯一、人語を話さず解しているのかすら疑問が出る生物――ブースター。
シュート力はあるものの、そもそもこの生物は試合でもちゃんとした動きをしてくれるのだろうか。
それは少し不安な点でもあったが、しかし、彼がこのチームの中で一番の火力を持ったシュートを撃てるという事は紛れもない事実。
今日の試合、守備が売りとされる1ボスチームに勝つには、ブースターのシュートにとにかく期待をするしかないのである。

佐野「頼むぞ、ブースター! 今日の試合、お前が頼りだ!」
ブースター「……キュ!」
佐野「……俺の言葉、わかってる?」
ブースター「キュ〜!」

力強く言う佐野に対し、ブースターはあくまでも可愛らしく鳴き声を出した。
燃えていた佐野は思わずこの鳴き声を聞いて少しだけ脱力をするのだが……。
自らの声に対して返事をしてくれているように聞こえる鳴き声は、ブースターが人語を解している証拠……と思われる。

佐野「とにかく、今日はガンガン狙ってけよ! ……んじゃ、コイントスいってくるぜ」

最後に佐野はブースターにどんどん得点を狙っていけと言ってから、コイントスの為にセンターサークルへと向かった。
その為、彼は確認をする事が出来なかった。

ブースター「……ヴォウッ!」

佐野の言葉を聞いた後、ブースターが発したやる気に満ち満ちた鳴き声を。
その真っ赤な全身の毛を逆立たせ、愛らしい瞳の眼光を鋭くしゴールを見つめる姿を。

ブースター「ヴウウウウウウ……!」

炎の鬣を持つ雄々しき獣は、佐野の言葉を受けて静かに闘志を燃やし始めていた。

844 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/28(火) 01:21:41 ID:???
レティ「あなたがキャプテン? 滝君のお友達のようね」
佐野「昔いた代表チームで同じになったんです……」

そして、佐野がセンターサークルに入ると……既にそこには1ボスチームキャプテン、レティ=ホワイトロックが待ち構えていた。
近づいてみるとやはりレティの威圧感は凄まじく……しかし、今度は佐野も気圧される事もなく。
淡々とレティと会話のやり取りを行うのだった。

レティ「……あなた達も試合に向けて練習に励んできたのでしょうけれど、私たちだって負けるつもりは毛頭ないわ。
    幻想郷最弱と呼ばれる1ボスチームとはいえ、新設チームに負ける訳にはいかない。
    今日の試合を常勝チームへ変貌する転機にさせてもらうわよ」
佐野「(……クールに見えて熱い人だな。 あの霊夢ちゃんが要注意選手だって言うだけはある。
    さて、それはともかくここはどうこたえておく?)」

A.「俺達だって負けるつもりはないぜ!」 正面から負ける気は無いと宣言する
B.「俺達はベストを尽くすだけです」 優等生っぽくキメてみる
C.「いやもう本当手加減してください、へっへっへ。 こっち素人チームなんですよ」 ぺこぺこしてみる
D.「ハッ、最弱チーム如きが勝つつもりか。 ちゃんちゃらおかしくてへそで茶を沸かすぜ」 へそで茶を沸かす
E.「そんな事よりこうして円の書かれた地面の上で2人で立ってると相撲みたいですね」 RETTYのTUPPARIは世界をも破壊する
F.その他 自由投票枠

先に2票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。

845 :森崎名無しさん:2012/02/28(火) 01:22:21 ID:KCi1nEJ+


846 :森崎名無しさん:2012/02/28(火) 01:23:25 ID:pz1kOQpg
A

847 :森崎名無しさん:2012/02/28(火) 01:29:09 ID:HaHonDfA


848 :森崎名無しさん:2012/02/28(火) 01:41:08 ID:???
レティさんに関してはFAしないのが不思議なレベル

1 名前:幻想名無しさん[] 投稿日:2012/02/28(火) 08:93: ID:???
レティとか言う聖人

849 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/28(火) 01:47:55 ID:???
>A.「俺達だって負けるつもりはないぜ!」 正面から負ける気は無いと宣言する
===================================================================================
このレティの物言いに対し、佐野は真っ向から勝負を挑むように負けるつもりはないと宣言をした。
練習をした期間はただの1週間、殆どのメンバーが素人ばかりとはいえ、それでも負けるつもりはない。
先ほどミーティングが終わってした宣言同様、佐野は力強く言い放ち。
これにはレティもまた強く頷きながら握手を求める。

レティ「お互い正々堂々と戦いましょう」
佐野「おう!」

こうして両チームキャプテンは、和やかとはいかずとも爽やかな挨拶を交わし。
審判は頃合いを見て間に割って入り試合ルールの確認をする。

審判「試合時間は30分ハーフ。 引き分けの場合はゴールデンゴール方式の延長戦を15分ハーフで執り行う。
   それでも決着がつかない場合はPK戦だ。 メンバーチェンジは両チーム3名まで」
レティ「はい」
佐野「はい(試合形式はともかくメンバーチェンジは関係ねぇな)」
審判「ではコイントスだ」
レティ「好きな方をどうぞ」
佐野「……んじゃ裏で」
レティ「では、表で」
審判「うむ……」

キィンッ!!

850 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/28(火) 01:49:00 ID:???
先着で「★で囲まれた部分を順に」コピペしてください、

★コイーンッ!→! card=★

と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

JOKER→???「うっうー! お金を投げちゃ駄目れすぅ〜!!」 なんか可愛いのがどこからかやってきて空中のコインを掠め取った!
ダイヤ・ハート→イレギュラーズがボール獲得。
スペード・クラブ→1ボスチームがボール獲得。

851 :森崎名無しさん:2012/02/28(火) 01:49:49 ID:???
★コイーンッ!→ ハート2 =★

852 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/28(火) 01:52:09 ID:???
イレギュラーズがボールを得た!という所で本日はここまでです。
明日はようやっと試合までこぎつけれそうです。
また、最後にこのスレでの試合ルールについて霊夢さんから説明をしてもらおうと思います。
=============================================================================================
霊夢「はーい、という事でここで試合についての注意点を説明しておくわね。
   このスレでの試合は、基本的に本編と同様です。
   判定方法も2D6、人数補正、試合中のガッツ自然回復なども殆ど同じ。 なので、違う点や間違えやすい点などを説明しておくわ」

・ポストプレーはせりあい値ではなくパス値+浮き球補正で判定
・一対一時、ドリブルを選択してもポスト判定はある。
・反則の発生はクラブ同士。数字の低い方が反則側となる。同数の場合は守備側の反則。
・負傷は発生する。発生率も同様だが、怪我の治り具合が本編と比較し早く、ペナルティも少ない。
・反則をした側が負傷判定の数値を出した場合は負傷無し。
・ブロック減衰はセービングにのみ影響。他のブロッカーには効果なし。

霊夢「負傷に関しては、具体的には軽傷未治療・重症未治療はそのまま−1と−2だけど。
   軽傷治療済はペナルティなし、重症治療済は−1とするわ。負傷レベルも基本的には無し。
   例を挙げるとこうなるわね」

負傷発生!(軽傷未治療・ペナ−1)→治療(軽傷治療済・ペナなし)→再負傷発生!(軽傷未治療・ペナ−1)→
再々負傷発生!(重症・未治療−2)→治療(重症治療済・ペナ−1)

霊夢「ベンチメンバーがおらず、替えが効かない為にペナルティの効果がかなり緩くなっているわ。
   他にも説明が足りない所があれば、逐一説明をしていきます。
   それでは!」
======================================================================================================
という感じのルールで試合はやっていこうと思います。
何か不明な点、わからない点があれば質問していただけるとありがたいです。
それでは、遅くまでお付き合いありがとうございましたー。

853 :森崎名無しさん:2012/02/28(火) 03:06:05 ID:???
幾つかのスレでありましたが、
チームの中心的人物が繰り返しファールを受けてしまう事がありました。

その場合、プレイ不能…などにはなりませんか?
乙でした

854 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/29(水) 00:50:18 ID:???
>>853
霊夢「質問にお答えしますと、そういう偶然が重なった場合は……確かにプレイ不能になりますね。
   その場合はペナルティではなく、本当にもう動けない・プレイ不能として扱う事とします。
   因みにこのスレではどれだけ重症になっても試合が終われば完治するようになる設定ですので、
   その点についてはご心配なく」

霊夢「また追加で以下のルールについても説明しておきます」

・覚醒は佐野以外の味方全員が2D6で11・12を出して勝利した場合(守備時はボールに触れた場合)にフラグ取得or回収。
 JOKERで勝利した場合(守備時はボールに触れた場合)は1発で技(スキル)取得となります。
・フラグがある行動でJOKER勝利した場合は、フラグを残したまま技取得となります。
・ただし前述の通り覚醒をした場合その練習で経験値を残していた場合はその経験値が消えます。
・連続覚醒をしてもイベント発生が不十分の場合は技などが最終進化に到達する事はありません。(フラグだけは立てられます)
・次に覚えるのが空中シュートなのに地上シュートで覚醒をした、などの場合は技を覚える事は出来ません。(フラグだけは立てられます)
・佐野は覚醒出来ませんが、試合で勝利した場合"のみ"特別イベントが発生します。
 そこで技などを会得するチャンスが発生します。
・このスレでは基本的に【勝っても負けても話が進みます】。
 勝った場合は前述の佐野の特別イベントなど、イレギュラーズ・佐野にとって有益なイベントが発生します。
 負けた場合は特にペナルティはありませんが、イベントなどが発生しない為勝った方が有利です。

霊夢「という訳で覚醒周りの説明、及び試合の勝敗に関する説明でした。
   ちょっと長いけれど要するに試合に勝てばいい事が起きるよ〜、という事ね。
   それではお話の続きをご覧ください」

855 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/29(水) 00:51:18 ID:???
>★コイーンッ!→ ハート2 =イレギュラーズがボール獲得。★
=========================================================================
コイントスの結果は裏。
佐野はボール権を貰う事とし、レティは自分が立っていた側の陣地を貰う事に。
その後、レティは自陣へと戻ってゆき……佐野はブースターがキックオフの為にセンターサークルに入るのを待ちつつ。
相手陣のフォーメーションなどを確認する。

佐野「(……大体予想をしたフォーメーションとほぼ同じ、か。 滝さんは俺のいるサイド側だな)」
滝「(佐野か……他の連中の実力がわからないが……佐野がキャプテンマークをつけている以上、
   あいつがあのチームの中で……少なくとも上位の実力者ってのは間違いないんだろうな)」

1ボスチームの陣形は、ミーティングで佐野が予想をしたものとほぼ同様であった。
レティを中心としたDF陣はゴール前を固め、2トップのFWはスタンダードな形。
MFたちは横にフラットに並べた形となっており、佐野のいる左側には滝がサイドハーフとして配置されている。

佐野「(滝さんは守備力がイマイチだった筈だ。 俺の突破力なら間違いなく抜ける。
    ……問題は滝さんが上がってきた時だ。 俺の守備力なら間違いなく抜かれる)」
滝「(佐野の突破力は怖いがオーバーヘッド程度ならレティさんが止めてくれる。
   問題は点を取る事だけだ……! 見てろよ、俺がただの役立たずウイングじゃねぇって所を見せてやる)」

互いの実力と特徴を知っている佐野と滝は、フィールド上で視線を交錯させた。
かたや突破力と最低限の必殺シュートは持つがどちらもいまひとつな為に代表から落ちた選手。
かたやサイド際のプレイは見事なもののボールを持ってからのアシスト以外はロクに出来ない代表でも干され気味の選手。
突破力に強烈なアイデンティティーを持つ両者は、この試合、必ず勝つと熱く火花を散らしながら睨み合い固く誓っていた。

ブースター「ヴウウ……!」
リグル「ひえぇ……」

因みにその佐野の横ではブースターが尚も唸り、火が苦手な蛍妖怪が微妙に怯えていた。
こうかは ばつぐんだ!

856 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/29(水) 00:52:54 ID:???
試合イメージ曲:戦い(vsジムリーダー)(http://www.nicovideo.jp/watch/sm15068803

−−@−− @ヤマメ
−BAC− B羽目玉  Aキスメ C羽目玉
−−D−− Dレティ
−−−−−
FE−IG F滝 E穣子 I静葉 Gナズーリン
−−−−−
−−−−−
−H−J− Hリグル Jルーミア
1ボスチーム 4−4−2

イレギュラーズ 4−4−2
−J−H− J佐野 Hブースター
−−−−−
−−I−− Iダークドリーム
G−−−F Gアイビス Fクーガー
−−E−− E水銀燈
C−D−B Cレイ D剣崎 Bユーノ
−−A−− Aカイン
−−@−− @律子

霊夢「はい、という事で長らくお待たせしました。 ようやくこのスレでも試合が開始となります。
   相手の1ボスチームは散々これまで言ってきましたが、レティの厚い守備が売りのチーム。
   攻撃に関してもストライカーがイマイチながら、サイドハーフの突破力が高いので攻撃される頻度は高くなりがちです。
   とはいえ油断さえしなければ勝てる相手……な筈。
   まずはこの試合でイレギュラーズメンバーの長所・短所、扱い方について慣れていきましょう。 それでは、グッドラック!」

857 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/29(水) 00:54:14 ID:???
霖之助「さぁー、いよいよ始まります、ここ人里サッカーコートで行われますイレギュラーズ対1ボスチーム。
    構成員は全て外来人というイレギュラーズの実力は未だ未知数。
    隔離されつつもなんだかんだで何年かに1回は新キャラが各チームに加入をする幻想郷ではありますが。
    11人という大人数が一斉に幻想入りをし、チームを作るというのは前代未聞。
    果たしてその実力、プレイは一体どのようなものなのか……注目をしたい所です。
    対する1ボスチームも、レティ選手を中心とした強力な守備陣は格上とされるHズにも勝るとも劣らないもの。
    更にはこちらも外来人である滝選手が加入をし、チーム力が上がっているのは紛れもない事実でしょう。
    勝利をするのは一体どちらのチームなのか……いよいよキックオフです!」

ワー…… ワー……

観客「うおおおお、レティさーん! 俺だー! 今日こそ勝ってくれー!!」「1ボスは弱くないんや! 周りがちょっと強すぎるんや!!」
  「聞いた事の無い名前だと思ったけど外来人だけで作ったチームなのか」「おい、あのベンチにいるの博麗の巫女様だぞ!?」
  「やめろ、逃げるんだ……巫女様なんかに勝てる訳ないよぉ……」「大丈夫だ、(巫女様は試合に出ないみたいだから)問題ない」

試合が始まる直前聞こえてきたのは、いつの間にやら放送席に座っている霖之助の声。
そして、まばらながらもコートの外から試合を観戦している観客たち。
数こそ少ないもののこの試合を見守る者がいるとあってか、佐野も俄然気合が入る。

佐野「(……しかしどうでもいいけど霖之助さん口調変わってねーか? 実況やってるからそういう風にしてんのかね)」

ピィーッ!!

ブースター「ミッ!!」
佐野「おっとと……どうでもいい事考えてる間に始まっちまった」

そして、いよいよイレギュラーズの初戦が審判の笛の音と共に始まった。
余計な事を考えていた佐野も、ブースターからキックオフのボールを受け取ると意識を試合に集中させ。
まずはここからどうするべきか、とすぐさま考える。

佐野「(相手は守備に中心選手がいる。 1点が重いからこそ、このキックオフからの攻撃で1点を取っておきてぇ。
    ここの選択は重要だが、ここは……)」

858 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/29(水) 00:55:14 ID:???
A.とーぜんこの佐野満が突撃する! 必殺ドリブルは無いがドリブル基礎値は高いぞー!
B.ここはブースターにやらせてみよう! 相手はなんか炎に弱そうだ!
C.あえてアイビスさんに渡してみよう! 本番に強いタイプかもしれない!
D.常識的に考えてクーガーさんだ! 快速ドリブルで突っ走ってもらおう!
E.ダークドリームに預けてみよう! ボールに触りたくてうずうずしてるみたいだし!
F.ヒャア! キックオフと言えばシュートだ! 俺はシュートを撃つぞー!!
G.その他 自由投票枠

先に2票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。

※佐野ガッツ 800/800

859 :森崎名無しさん:2012/02/29(水) 00:56:09 ID:0HFLAjOI
A 

860 :森崎名無しさん:2012/02/29(水) 00:56:14 ID:KMW1ZuIE
D

861 :森崎名無しさん:2012/02/29(水) 00:56:23 ID:UDVJ6oVc
D

862 :森崎名無しさん:2012/02/29(水) 00:58:00 ID:???
おや、以外。ストーリー構造的に「負けたらリセット」だと思ってたけどなあ。

863 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/29(水) 01:11:33 ID:???
>>862
勝つ・負けるではなく有名になる、というのが目的ですからね。
負けても競った戦いをすれば次のステップに進めますし、ボコボコにされても強引に進めるようになります。

>D.常識的に考えてクーガーさんだ! 快速ドリブルで突っ走ってもらおう!
==========================================================================
佐野「(……やっぱ突破力ならクーガーさんが間違いない。 ここはクーガーさんに任せよう!)クーガーさんっ!」
クーガー「おうっ!」

自らがボールを持って上がる事も考えたが、ここはクーガーの速さを使っておくのもいい手だと佐野は判断。
そのままボールを右側へと放ると同時、クーガーは一気に加速をしてそのボールを掠め取り。
佐野も羨む程のスピードドリブルでサイド際を駆け上がり始める。

リグル「うわっ、凄いスピード!」
静葉「むう、アレはもしや風を司る神アーカシックバ・スターの力……!」
穣子「なんと、あやつもまさか仮の姿を受けてこの地上へと出てきたというのか」

これには1ボスチームの者達も驚愕(?)し、思わず怯むのだが……。

ルーミア「わはー」
クーガー「むっ……」

そもそも怯んだり焦ったりという感情を持っているかすら疑問な少女――ルーミアは素早くクーガーにプレスをかけに向かった。

864 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/29(水) 01:12:51 ID:???
先着で「★で囲まれた部分を順に」コピペしてください、
★クーガー ドリブル (! card) 54+(! dice + ! dice)=★
★ルーミア タックル (! card) 47+(! dice + ! dice)=★

と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→クーガーがあっさりルーミアを抜き去った! やっぱり兄貴最高や!
=1〜−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に(ダークドリームがフォロー)(1ボスチームスローイン)(ナズーリンがフォロー)
≦−2→1ボスチームボールに。

【補正・備考】
クーガー:ダイヤで「やや華麗なドリブル(+2)」

865 :森崎名無しさん:2012/02/29(水) 01:13:31 ID:???
★クーガー ドリブル ( スペードQ ) 54+( 5 + 3 )=★

866 :森崎名無しさん:2012/02/29(水) 01:13:42 ID:???
★クーガー ドリブル ( クラブ7 ) 54+( 2 + 2 )=★

867 :森崎名無しさん:2012/02/29(水) 01:13:53 ID:???
★ルーミア タックル ( ハートA ) 47+( 3 + 3 )=★

868 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/29(水) 01:33:12 ID:???
>★クーガー ドリブル ( スペードQ ) 54+( 5 + 3 )=62★
>★ルーミア タックル ( ハートA ) 47+( 3 + 3 )=53★
>≧2→クーガーがあっさりルーミアを抜き去った! やっぱり兄貴最高や!
=============================================================================
クーガー「遅いな、スローリィすぎる! そんな動きで俺を止められるかぁ〜!!」
ルーミア「そーなのかー」

しかし、プレスをかけたもののルーミアはあっさりと抜かれていた。
クーガーのドリブルスピードは、1ボスチームでは相手にならない程に幻想郷レベルでも高水準であり。
逆にルーミアの守備力は幻想郷全体から見れば最下層のランク。
そもそも止められる道理というものが無いのであった。

霖之助「駄目だぁ! ルーミア選手、果敢にもクーガー選手に挑んでいったがまるで勝負になってません!
    クーガー選手、更にサイドを突き進んでゆく〜!」

レティ「(やはり新設チームだからといって油断は出来ないようね……)ナズーリン!」
ナズーリン「うむ、我が命蓮寺の教えでは積極的なボールカットこそが得点に繋がるというものがある。
      ここで止めて相手の出鼻を挫いておこう。 ゆくぞ、秋の姉」
静葉「よかろう。 それもまた、暇を持て余した神々の遊び」

このワンプレイを見て、レティは即座に油断が出来ない相手だと判断。
小さく舌打ちをしつつも、ここで止めなくては危ういと左サイドハーフのナズーリンに指示。
これを受けてナズーリンは小さく頷くと、1人では止められないと考えたか静葉と連携をしてコースを阻み。
クーガーはそれを見ながら、不敵に笑み尚も直進をする。

クーガー「2人がかりだろうが、誰も俺の速さに反応する事は出来ん!」
ナズーリン「どれだけスピードがあろうと止められぬ道理は無い。 げっ歯類の力、思い知らせてやる!」
静葉「ドリブルコースを制限するだけの遊び」

869 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/29(水) 01:34:15 ID:???
先着で「★で囲まれた部分を順に」コピペしてください、
★クーガー ドリブル (! card) 54+(! dice + ! dice)=★
★ナズーリン タックル (! card) 52+(! dice + ! dice)+(人数差補正+1)=★
★静葉 タックル (! card) 47+(! dice + ! dice)+(人数差補正+1)=★

と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→やっぱりクーガーさんは止まらなかった! 開始3分でいきなり得点チャンス!
=1〜−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に(ダークドリームがフォロー)(ブースターがフォロー)(1ボスチームスローイン)
≦−2→1ボスチームボールに。

【補正・備考】
クーガー:ダイヤで「やや華麗なドリブル(+2)」
ナズーリン:ダイヤで「レアメタルディテクター(+2)」

870 :森崎名無しさん:2012/02/29(水) 01:35:20 ID:???
★クーガー ドリブル ( スペード8 ) 54+( 4 + 5 )=★

871 :森崎名無しさん:2012/02/29(水) 01:40:15 ID:???
★ナズーリン タックル ( ハート8 ) 52+( 2 + 6 )+(人数差補正+1)=★

872 :森崎名無しさん:2012/02/29(水) 01:43:42 ID:???
★静葉 タックル ( クラブ5 ) 47+( 1 + 6 )+(人数差補正+1)=★

873 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/29(水) 01:48:02 ID:???
やっぱり兄貴は最高だよ……。
という所で本日はひとまずここまでです。
それではお疲れ様でしたー。

874 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/29(水) 23:50:16 ID:???
>★クーガー ドリブル ( スペード8 ) 54+( 4 + 5 )=63★
>★ナズーリン タックル ( ハート8 ) 52+( 2 + 6 )+(人数差補正+1)=61★
>★静葉 タックル ( クラブ5 ) 47+( 1 + 6 )+(人数差補正+1)=55★
>≧2→やっぱりクーガーさんは止まらなかった! 開始3分でいきなり得点チャンス!
=====================================================================================
ナズーリン「(確かにスピードは大したものだがドリブルはただ速ければいいというものではない。
       隙さえ見つければ奪うのは難しくは無い筈……!)」

1ボスチーム左サイドハーフ、滝一が幻想入りをするまではこのチームのボール運びをほぼ一任されていたナズーリン。
その小柄な体格故にシュート力は貧弱、ボールの競り合いにも弱い彼女であったが……。
このチームにおいてはレティに次ぐ実力者である彼女は、ボールカット能力にも長けていた。
本人曰く、探し物を見つけるのに比較をすれば目に見えているボールを取る事など造作もない事、らしい。
言葉の真偽はともかく、実際に彼女のタックルの上手さはかなりのもの。
如何にクーガーが最速の男であろうとも、彼女を抜くのは至難の業かと思われたのだが……。

シュピィンッ!!

クーガー「あまりにも遅い! あまりにもスローリィ!! そんな動きで俺を止められると思ったかァ!!」
ナズーリン「な、なにィ!?」

875 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/29(水) 23:51:19 ID:???
しかし、クーガーはフェイントを入れるでもなくパスを選択するでもなく、ただただ速いドリブルでナズーリンを抜き去った。
確かにナズーリンの考え通り、隙さえ見つけられれば並の選手が相手ならば彼女はボールを奪えるだろう。
だが、その隙が見つかろうとも、そこから反応をする前に抜かれてしまっては……?
ボールを持っている時、全速力で走れる選手というのはそう多くはいない。
だが、そもそも最高速度が異常なまでに速すぎる為に、全速力でなくとも並外れたスピードを持つ者がいるとすれば……?
答えはこの勝負の結果が全て物語っていた。

ナズーリン「ば、馬鹿な……これでは粛清されてしまう……!(というかなんだあのスピードは! 鴉天狗並か!?)」
穣子「姉よ……」
静葉「妹よ、今のはミスではない。 こうなる事は全て預言書の78節に書かれていた通りだ」

因みに静葉は反応どころかクーガーの速度を知覚する事すら出来ず、穣子に睨まれ焦る事なく弁明をしていた。

霖之助「あーっとこれは凄い! クーガー選手、トップスピードのままナズーリン選手達を抜き去り一気にサイドを駆け上がったァ!
    新設チームイレギュラーズ、いきなりの得点チャンスだぁ!」

レティ「(ナズーリンでも止められないか……! だけど彼をフリーにさせる訳にはいかない……!)
    4番、敵の7番(クーガー)に当たって! ミドルがあるかもしれない以上フリーには出来ないわ!」
羽目玉C「ウゴウゴ……」

試合開始から僅か3分。
キックオフからいきなりのイレギュラーズの得点チャンス。
これには1ボスチームも浮き足立ちそうになるが、レティは即座にディフェンス陣に指示を飛ばし。
そのままゴール前に突っ込んでくるツートップのFWに視線をやる。

レティ「(得点はやらない……! この私がいる限り、全てのシュートは私が阻む!)」
佐野「(やっぱクーガーさんのドリブルスピードはすげぇな! ボール持ってねぇのに追いつこうとするだけで精いっぱいだ!
    さて、しかしここからどうする? そろそろ指示を出すべきタイミングかもしれんが……)」

876 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/02/29(水) 23:52:23 ID:???
A.とーぜんここは俺こと佐野満にセンタリングを上げさせよう!主人公的に考えて!
B.ブースターに向けてグラウンダーのパスを出させよう!シュート力的に考えて!
C.クーガーさんにそのままドリブルゴールを狙ってもらおう!流れ的に考えて!
D.クーガーさんにミドルシュートを狙ってもらおう!覚醒狙い的に考えて!
E.一旦ダークドリームにパスさせてみよう!ワンクッション置く的に考えて!
F.いや、指示は必要ないな。選手の自主性を尊重的に考えて!
G.その他 自由投票枠

先に2票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。

877 :森崎名無しさん:2012/02/29(水) 23:52:50 ID:0HFLAjOI


878 :森崎名無しさん:2012/02/29(水) 23:53:04 ID:KMW1ZuIE
B

879 :森崎名無しさん:2012/02/29(水) 23:53:12 ID:Bt9vDLRA
B

880 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/03/01(木) 00:13:43 ID:???
>B.ブースターに向けてグラウンダーのパスを出させよう!シュート力的に考えて!
==============================================================================
佐野「クーガーさんッ!」
クーガー「おうっ!」

事前に通達していたサインを送ると同時、クーガーは右足を小さく振ってからグラウンダー性のボールを中央へ折り返す。

滝「(グラウンダー? それにあの威力じゃ佐野には届かない、佐野へのパスじゃないのか!?)」
レティ「(このコースは……)」
ブースター「キュイー!」

パシッ

イレギュラーズの最大の長所、それは新設チームである為にチームとしての特色も選手達の特徴も何一つ誰にも知られていない事である。
唯一知り合いが存在した佐野だけは滝により1ボスチームに事前に説明されていたもののそれ以外の選手達は全員情報が無い。
故に、佐野がオーバーヘッドキックを撃てると聞いていた1ボスチームDF陣は佐野にセンタリングを合わせてくると考えていた為。
このブースターへのグラウンダーのパスをカットする事が出来なかった。

佐野「おっしゃあ! いけ、ブースター!」
レティ「!! キスメ、ヤマメ、来るわよ!」
ヤマメ「あ、あんな小動物がシュート打てるのかい!?」
キスメ「…………」←ぴょこぴょこ跳ねながらコースを塞いでる

ブースターへとボールが渡った瞬間、佐野は即座にブースターにシュートを放つよう指示。
レティ達はやはりブースターが撃ってくるのか、と半信半疑ながらもシュートコースを塞ぎ。
ブースターは燃え滾る内部から溢れだした熱を口内に溜めながら、大きくその口を開く。

グワァッ!

881 :佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/03/01(木) 00:14:57 ID:???
霖之助「イレギュラーズFW、ブースター選手! 何やら口を大きく開けていますが……。
    おっとォ!? これはブースター選手のキバに炎が纏われています! もしやブースター選手は炎を操る妖怪だったかァ!?
    とにかく、そのキバを剥きだしにしたままボールに突進をするぞォ!?」

ヤマメ「ひっ、火ィ!?」
レティ「!?」
ブースター「ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」

バギィッ!! ゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!

先着で「★で囲まれた部分を順に」コピペしてください、
★ブースター ほのおのキバ (! card) 56+(! dice + ! dice)=★
★レティ ブロック (! card) 53+(! dice + ! dice)+(人数差補正+1)=★
★キスメ ブロック (! card) 50+(! dice + ! dice)+(人数差補正+1)=★
★羽目玉B ブロック (! card) 43+(! dice + ! dice)+(人数差補正+1)=★
★ヤマメ キャプチャーウェブ (! card) 52+(! dice + ! dice)=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

【シューター】−MAX【ブロッカー】
≧5→シュートは邪魔される事無く放たれた!GKとの勝負へ。
=4〜2→シュートは放たれた。しかしこの数値差の人数分威力が落ちてGKとの勝負へ。
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に (佐野がねじ込み)(ダークドリームと穣子で競り合い)(右コーナーキック)
≦−2→1ボスチームボールに。

【シューター】−【キーパー】
≧2→ブースターのほのおのキバがゴールに突き刺さる! こうかはばつぐんだ!
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に (佐野がねじ込み)(アイビスがねじ込み)(右コーナーキック)
≦−2→1ボスチームボールに。
【補正・備考】
ブースター:「ほのおのキバ」には吹っ飛び係数5がついています。
レティ:ダイヤかハートで「アンデュレイションレイ(+4&100消費)」
キスメ:ダイヤかハートで「井の桶の怪(+4&100消費)」

882 :森崎名無しさん:2012/03/01(木) 00:15:31 ID:???
★ブースター ほのおのキバ ( ダイヤ2 ) 56+( 5 + 1 )=★

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