キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】

1 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/25(水) 23:41:56 ID:bpgysf+M

本作は恋愛SLG『みつめてナイト』を基にした二次創作です。

騎士の時代が終わりつつある南欧は架空の小国、ドルファン王国。
戦火の迫るこの国に傭兵として降り立った東洋人、森崎有三の体験する
波乱万丈の三年間を描きます。



307 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/18(土) 01:13:54 ID:???
「我こそはヴァルファバラハリアン第三大隊長、セイル・ネクセラリア!
 敵将に一騎討ちを所望する!」

叫ぶや、大槍を翳して突っ込むネクセラリア。
ヤングはそれを正面から見据え、

「応!! 我はドルファン王国陸軍、外国人傭兵大隊長ヤング・マジョラム!
 その申し出、受けようぞ!!」

大音声をもって、応えた。
腰の剣はいまだ抜き放たれてすらいない。

「いい度胸だ、ヤング!」

奔るのは茜色の弧である。
夕陽に照らされた、ネクセラリアの槍であった。
風を巻いた刃が、ヤングの騎乗する馬を捉える。
重く濡れた音と、掠れた嘶き。
槍の穂先が、馬の首筋を切り裂いたのである。
否。嘶きは、二つ。

「なにィ……!?」

驚く間もあらばこそ、鐙から足を抜き、鞍上から飛び降りるネクセラリア。
ずうん、と。倒れて足掻くのは、二頭の馬であった。
地響きを立てる愛馬を見やれば、その目に深々と短刀が突き刺さっている。
ヤングの、投擲したものであった。

308 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/18(土) 01:15:06 ID:???
「……やってくれるな、ヤング」
「教導官暮らしで衰えていると思ったか?」
「ハンガリアの狼とまで呼ばれたお前が、ドルファンでヒヨコの世話か……見るに堪えん。
 それ以上の生き恥、晒さずに済むようにしてやろう」
「育てるのが鷹の雛なら、その名にも恥じないさ」

言ったヤングが、剣を構える。
ブロードソードとしては刃渡りや柄の長い、片刃の直剣である。
盾を持たぬ軽装は欧州一般のそれとは距離を置くものであったが、しかし下段の構えに隙はない。
迂闊に踏み込めば一刀のもとに斬り捨てんとする威圧感が、その全身に満ちていた。

「ヴァルファの『疾風』の名を耳にしたときは驚いたぞ、セイル。お前らしいとも思ったがな」
「あの下らない革命の後、俺は再びいくさに身を投じた。それだけだ。
 ……そして貴様は、ドルファンという安寧に逃げた!」

吐き棄てるようなネクセラリアの言葉に、ヤングが苦笑する。

「逃げたのはお前だろう、セイル。確かに革命の後に残ったのは下らない鞘当てと醜い利権争いさ。
 俺たちが命を懸けて得たのは結局、密告で地位を奪い賄賂で家を買うような日常だ。
 だから……お前はそれに耐えられなかった」
「……! 違う!」

ネクセラリアが、槍を振りかざして間を詰める。

「俺はクレアを護ったのだ! あいつの父親はボルキア人だった! だから!」
「腐れ豚の大佐殿がクレアを所望した、ボルキア人は革命で奴隷同然にまで落ちたからな」
「豚は言った―――支配層だったボルキア女を犯す度に革命が実感できる、とな!」
「それで斬ったか!」

309 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/18(土) 01:16:07 ID:???
振り下ろされる穂先に退くことなく、ヤングがその縦の軌道から半身を逸らしつつ一歩。
下がれば二の槍三の槍が襲う、そのことをヤングは熟知している。
間合いが、槍から剣のそれにまで縮まった。

「斬って悪いか!」
「逃げていれば世話はない! 残されたクレアがどれほど悲しむか、考えもせずに!」

下段から斬り上げるヤングの剣を、しかしネクセラリアが石突で右へと弾く。
そのまま左の肘を支点として逆回しに回転した槍の柄が、ヤングの頭上へと迫る。
すんでのところで上体を反らしたヤングがバックステップ。
二歩を飛び退いて、しかしそこは槍の間合いである。

「ならば貴様はクレアを豚の慰み者に差し出せばよかったというのか!」
「護るということの意味を考えたのかと言っている!」
「貴様にはそれができたというのか!」

電光石火の突きを弾いて一度、踏み込もうとしたヤングの足元が薙ぎ払われる。
重心移動の瞬間を狙われ、下がるのが遅れた。
辛うじて届いた剣先が槍の軌道を僅かに変え、脛を断ち割ろうとしていた刃は
ヤングの膝下を浅く裂くに留まった。
槍の伸びきるのを感じたヤングが、鮮血を噴く足を強引に踏み出す。
右の半身を前に、跳ね上げるような片手の払い。
体重を乗せず遠心力と剣の重量だけで斬撃する、奇策であった。
しかし、浅い。
下がろうとしていたところからの踏み出しは、ほんの拳半個、遠かった。
縦に半円を描くような軌道の剣は、ネクセラリアの顔に届かず、その長い前髪を幾房か切り飛ばすだけである。
そのまま踏み込み、体を入れ替える。
交錯の刹那、柄での打撃は空振り。
互いに三歩を駆け抜けて、振り返る。

310 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/18(土) 01:20:36 ID:???
「できたさ……今、クレアを護っているのは、俺だ」
「なにィ……!?」
「今のクレアは俺の妻だ。いつまで恋人気取りでいる」
「フン……風の噂には聞いていたが、横恋慕を実らせて満足か?
 それが貴様の言う、護るということか!」

構えは互いに正眼。
じり、と摺り足が左右に、そして前後に滑り、間合いを僅かずつ変えていく。
ヤングが右に指一本を動けば、ネクセラリアは前に小石ひとつ分。
応じてヤングは剣先を指の腹一つ上へ。ネクセラリアが、元の位置にまで下がる。
息の詰まるような、駆け引きであった。

「―――人を斬って姿を消せば、それで何もかもが解決するとでも思ったか。
 お前は何もわかっちゃいない……残された者の苦しみも、悲しみもな」

呟くような声音には、襞がある。
積み重なった時という、襞であった。

「知った風な口をきくなよ、ヤング」
「言ったろう、今の俺は教導官でな。ガキを見れば説教の一つもしたくなる」
「老いを誇るか、いくさ場で……!」

それきり、互いが口を噤んだ。

「……」
「……」

きいん、と。
周囲の音が消えていく。
一撃必殺の気構えが、互いの内側を満たし、溢れ、辺りを染め上げているかのようだった。
張り詰めた静寂が、その頂点に達した瞬間。

311 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/18(土) 01:21:41 ID:???
「―――」

光と光が、交わった。
剣閃が華を咲かせる。
血飛沫という、魅惑の華だ。

「ぐ、ぅ……!」

華はネクセラリアの鎧の隙間、肘や、腿や、或いは腹から咲き乱れて真紅の鎧を更に赤く染め、
そして、

「……か、はっ……」

最も大輪の華は、ヤングの胸から、咲いていた。
鉄の甲冑の継ぎ目を正確に貫き通したその槍が、静かに引き抜かれる。

「……さらばだ、ヤング」

体中の傷、とりわけ腹を割いた深い裂傷からぼたぼたと鮮血を流しながら、細く長い息をついた
ネクセラリアの前、ぐらり、と傾いで。

「―――」

ヤング・マジョラムが、斃れた。


***

312 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/18(土) 01:22:48 ID:???

「モリサキ! モリサキ、いるか!?」

その一団が駆け込んできたのは、森崎隊が次の攻撃に備えて準備を整えようとしていた頃のことである。

「どうした……って、トニーニョ!? お前、どうしてここに……!?
 それに、その傷……」

出てくるなり森崎が目を見開く。
傷ついた一団、傭兵たちの先頭に立っていたのはトニーニョである。
そこかしこに巻かれた汚れ布に滲む血は激戦を潜り抜けてきたことを示していたが、
しかし息せき切って走ってきた、その五体に深刻なダメージはないようだった。

「俺のことはいい、それより……!」

荒い呼吸の中、トニーニョが告げた、その内容に一同が絶句する。

「嘘……だろ? ヤングのおっさんが……死ん、だ……?」
「敵の軍勢はあらかた仕留めたが……敵将だけが、止められなかった」
「くっ……!」

その死に衝撃を受ける間など、ありはしなかった。
情報は瞬時に伝わり、全軍に計り知れない動揺をもたらすだろう。
てんでに潰走を始めれば、それこそ取り返しのつかない損害を被ることにもなりかねなかった。

「……わかった。残ってるのは一人だな。トニーニョ、お前はとにかく隊の連中を取りまとめて、」

言いかけた、ときである。

「―――ヤング・マジョラムの子らよ、聞け!!」

戦場に、その声が響き渡った。

313 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/18(土) 01:23:49 ID:???
***


「―――ヤング・マジョラムの子らよ、聞け!!」

その声は朗々と響き渡り、いくさ場を駆け抜ける。

「我が名はヴァルファバラハリアン八騎将が一、『疾風』のネクセラリア!
 貴様らが将、ヤング・マジョラムは我が槍で討ち取ったり!
 誰ぞ、仇を討つ気概のある者はおらぬのか! 我はいつでも受けて立つぞ!!」

それはいくさの昂揚に任せた挑発であり、あるいは誰も名乗り出てはこまいという侮蔑であり、
そしてまた、散った勇士への手向けでもあった。

「ヤング……貴様の置き土産、見せてもらうぞ」

呟いたその口元から、つぅ、と血が垂れる。
口腔が切れているものではない。
赤黒い血は、喉の奥から溢れてくるのであった。
周囲には百を超える敵兵、救援など望むべくもなく、愛馬は傍らに事切れている。
腹の傷は臓腑を抉り、既に助からぬことは自分自身がよくわかっていた。
それでも、ネクセラリアは雛鳥の囀りを待つ。


***

314 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/18(土) 01:25:06 ID:ab6Q1276
***


「……」

森崎は、じっとその声の主の方を見やっている。

「……モリサキ。俺は、お前に任せる」

トニーニョが、拳を握って森崎の胸鎧を叩きながら言う。
その様子に何を感じ取ったか、慌てたようにネイが口を開いた。

「お、おい。やめとけよ、モリサキ。あのヤング隊長でも勝てなかったんだぞ」
「まあね〜。隊長がこんなことになって、君までやられたら、僕らはオシマイだからね〜。
 そこんとこ、よく考えてほしいかな〜」

仲間たちの口々に言う声を、聞いているのか、いないのか。
しばしの黙考の後に開かれた、その口から出たのは―――


*選択

A「……行ってくるぜ」 一騎討ちに臨む。

B「……後退するぞ」 一騎討ちを回避する。


森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『8/19 12:00』です。

***

315 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/18(土) 01:26:46 ID:???
******

この後は個人戦闘、それを飛ばせば戦後処理、といったところで
本日の更新はこれまでとさせていただきます。
夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。

316 :Q513 ◆RZdXGG2sGw :2012/08/18(土) 05:25:10 ID:???


ここは勝負。ヤングの仇をとりたい

317 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/18(土) 07:40:25 ID:???

こういう時に一騎打ちを受けないで騎士を目指すってのは虫が良すぎる気がします。

318 :源氏 ◆rLDAH8Hy8Y :2012/08/18(土) 07:52:40 ID:???
A
「俺達は傭兵だ。一騎討ちなんて騎士道物語はそれこそ騎士様に任せておけば良い」



って思ったのだけど、森崎は騎士叙勲を目指していたのであった。
ここで撤退してしまっては、生き残っても意気消沈して傭兵隊を除隊・逃げ出す者達が出るかもしれない。
この一騎討ちが傭兵隊の今後を左右することになるはず。
厳しい戦いになるでしょうが、CPEPの注ぎ時というヤツですかねっ

319 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/08/18(土) 08:08:42 ID:???
A
この一騎打ちはどう考えてもチュートリアル。だから勝てる、勝てるんだ…!
その翌日、ベンチで冷たくなっている森崎が(ry

320 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/18(土) 10:31:23 ID:???

敵将にヤングとの因縁を問い、決着をつけるのが彼への手向けだと考えたから。

敵将は「ヤング・マジョラム」の「子」と叫んでいる。
ヤングを知り、ある程度の好意的感情がなければ「子」とは呼ばないのでは?
また、敵将はセオリー無視でヤング隊に突っ込み、ヤングもそれを予期していた。
これも二人の因縁を裏付ける。

といった推測を森崎もなしうるかと。

321 :◆W1prVEUMOs :2012/08/18(土) 10:59:16 ID:???
A
ネクセラリアは自分がもう助からないのを知っており
それでも雛鳥の囀りを待つのは次の世代を育てることを選んだ友人ヤングの道が正しかったことを胸に眠りたいからだと思うので
ここでは名乗り出ることが重要であり、一騎討ち自体は行われないかもしれない

322 :見てる人 ◆S/MUyCtQBg :2012/08/18(土) 18:46:21 ID:???
A こいつもう死ぬから。最後に友人の大事にした教え子の闘志を見たいんでしょう。
  森崎はそれを本能的に感じ取って、あるいはヤングの仇をうちたいから、挑む。
  自分はもう死にそうなのに、最後までカッコイイ敵にトドメをさしてあげたい気持ちもあると思う。

323 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/22(水) 00:34:04 ID:???

皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>314の選択については……

ここは満場一致!
Aを選択された>>316-322の全員の案を採用させていただきます!
それぞれCP3を進呈いたします。


324 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/22(水) 00:35:50 ID:???

>>316
そうですね、きっちり仇を討って下さい!

>>317
はい、評価値の面でも、物語的な意味でも、尻尾を巻いて……という選択はありませんでしたね。
そのための休息一回多め、でもあります。

>>318
事前に休息が取れずガッツ残量が少ない場合など、「勝てない勝負」だと確信が持てるケースでは
回避した方がいいですね。
デメリットはありますが、むざむざ入院するよりはマシといえます。
(勿論、できれば避けていただきたいケースです)

ただ今回は、ヤングのイベントが「敵全滅」という有利な状況で発生しているので
かなりラクな戦闘になる……かも知れません。

>>319
ビリーに大苦戦した悪夢が……さ、さすがに大丈夫だと思いたいです!

>>320
はい、旧い因縁、すれ違った男たちの物語に終止符を打って下さいませ。
それができるのは今、森崎だけです!

>>321
死んでいった男、そして死にゆく男の願いを剣に乗せて、堂々と戦って下さい!

>>322
刃を交わすことでしか伝わらない思いを、しっかり伝えていきましょう!

325 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/22(水) 00:37:56 ID:???
***


・「……行ってくるぜ」 一騎討ちに臨む。


「なにィ!?」
「……」
「……そうか」

周囲の者たちが、ある者は驚愕し、ある者は眉を顰める中、トニーニョは森崎の目を見つめると、
小さく頷いた。

「勝ってこい、モリサキ」

それだけが、餞別である。


***

326 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/22(水) 00:43:58 ID:???


焼けるような土の匂いと、骸から流れ出した血の臭気とが入り混じり、
噎せ返るように濃密ないくさ場の空気を形成している。
その中心に聳え立つのは、一本の槍だ。
天を衝くが如く屹立した、片刃のグレイヴ。
その傍ら、半ば槍と一体化しているかのような静謐に身を置くのが、セイル・ネクセラリア。
真紅の鎧を血の褐色に汚しながら、揺らぐこともなく立つ益荒男である。

「……待たせたな」

そのネクセラリアの前に、男が一人、進み出た。
胸甲から腰当、脛当に至るまで泥に汚れ、無精髭に土気色の顔、そして乱れた黒髪の下には
そこだけが爛々と輝く瞳。
戦士、であった。
右手は両刃の長剣を抜き放ち、空いた左の腕には円盾を着けている。

「名を聞こう」
「―――ドルファン陸軍、外国人傭兵大隊第二分隊長、森崎有三」

応えた男が剣を翳し、続けた。

327 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/22(水) 00:44:59 ID:???
「ヴァルファバラハリアンが将、ネクセラリア殿とお見受けする。一手、お手合わせ願いたい」
「……良かろう、ヤングの雛よ」

いつの間にか周囲の兵は数段を退き、二人の他にはただ骸が倒れ伏すのみである。
一騎討ちの行く末を見守る体であった。
それを見届けたネクセラリアが大地に突き立てた槍を抜く。
石突の土を払うと、ぶうんと風を切る音を立てて大きく一回転。

「いざ尋常に―――勝負」

腰を落として、正眼に構えた。


***

328 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/22(水) 00:46:01 ID:???

◎個人戦闘


森崎有三
ガッツ:230
ATK:78 DEF:140 SPD:72 Ini:14

発動中パッシブスキル:
受身/個人戦闘時、DEF値を+10する。

アクティブスキル:
(名称/消費ガッツ/効果)
牽制打/10/そのターンの攻撃ダメージを70%とし、命中値を+30する。
スマッシュ/10/攻撃の最終ダメージを150%として計算する。

VS

疾風のネクセラリア
ガッツ:70
ATK:118 DEF:64 SPD:75 Ini:15

※イベントの効果により全能力値が60%ダウンしています。

***

329 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/22(水) 00:48:35 ID:xxRncCaM

【ターン1】

・行動選択
攻撃、スキルの内から『8/22 18:00』までに、どれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願い致します。


******

いよいよ戦闘開始、といったところで
本日の更新はこれまでとさせていただきます。
夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。

今回は更新が遅くなったため長めに時間をとっておりますが、
個人戦闘のターンごとの行動選択は基本的に1時間程度を期限として
サクサクと進めていこうかと思っております。
それではまた、次回更新にて。

330 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/22(水) 09:29:10 ID:???
スマッシュ使用します。
相手の体力も余りないく、万が一大苦戦して一か八かでスマッシュを使うより序盤で使ってみるのも面白いかなと思います。

331 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/22(水) 12:21:39 ID:???
牽制打を使用します。
これで攻撃がほぼ100%あたりますし
じわじわ削っていけば確実に勝てるガッツ差ですから。

332 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/08/22(水) 12:39:10 ID:???
とりあえずここは牽制打で。ダメージ具合を測ってからスマッシュ一発で仕留めたら美しいね。

333 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/22(水) 18:18:08 ID:???

皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>329の選択については……

>>331 ◆9OlIjdgJmY様の回答を採用させていただきます!
そうですね、現時点のガッツ差なら牽制打の連発で詰みが見えているという状況です。
実に冷静な戦術だと思います。
CP3を進呈いたします。


>>330
初手から一気に決めにかかるのも一つの戦術ですね。
ただ、この戦闘は対ボス戦のチュートリアルでもありますので、こういった戦闘での「仕掛け」についても
是非ご注目下さいませ。
具体的には相手のスキル使用タイミングを注視しておいていただくと、この先にも役立つかと!

>>332
残りガッツにある程度の余裕がある場合は「美しい勝ち方」に挑戦してみるのも面白いですね。
描写としても助かりますしw


334 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/22(水) 18:19:11 ID:xxRncCaM
***

森崎有三
スキル使用『牽制打』:消費ガッツ10

ガッツ:230→220



・ダイスロール
★マークごとに一人づつ、! と dice、numnum の間のスペースを消して
森崎の行動ダイスを引いてください。


森崎
[イニシアチブロール ! dice]

森崎
[命中ロール ! numnum] +30

森崎
[ダメージロール ! dice + ! dice]


疾風のネクセラリア
[イニシアチブロール  4 ]
[命中ロール  74 ]
[ダメージロール  5 + 5 ]


***

335 :Q513 ◆RZdXGG2sGw :2012/08/22(水) 18:20:19 ID:???

森崎
[イニシアチブロール  2 ]



336 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/22(水) 18:36:44 ID:???

森崎
[命中ロール  10 ] +30


337 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/22(水) 18:57:00 ID:???

森崎
[ダメージロール  6 + 3 ]


338 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/22(水) 23:59:52 ID:???
***

・イニシアチブ処理
森崎 14+2
ネクセラリア 15+4 *先手!


ネクセラリア
・命中処理
75-72 +74 命中!
・ダメージ処理
118-140 +5+5 =10

森崎
・命中処理
72-75 +10+30 命中!
・ダメージ処理
78-64 +6+3 =21

スキル使用『牽制打』:消費ガッツ10
ガッツ:220→210


>>334にてガッツ消費処理を行なってしまいましたが、正しくは「ダメージ処理の後」に
スキル使用によるガッツ消費処理が発生します。申し訳ありません。


ネクセラリアの攻撃は命中! 森崎に10のダメージ!
森崎の攻撃は命中! ネクセラリアに21のダメージ!


***

339 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 00:01:07 ID:???

「……ッ!」

槍と剣が相対したとき、勝敗を決するのはまず第一に間合いである。
如何にしてその間を詰めるか、或いは詰めさせぬかが闘いの枢要であった。
森崎が選んだ初手は、単純である。
正眼の槍、その突きの軌道から身を逸らすように相手の左へ、左へと回り込みながら
にじり足で半歩を埋め、それを二度繰り返して一歩と為した。

「―――」

当然の如く、柄による打撃が森崎を迎え撃たんと振るわれる。
槍の恐るべきは鋭い穂先の突きばかりではない。
遠心力と梃子の原理を利用した打擲は充分に人体を破壊する威力を持つ。
円弧を描いて迫り来るその一撃を、森崎はどう捌いたか。
盾であった。
左の腕に通した円盾を、森崎は槍を受け止めるのでなく、むしろ槍の柄に叩きつけたのである。
強い衝撃が、森崎の腕に走る。
痺れるような感覚に顔を顰めながら、しかし更に間合いを詰めようとした森崎が、思わず瞠目する。

「……!?」

盾を叩きつけられた槍が一瞬、止まっていたのである。
すぐに石突を返しての第二撃、跳ね上げるような打撃が繰り出されるが、しかし、

(傷が、深いのか……)

振り上げられた槍にぬるりと垂れる鮮血を目にして、森崎が悟る。

340 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 00:02:13 ID:???
想定したであろう打撃位置よりも幾分か前での防御で芯をずらしたとはいえ、
円から円に動きを繋ぐのが洋の東西を問わず長柄の基本である。
自ら流れを切るような僅かな停滞など、熟練の槍遣いには考えられぬ。
考えられぬそれをもたらす程に、眼前の男、ネクセラリアの傷は深いのだった。

(なら……!)

下からの槍を半歩を退いて躱した森崎が、その後退に伴う回転を利用して繰り出したのは上段、
敵の顔面を強襲する横薙ぎの剣である。

「……っ!」

常であれば陽動にもならぬ大振り。
しかし相手の動きが案の定、遅い。
辛うじて、といった風に身を反らしたネクセラリアを、森崎の脚が襲う。
爪先に鉄板の埋め込まれたブーツが、真紅の鎧の隙間を狙って伸び、抉るように食い込んだ。

「……ぐ、ぬ……!」

思わず呻き声を上げて、ネクセラリアが後ずさる。
ずるりと抜けた、森崎のブーツの先に鮮血がへばりついた。
鎧の下は、血袋も同然の有様のようであった。


***

341 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 00:03:26 ID:???
森崎有三
ガッツ:210
ATK:78 DEF:140 SPD:72 Ini:14

アクティブスキル:
(名称/消費ガッツ/効果)
牽制打/10/そのターンの攻撃ダメージを70%とし、命中値を+30する。
スマッシュ/10/攻撃の最終ダメージを150%として計算する。

VS

疾風のネクセラリア
ガッツ:49
ATK:118 DEF:64 SPD:75 Ini:15

***

342 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 00:04:51 ID:CDkvTPFs
【ターン2】

・行動選択
攻撃、スキルの内から『8/23 0:45』までに、どれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願い致します。

***

343 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/23(木) 00:28:07 ID:???
牽制打を使います。
スマッシュ一発で倒すのもほぼ不可能なので、素直にあとニ発で。

344 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 00:48:37 ID:???
ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>342の選択については……

>>343 ◆9OlIjdgJmY様の回答を採用させていただきます!
さすがにこの深夜に短時間区切りは厳しいものがありましたね。
その条件下でもしっかりとご回答いただきまして、誠にありがとうございます。
CP3を進呈いたします。

345 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 00:49:39 ID:???
***


1ターン目、牽制打の「攻撃ダメージを70%とする」効果が発揮されておりませんでした。
正しくは14ダメージとなりますが、プレイヤー側有利となるジャッジミスにつき
遡っての訂正はせず、このまま継続させていただきます。


森崎有三
スキル使用『牽制打』


・ダイスロール
★マークごとに一人づつ、! と dice、numnum の間のスペースを消して
森崎の行動ダイスを引いてください。


森崎
[イニシアチブロール ! dice]
森崎
[命中ロール ! numnum]
森崎
[ダメージロール ! dice + ! dice]


ネクセラリア
[イニシアチブロール  2 ]
[命中ロール  25 ]
[ダメージロール ! dice + 3 ]

***

346 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/23(木) 01:11:31 ID:???

森崎
[イニシアチブロール  5 ]
森崎
[命中ロール  78 ]
森崎
[ダメージロール  6 + 5 ]


347 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/23(木) 01:26:41 ID:???
余計なお世話かもしれませんが、ネクセラリアのを。
[ダメージロール  1 + 1 ]

348 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 01:33:37 ID:???
>>347
ありがとうございます。
何故か手元のテンプレに謎のスペースが挿入されておりました…。
334からの数時間に一体何が!?w

349 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 01:34:59 ID:???
***

・イニシアチブ処理
森崎 14+5 *先手!
ネクセラリア 15+2


森崎
・命中処理
72-75 +78+30 命中!
・ダメージ処理
(78-64 +6+5)*0.7 =16

スキル『牽制打』:消費ガッツ10
ガッツ 210→200

ネクセラリア
・命中処理
75-72 +25 空振り…
・ダメージ処理
-

森崎の攻撃は命中! ネクセラリアに16のダメージ!
ガッツ49→33
※ガッツ半減によりイベント発生!

ネクセラリアの攻撃は空振り!


350 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 01:36:16 ID:???
******

おや? ネクセラリアのようすが……といったところで
本日の更新はこれまでとさせていただきます。
夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。

351 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 17:31:18 ID:???
***


胴への鋭い突きを、前に出した右足を軸に回避。
続いて払い、と見せかけた短いモーションからの二段突を、今度はバックステップで躱す森崎。
開いた距離に、三つ目の突きが来る。
風を巻き、正中線を狙って伸びてくる、それこそが森崎の待っていた攻撃である。
誘った、といっても過言ではなかった。

(……これなら!)

踏み込めば、一直線に貫かんとする槍は、森崎の脇を僅かに掠めて後ろへと逸れていく。
盾を使うことすらない、見切り。
それを可能としていたのは言うまでもなく相手、ネクセラリアの動きの鈍りであった。
時を追うごとに突きは遅く、払いは鈍重になっていく。
今や、その穂先の動きは森崎の目に完全に捉えられている。
二歩、踏み込んでの片手突き。

「……っ」

重い手応えは、剣先がネクセラリアの真紅の鎧、その胸元を抉ったものである。
刃はそのまま鎧に弾かれ、しかし森崎は体制を崩すこともなく剣を引いた。
間合いの内側ぎりぎりからの変則的な攻撃には、鎧を纏った敵を一刀に屠るだけの威力など
もとより望むべくもない。
ただ敵の構えを崩し、間合いを揺さぶり、一撃、一撃をとどめへの布石としていく。
それが狙いである。

「……賢しいぞ、小童ッ!」

352 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 17:32:22 ID:???
叫んだネクセラリアが、石突近くまで長く持った槍を大きく振るう。
遠心力による打撃、というよりは間合いを取るための薙ぎ払いであった。
落ち着いて飛び退き、その軌道から逃れた森崎に、ネクセラリアが口を開いた。

「モリサキ……だったか。攻め手が、緩いな」
「……」

対する森崎は応えない。
半身で円盾を翳し、急所を隠しつつ慎重に構えを取る。

「深手を負った相手に、勝負を急ぐことはないと、そう踏んだか」
「……」

じり、と摺り足が、ほんの足の爪半分ほどの間を詰める。

「成る程、いい判断だ。剣筋も悪くない。ヤングの見込んだだけのことは、ある。
 ……だが、大事なことを、教わっていなかったようだ」

そこまでを言ったネクセラリアが、ふと言葉を切って息をつく。
汗が、その精悍な頬を伝って顎から垂れた。
流れる内に血を掬い、薄く赤を帯びた汗だ。

「今からそれを、教えてやる。―――獣は手負いが、最も恐ろしいということを、な」

ぎり、と。
槍を構えたネクセラリアの手が、鳴った。

「学んで、死ね」


***

353 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 17:35:30 ID:???
***


ネクセラリア
イベントスキル発動『ボルキアニ』
種別:パッシブ
効果:ATK値を以下の二通りの内、高い方に設定する。
・+20
・相手のDEF+10


***

354 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 17:36:45 ID:CDkvTPFs
***


森崎有三
ガッツ:200
ATK:78 DEF:140 SPD:72 Ini:14

アクティブスキル:
(名称/消費ガッツ/効果)
牽制打/10/そのターンの攻撃ダメージを70%とし、命中値を+30する。
スマッシュ/10/攻撃の最終ダメージを150%として計算する。

VS

疾風のネクセラリア
ガッツ:33
ATK:150※ DEF:64 SPD:75 Ini:15

※スキル『ボルキアニ』の効果で森崎のDEF値+10となっています。


***

【ターン3】

・行動選択
攻撃、スキルの内から『8/23 19:00』までに、どれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願い致します。

***

355 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/08/23(木) 17:51:46 ID:???
一撃必殺の範囲には入ってきたし、ここでスマッシュで。

356 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/23(木) 18:24:22 ID:???
スマッシュを使用します。
そろそろ決着をつけたいですね。

357 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/23(木) 18:57:57 ID:???
スマッシュを使用します。
ダイスで8くらいなら、加算込みで出せるかなと。

358 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 19:07:48 ID:???

皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>354の選択については……

>>355 傍観者  ◆YtAW.M29KM様の回答を採用させていただきます!

一撃必殺を狙うには(14+『8』)*1.5ということで、ダメージロールで8以上。
かなり有利な勝負ですが、前提はまず命中させることですね。
CP3を進呈いたします。

また同様にスマッシュ利用を提案いただいた>>356 さら ◆KYCgbi9lq様、
>>357 ◆9OlIjdgJmY様にも次点としてCP1を進呈いたします。


>>356
そうですね。逆に仕留めきれないと、また何かが起こるかも…?

>>357
ポイントによるバックアップを計算に入れるなら、ほぼ確実に勝負を決することができるでしょう。
華麗に決めて下さいませ!


359 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 19:09:28 ID:CDkvTPFs
森崎有三
スキル使用『スマッシュ』


・ダイスロール
★マークごとに一人づつ、! と dice、numnum の間のスペースを消して
森崎の行動ダイスを引いてください。


森崎
[イニシアチブロール ! dice]

森崎
[命中ロール ! numnum]

森崎
[ダメージロール ! dice + ! dice]


疾風のネクセラリア
[イニシアチブロール  5 ]
[命中ロール  66 ]
[ダメージロール  2 + 3 ]


***

360 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/23(木) 19:19:43 ID:???
森崎
[イニシアチブロール  1 ]

361 :源氏 ◆rLDAH8Hy8Y :2012/08/23(木) 19:35:23 ID:???

森崎
[命中ロール  09 ]

362 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/23(木) 19:37:20 ID:???

森崎
[ダメージロール  3 + 5 ]


363 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/23(木) 19:39:18 ID:???
命中には数値いくら足りない?

364 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 19:41:25 ID:???
>>363
72-75+9=6 ですので、
あと25(ポイント使用*5)の上昇で命中になりますね。

365 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/23(木) 19:43:53 ID:???
あえて加算しないのもありかと。
次当てればいい話ですし。

366 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/23(木) 19:51:54 ID:???
【数値加算】CP15を使って命中の数値を25上げます。
次のターンまで行くと相手が何か仕掛けて来そうに見えるので勝負つけたいと思います。

367 :源氏 ◆rLDAH8Hy8Y :2012/08/23(木) 19:51:59 ID:???
今回は加算見送っても大丈夫なようでしたら次に全てを賭ける方向で良いでしょうか?

>>358によると長引くと何かが起こってしまいそうですが

368 :源氏 ◆rLDAH8Hy8Y :2012/08/23(木) 19:56:32 ID:???
おっと、それでは【代理消費】します。
CP3EP10で数値加算25中15分を担当します。
これでささら ◆KYCgbi9lqIの消費はCP6でよいでしょうか。

369 :源氏 ◆rLDAH8Hy8Y :2012/08/23(木) 19:59:33 ID:???
っと、代理消費の場合はあくまで消費したCPを肩代わりするのみで
CPをEPで代用は出来ませんでしょうか?

370 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 20:06:20 ID:???
>>369
はい、CPによる消費はCPでのみ代理可能となっています。

371 :源氏 ◆rLDAH8Hy8Y :2012/08/23(木) 20:15:14 ID:???
それでは>>368の【代理消費】を訂正しまして
>>366からCP9肩代わりさせて頂きます。

372 :◆W1prVEUMOs :2012/08/23(木) 20:19:37 ID:???
CPはなるべく温存した方がいいと思うので
【数値加算】EP25するので
>>366を取り下げてもらえませんか

こういうのはありですか?

373 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/23(木) 20:23:40 ID:???
わかりました。GMさんが良ければ取下げます。そしてEP10を【代理消費】します。

374 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 20:30:05 ID:???
>>372
難しいところですが、当事者間の合意であると確認できるようであれば、
ルール外の特例としてその都度判断いたします。
今回は>>373にて、さら ◆KYCgbi9lqI様の同意が確認されましたので
ご提案を承認させていただきます。

ただしケースによっては他プレイヤーのポイント利用方法についての介入ともなり得ますし、
また事実上のCP⇔EPの交換にも利用できてしまうので、あまり乱用はなさらないように
お願い申し上げます。

375 :源氏 ◆rLDAH8Hy8Y :2012/08/23(木) 20:34:15 ID:???
>>372からEP5【代理消費】します。

すみません、命中ロール引いた私の判断が鈍かったのもありますね。

376 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 20:37:21 ID:???
今回の裁定結果を整理いたします。

>>361に対する【数値加算】は、現時点で>>372 ◆W1prVEUMOs様のEP25消費による
25点の加算が行われています。
またそれに対し>>373 さら ◆KYCgbi9lqI様がEP10、>>375 源氏 ◆rLDAH8Hy8Y様がEP5を
それぞれ【代理消費】されています。

GMの判断遅延もあり複雑な処理となってしまいましたが、皆様におかれましては
ご容赦、またご理解いただきますようお願い申し上げます。
それでは処理を再開いたします。

377 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 20:39:08 ID:???
***

・イニシアチブ処理
森崎 14+1
ネクセラリア 15+5 先手!


ネクセラリア
・命中処理
75-72 +66 命中!
・ダメージ処理
150-140 +2+3 =15


森崎
・命中処理
72-75 +9 +25 命中!
・ダメージ処理
(78-64 +3+5)*スマッシュ1.5 =33

スキル『スマッシュ』
消費ガッツ:10
残りガッツ 185→175

ネクセラリアの攻撃は命中、森崎に15のダメージ!
森崎の攻撃は命中、ネクセラリアに33のダメージ!

森崎の勝利!

***

378 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 20:45:03 ID:???
******

終わってみれば完全勝利、といったところで一旦ここまでとさせていただきます。
後ほど、勝利の描写から再開いたします。

戦後処理では評価値が現時点で得られる最高値に近くなりそうな予感……!

379 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/23(木) 20:58:34 ID:???
乙です!
>>372からEP5【代理消費】します。

380 :◆W1prVEUMOs :2012/08/23(木) 21:38:01 ID:???
>>374
乱用しないように心がけます

>>373>>375>>379
代理消費ありがとうございます


381 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/24(金) 02:42:14 ID:???
***


神速、と。
たとえばその槍捌きを見る者があれば、そう呼んだかもしれなかった。

「……ッ!?」

先程までならば見切って躱せたはずの突きが、今は森崎の胸甲を掠めて抉る。
盾に当てて容易く弾けたはずの薙ぎが、当てた腕ごと圧し折らんとする勢いで森崎を吹き飛ばす。

「―――アァァッ!!」

裂帛の気合が、ネクセラリアの喉から溢れて轟いた。
その咆哮に合わせるように、槍の速度が更に一段、上がる。
身を捩った先に蛇のような動きで襲い来る槍の柄を辛うじて剣の鍔で止めた森崎が、
次の刹那、怖ろしいまでの寒気を感じて大地に身を投じるように屈んだ。
ほとんど本能、脊椎反射による動きである。
それが、森崎の命を救った。
一瞬前まで森崎の首があった場所を、茜色の光が薙ぎ払う。
夕陽を反射する、槍の穂先であった。

382 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/24(金) 02:43:17 ID:???
「ちィ……ッ!」

低い姿勢のまま、森崎が剣を横に振るう。
ネクセラリアの膝を狙った一閃は、しかし虚しく空を切る。
代わりに降ったのは、骨を砕くような突き降ろしである。
たまらず転がった森崎の脇を石突が抉り、大地を穿った。
二撃、三撃、必死に転がる森崎が、ついに槍の間合いを抜ける。

「……!」

回転の勢いのまま飛び起きた森崎が闇雲に翳した剣に、重い衝撃。
案の定、追撃が繰り出されていたのだった。
しかし今度は先ほどよりも間合いが遠い。
一度止めた突きが、払いに繋げられる距離ではなかった。
槍が、一旦引かれる。

「……それが本気、かよ」

ぜぇ、と乱れた呼吸の向こう、腹の奥から競り上がるようなものを無理矢理に飲み込んで、
森崎が声を出す。
見た目は、無傷。
泥にまみれ、鎧は傷つき、体に開く風穴と隣り合わせの、無傷であった。
そんな森崎に、

「……く、くく」

思わず、といった風にネクセラリアが漏らしたのは笑い声である。

383 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/24(金) 02:44:18 ID:???
「クク……ハハ、ハハハハ!」
「何が……おかしい」

憮然と言う森崎の前、構えた槍の穂先は一寸たりとも動かさずに哄笑してみせたネクセラリアが、

「楽しい、楽しいな……!」
「なにィ!?」

目を剥いた森崎の前で、続ける。

「ここまで、ここまでやれるか、ヤングの育てた戦士は!
 ならば俺も応えよう! 疾風と称された、この槍の冴えを以て!」

そう言い放つや、ネクセラリアの表情が変わる。
形は、笑みのまま。しかしその性質だけが、決定的に変容していく。
その眼から、すう、と光が消えた。
否。消えたのは、眼に宿る光の、ただ闘争という二文字を除いたすべてである。

(何か……ヤバいのが、来る)

危険を察知したのは森崎の、戦士としての本能であっただろうか。
構えは一見、特段の変哲もない正眼。
しかしこれまでとは、気迫の練りが違う。

「やらせねえ……ッ!」

振り絞るように言った森崎の構えは、上段。
それまで用いていた西洋剣術とは一線を画す、奇妙な構えである。
右手側、真っ直ぐに立てた剣を大きく耳の辺りにまで翳し、円盾を着けた左手をその柄に添える。
自然、円盾に下方の視界を極端に遮られる格好となるが、森崎は気にした風もなく
その姿勢のまま細く静かに息を吸い、吐く。

384 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/24(金) 02:45:44 ID:???
「ただ一撃の、疾さに賭ける……東洋の剣、か。面白い」

一目、森崎の構えから狙いを見て取ったネクセラリアが、そう呟いて口角を上げる。
間合いは、槍のそれよりも更に外。

「その剣、我が槍よりも疾く、在れるか!」
「試してみるさ―――命懸け!」

互いに踏み出せば、詰まる間は合わせて二歩。
槍が、雷光の如く、伸びる。
森崎が更に踏み込むその胸を目掛けて一直線、だが同時、天より落ち来るのは、森崎の刃。
剣を支えるは右手の一本、半身を一杯に伸ばした姿勢からの振り下ろし。
刃の先に届いた方が、勝つ。
その刹那、

「―――く、かは……ッ」

血飛沫が、飛び散った。
槍の刺さるより、剣の断ち割るより、一瞬だけ、早く。
紅い華は、ネクセラリアの口から、漏れていた。
槍の穂先が、僅かに一寸足らず、ぶれる。
それが文字通り、生死を分けた。

「……ぇぇぇ、ァァァァァァッッ!!」

槍は森崎の胸を甲ごと真一文字に切り裂くに留まり、
そうして森崎の、全身の気迫を込めた刃が、ネクセラリアの肩口から心の臓までを、
真っ二つに断ち切った。

385 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/24(金) 02:50:05 ID:???
「―――、」

末期、茜色の空を仰いだネクセラリアが、何かを口にしようとして声にならず、
ゆっくりと傾ぎ、自らの血溜まりに口づけるように、伏した。
それが疾風と呼ばれた男の、死に様である。
そして彼こそは、このいくさ場に立つヴァルファバラハリアンの、最後の一人であった。

ゆらゆらと沈みゆく夕陽の下、歓声はない。
ただ疲れきった勝鬨だけが、風に乗って響く。


いくさが、終わった。


******

386 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/24(金) 02:51:15 ID:???

◎損害処理

[総参戦兵数【300】−残存兵数【117】]/3 = 死亡人数【61】名
騎馬損耗数【147】

傭兵団員数【300→239】
所有騎馬数【200→53】


◎戦果処理

部隊目標(敵5の撃破):達成
評価値:10

戦術目標(敵1の殲滅):達成
評価値:20

敵ユニット撃破数:3
評価値:9

公約{分隊員(名前あり)から戦死者を出さない。(達成難易度:易)}:達成
評価値:5

一騎討ち:勝利
評価値:15


合計獲得評価値:59

387 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/24(金) 02:52:15 ID:???
******

ご、ごじゅうきゅう……合わせて、この段階で評価69ですか。
しばらくは対人関係の判定が自動成功し続けそうな高さですw

喪ったものは大きい、しかし得たものもまた大きな戦いとなりました、といったところで
本日の更新はこれまでとさせていただきます。
夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。

次回は戦後処理による称号獲得描写から、8月度に入ります。
7月は消化にリアル一ヶ月かかった計算ですね……ペースアップを目標に頑張ります。
それではまた、次回更新にて。


388 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/24(金) 12:58:06 ID:???
この戦争で得られる評価値はベストに近いみたいだね。

389 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/08/24(金) 13:17:31 ID:???
CPEPをかなりぶち込んで、ダイス目もかなり良くて(ダメージ系はほとんど4-6しか出てない)、
チュートリアルで、かつNPC(ヤング)が自滅覚悟レベルの特攻をして…でようやくこれだからねえ。
勝って兜の緒を締めよ、の気分で行きたいかな。
もちろん、選択肢で頑張っていたみんなの活躍が一番大きかったと思うけど(俺は基本黙ってたし)

390 :◆W1prVEUMOs :2012/08/25(土) 11:54:00 ID:???
>>216
> 知略の限りを尽くし、かつ運が味方してようやく勝てるかどうかというバランスであり、
> また最終的に勝利を収めるとしても何度かの死亡判定を潜り抜ける必要があったでしょう。

だから勝って兜というか名有りが何人か死んでも仕方ないと思ってるなあ

391 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/08/25(土) 12:00:54 ID:???
五割死亡判定で01とか出しちゃったらCPEPぶち込むのも無理があるしねー。

392 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/25(土) 12:05:40 ID:???
名有りもこれから増えるだろうし厳しい決断しなくちゃいけない事もあるんでしょうね。

393 :◆W1prVEUMOs :2012/08/25(土) 12:09:57 ID:???
森崎入院だけは全力回避ってことになるかな
入院のペナルティを見ると立て直せる気がしない

394 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/25(土) 13:56:41 ID:???
一騎打ちで負けないよう、ガッツ管理が重要ですね。

395 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:25:39 ID:???
>>388
公約の難易度による上乗せ分以外はほぼ満点を獲得していますね。
素晴らしいです!

>>389
GMの想定していた最適解からですら手損がおそらくニ手分くらいという、
驚異的な高効率で戦争パートを乗り切っていただきましたからね。
率直に言ってネクセラリア隊の撃破は困難であろうと考えておりましたので、
この結果は手放しに賞賛させていただきます!

>>390
引用先はあくまで今回のヤング隊のような戦い方をすれば、という話ではありますが、
もし今後そういった完全勝利、戦功評価満点を狙っていくのであれば似た状況にはなっていくでしょう。
ただゲーム全体としてはそこまで高い水準の評価値を要求するわけではありませんので、
考え方としてはいわゆる「やりこみ」の一種となるかもしれません。

>>391
そうですね、所属隊員の多い部隊で死亡判定が発生するとダイスの事故率も跳ね上がってしまいますし、
ポイントにも限界が出てきてしまうかもしれません。
今回、苦しい判定できっちり高い目を出していただいたことで、膨大な量のポイント投入が
避けられたのは今後に向けて大きかったと思います。


396 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:26:46 ID:???
>>392
ネームドキャラについては順次追加していく予定ですが、ご贔屓キャラがいた場合は
万が一の事態に備えてある程度ポイントに余裕をもたせるのも一手ですね。

>>393
はい、入院してしまうとかなり厳しいです。
翌月訓練が休憩に固定されるためガッツは強制的に200回復しますが、
様々なデメリットがありますので、できる限り避けてくださいね。

>>394
ちなみに今回、もし戦況が悪い状態(ヤングの判定失敗/全滅)でイベントが発生した場合は
ネクセラリアのパラメータダウンは50%となっていました。
つまり、今回実際に戦った数値が1.25倍になる計算ですね。
7月訓練時に残りガッツが100前後だとちょっと怖いかな、と言った意味がわかっていただける…かも?w


397 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:28:20 ID:???
***


「よっ、モリサキ! 傷の具合はどうだ?」
「ネイか。……先生の話じゃ、明日には出られるってよ」

質素な病室の静寂を破った褐色の肌の優男に、森崎が笑みを向ける。
腰掛けるのは木組みの粗末なベッドではあったが、シーツは虫も湧いていない清潔なものだった。
ドルファン王立病院。
世界に冠たる文化先進国スィーズランドの様式を模して設立された、学園と並ぶドルファン文化の粋である。
この病院の存在こそが、ドルファンをして南欧随一の医療技術を維持させている。

「傷も……ほれ。もう薄皮が張ってるんだぜ」
「うわ! 男の胸なんざ見たくねえって! しまえ、しまえ!」

上着をめくり上げてみせた森崎に、ネイが顔を顰めて手を振る。
森崎の胸、既に包帯も取れた傷痕には確かに桃色の薄皮が張っていたが、しかし真一文字に刻まれた痕は
どこまでも深く、それが消えることは生涯なかろうと思わせた。

「トニーニョはどうしてる?」
「ああ、もうすっかりいつも通りだぜ。俺たちにも鍛錬しろって喧しいくらいだ」
「そうか。あいつらしいな」

仏頂面の友人は、森崎に先がけて日常に復帰している。
それを聞いて安堵した森崎が、低い天井を仰いだ。

「……もう、一週間か」
「あー……」

398 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:32:41 ID:???
言われ、ネイもまた小さく息をついて窓を見やる。
開け放たれた窓の外には夏空が広がっていた。

「……生きてる、なあ」
「生きてるな。酒も美味い。女の子も可愛い。生きてるぜ、俺」

そう言ったネイの長く伸ばした前髪を、微かにそよぐ風が揺らす。
ニヤリと笑って、森崎が言った。

「俺のおかげだぜ。感謝しろよ」
「しょってらあ。その分隊長サマが病院送りになってりゃ世話ないぜ」

軽い冗談を交わし合って、笑う。

「―――生きてんなあ、ちくしょう」

六十一人と、一人。
死者の名は、出さない。
降りた静寂を、窓の外から聞こえてくる蝉の声が埋める。
欧州でこれほど蝉が鳴くのは南欧マルタギニア海の沿岸くらいだという。
蝉しぐれ、とでもいうような鳴き声の波に、ぼんやりと思い起こされるのは
遥か遠い故郷の光景だっただろうか。

「……そうだ。可愛い女の子といえば、モリサキ」
「あァ? 何が、といえば、だ」

沈黙を無理に破るように唐突に話題を変えたネイに、森崎が片眉を上げる。

「いや……ここんとこ、お前のこと、よく聞かれるんだよ。
 ヴァルファをやっつけた東洋人ってどんな人? カッコいい? ……ってさ」
「へぇ。それで、何て?」

399 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:33:49 ID:???
大袈裟に肩をすくめてみせるネイに、森崎が尋ねる。
ネイはといえばおどけた様子で、

「ま、俺の半分……いや足元くらいにはイイ男かな、って伝えてるぜ。ちゃんと」
「こいつ!」

森崎の振り上げた拳から逃れるように、ネイが笑って飛び退く。

「ハハッ、すっかり『話題の人』ってわけだ。明日っからは町中でおちおち小便もできないぜ」
「しねえよ! ……いや、そうでもねえか……」
「へべれけでぶっ倒れたりとか、四股かけて怒り狂ったコたちに追っかけ回されたりもな」
「全部お前のことじゃねえか!」
「いやいや、俺は四股程度で下手はこかないぜ」
「自慢顔で言うな……」

呆れ顔で言った森崎に軽く手を振って、踵を返したネイが言葉だけを続ける。

「ま、そんな面白おかしい毎日を送れるのも、無事に生き延びたからってワケだ。
 戦場じゃ色々言っちまったが……これからもその調子で頼むぜ、『隊長』!」
「おう、……ん?」

病室から出ていくネイの背を見送りながら、森崎が違和感に首を捻る。

「あいつ……今、何て言った?」


******

400 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:34:56 ID:???
******


※称号が『ウワサの人』になりました。

スキル『准騎士候補』を獲得しました。
種別:パッシブ
消費ガッツ:-
効果:全ヒロインの好感度が一段階アップする。


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※称号が『話題の人』になりました。

スキル『青騎士候補』を獲得しました。
種別:パッシブ
消費ガッツ:-
効果:全ヒロインの好感度が一段階アップする。特殊なイベント以外でもドルファン城に入城できる。


******



   『イリハ会戦』(了)



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401 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:36:03 ID:???

*D26.8月
フレーバーテキスト


◎イリハの傷

「ヴァルファ、シンラギ対陣続く……か」
『こんなこと言う日が来るとは思わなかったけど……シンラギ様々、だねえ』

ふわふわと飛ぶピコの言葉に、森崎が新聞から顔を上げて大きく伸びをする。
戦場で負った傷はすっかり癒えていたが、鈍った身体はまだ戻りきっていなかった。

「シンラギなんぞに救けられるたあ……ケッ、情けなくて涙も出ねえや」
『上海でもカフカスでも散々やられたからね』
「うるせえよ! ラダックじゃあ勝っただろうが!」
『南葛では戦うこともできなかったくせに』
「……」
『……ごめん』

シンラギ、正式な名称をシンラギククルフォンというその組織は、東洋圏に拠点を置く軍事結社である。
ちなみにククルフォンとはウズベク地方に伝わる猿の妖怪を指す。
軍事活動部門を右陣、テロ活動を行う部門を左陣、政治活動部門を本陣と呼び習わし、
右陣では紅東軍団、紫南軍団などが東洋圏の大きな戦役で勇名を轟かせている。
流浪の傭兵たる森崎もまた、何度も苦渋を飲まされた相手であった。
今回プロキアに雇用されたのはその右陣、紫南軍団と呼ばれる一団である。

「……ま、実際イリハはひでえ負け戦だったからな。連中がテラ北河を渡ろうとしてなけりゃ
 ヴァルファは取って返したりしなかったし、そうなりゃ追い討ちで俺らは間違いなく全滅してた」

402 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:37:04 ID:???
森崎たち外国人傭兵大隊の活躍によりヴァルファ第三大隊を壊滅に追い込んだ
ドルファン軍右翼であったが、戦線を押し込むことはできなかった。
辛勝を収めた傭兵大隊には追撃の余力は残されていなかった上に、後詰の第三、第五大隊は
とうとう右翼に投入されることはなかったのである。
原因は、左翼である。
森崎たちの至近、即ちドルファン軍右翼に現れた大軍、トロサ騎士団。
彼らが本来担当していたのが、左翼であった。

「まさか担当正面をまるっきり放棄して転進してるなんざ、思わねえだろ普通……」
『あのまま街道通って帰っちゃったんだっけ、あの人たち』
「ああ……地元まで引き返して、『将帥の負傷により』だか何だかって言い訳の書面寄越したらしいぜ」
『何しに来たんだろうね……』
「さあな。おそろしく強かったのはこの目で見たが……何がしたかったのかは、正直さっぱりだ」

大穴の開いた左翼から雪崩込んだ敵軍により、ドルファン本隊である中央、第二大隊は
側面からの攻撃に対応しきれず、半包囲の窮地に陥った。
慌てて投入された後詰の軍勢では、一度傾いた形勢を覆すには至らない。
ほとんど総崩れとなった本隊は多数の死傷者を出しながら右翼の残存部隊とともに交通の要衝、
中部ウエールの北まで撤退を余儀なくされる。
迫るヴァルファの第二、第五大隊の勢いにウエールの陥落すら時間の問題と思われたとき、
もたらされたのは北部国境戦線の一報である。
シンラギ・プロキアの混成軍が、ヴァルファ本隊を迂回して国境であるテラ北河の渡河を企図し、
大規模に展開しているというものであった。
南北の二正面に兵力の大半を割いているヴァルファとしては、拠点である都市ダナンへの強襲は
絶対に避けねばならぬ事態である。
かくしてヴァルファの侵攻部隊は転進、ドルファン側は残存兵力の全滅とウエールの陥落を
辛くも免れたのだったが、局地戦での勝利を無に帰す、事実上の大敗であった。

403 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:38:12 ID:???
「今、こうして生きてんのもシンラギと……あとはまあ、ヤングのおっさんのおかげ、ってか。
 あのとき向こうの傷が開いて槍が滑らなけりゃ、真っ二つになってたのは俺の方だったろうからな」
『……』

武骨にして口の悪かったハンガリア人の顔を思い出したのか、ピコが眉尻を下げて黙りこむ。
と、湿度の高い沈黙が降りかけた部屋の空気を吹き飛ばすように、森崎が笑ってみせた。

「暗い顔すんな! 俺たちゃ切った張ったで飯食ってんだ、おっさんや他のくたばった連中と
 俺らの違いなんざ、昨日死んだか明日死ぬかって程度のもんよ。
 んなこたあ、初陣の前に女奢られて腰振ってるヒヨっ子だって弁えてるぜ」
『うん……そうだね』
「しっかし、情けねえのは騎士団の連中だ」

うっすらと浮かんだ涙をこしこしと手の甲で擦るピコの頭をひと撫でして、森崎が話の向きを変える。

「指令は聞かねえわ、陣形も戦略もなしに突っ込んじゃあ無駄に死人を出して逃げ帰るわ……。
 ああクソ、敵として相手したかったぜ……馬も武具も選り取り見取り、おまけに貴族の子弟となりゃ
 捕虜にして身代金も取り放題だったのによ……」
『ヴァルファは大儲けしたんだろうねえ』

潰走した第ニ大隊の生存者は半数強。
右翼でヴァルファと交戦し壊滅した第四大隊に至っては参戦した兵の七割近くが死亡するという
凡そ考えられない被害を出していたドルファン正規軍であったが、その死者の殆どは歩兵や従卒といった
平民階級の者たちである。
騎兵、即ち騎士階級とみなされる者の多くは殺害されることなく拿捕され、多額の身代金と引換に
ドルファンへと帰還を遂げていた。

404 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:39:35 ID:???
「俺たち傭兵は片っ端からぶっ殺されちゃあ身ぐるみ剥がれて捨てられるだけ、
 良くて奴隷として売っぱらわれるのが関の山だってのに、不公平な話だぜ」
『でもお金が払えなかった家の人は、捕虜にされてもやっぱり殺されちゃったんでしょ?』
「まあな……騎士とは名ばかりで、恩給暮らしをしてるような没落貴族も多いみたいだからな。
 腕もねえ、カネもねえのに気合だけで戦場に出た時点で、三途の川を渡るのは決まってたようなもんだ」
『ふ〜ん……それにしてもこの戦争、これからどうなるんだろうねえ……』

ふわりと飛んだピコが、森崎の手に腰掛けて新聞を覗き込む。

「さあな……プロキアとシンラギ次第ってとこじゃねえか」
『ドルファンの騎士にも頑張ってもらわないとね』
「まあ、自由騎士どもでなけりゃ少しはマシだと思いたいぜ。
 いつまでも俺らだけで孤軍奮闘ってんじゃ割りに合わねえからな……」

言って窓の外を見る森崎。
夏の陽射しは朝から真白く街を照らしている。

「さ……今日は、葬式だ」

首都城塞を覆う熱波は、収まる気配もない。


******

405 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:40:36 ID:???

*D26.8 「気のいい話題の人」森崎有三
訓練所イベント

******


葬送の列は長く、足取りは重い。
幾十もの棺を担ぐ二百余の男たちが纏うのは例外なく黒衣である。

「……」

無言のまま歩む黒衣が担ぐ棺には、実のところ遺骸など入っていない。
撤退に撤退を重ねた負け戦に、戦死した者たちを後送する余裕などありはしなかった。
そしてまた、真夏のことである。
生き延びた者たちが再び戦場跡に赴いたとき、形を保っている骸などあるはずもない。
そもそもが鎧や剣など金目の物は敵兵や賊、付近の住民によって剥ぎ取られ、残った骸は
誰彼かまわず山積みにされている状況であった。
腐り融けた肉の山を掻き出して供養する習慣は、西欧にない。
代わりに棺に入っていたのは、死者たちが生前に使っていた形見の品々だった。
それはたとえば古びた銅貨であったり、僅かに中身の残った安酒の瓶であったり、
或いは馴染みの娼婦の肌着であったりと、形見といっても宿舎住まいの傭兵の身の上、
他愛もないものばかりである。

「……」

からり、からりと。
がらんどうの棺から、他愛もない中身の転がる、他愛もない音がする。
黒衣の男たちは、無言である。


***

406 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:41:37 ID:???

「……終わった、な」

海を望む断崖の上、広い墓地の片隅にある古ぼけた石碑と、その脇の真新しい墓碑を見やって、
森崎が息をつく。
葬儀を終え、周囲には既に人の姿はない。
暮れなずむ夕陽に照らされた古い石碑は、戦死者の慰霊碑である。
個別の名を刻まれることもない、墓とすら呼べぬ古今合同の碑であった。
骸のない棺はようやく葬儀を終え、少し離れた場所に形だけ埋葬されている。
本来であれば土に還り骨だけとなるまでは静かに眠らせるものであったが、何しろ彼らは骸がない。
数日後には再び掘り起こされ、形見の品が納骨堂へと納められる手はずだった。

「……墓が作ってもらえるのはおっさんだけ、か」

慰霊碑の隣、新しい墓碑に刻まれる名はヤング・マジョラム。
正規軍大尉であった彼にのみ、遺族には恩給が支払われ、また隊葬としての経費も支給されている。
しかし、そのヤングとて骸が墓に眠るわけではなかった。
棺に入っているのは苛烈な追撃の中、辛うじて持ち帰れた彼の愛剣とマントのみである。
寡婦となったのであろう女性の、葬儀の間中そのマントを抱き締め震えていた背中を、森崎は思い起こす。

「……」

その悲しみを、推し量ることはできない。
共有することも、できない。
流れのいくさ働きを生業とする森崎が、轡を並べた男たちの死に抱くのは悲しみではなかった。
そうであってはならぬと、自らに任じてもいた。
故に、森崎はただ踵を返す。
その墓に勝利を捧げることも、復讐を誓うこともない。

「あばよ、おっさん」

407 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:42:38 ID:???
それだけを告げ、歩き出した森崎の前。
歩を遮るように立つ、影があった。

「ユーゾー・モリサキさん、ですネ?」
「……?」

いきなり名を呼ばれ、森崎が眉根を寄せる。
立っていたのは壮年の男である。

「おっト、そう警戒しないでくださイ。怪しい者ではありませン」
「……」

そう告げた男の、しかし怪しさはこれ以上ない程である。
灰金色の頭髪を丁寧に油で撫でつけたオールバックに、几帳面に切り揃えられた顎髭と、
首から上はひとかどの伊達男といった風情。
しかし、その服装たるや惨憺たる有様である。
素肌の上に直接着ていると思しき、乱暴に二の腕までまくり上げられたシルクのシャツはまだ許せる。
ボタンを上からいくつ開けているのか、筋骨隆々たる胸元が大きくはだけているのも、
不快ではあったが男所帯の傭兵団ではまだ見慣れたものといえた。
が、そこに農夫の如き朽葉色の麻ズボンが合わされると、これは奇妙を通り越してひたすらに胡散臭い。

「……何者だ、あんた」
「オゥ、ひどい距離を感じマス……」

大袈裟に肩をすくめた男が、訛りの強い語尾でそう言うと、ため息をつく。
しかし森崎は警戒を解かない。
葬儀帰りのこと、帯剣こそしていなかったが、徒手空拳でまるきり戦えぬというわけではない。
黒衣の下、そっと固めた拳はいつでも繰り出せるように油断なく構えられていた。


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