キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【マラカナンで】キャプテン森崎46【釈迦寝ポーズ】

1 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 00:30:09 ID:Js/5v1fo
キャプテン森崎は、高橋陽一氏作のサッカー漫画「キャプテン翼」の二次創作です。
大空翼に代わって主人公になった森崎有三を読者の投票によって操作していき、
他のキャラクター達と交流を深めながらサッカー選手として大成するのが目的の
読者参加型企画です。いわゆるゲームブックを想像して頂ければ分かり易いかも。

基本は毎回出る選択肢の中から読者が投票によってどれかひとつを選ぶ事によって
森崎の各数値が上下したり結果が分岐し、その結果によって森崎が活躍したり
しなかったりして物語が進んでいく…といった展開です。例えば敵にシュートを撃たれたら、
森崎の能力値+ある程度のランダム要素によってゴールを守れたり守れなかったりします。

投票や判定では2ch式(注:似ているだけで2chとは別サーバー)の掲示板で
ID付の投票書き込みを行ったりスクリプトでカードやダイスを引いてもらったりします。

過去スレのログはこちらのまとめページで見られます↓
http://www32.atwiki.jp/morosaki/pages/11.html

ミス指摘、質問以外の雑談は下のURLの雑談スレでお願いします。
本スレでも更新毎に30レス程度までの反応レスなら問題無しとしています。
尚、30レスを超え雑談スレへの誘導が始まったら速やかに誘導に従って下さい。それがルールです。
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1391137269/
2ちゃんねるとは別の場所の板なので、ブラウザによっては外部板登録が必要です。
なんらかの理由で雑談スレが落ちている時は、本スレでも遠慮なく雑談をどうぞ。

100 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/18(金) 22:54:03 ID:MZfSDumc
見上「三杉、お前がこちらのサイドに配置された理由はタックルとパスカット両方に優れるからだ。
勿論相手をするのはネイとトニーニョだ。ドリブルとパス、もしくは連続ワンツー。何をされても中山と
連携して防げ。そして攻撃参加もしてもらう。もし葵や翼がボールを保ちきれない時はお前の出番だ。
後は…今更言うまでもない事だろうが、ペース配分には気をつけろ。この試合、延長戦も大いに有り得るぞ」

三杉「はい(このサイドを通されたらすぐに撃たれかねない。責任重大だが、やり甲斐のあるポジションだ)」

見上「岬、お前は守備ではサンタマリアのパスを阻害し攻撃ではブーメランパスとブーメランシュートを
使い分ける事が求められる。お前のサイドにはジェトーリオが居るのだから愚直にドリブルで突っ込む事は出来ない。
だがパスでかわし続ければしびれを切らして他者のマークに行くだろう。そこでシュートチャンスがある。
だが無理には狙うな、フリーになれる絶好機を待つんだ。ただ闇雲に撃つだけではブラジルには通じんぞ」

岬「はい(ジェトーリオが離れてもマウリシオやアマラウが来るだろうなあ。だけどそこがあれのチャンスかも)」

見上「中山、お前は今回ボランチとして使う。今回のお前は中盤の守りがメインとなる。三杉同様相手をするのは
ネイとトニーニョだ。この二人は速攻も時間稼ぎも自力での得点も出来るし、ツインタックルでボールも奪える。
更にカルロスもマッチアップの機会が増えるだろう。奴らを自由にさせるな。ハイレベルなシューターが豊富なブラジルは
通常のチーム以上に撃たせる前に止める事が重要となるのだ。ドイツの二の舞を踏むな」

中山「はい(大丈夫だ、やれる!ブラジルは確かに猛者揃いだが、俺は既に世界最高の攻撃的MFを知っている!)」

101 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/18(金) 22:55:21 ID:MZfSDumc
見上「松山、お前がやる事は何時もと変わらん。攻守のつなぎ役だ。お前は向こうのツートップ、
カルロスとザガロを相手する事が多くなるだろう。奴らに好き放題に撃たせていたら勝てる物も勝てん。
責任を持って奴らを止めろ。そしてボールを奪ったら奪い返される前に適切な場所に逃がすんだ。
お前の周囲には翼、岬、中山、中里とボール運びに長けた4人が居る。その時々で適切な者に逃がせ」

松山「はい!(とうとうここまで来た!道産子魂を世界中にみせつけ、故郷に錦を飾るんだ!見ていてくれ、皆!)」

見上「次藤、お前はいつも以上に忙しくなるだろう。元々ミドルシュート要員が多いチームが
これだけ中盤の守りを厚くされたら焦れてシュートを強引に撃ってくる事が予想される。
そういうシュートを食い止めるのがお前の仕事だ。正に体を張ってもらう事になるが、やってみせろ。
展開によってはお前は試合終盤まで体力が続かんかも知れん。早すぎる段階で燃え尽きない様注意しろ」

次藤「はい(流石ワールドユース決勝戦、ごつかシューターがごーぎ居るのう。うんにゃー、楽しみばい)」

見上「早田、中盤が抜かれてしまった場合はお前が撃たれる前の最後の頼みの綱となる。
特にカルロスを相手にする機会がかなり多くなるだろう。あいつは世界のトップ10に入れるドリブラーだ。
だがお前もボールを奪う事にかけては世界のトップ10に入る筈だ。自信と誇りを持って立ち向かえ。
いざボールを奪い返した後は逆サイドの中里をメインに手薄な場所にパスだ。タックル直後のマークにも気をつけろ」

早田「はい(ドリブラー共が選り取り見取り…へへっ、この早田誠がどれ程優れたDFなのか証明させてもらうぜ)」

102 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/18(金) 22:57:13 ID:MZfSDumc
見上「中里、お前はサンタマリアのスルーパスを警戒しつつ基本はバックアップ役だ。
こぼれ球のフォローだけでなく奪われそうなボールの緊急避難先として出番が多くなるだろう。
ただしお前のサイドにはジェトーリオが居る為自力でオーバーラップを仕掛けるのは危険だ。
基本はチーム全体が遅攻で行く事を忘れずに、こちらのボールキープ率の向上に貢献するのがお前の役割だ」

中里「はい(いよいよスポーツ忍者として大成の道が見えてきたナリ。この天下分け目の合戦、大金星を獲ってみせる!)」

見上「…改めて言うまでもないが、スタメンに選ばれなかった者も常に臨戦態勢で居ろ。この試合、延長戦も大いに有り得る。
スタメンだけで最後まで戦おうとするのはまず無理だろう。各自ウォーミングアップを怠るな」

全日本メンバー『はい!!』

見上「最後に森崎。分かっているだろうが、お前が体力切れを起こす事も有り得る。
だからと言ってペース配分に拘り過ぎて失点を重ねては元も子も無い。その塩梅はお前が何時も苦しんできた事だし、
これから先もサッカーをしている限りつきまとうだろう。私から言える事はただ一つ…」

森崎「………」

見上「勝て。お前は勝つ為なら何でもやってここまで来た。勝って、己を証明してみせろ」

森崎「はい(この監督の基準だと、これでも素直に褒めてるんだろなあ。この狸親父め)」

103 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/18(金) 22:58:22 ID:MZfSDumc
見上「さて、森崎。話すべき事は全て話した。明日のミーティングではもう話す事はない。
だから明日まで待つ必要はない。キャプテンとして言っておきたい事を今の内に言っておけ」

森崎「(おっと、このタイミングでか。明日言おうと思っていたんだが…)」

全日本メンバー『……………』

森崎「(まあいいか、今言っちまおう)」

A 「よし、いこう、いこうぜ、みんな!」無難に号令をかけるだけにする。
B 「皆、ここまで良く戦ってきた。後もう一度だけ力を貸してくれ」謙虚にチームメイトを褒める。
C 「俺達が世界一になるのは当たり前だ。何故なら俺達が世界で一番強いからだ!」強気でブチ上げる。
D 「ま、そんなに固くなるなよ。どいつもこいつもリオカップで倒した連中ばかりだ」あえて相手を侮る。
E 「全日本ユース出撃!花見の準備をせよ!」笑いを取りに行く。
F 「世界サッカーの伝統を凌辱するぞ!」凌辱発言! 

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
            ☆2014/4/19 00:30:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

104 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/22(火) 00:54:53 ID:ICdUPQt2
>C 「俺達が世界一になるのは当たり前だ。何故なら俺達が世界で一番強いからだ!」強気でブチ上げる。

森崎「いいか皆。俺達は明日、勝つ。そして世界一になる」

全日本メンバー『………』

森崎「俺達以外の奴らはどんなに強くても二番目にしかなれない。同じ時代に俺達が居た不運を呪ってもらう。
それが世界一になると言う事だ。日本サッカーは弱い?もうそんなのは過去の話だ。
これからは日本はサッカーが強いのが常識になるんだ。俺達がそういう世界に作り変えたんだ。
もう一度言う。俺達が世界一になるのは当たり前だ。何故なら俺達が世界で一番強いからだ!それを証明しに行くぞ!」

全日本メンバー『ぉおおおおおおおおおおおおおおっ!!!』

見上「(うむ、これでいい。この不遜さこそが森崎の強さだ)」

森崎は自他共に彼らしいと認める強気で傲慢な態度を貫き通した。
彼はこの態度で力を得、勝ち上がり、頂点を掴み取ってきた。
それが最強のサッカー王国、ブラジルにまで通用する物だと誰もが信じていた。



来生「(え?え?え?決勝戦なのに出番なし…?こ、これじゃこのスーパースターが埋もれちゃうじゃないか…
ち、違うんだこれは厚生の罠なんだ俺は填められたんだ…僕が、一番上手くストライカーを…)」

一人だけ、別の事を考えて呆然としていた者も居たが。



*来生がとうとう「スキル・何があっても自信を喪失しない」を喪失しました。

105 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/22(火) 00:56:03 ID:ICdUPQt2
〜同日同時刻、ブラジルユース宿舎〜

ロベルト「…では、以上でミーティングは終了だ。解散!(やっぱりコインブラは出せそうにないか〜…
本人が出たいって言ってこないし、他の皆も認めそうにないし…だ、大丈夫だよな…?)」

同じ頃、ブラジルユースもミーティングを終えていた。何時も通りロベルトはスタメンを発表した後は
具体的な作戦は選手任せで、何時も通りコインブラは最後尾に座ったまま一言も会話に参加する事はなかった。

だが今回は何時もと違う事があった。ロベルトがポーカーフェイスを崩さない内に立ち去り、
コインブラも誰とも関わらずに立ち去るのは何時もの事だったが、他の選手達22人はまだ解散せず
部屋に残りカルロスに視線を集めていた。カルロスもそれを予期していたのか、咳払いをしてからゆっくりと口を開いた。

カルロス「皆、言いたい事は分かっている。コインブラの事だろう?」

サンタマリア「…ああ、そうだ。結局あいつをどうするかを解決しないままここまで来てしまった」

ザガロ「フン、今日はなんとなく居心地が悪そうなツラしてやがったな」

マウリシオ「結局の所何がしたいんスかね?」

カルロス「…あいつの心理は今となってはどうでもいい。ハッキリしている事はただ一つ、
あいつが明日のスタメンに名を連ねていない事だけだ。そしてハッキリさせないといけない事もただ一つ…」

ネイ「監督があいつを途中出場させてきたらどうするか、だろ?」

ディウセウ「オラはどうすっかもう決めてるけど、おめえの考えも聞いておきたいな」

ブラジルユースの決勝戦前の最大の懸念事項。アルツール・アンチネス・コインブラの存在。
もし彼が使われる事になったら、どうするのか?カルロスはその時こう答えたと言う。

カルロス「…俺はプロサッカー選手だ。プロらしくするさ」

106 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/22(火) 22:21:58 ID:ICdUPQt2
かくして世界一を争う両チームはそれぞれの作戦会議を終え、決戦前夜を迎えた。



〜全日本ユース宿舎〜

決戦を前に誰もが武者震いをしていた訳ではない。
光あれば影あり。勝者の横には必ず敗者が居る。
余程の事が無い限り出番は有り得ず、それ故に士気を保てと言う方が酷な者達も居る。

石崎「はあ…分かっちゃ居たけど、やっぱり決勝でも出番なしか…」

高杉「当たり前だろ、今まで使われていないのに大一番で出られる訳があるか」

井沢「しょうがない、実力が全ての世界だ…ところで来生はどうしたんだ?」

滝「いや…昨日までは決勝戦でスーパーヒーローだ、とか言っていたんだが…」

来生「ぶつぶつ…僕が、一番上手くストライカーを、こなせるんだ…」

井沢「…遂にこいつも現実を思い知ったか。俺達の仲間入りって所か」

修哲出身の4人組と石崎はこの大会結局殆ど出番が無いまま終わりそうだった。
彼らはサブメンバーの中でも一番期待されていないグループなのが明らかであり、
ずば抜けて楽観的だった来生ですら最早自分を誤魔化せない程である。

滝「結局何がいけなかったんだろうな?俺達だって日本一になって、日本代表になって…
そこが限界だったんだろうか?後ちょっとの差がどうしても埋められないんだよな…」

高杉「知るかそんな事。あの若林さんですらサブに追いやられてあの森崎なんかが
正GKでキャプテンでプロになってやがるんだぞ。何がいけなかったなんて俺が知りたい」

107 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/22(火) 22:23:31 ID:ICdUPQt2
石崎「そういえば南葛小の頃はお前らに0−30でやられてたりしたんだっけ。
今までよく考えなかったけど、あの頃から考えりゃ夢にも思わない程出世したもんだ…」

高杉「下を見てたらキリが無いぞ。代表選考から漏れた佐野やら反町やら沢田やら、
長野やら岩見やら…あいつらは俺らを羨ましがっているだろうさ。ま、上を見てもキリがないけど」

井沢「…だからと言って、そんな理屈で諦めて堪るかよ!」

滝「井沢?」

それでももういいと自棄にはならないのは、彼らもまた日本代表たる証だろう。

井沢「確かに俺は今のチーム内のMFとしてはビリッケツだろうさ。それは認める。
だけど何時までもそのままだなんて誰が決めた!日本代表になれたら試合に出られなくてもいい…
そんなカッコ悪い事を思う位なら死んだ方がマシだ!まだサッカー人生は長いんだ、俺は絶対に返り咲くぞ!」

滝「…いやまあ、その覚悟は立派だし俺も同意見なんだが…お前の場合はちょっと無謀過ぎないか?」

石崎「よりによって翼に対抗心燃やしてるんだから、ある意味来生より身の程知らずだぜお前」

井沢「な、なにィイイ!!」

高杉「(総合力では勝ってるのに、チーム単位で見るとこいつより来生や滝の方が役に立つって言うのがなんとも哀れだ…)」

だからと言ってその諦めの悪さが吉と出る保証など何処にもないのも日本代表と言う勝負の世界の掟である。

来生「速いボールが見えたり消えたりしている。あはは、速い…シュートかな。イヤ、違う、違うな…」

108 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/23(水) 22:01:12 ID:Ppkwvt+c
将来に望み得る栄光が物足りないと嘆く者も居れば、輝く未来への展望を喜ぶ者も居る。
とは言っても展望はあくまでも展望であり、未来が過去になるまでは安心など出来ないのだが。

葵「イヤッホー!やったぜ!」

赤井「…良いニュースだったっぽいな、その様子は」

葵「うん!インテルがトップに加えてくれるって!一軍!遂に一軍になれるんだ!」

山森「それは素直に凄いな…おめでとう」

新田「でも、試合に出場するまでが大変なんだろ?」

赤井「下手するとレンタル移籍要員だからなあ。浮かれてたら痛い目見るぞ」

葵「大丈夫大丈夫!なんとかしてやるって気持ちが大事なんだよ!」

ホテルの別所ではたった今インテルの首脳陣から電話で一軍昇格のニュースを伝えられた葵が
小躍りしながら戻ってきた。年下組の4人は自然と固まって行動する事が多く、今夜もそうしていたのだ。

赤井「はあ〜、楽観主義は努力の証とは言うが…お前のその気楽さは羨ましいぜ」

山森「赤井はサンプドリアからの知らせは特に来ていないのか?」

赤井「今大会あんまり活躍していないしな…後もうちょっとで上がれると思うんだけどな〜」

新田「お前は堅実に実績を積み上げるタイプだから大丈夫だろ。少なくとも既にクラブに居るんだから羨ましいぜ」

葵「あれっ、新田や山森も何回かスカウトっぽい人達と会ってたりしなかった?
賀茂のおっさんも毎日色んな名刺を色んな人達から貰ってきて配ってきているじゃん」

109 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/23(水) 22:07:05 ID:Ppkwvt+c
山森「ああ、一応沢山名刺は貰っているよ。でもなあ…」

新田「うん、でもなあがつくクラブが多いんだよな…」

既にある程度の格があるヨーロッパのクラブに所属している葵、赤井、若林の3人以外の全日本ユースの選手達は
連日連夜色んなクラブからスカウトを受けていた。しかし当然勧誘の数や質は選手によってまちまちであり、
今まで集めた名刺をテーブルの上に広げる山森と新田は苦笑を隠せない表情になっていた。
それらを眺めていくと葵と赤井の二人もとても微妙な顔になっていく。

葵「どれどれ?これはトルコ、これはスイス、これはポルトガル、これはロシア…うーん…」

山森「それらはまだマシな方だよ。他にもスコットランドとかベルギーとかギリシャとかあるぞ」

赤井「ん?これは…カタールだと!?これってまさか…」

新田「ああ、片桐さんも多分帰化選手狙いだろうからこれは止めておけ、だってさ…下手するとオイルマネーで
無理やりFIFA規則を捻じ曲げようとするスキャンダルの当事者になってしまうぞって言われたよ」

葵「うわっちゃあ…あ、でもリーグ・アンとかエールディビジのスカウトの名刺もあるじゃん!
よく見たらブンデスリーガもプレミアリーグのもちょっとだけある!…あ、でも…降格圏内の下位クラブだね…」

山森「ああ。当たり前の事だけど、リーグの格が上がるとその分リーグ内の地位が下がるチームになるんだ。
賀茂さんにも有名リーグのチームなら何処でもいいなんて考えるなよ、チームになじめるかどうかや
降格の危険性も考慮すれば日本に居た方がずっとマシだって事も十分有り得るんだ…って力説された」

新田「なんか…世知辛いな、プロの世界って。選択肢がある分まだマシなんだろうけど…」

赤井「ま、まあ大丈夫だろ。ワールドユース決勝戦まで来たんだ、大会後にまたドバッと来るって」

一寸先は闇。光が続く保証はない。年下組はそれぞれ不安な夜を過ごしていた。

110 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/25(金) 21:33:38 ID:GmqirbB2
特に集まり易いグループが存在しない者達が結果的にグループを作る事もある。
政夫、和夫、次藤、早田、中里の5人はそんなグループだった。

次藤「ふー…流石に緊張してきて飯も喉ば通らんとね」

早田「おいちょっと待てお前何時も通り人の三倍は食ってたじゃねーか」

中里「実に美味そうに食うでゴザルな。力士も吃驚するであろう」

政夫「こいつと飯食ってると食欲が失せるんだよなー」

和夫「ダイエットしたい女にはモテるかもな」

次藤「なんやなんや、皆してワシをだごにして」

食欲がないと言いながらも人の数倍食べた次藤を他の4人で呆れて冷やかす。
そんな間の抜けた時間を過ごしていたのは5人とも明日を見据えて緊張していたからかも知れない。

政夫「俺は本当に食欲減ってたぞ。いや、スタメンじゃないけどさ…」

和夫「多分、明日も出番はないんだろうなあ…くそっ」

早田「仕方ねーだろ。お前ら二人一緒じゃないと出す意味がないんだから」

中里「一人で出来る事は他のFWが出来るからのう。それでは日向が居る限りは日の目を見れまい」

次藤「ばってん、明日の試合はとにかく一点が必要な場合もあるかも知れんばい?」

政夫「確かにそういう展開になりゃ俺達の出番もあるかも知れないけどよ」

和夫「チームが追い込まれた状況になるのを望むのは流石にしたくないぜ」

111 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/25(金) 21:34:46 ID:GmqirbB2
早田「まあ望むもんじゃねえな。けど相手はブラジル。いくら覚悟してもし過ぎって事はないぜ」

中里「その言葉の割にはお主は落ち着いておるな?」

早田「そりゃあ、今更一夜漬けの猛特訓でどうにかなる訳じゃないからな。落ち着くしかないだろ」

次藤「そうタイ。負けた時の事ば考えるより、勝った時の想像の方が楽しかとね」

政夫「勝った時…ブラジルに、勝って、優勝して、世界一か…うーん、想像しにくいな」

和夫「多分日本中からヒーロー扱いされるんだろうけど、それからどうするかって話だよな」

中里「勝って兜の緒を締める、でゴザルよ。それからは狙われる立場になるのだからな」

早田「狙われる立場か。良い言葉だぜ…倒すべき奴らが自分から来てくれるんなら楽でいいや」

次藤「Jrユース大会で優勝しても世界的にはマグレばし思われていたとね」

政夫「思えば日本サッカーも随分変わったモンだなあ」

和夫「三年前はワールドカップアジア予選敗退のニュースでガッカリしてたのになあ」

次藤「ワシらが変えたとね。新時代と言う奴タイ」

早田「次の目標は、日本はワールドカップに出て当たり前って言われる様になる事かな」

中里「(スポーツ忍者の夢も現実となりつつある。さすれば世界中の美女達の裸体も…フヒヒ)」

ブラジルを恐れつつもその恐怖を乗り越え糧とする。
そんな作業に勤しむ彼らの雰囲気は意外な程に和やかだった。

112 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/29(火) 23:58:16 ID:/yOKgAsY
チーム内の役割が近いスタメン組がグループを作る事もある。
中盤と中盤からやや後ろでプレイする事が多い岬、三杉、松山、中山の4人は今夜ロビーで集まっていた。
今夜の話題は日本に置けるプロサッカーの欠如と、それが変わりつつある手段だった。

松山「日本に…プロサッカーリーグ!?」

岬「うん、さっき片桐さんに聞いてみたんだ。そういった動きはありませんかって」

中山「そうしたら…どうだったんだ?」

岬「まだ何かハッキリ話せる段階じゃないけど、既に日本サッカー協会は色々準備しているそうだよ。
Jrユース大会優勝だけじゃ足りなかったけど、ワールドユースでここまで来たら効果抜群みたい」

三杉「日本には既にJSLがある。それを発展させる形で本格的なプロリーグ設立も可能だろう」

松山「マジかよ…何時かは出来るだろうと思っていたけど、こんなに早いとは思っていなかった…」

中山「有り難い話だよ。サッカーが強い国はプロサッカーリーグが必ずあるからな」

三杉「だが、あるだけではいけない。ちゃんとレベルの高いリーグとして運営される事が重要だ。そうだな…
ここは君の意見を聞きたいな、岬くん。日本がハイレベルなリーグを作り、維持するのは何が重要だと思う?」

岬「僕かい?うーん、難しいテーマだなあ…(三杉くんは頭が良いから迂闊な事言いたくないし)」

三杉「ゆっくりでいいよ。どうせ就寝時間まで長いし、欧州リーグを見る機会があった君の視点は
かなり参考になりそうなんだ(今、警戒したな。彼は自分の頭の良さをひけらかすリスクを良く知っている様だ)」

113 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/29(火) 23:59:46 ID:/yOKgAsY
松山「そうだな、俺も聞いてみたいよ!岬の話なら参考になりそうだ!」

中山「(岬は頭も人望もあるタイプだからなあ。引退したらサッカー協会でお偉いさんになるかも)」

岬「そうだね…(しょうがないな。三杉くん相手には下手に隠す方が怪しまれそうだ)
人口、経済力、交通網等はもう十分に整っていると思う。そして僕たちの活躍でサッカー人気が
急上昇しているのも間違いない。だから設立そのものは簡単だと思うんだ」

松山「設立は、って事は…運営が難しいのか?」

岬「うん、そうだよ。サッカークラブ運営ってお金がかかるからね。スポンサーは必須だし、
チケットやグッズの売上も重要だ。欧州のクラブはこれらが上手く行かずに経営難に陥る事も珍しくないよ」

中山「そうなのか…あ、そういえば貧乏クラブで苦労した選手の自伝とかあったな」

三杉「南米では欧州以上にそれらの特徴が顕著らしいね。日本人の場合元から生活レベルが高いから
設備をおろそかにする訳にはいかない。初期投資に見合う健全な経営が求められていくだろう」

岬「だからちゃんとお金が儲かる体制が必要だろうね。それには大勢のサポーターがお金を出してくれるのが
一番なんだけど、それだと年に数回の代表戦で活躍しているだけじゃ駄目だと思う。
設立段階である程度以上のレベルのサッカーを見せ、そこから代表戦で活躍する選手がどんどん出てくる様に
ならないとお客さんに飽きられちゃうんだけど…元がJSLだから、いきなりレベルを上げるのは難しいかな…」

松山「ああ、JSLはなあ…高校サッカーや大学サッカーと大してレベルが変わらないんじゃ…」

中山「確か、お前と岬はアジア予選前にJSLのチームで練習していたんだっけ」

114 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/30(水) 00:01:17 ID:DWEY3JPI
三杉「確かに既存の選手達だけでは、サッカーだけに専念出来る環境を整えても劇的な成長は難しいだろうね。
僕は外国人選手を多く入れるべきだと思う。世界の基準を肌で知り、それらを上手く取り入れたクラブが
リーグ内で優位に立てると言う状況を作れば選手達もクラブも急速なレベルアップを強いられるだろう」

松山「なるほど、そんな手段もあるのか…ああでも、追いつけないクラブも出てくるよな?
そういうのはどうするんだ?二部リーグを作って、昇格と降格を争わせるのか?」

中山「そういえば有名なリーグは必ずいくつかのレベルに分けられているな…これもきっと重要なんだろうな」

三杉「そう、それがいいだろう。敗者の受け皿と屈辱を用意しつつ、新規の競争相手でリーグのマンネリ化を防ぐのに効果的だ」

中山「…気がついたら随分具体的な話になってきたな。俺達が決める側じゃないのに」

松山「あっ…でも俺達だってもう当事者だろ。俺達の活躍に日本サッカーの未来がかかっているんだから」

岬「日本サッカーか…フランスに住んでいた頃は、馬鹿にされるばっかりだったなあ」

三杉「もう時代は変わったのさ。僕たちは世界サッカーの秩序に革命を起こした。次は革命後にどうすべきか、だ」

中山「全国大会に出る為に必死になっていたのが遠い昔みたいだ…不思議な物だな
(そう…俺はとうとうここまで来た。森崎の背中が遠ざかるのを見るだけじゃなくなった…長かった…)」

松山「(よーし、故郷に特大の錦を飾るぞ!それで…きっと藤沢と…)」

彼らは歴史の当事者達である。
彼らの世界への挑戦は、自国を大きく変貌させようとしている。

115 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/01(木) 00:24:44 ID:EFIEpwVQ
それぞれの事情でチーム内から孤立している者達も居る。
日向と若島津は仲が良い者がおらず、彼ら自身も親交など求めていなかった為この時も二人きりだった。

日向「若島津、お前はこの大会の後はどうするつもりだ?」

若島津「はい、いくつかそれなりのクラブから接触されていますがあまり有望な候補はありません。
ある程度の妥協は必要となりますが、選手を育てて売るタイプのクラブに行こうと思っています」

日向「そうか…言うまでもないが、俺は最初からビッグクラブを狙うぞ。既に列が出来ているからな」

若島津「そうですか…そうでしょうね」

日向「若島津、今更俺から慰めだの激励だのつまらん物は期待していないだろう。
俺はお前を利用する。お前は俺を利用する。それが俺達の関係だったし、これからもそうだ。
周囲は仲良くしているんだと捉えるだろうが、価値観と人生観が似通っているだけの話だ」

若島津「はい。貴方も俺も自ら望んで戦いに明け暮れる修羅です。今俺達の力の差、
立場の差は歴然としていますが…いずれは貴方の首を貰い受けに行きますよ」

日向「それでいい。それが勝負の世界の鉄則だ。どんな屈辱にまみれようとも、
どんな強敵が表れようとも、最後に生き残った奴が勝ち…これだからサッカーは止められんぜ」

若島津「他者を屈服させる喜び…チームスポーツなのにそれがある。堪りませんね」

スポーツマンシップと言う言葉を鼻で笑いたがるこの二人は上機嫌だった。
望んで修羅道を歩む彼らの先にも栄光が見いだせない訳ではない。
勝負の世界に身を置く者達は誰しも多かれ少なかれこの様な覚悟を強いられるのだから。

116 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/01(木) 00:26:15 ID:EFIEpwVQ
翼と若林もこの夜二人きりだった。彼らは日向達とは異なりチームメイトとの親交が無かった訳ではなく、
むしろ現キャプテンの森崎よりも人望自体は多く集めていると言えるかも知れない。
しかし早くから海外に出てプロになっていた為か、その影響でアジア予選には参加しなかった為か、
なんとなく特別扱いされる事が多いこの二人は今夜は特に誘うまでもなく二人きりになっていた。

翼「…とうとうここまで来たね。ワールドカップの前哨戦のワールドユースの決勝…
そして相手はドイツを倒したブラジルだ。随分とよく出来たシチュエーションだよ」

若林「俺もお前も子供の頃からこういう日を夢見ていた。そして今、それが現実になろうとしているんだ。
思い返せばお前が南葛小に引っ越してきてからの付き合いか。俺達は夢を…叶えたんだよな」

翼「うん。俺も君も有名なリーグのプロ選手になって、日本代表として戦っている…筈なんだけど」

若林「分かる…分かるぞ。夢を叶えた筈なのに、こんな筈じゃなかった…そう思っているんだろう?」

翼「そう、俺は夢を叶えつつある。子供の頃誰に言っても理解されなかったり笑われたりした夢が
段々現実になりつつあるんだ。武者震いはする。喜びもある。だけど…何か、ね」

若林「お前はまだいいさ。俺はサブGKだ。世界一になる瞬間をベンチから見ているってのは笑いそうだぜ」

翼「何なんだろうね、本当に。俺は森崎さえ倒せば全てが解決すると思っていたけど、
実際に森崎に勝っても何も変わらなかったよ。これが大人になるって言う事なのかな?」

若林「これが人生だ。不満なら自力で何とかしろ…そう言える様になるのが大人になるって事だと思うぜ」

翼「ハハハ…明日も勝とうね、若林くん」

若林「精々頑張って点を取れよ。そうしなきゃ森崎がまた何か馬鹿をやらかすぞ」

二人の表情は19歳とは思えない程大人びていたが、それを目撃したのもこの二人だけだった。

117 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/01(木) 22:27:23 ID:EFIEpwVQ
チームメイト達が思い思いの夜を過ごしている時、森崎はどうしていたのか。

森崎「ん〜、やっぱり世界一になる前夜ってのは独特の雰囲気があるな。
この俺でもほんの僅かばかり緊張せざるを得ないとは…なんちゃって」

森崎は独り言をつぶやきながらホテルの中を探索して暇つぶししていた。
彼がおどけた態度を取っているのはそれだけ余裕なのか、それともそういう心づもりを
作ろうとしているのかは彼自身にも良く分からない所だった。

森崎「…暇だな。まだ眠くないし、かと言って今チームメイトと話すのもダルいし…ん?」

陽子「………ふぅー」

そんなタイミングで彼がホテル備え付のバーの傍を通りがかり、
カクテルを飲みながらくつろいでいる陽子を発見したのは何かの運命だろうか?
陽子の表情からは軽くない疲労が伺え、森崎が通りがかったのにも気付いていない様だった。

森崎「(陽子さん…)」

A 決勝戦前なんだ。声をかけよう。
B 決勝戦前なんだ。黙って去ろう。

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118 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/02(金) 22:32:35 ID:gvF7ETNA
>A 決勝戦前なんだ。声をかけよう。

森崎「陽子さん」

陽子「っ!」

森崎が声をかけた途端陽子はビクッと肩をひくつかせ、それからゆっくりと振り向いた。
その顔には緊張感が隠せない程表れており、まるで隠し場所をみつけられた子供の様だった。

陽子「も、森崎くん…しまったなあ、こんな所で飲むんじゃなかった…」

森崎「なんだよ、俺と会いたくなかったのか?」

陽子「うん…だって、決勝戦前じゃない。こんな日に会うのはちょっと…」

A 「決勝戦前だからこそ、だろ。モヤモヤしたままじゃ嫌だぜ」
B 「俺はそんなの気にしないぜ。こんなプレッシャー、何時もの事だ」
C 「森崎くんに配慮しないと、って思いながら話すのが嫌なのか?」
D 「分かっているが、陽子さんを見たら話しかけられずには居られなかった」
E 「そうか。じゃあ今夜は止めておくよ。邪魔したな」

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119 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/05(月) 21:02:45 ID:IBd1v2mM
>B 「俺はそんなの気にしないぜ。こんなプレッシャー、何時もの事だ」

森崎「俺はそんなの気にしないぜ。こんなプレッシャー、何時もの事だ」

森崎は何時もの彼らしく大胆不敵な笑みを浮かべながら陽子の隣に座った。
だがその返答は陽子の眉をひくつかせる物だった。

陽子「森崎くんが気にしなくても、私が気にするのっ」

森崎「えっ?」

陽子「私は森崎くん程プレッシャーに強い訳じゃないんだから!」

森崎「(なんだなんだ、藪蛇だったのか?)」

A 「落ち着いてくれよ。こんな所で騒ぎを起こしちゃマズいだろ」
B 「悪い、デリカシーがなかった。チームメイトに接するみたいにやっちまった」
C 「酔ってるのか、陽子さん?何時もはここまで感情的じゃないぜ」
D 「だったらそのプレッシャーを俺に肩代わりさせてくれよ」
E 「だったら慣れてくれ。これからこの先、定期的にこういうプレッシャーを味わうぜ」

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120 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/06(火) 21:14:32 ID:T3dZy1Hg
>D 「だったらそのプレッシャーを俺に肩代わりさせてくれよ」

森崎「だったらそのプレッシャーを俺に肩代わりさせてくれよ」

陽子「…それって、どうやって?言う程簡単な事じゃないと思うんだけど」

森崎はあくまで強気で押し、自分の精神力を誇示した。
それが陽子にとって望ましい事なのかは彼女のふくれっ面からは何とも判断し辛かった。
照れている様にも見えるし、不機嫌の様にも見えるのだ。

森崎「どうやってって、そりゃあ…」

A 「俺はどんな奴が相手でも負けない。勝ち続けるのが当たり前になってみせる」
B 「俺を傷つけちゃいけないとか思わないでくれ。俺は陽子さんの本音が見たい」
C 「俺はどんなに苦境に追い込まれても諦めない。だから陽子さんも諦めないでくれ」
D 「俺を陽子さんと一緒に戦わせてくれ。フィールドの内外は関係ないぜ」
E 「俺は負けたらどうしようなんて考えない。勝ったらどれ程嬉しいか考える」

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121 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/07(水) 00:41:57 ID:9B+6AMzU
>B 「俺を傷つけちゃいけないとか思わないでくれ。俺は陽子さんの本音が見たい」

森崎「俺を傷つけちゃいけないとか思わないでくれ。俺は陽子さんの本音が見たい」

陽子「っ…!」

森崎がこう発言すると、陽子は目で見える程ビクッと震えて森崎をにらみつけた。
その目は浮き上がる涙で潤んでいて今にも水滴を零しそうだった。

陽子「…無理よっ、そんなのっ」

そのまま陽子は涙を拭い、グラスに残っていた酒を一気に飲み干してから
手の仕草だけでバーテンに次の酒を要求した。
顔の火照りが一気に激しくなったのは酒のせいだけではないだろう。

陽子「世界大会の決勝戦前なのよ!?そんなタイミングで対等に物が言える訳ないじゃない!
私が言った事が原因で森崎くんのメンタルコンディションが崩れたらどう責任取ればいいのよ!
ああっもう結局こんなに叫んでる!これでもう明日日本が負けたら私ずっと後悔し続けちゃうのよ?
どんな対応したってそれが原因で、なんて思わずには居られないんだから!」

森崎「………」

A 「有難う、本音を言ってくれて。それが聞きたかった」
B 「俺と一緒になってくれるんだったら、その悩みはずっと付き纏うんだぜ」
C 「もういいんだ陽子さん…いや、陽子。もう俺に憧れる必要はない」
D 「こんな風に距離を取られる方がよっぽど傷つくって分かってくれよ」
E 「飲み過ぎだぜ。マスター、さっきのオーダーはキャンセルで水をくれ」

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122 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/13(火) 09:46:31 ID:b7d0zvQo
>C 「もういいんだ陽子さん…いや、陽子。もう俺に憧れる必要はない」

森崎「もういいんだ陽子さん…いや、陽子。もう俺に憧れる必要はない」

陽子「………な、なによそれ。このタイミングで呼び捨てって、卑怯よ」

それでも尚森崎は一歩踏み出し、初めて陽子に敬称をつけず呼びかけた。
それを聞いた陽子はビクッと肩を震わせ、しばし黙ってから森崎を非難した。
しかし非難の言葉とは裏腹に彼女の顔は泣き笑いに変わっていた。

森崎「この前言っていたよな。自力で運命を切り開く俺に憧れて、
箱入りのお嬢様を止めたくなって、日本サッカー協会に駆け込んだって」

陽子「…うん…」

森崎「もうその夢は叶いつつあるじゃないか。俺…と翼をブラジルでサポートしてくれたのは
決して無駄じゃなかった筈だぜ?勿論その他諸々の働きもだ。
面倒な事をぜーんぶやってくれたから、俺達はサッカーに集中出来るんだ」

陽子「でも、それは私じゃなくても誰でも出来た事で…」

森崎「何言ってんだ。陽子は13歳で大学卒業してたんだろ?中学の勉強でヒーコラ言ってた
俺には想像もつかない世界だぜ。そのままいわゆるエリートコースの人生が待っていたんだろ?
でもその人生を投げ出して、未知の世界に飛び込み、こうして成功しているんだ。
こんなの、誰でも出来る事じゃない筈だぜ…俺には分かる。俺は世界を変えている真っ最中なんだからな」

陽子「………そこまで、私の事見て、考えてくれてるんだね」

森崎「そうだぜ。陽子は俺を見上げる側だと思っていたんだろ?でもこうして俺も陽子を見ている。
俺は興味の無い奴はあっさり切り捨てる。欲しいと思ったら素直に欲しがる。知ってるだろう?」

123 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/13(火) 09:49:51 ID:b7d0zvQo
陽子「ふぅ〜………あ、すみません。ミネラルウォーター、レモン付でください」

森崎「(お、酔いを醒ます気になったのか?)」

森崎の熱弁に陽子は段々ホッとした表情になっていき、先程注文した酒に手をつけず
水を注文したっぷりとレモン汁を絞り入れてからそれをゆっくりと飲み干した。
ここは間を置いて彼女の返答を待つべきだと判断した森崎も口を閉ざし彼女の顔の赤みが
薄らいで行くのを見守る。ややあって期待通りに陽子は口を開いた。

陽子「…私と本気で交際する様になったら大変だよ?」

森崎「片桐財閥の事か?」

陽子「うん。お父さん、サッカー大嫌いで仕事一筋の人だから…今の所は何もしてきてないけど、
その内色々嫌がらせしてくるかも知れない。森崎くんを呼び出したりするかも知れない。
あるいはマスコミにスキャンダルを書かせたりするかも…でも…」

陽子は今一度確認する様に自分の家庭事情とそれに森崎を巻き込んでしまう事を説明した。
それに対する森崎の返答は。

森崎「………」

ニヤリ。

陽子がため息をつきたくなる程の悪人めいた笑みだった。

陽子「はぁ〜…そうよね。あなたがそんな事、怖がる訳ないものね。
全く、なんでこんな唯我独尊どころか傲岸不遜な…」

だがその笑みは陽子の次の言葉と行動で消え去った。

124 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/13(火) 09:54:03 ID:b7d0zvQo



陽子「…こんな人、好きになっちゃったんだろ…」

森崎「えっ!?んむっ!」



陽子は突然好意を打ち明け、森崎がその驚きから回復する前に顔を寄せて唇を重ねてきた。
それはほんの一瞬の事で、すぐに彼女は離れたが、その瞳は潤みながらもまっすぐ森崎を見据えていた。



陽子「有難う…ゆ、有三。私、もう貴方には憧れない。何時までもそれだけじゃ嫌だから…頑張る。
後ろから憧れるんじゃなくて、ちゃんと胸を張って、大好きな貴方の隣に居られる様に…ね」

森崎「よ、陽子…」

陽子「…も、もう寝るわね。明日に備えてちゃんと寝なさいよ!これで睡眠不足だったりしたら承知しないんだから!」

スタタタ…

勇気を全部出しつくしたのか、陽子は酔いを物ともしない駆け足でバーから立ち去っていった。
後に残された森崎はポツンとしてから、自分の唇に指で触れてみた。



森崎「ファーストキスはレモンとカシャッサの味、か…」




125 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/13(火) 09:55:32 ID:b7d0zvQo
バーテン「祝福を申し上げます。ですが、あの女性はお勘定を忘れてしまいまして…」

森崎「ん?あー、いーよ、俺が払っておくよ。俺が割り込んだ形だったしな」

バーテン「有難うございます。さて、カップルの誕生にはバーテンとして祝福致しますが、
ブラジル人としては明日の試合のご武運は祈れません。それはご了承ください」

森崎「要らねえよ。どうせ俺は明後日からはブラジル中から恨まれている立場になるんだ。
あの夜下剤でも仕込んでおけばよかった!って思う事になるぜ」

バーテン「ハッハッハ、聞きしに勝る大胆不敵ぶりですね。ですがそういった男性に人間的魅力があるのも事実。
野心に燃え、それを叶えられるかも知れない力を持つ男性に憧れる女性も少なくない。
そんな特別な存在に特別扱いされるのもまた愛情ですからな。ツメを誤りさえしなければ
彼女のハートはいずれ貴方の物となります…とお節介を焼いておきましょうか」

森崎「…バーテンって人種はそういうアドバイスをしたがるもんなのか?」

バーテン「然様です。人間観察が好きでなければこういう仕事は辛いですからね」

森崎「全く…もう帰る。勘定頼むぜ」

バーテン「はい、ただいま」



*陽子→森崎の関係が「????」から「大好き」になりました。

126 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/13(火) 10:03:15 ID:b7d0zvQo
森崎「(そうか…陽子には俺の足手纏いになるんじゃないかって後ろめたさがあったんだな。
だったら安心させなくちゃな。俺は女を欲しがっただけでダメになる様な奴じゃない。
女だろうと世界一だろうと、欲しい物全てを全力で手に入れてみせる男だって言う所を見せる。

そうだ、俺は森崎有三だ。欲しい物は何でも手に入れる。今欲しいのは世界一だ!
世の中には二種類の人種が居る。ナンバー1と、ナンバー2以下だ。
俺はナンバー2以下になるのは嫌だからここまで来た。そして今度もナンバー1になる!
ここも通過点に過ぎない。ワールドカップにヨーロピアンカップ。
バロンドールに…今年から設立されるFIFA最優秀選手賞ってのもあったな。それも頂きだ。

俺は森崎雄三だ!相手がブラジルだろうと何だろうと、必ず勝って、全てを手に入れる!)」



バーテン「こちらがお勘定になります」

森崎「おう…ん!?な、なんだこの値段!?ってそういやブラジルはインフレが激しいんだった…」

カサカサカサ…
チャリンチャリンチャリン…

バーテン「…大変失礼ながら、これでは足りません」

森崎「…チ、チームメイトから借りてくる…(ブラジルの金を持っていそうな奴…ゲッ、あいつしかいねえ!)」



翼「ふーん、いきなり来て何を言うのかと思えば…いいよ、ちゃんとインフレを考慮して返してね」ニヤニヤ

若林「プッククク…」ニヤニヤ

森崎「ぐ、ぐぐぐ…さ、サンキュー…(くっそぉおおおお!決勝戦前夜にこんなムカつく思いを〜〜〜っ!!)」

127 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/14(水) 00:08:37 ID:DMJOwuf+
〜大会25回目〜

何らかの玉を蹴る遊びは紀元前から世界の様々な場所で存在していたと言われるが、
現在サッカーと呼ばれる競技が正式に生まれたのは19世紀中期のイギリスとされている。

この競技はブラジルと日本には1870年代と言うほぼ同じタイミングで伝わったとされるが、
その後の発展の仕方は全く異なる物であった。



最初にブラジルにサッカーを広めようとしたのはイングランド留学帰りの一人のスコットランド人だったと言う。
まず上流階級にサッカーが広まり、1930年代から国技と呼ばれる程人気が高まっていき、
当時から世界屈指の強豪国と見なされていたもののワールドカップで初優勝を達成したのは
1958年のスウェーデン大会だった。その後1962年のチリ大会、1970年のメキシコ大会でも
優勝し通算三回の優勝で1991年の時点では旧西ドイツと並び最多優勝回数を誇る。

しかし1982〜1990年のワールドカップでは3回とも優勝はおろかベスト4にすら入れず、
“歴史と実績があり間違いなく強豪国だが、最近は低迷しつつある”といまいちな評価が
定着しかけているのが今のブラジルである。この現状をブラジルが良しとする訳もなく、
今回自国開催となったワールドユースで華々しく優勝し1994年ワールドカップでの復活に
繋げたいのは言うまでもない。ましてや突如現れた新興国にそれを阻まれるなどあってはならないのである。

128 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/14(水) 00:10:31 ID:DMJOwuf+
一方日本においては最初はイギリス人が日本にサッカーを持ち込み、体育の一環として全国に広がった。
しかしあくまで学生の教育の一環とされた日本サッカーは1917年に行った初の国際試合で
当時の中国とフィリピンに大敗する程脆弱だった。その後も基本的にサッカー弱小国とされたまま
第二次世界大戦の影響でサッカー文化が中断されてしまい、1968年のメキシコオリンピックで
銅メダルを獲得した事以外はまるで良い所がなく、1991年の時点で未だワールドカップには未出場である。

この取るに足らないアジアの弱小国と言う評価は今、驚天動地の勢いで全く別物に塗り変えられつつある。
1986年フランスで行われた第一回国際Jrユース大会でお客さんとして招待された筈の
日本がまさかの優勝を遂げたのだ。この時のチームのメンバーが主となって今回のワールドユースでも
アジア予選初突破、本大会初出場に飽き足らず決勝戦まで勝ち進んだ事によって
日本のサッカー文化も世界のサッカー勢力図も劇的に作り変えられつつある。



かたや復活を目指す誰もが認める伝統的な強豪国。

かたや世界で類を見ない程急速に成長した新興国。

これから数年のワールドサッカーの行方を左右するであろう決戦の日がついに来た。

129 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/14(水) 00:13:30 ID:DMJOwuf+
日本人記者達「ぐわーっ、なんて人ごみだ!?」「ホントにこの道でいいのかよ?」「人の流れに沿ってりゃ辿り着くだろ!」

日本サッカー協会関係者「ここも渋滞か…」「おいおい、三時間は余裕を見た筈なのに…」「これで間に合うのか?」

南葛関係者達「に、肉まんの波に押しつぶされるぅ〜…」「痛い痛い痛い!押されて体が痛い!」
「もう駄目、暑くて暑すぎて倒れる…」「やだ、折角持ってきた応援グッズが汗だらけ!」

この日のリオデジャネイオロは当事者の2国は勿論、世界各国から報道陣とサッカー関係者が押し寄せていた。
地球の反対側まで応援にかけつけた日本人達は筆舌に尽くし難い苦労をしながらマラカナンスタジアムに進んだと言う。

骨皮「よ、陽子しゃん、ただいま到着しました〜…」

陽子「ご、ご苦労様…大丈夫?もうすぐ選手達のバスが来るけど…」

骨皮「えっ、もうですか!?皆、急いで旗とか横断幕とか用意して!」

南葛関係者『お、おう!!』

賀茂「日本から来てくれたのは良いが、ちと危ない目に会わせちまったな」

片桐「サポーターが快適に応援できる環境作りも今後の重要な課題となりますね」

長野「旗よーし!」

岩見「幕よーし!」

小田「メガホンよーし!」

早苗「…うん、これで準備OKね」

130 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/15(木) 21:05:29 ID:Tp/GLA8M
ブロロロロロ…
プシュゥウウン。

森崎「よーし、着いた着いた…うおっ!?」

翼「!!!?!」

ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

一番先にバスのドアから降りた森崎を皮切りに、全日本ユースの選手達全員が応援団の盛大な歓迎を受けた。

長野「来た!森崎だ!うぉーい、久しぶりー!」
岩見「サプライズ計画は成功だな」
小田「うわー、凄いオーラを放ってるなー…」
大川「全日本ユース決勝進出おめでとう!」
小暮「森崎先輩!お久しぶりです!」
山田「もう一度世界一の日本を見せて下さい!」
剛田「アンタならやれる!やっちまえ!」
森崎父「す、すごい立場になっちゃったな有三…」
森崎母「我が息子とは思えない出世ぶりだわ…」

特に数が多く目立つのは南葛の関係者達で、彼らの多くが森崎に群がりながら
“世界を手にする日本の風雲児! 森崎有三”と書かれた横断幕をデカデカと見せつけてきた。

森崎「なんだこりゃ…あ、骨皮!お前の仕業か!」

骨皮「そうですよ!決勝戦になったら皆で駆けつけようって企画していたんです!」

131 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/15(木) 21:07:33 ID:Tp/GLA8M
A 「粋な事するじゃないか。皆、わざわざブラジルまで来てくれて有難うな」
B 「チェッ、照れるだろうが。こんな事されなくても俺は勝つぜ」
C 「皆、帰りは気をつけろよ。日本人はしばらく恨まれる事になるからな!」
D 「よう皆。南葛は今どうなってる?まだ日本一の座を保っているか?」
E 「親父…お袋…そんなにキョロキョロしないでくれよ、恥ずかしい…」

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
            ☆2014/5/15 22:00:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  10  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

132 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/16(金) 23:36:25 ID:9d5PSlbg
>C 「皆、帰りは気をつけろよ。日本人はしばらく恨まれる事になるからな!」

グッ。

予期していなかった応援団の登場に、森崎がサムズアップと共に返した答えは実に彼らしいものだった。

森崎「皆、帰りは気をつけろよ。日本人はしばらく恨まれる事になるからな!」

彼は日本が優勝しブラジル人の恨みを買う事になる、と豪語したのだった。

長野「お〜っ、優勝するから恨みをぶつけられない様にしろって意味か!」

岩見「確かに気性の激しいファンが暴動を起こす可能性もあるな」

小田「ハハハ、森崎らしいや…負けたらどうしようなんて考えないんだな…」

南葛市民「うぉー!」「カッコいいぞ森崎ー!」「きゃー!素敵ー!」

その強気の態度は好意的に受け止められた。
以前森崎とチームメイトだった者達はこの精神力の強さを良く知っており、
それに伴う横暴さももう直接被害を受ける事はない立場になると良い思い出に美化されたのだ。
勿論その横暴さを味わう機会が無いただのファンは単純に頼もしいとしか感じない。

ただ、この気の強さは決して遺伝による物ではないのだろう。

森崎父「お、おいおい、いいのかそんな事言ってしまって…」

森崎母「母さん、暴徒に乱暴されるなんていやよ!?」

133 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/16(金) 23:50:53 ID:9d5PSlbg
ズルッ。

森崎「親父ぃ…お袋ぉ…頼むからもうちょっと堂々としていてくれよ。
俺の親なんだからマスコミが取材に来たりするだろうし…」

森崎父「ひいいっ、言わないでくれっ!こないだなんか会社までどっかの雑誌の
記者が乗り込んできて、お前がいると仕事にならないって叱られたんだ!」

森崎母「近所の奥様達もあなたのサイン寄越せってうるさいのよ!
ブラジルに居るから無理ですって言っただけで恨まれるし!」

森崎「た、頼りねぇ〜…そんなの強気で追っ払えよ!」

小暮「(初めて会ったけど、森崎先輩の親御さんってこんなに気弱だったのか…)」

山田「(息子が日本屈指の有名人だと大変なんだろうなァ)」

剛田「(俺なんかかーちゃんがお前は何時日本代表になるんだい!って煩いのに)」

森崎の父母は一般的なサラリーマンと専業主婦であり、息子が有名になるにつれ周囲から視線が集まる事に大層困っていた。
その小心ぶりは息子とは似ても似つかない有様で、正しく鳶が鷹を産んだケースと言えよう。



城山「お、お〜〜〜い森崎!助けてくれ、助けてくれぇ〜」

森崎「あん?南葛SCの…(名前何だっけ)記者に囲まれてるのか?…ひょっとして俺の親戚に間違えられたのか!?」

ちなみに赤の他人だが森崎と顔が似ているかつての恩師もこの場に居り、はた迷惑な珍事を起こしていたと言う。

134 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/19(月) 22:29:27 ID:bACi0klc
森崎が何処か間が抜けた交流に勤しんでいる頃、すぐ傍ではそれに似ても似つかない程
真剣で、笑いの余地など何処にも入りそうにない光景があった。

バスから降りた直後に翼は見た。

ブンッ、ブンッ!

早苗「翼く〜ん、頑張って〜っ!」

翼「(さな、え、ちゃん…!?)」

小学生時代、南葛小の応援団団長だった頃の様に彼の名前入りの応援旗を振っている中沢早苗の姿を。
お手製の旗はツギハギだらけだった昔に比べると格段に出来が良くなっていたが、
そこに記されたメッセージは昔と同じく“ファイトつばさくん”だった。

西本「翼くん、とうとうここまで来たんだから行けるわよ!」

杉本「世界一になってくださいね〜!」

大空広大「好きこそ物の上手なれ、だ!世界一サッカーが好きだと証明しろ!」

大空奈津美「こらぁ放蕩息子!連絡の一つも寄越さないんだからわざわざ来てやったわよ!」

大空大地「兄タン、がんばれ!」

翼「(父さん…母さん…大地…マネージャー達まで…皆、来てくれたのか?俺の為に?
早苗ちゃんにあんな事をした俺をまだ応援…いや…まさか、知らないのか!?)」

135 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/19(月) 22:31:29 ID:bACi0klc
そして応援にかけつけたのは早苗だけではない。あれ以来気まずさと恐れのあまり連絡を絶っていた彼の家族も
事情を聞いたら激怒していそうな南葛中の関係者達も彼に熱烈な応援を浴びせてきた。
まるで彼が早苗を傷つけ、彼が早苗から逃げだした事など元から無かったかの様に。

早苗「翼くん…夢を叶えて!貴方はサッカーがしたいんでしょう?サッカーが好きなんでしょう?」

翼「!!!」

だがあれは紛れもなくあった出来事で、早苗は間違いなく傷ついていて、それでもここに来てくれたのだ。
それは彼女の足元にあるあの日置き忘れたサッカーボールと、二人しか分からない言葉が証明していた。

翼「(このマラカナン・スタジアムに早苗ちゃんが…)」

翼の脳裏に様々な思いがよぎる。
あんな事をしでかした自分をそれでも応援してくれるのか?
周りに漏らさず自分を守ってくれたのか?

それは果たして何を意味しているのだろう。未だに彼を大事な存在と見なしているのか、
一ファンとして選手を応援しているだけなのか、それとも彼女の人生に区切りをつける為の最後の応援なのか。

無数の感情と思考が駆け巡り…一つの結論にまとまった。

どんな意味でも構わない。応援されているのだから、最高のプレイをし、そして勝つのが今やるべき事。

翼「(………よし!!)」

スッ。

翼は右手を頭の横にかざし敬礼の様なポーズを取った。
それは4年前ブラジルへの旅立ちを早苗に見送られた時取ったポーズだったが、それを知るのも二人だけである。

136 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/20(火) 00:33:50 ID:+qfUtmIU
当然の話だが、日本から応援にかけつけたのは森崎と翼の関係者だけではない。

三杉父「おお淳!なんて立派な姿だ…!」

三杉母「誇らしいわ、淳…!」

三杉「父さん、母さん、来てくれたんだね。有難う。そして…」

弥生「じ、じゅ、淳…(ご主人様の命令とは言え、ご主人様を呼び捨てだなんて…!)」

三杉父「ハハハ、相変わらず初心な子だな。もっとリラックスしていいだろうに」

三杉母「(なんでかしらねえ、この子と淳を見ていると得体の知れない嫌な予感が…)」

三杉「フフッ、今日も有難う弥生。体調と周囲の安全に気を付けて観戦してね
(ちゃんと言いつけを守っているね。ご褒美に僕を呼び捨てしたお仕置きをしてあげよう)」

弥生「(ああああ、ゾクゾクする…!だめ、我慢しないと、後でお仕置きして貰えない…!)」

真田「三杉さん、思う存分やってください!」

本間「俺は何も心配していませんから、お気楽に」

一之瀬「自慢させて下さい、かつてチームメイトだった事を!

三杉「ああ、見ていてくれ。日本がサッカー弱小国だった時代は今日終わる」

三杉は駆けつけてくれた両親、婚約者、そしてかつてのチームメイト達と表面上は暖かく
交流していた。水面下では淫靡で背徳的な意思交換があったのは言わぬが花だろう。

137 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/20(火) 00:37:11 ID:+qfUtmIU
山森「(家族が来てくれたのは嬉しいけど…)」

一方山森は家族が来たのは当然嬉しく、南葛時代のチームメイト達とも
交流していたのだが一つ悲しく思っている事があった。

山森「(杉本…こっちを見向きもしてくれないなあ…)」

かつて彼が交際を申し込んだ南葛のマネージャー、杉本久美は彼から露骨に顔を背けていたのである。

山森「(俺ってそんなに女にモテないのかなあ…)」

山森正吾は温厚な人柄と輝かしい経歴とは裏腹に、同年代の女子からは人気がなかった。
嫌われていた訳ではないのだが、少しでも仲良くなりそうな雰囲気になると遠ざかられるのである。
それが何故か山森は皆目見当はつかず、自分が男として魅力がないのかと判断せざるを得ず落ち込んでいた。

真相は全く逆で、彼と親しい仲になりたい少女は決して少なくなかった。
だが一人の女がそれら全てを影から日向から阻んでいた。

琴音「山森チャチャチャ♪山森チャチャチャ♪」

杉本「(ごめんなさい、山森先輩…私、あの人が怖いんです…)」

今日も山森のユニフォームを着て応援している塩田琴音である。
かれこれ4年彼をストーキングしている彼女のせいで恋人が出来ないのだとは山森は知る由もない。

山森「(あの人毎日応援してくれるなあ…あんまり試合に出ていないのに、申し訳ないな。
あれ位熱心なファンが年下の女の子で居たらなあ…すぐにこっちからお近づきになるんだけど)」

そして山森は年下好みで年上はノーサンキューだと言う事を琴音も知る由もない。

138 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/21(水) 01:04:38 ID:4pV3BPv6
葵「おーっ!父さん母さん姉ちゃん!来てくれたんだな!」

葵は自分の両親と姉が駆けつけてくれた事に感動していた。
かなり無謀な中卒イタリア行きを説得の末容認してくれた理解ある家族との再会は素直に嬉しかった。

葵父「そりゃあもう、お前の一世一代の晴れ舞台だからな!」

葵母「ワールドカップの決勝戦に出られるなんて凄いじゃない!」

ズルッ。

葵「違う違う!これワールドユース!ワールドカップじゃないよ!」

葵父「え…?何が違うんだ?世界大会だろ?」

葵母「サッカーの世界一を決めるんだから、ワールドカップじゃないの?」

葵姉「父さん母さん…スポーツには年齢制限って言う物があってね…」

ただし彼の両親は息子の夢には理解があっても、サッカーの理解は乏しかったらしい。



佐野「次藤さん!」

次藤「佐野!よう来たばい!」

次藤は自分をサッカーに引き込んだ後輩との再会を果たしていた。

139 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/21(水) 01:07:09 ID:4pV3BPv6
佐野「とうとうここまで来ましたね。次藤さんが好きな一番になってくださいよ」

次藤「ガハハ、何ば他人事ばし言っちょるばい。お前もさっさとこん舞台に戻って来るとね!」

佐野「そうですね」

中学生時代は代表入りを果たしながらも、高校生時代は惜しくも代表の選外となってしまった佐野満。
彼が今も諦めず虎視眈々と代表復帰を狙っている姿は次藤に勇気を分け与える物だった。



中山もまた両親から激励されていたが、彼の場合もう二人駆けつけてくれた者達が居た。
かつて彼がサッカーが出来ない体になっていた頃彼を支え、治してくれた医師とその助手である。

中山「先生!看護婦さん!お久しぶりです!」

ツギハギ顔の医師「体調は最早聞くまでもない様だな。精々体を大事にする事だ」

助手の幼女「ちぇんちぇい、こんな事言ってるけろ、中山くんの試合は全部見てゆよのさ」

ツギハギ顔の医師「私がやったのは一般人程度の運動能力の復元だからな。
それを結局本当に日本代表にまで登り詰めたんだ。無茶をされたら気にもなるさ」

中山「それじゃ俺は現役を引退するまで先生を心配させる事になっちゃいますね」

ツギハギ顔の医師「全くだ。だが患者が生きたい人生を送る手助けをするのが医者の仕事だ。
その後何をしてどうなるかは君の人生だから好きにするがいいさ」

中山「はい。あの時の約束通り、出世払いで払える様凄いプロ選手になってみせますよ!」

140 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/21(水) 23:08:22 ID:4pV3BPv6
他にも家族との再会を喜んだ者は多かった。



新田「(親父とお袋、嬉しそうだなあ。何時までもサッカーばっかりやっていて大丈夫なのか?
って二人ともこそこそ話し合っていたもんな…どっかのクラブと契約して、ちゃんと親孝行しないとな)」

新田は自分を支えてくれたものの裏では進学や就職について危惧していた両親が
ホッとしているのを見て本人も安堵していた。気性が穏やかとは決して言えない彼だが
家族仲は良好であり、将来の心配を断ち切った事を誇りに思えたのだ。



滝「(“日本が世界に誇るサイドアタッカー 滝 一”!?おいおい勘弁してくれよ親父、
俺ほとんど試合に出ていないんだから…そんなフレーズで応援されたら恥ずかしくなっちまうよ…)」

滝は自分の父親やその部下たちが大げさなフレーズ入りの横断幕を作ってくれた事を
喜びながらも、それに見合う活躍が出来ていない為に何とも照れくさい思いをしていた。



石崎母「こらァ馬鹿息子!あんたが下手糞だからって皆の足を引っ張ったら承知しないからね!」

石崎「畜生またそれかよ!昔っから同じ事ばっかり言いやがって!もっと素直に応援できないのかよ!」

石崎は銭湯を経営する母親と軽口を叩き合っていた。一見喧嘩している様だが
それは昔から繰り返されているやり取りであり、家族の情が容易に感じ取れる場面だった。


だが誰もが熱烈に応援されていた訳ではない。

141 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/21(水) 23:12:10 ID:4pV3BPv6
沢田「日向さん、若島津さん、頑張ってください〜」

反町「(俺はこんな所で何をやっているんだ…せめて応援するんじゃなくてされる立場だったら…)」

日向と若島津の応援に来たのは沢田と反町だけだった。沢田は素直に応援していたものの
嫌われ者の東邦学園出身の彼に注がれる周りの冷たい視線に怯えており、
反町に到っては正に渋々と旗を振っているだけだった。

そんな二人に若島津は軽く頷くだけであり、日向は一瞥しただけで後は興味を失っていた。
力こそ正義の信条で生きる二人には利用価値がなくなった
かつてのチームメイトには「ああ、来たか」程度の感慨しか持たなかったのである。

日向「お前の家族は来ていないみたいだな、若島津」

若島津「はい。破門された時に塩を撒かれましたからね、来る訳がありませんし来て欲しくないですよ。
日向さんの家族はどうしたんですか?仲は良かったと記憶していますが」

日向「誘拐なんかがあったら面倒だからな。既にスタジアムのVIP室に居るぞ」



尊「母ちゃん、キャビアもうなくなったぞー」

直子「こら勝!そんなにメロンばっかり食べたらお腹壊すわよ!」

勝「ねーちゃんこそフォアグラ独り占めする癖に!」

日向母「全く、この子達ったら贅沢に育ち過ぎて…ごめんなさいね、真紀さん」

赤嶺「は、はあ…(あんただって贅沢じゃない!松茸をお寿司にするなんて見た事も聞いた事もないわよ!
…ってゆーかなんであたしこんな所に呼ばれたの?家族と母校を守るつもりでヤクザの奴隷になりに来たら
めっちゃ高くつきそうな海外旅行で良く分かんない世界大会をVIP席で見せられるって意味わかんないわよ…)」

142 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/22(木) 00:32:04 ID:gugwJp/c
若林「父さん、母さん、兄さん達、ねえや、来てくれて有難う(全く、わざわざご苦労な事だ)」

若林父「息子の晴れ舞台だからな。来ない訳がないだろう(来なかったらゴシップ記者が寄って来るからな)」

若林母「日本代表だなんて凄いわ。お友達もしょっちゅう聞いてくるのよ(補欠なんですってね、ってさりげなくね)」

若林長兄「家の事は気にしないで、思う存分サッカーに集中しろよ(分けてやる会社なんてないからな)」

若林次兄「若いんだからやりたい事をやれ、って奴さ(玉転がしに現を抜かした奴なんて足手纏い以下だ)」

若林家女中「(ぼっちゃま…二十歳前の男の子が、そんな綺麗な作り笑いを浮かべてはいけませんよ…)」

若林は家族と上辺だけの暖かい笑顔と醜い内面に満ちた会話を交わしていた。
地元の名家の三男坊として生まれた彼はあまり家に居ない両親や兄達から財産を
分け与えられる確率が低く、芸術等の他分野で結果を出す事を求められるだけの存在だった。
日本代表の控えGKと言う立場は家族を満足させる物ではなく、
そんな家族に若林自身も冷たい感情しか抱いていない。裕福な家庭にありがちな状況と言えよう。



早田「(誰も来てねえなあ…ま、当然か。親父もお袋サッカーで飯が食えるか!って煩かったもんな。
スカウトの名刺とか見せても信じようとしなかったし、それならそれでいいや)」

早田もまた家族と仲が悪く、誰も来ていなかった。彼の両親は彼の息子がプロサッカー選手を目指すのを
良しとせず、息子が歳を取るにつれもっと安定した職を目指せと繰り返し、その度に早田は頑強に反発していた。
ワールドカップの知名度すら低い日本において、彼の両親の言い分は決して間違った物ではなかった。
あくまで夢を追い続ける早田にとってそれは最早鬱陶しい邪魔に過ぎず、家族が来ていなくても特に悲しんでいなかった。

143 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/22(木) 00:33:27 ID:gugwJp/c
赤井「(やっぱり誰も来ていないか…ひょっとしたらって思ってたけど、家出息子だもんなあ…
しょうがない、プロになるまでは認めてもらえないって覚悟していたんだ。後ちょっとの辛抱だ)」

赤井の事情も似た様な物だったが、彼の場合実際に高校を中退してイタリアに飛び出ると言う極めて無謀な
冒険をしていた。勿論家族がそんな事を了承してくれる訳がなく、僅かなバイト代と共に家出同然に
イタリアに飛んだ赤井は早田以上に家族との亀裂は深刻だった。その分申し訳なく思う気持ちはあり、
現所属クラブのサンプドリアと正式にプロ契約したら頭を下げに一度帰国しようと決意していた。



政夫「おい見ろよ和夫。俺達以外にも家族が来てくれなかった奴らが居るみたいだぜ」

和夫「ホントだ。きっと似た様な事情なんだろうなー」

政夫と和夫もまた応援に来てくれた家族が居ない者の一人だった。
秋田で温泉宿を経営する彼らの両親は息子たちが進学や就職にサッカーをする事に反対していた訳ではなく、
むしろ経済的な余裕のせいで息子たちが何をしていようと気にしない放任主義者達だった。
立花兄弟が何時も一緒に居たのは両親に構って貰えない寂しさを埋める為だったのかも知れない。



井沢「(ああ…うざったい。女共がうざったい。くそっ、あいつらに罵声を浴びせられたらどれだけ気持ちいいか…
ただの八つ当たりだとは分かっていてもやりたいぜ。サッカーの事何も分かっていない癖に応援なんかするなよ…)」

井沢はなんと同年代や後輩の女子のファンクラブが彼をここまで追いかけてきていたが、
彼には全く嬉しくない出来事だった。外見の良さ故に異性からの人気が高い彼だったが
自分の実力や立場や才能に大きく不満を持つ彼は活躍していなくてもチヤホヤしてくる存在は迷惑なだけだった。
出来るのなら大声で罵りたいのに友好的に応じないといけない彼の笑顔は相当固い物だったと言う。

144 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/23(金) 00:08:33 ID:8htbkll+
また熱烈な応援を受けたのにも関わらず、それで胃が痛くなった者達も居た。

美子「岬さまぁ〜ん♪頑張って〜♪」

岬「あ、ありがとう…」

血が半分繋がっているがそれを知らずに熱愛を仕掛けてくる妹が居る岬は
彼女に熱烈に応援されても迷惑千万だった。なにせその妹の周りには気まずそうにしている岬の母とその夫山岡、
何をやっているんだと呆れた顔の父親岬一郎、早く何とかしなさいよと顔に書いてある
フランス時代からのビジネスパートナーの早川あずみ、そして“優し過ぎて女にだらしない”と
言うイメージが強烈に焼き付いている南葛関係者からの苦笑や白い目があったからだ。

岬一郎「(どうするんだ太郎…お前も妹も結婚できる年齢になったんだ。本気でまずいぞ…)」

あずみ「(有名人の近親相姦ネタなんてマスコミに取ってはヨダレが止まらないネタよ!?)」

岬母「(どうしてこうなった!どうしてこうなった!)」

山岡「(もうどうにでもなーれ)」

南葛関係者達「岬まだ二股かけてんのかよ…」「いい奴だけど、そこだけは参ったモンだな」
「岬先輩って最低なんですね…」「ああ見えて実は女好きなのかしら。あまり近寄らない様にしよっと」

岬「(ああ〜〜〜…人望が、人徳が、減っていく〜〜〜…こ、このままじゃ日本サッカー乗っ取り計画が
スキャンダルで瓦解してしまう…し、仕方ない。大会後世間の注目が冷めたタイミングで美子の家に行こう。
父さんと母さんと山岡さんに根回しをして、僕も知らなかったって路線に持ち込もう…
後はマスコミにバレない様美子に大人しくしていてもらう様説得して、別れた事にしよう…
美子がヤケを起こす可能性が怖いけど、それしかない…もうこれ以上人望が減ったら将来が断たれる…)」

岬太郎19歳。彼は今、傍目で見ている以上にドキドキする程大ピンチだった。

145 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/23(金) 00:27:33 ID:8htbkll+
余談だが、岬よりも直接的に不幸な者達も居た。



真弓「ねえねえそこのお兄ちゃん、あたちのスカートの中見てみたくない?」

不幸なブラジル人男性「(な、なんだこの幼女は…この歳でこんな流し目が出来るのか…?ごくり…)」

中里父「真弓〜!みっともないからやめてくれ!」

中里「(他人のフリ他人のフリ心頭滅却心頭滅却…本気ではないにせよ、悪戯にしても見苦しい…)」

中里は幼い少女の姿になっている実の母が通りすがりの男性をからかっているのを見て必死で他人のフリをしていた。



松山「(あ、あれ…ふらのからは誰も来ていない!?藤沢…はまだしも、同じ高校の小田ですら…!?そんな…)」

松山はいくら探しても自分の関係者が誰も見当たらない事で頭を殴られた様なショックを受けていた。



高杉「(親父…お袋…すまない…俺は日本代表って言っても、ちっとも自慢できる立場じゃないんだよ…)」

高杉は両親の応援を受けたが故に不甲斐ない自分の立場を思い出し、申し訳ない気持ちで一杯だった。



来生「(暑っ苦しいなココ。ん、試合に出られないのかな。おーい、出してくださいよ…ねぇ)」

来生は来生だった。

146 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/23(金) 22:09:24 ID:8htbkll+
陽子「骨皮くん…この企画、半分失敗だったんじゃない…?」

骨皮「そ、そんな気がしてきました…(特に岬先輩どうするんだよあれ。
実の妹絡みのスキャンダルなんて起きたら日本サッカー全体がイメージダウンだぞ…)」

陽子「選手達のサポートって色々難しいわねえ…あ、そろそろ会場に移動させて!」

骨皮「はっはい!みなさーん、そろそろ時間ですのでスタジアムに入りましょう!
団体席を確保してありますので、僕の先導に従ってくださーい!」

選手達の激励も終わり、いよいよ刻一刻と試合時間が近づいてくる。



〜マラカナン・スタジアム〜

放送「ご来場の皆様、いよいよ世紀の一戦の日がやってきました!
一方は見事国民の、そして世界中の期待に応え圧倒的な強さで決勝戦に上がってきた我らがブラジルユース!
この新しい世代の星達がワールドカップのトロフィーから遠ざかって久しい我々に
世界一強いブラジルをもう一度見せてくれる事を是非とも期待したい所です!

しかしそんな彼らの前に立ちはだかる強敵が居ます。皆さんご存知、彗星の如く現れたサッカー新興国の日本!
経済と技術の大国としては知られていても、サッカーに関しては弱小国でしかなかった筈の日本は
この世代によって劇的に生まれ変わりました!サッカーの歴史上例を探すのが難しい程急速に強くなった
この国の若者たちは破竹の勢いの快進撃をどこまでも続け、とうとう世界の頂点に立とうとしています!

当たり前の話ですが、どちらも譲れない栄光と野望と未来をかけた決勝戦となります!
大変待ち遠しい思いを重ねていらっしゃるでしょうが、まずはセレモニーを前菜としてお待ち下さい」

ウワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!

147 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/23(金) 22:28:47 ID:8htbkll+
今か今かと試合開始を待つ者達の熱気でスタジアムが何度も何度も揺れる。



シュナイダー「…観客の立場と言うのはつまらない物だな」
カルツ「全くぜよ。ああ羨ましい」
ミューラー「フン…」

ヘルナンデス「どちらが勝つと思う?」
ストラット「分からないな…」
アルシオン「勝敗の関係無しに見る価値がある試合だ」
ジェンティーレ「しっかり見て未来の糧にするぞ」

クライフォート「ビデオの用意はいいか?」
クリスマン「バッチリだ」
イスラス「一瞬たりとも見逃すつもりはない」

火野「あ〜あ、俺が見捨てた日本がこんな所まで来やがって」
ビクトリーノ「弱いってのは罪深いもんだな」

ディアス「悔しさを蓄えてバネにしてやるぜ。今に見てろよ…」

ピエール「今は雌伏の時なんだ。耐えてみせるぞ」
ナポレオン「クソ真面目だなあ、つくづく」



決勝の舞台を目指しながらも途中で力尽きたライバル達も当然観戦に来ている。

148 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/23(金) 22:30:15 ID:8htbkll+
.


〜全日本ユース控室〜

見上「最早言う事は何もない。行け。そして勝て!」

全日本メンバー『はい!!!』

森崎「(よ〜し、いっちょ世界一になってくるか!)」




〜ブラジルユース控室〜

ロベルト「さあ、ブラジルは世界一かつ最強でなくてはならないと言う事の意味を知って来い!」

ブラジルメンバー『はい!!!』

コインブラ「(最強…世界一…そんな物の為に何故ここまで…)」



キックオフまで後15分。




149 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/27(火) 22:53:14 ID:elK+pu+E
〜マラカナン・スタジアム〜

ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!

放送「いよいよ選手達が入場してきました!この世代の頂点を争う22人の登場です!
まずはアウェイチームの全日本ユースのスターティングメンバーから紹介していきましょう。
FWに日向くんと葵くん、MFに翼くん、岬くん、三杉くん、松山くん、中山くん。
DFに早田くん、中里くん、次藤くん。そしてGKの森崎くんがキャプテンです。
この11人が全日本ユースのベストメンバーとして3−5−2のフォーメーションで戦います」

見上「(日向は普段通りFWとして載せてある。序盤のしばらくはブラジルの意表をつけるだろう)」

カルロス「(ほぼ予想通りだな。変わった所はナカヤマをMFとして使っている所位か)」

放送「日向くんは今大会累積9ゴールで得点王ランキングに4位につけている大物ストライカーです。
恵まれた身体能力から繰り出されるシュートは強力の一言で、多くのGKを涙と失点の渦に沈めてきました。
彼を前線で自由にプレイさせない事がこの試合におけるブラジルユースの最重要課題と言えます」

日向「(ブラジルが俺のポジショニングに対応できない最初の数分が重要になるな)」

放送「葵くんはイタリアのセリエAの名門、インテルとプロ契約を結んだばかりの選手です。
優れた運動量とスピーディで小刻みなドリブルが持ち味で、本来はMFですが全日本ユースでは
FWとして使われる事も多い選手です。今日の彼の働き次第ではブラジル守備陣は大いに悩まされるでしょう」

葵「イエーイ!張り切っていくぞー!」

放送「翼くんに関しては最早説明が居るのでしょうか?あまりにも華々し過ぎるユース時代、
一転して没落したプロ時代、そしてサイクロンを引っ提げて復活した今大会と知名度は最早天井知らず!
ロベルト監督との師弟対決と言う点でも注目されている彼は今日の主役の一人と見なされています」

翼「(今日程恥ずかしいプレイが出来ない日はない。俺の全身全霊を注ぎ込む!)」

150 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/27(火) 22:55:32 ID:elK+pu+E
放送「岬くんは一時期フランスに滞在していたヨーロピアンスタイルのMFです。
サンタマリアくんと同じくブーメランパスとブーメランシュートを武器にする為
パサーと言う地味な役割ながら派手で目立つ技の使い手で、間違いなく中盤の要です」

岬「(今日はアレを狙ってみるかな…幸い向こうにはダーティディフェンスの使い手が居るし)」

放送「三杉くんは生まれつきの心臓病に苦しまされながらもそれを手術で乗り越えた経歴がある
異色のスポーツマンです。華麗なテクニックと綿密な戦術眼、そして冷静沈着なメンタルに定評があり
攻守両面に置いて味方にすれば頼もしく、敵に回せば恐ろしいタイプの選手です」

三杉「(相手にとって不足なし。ブラジルを破って栄光へのキップを手に入れる)」

放送「松山くんはコンスタントに日本のボランチとして活躍する縁の下の力持ちです。
派手な大技こそないものの献身さが溢れる堅実なプレイで多くの場面で活躍してきました。
松山くんと言う攻守のつなぎ役をどうやって攻略するかがブラジル攻撃陣の課題となります」

松山「(よし、やるぞ!北海道男児の根性を見せてやる!)」

放送「中山くんはJrユース時代は全くの無名ながら今大会のアジア予選から急激に頭角を
表してきた凄腕DFです。日本の守りの要として各国のエース達に対抗してきた彼はシュート以外の全てが
脅威の万能型選手。彼に手を焼かされるとブラジルの勝利が危うくなるのは間違いないでしょう」

中山「(世界大会の決勝戦でこんな豪華なアナウンスをされるなんてな…だが、ここで満足はしない!)」

放送「早田くんは日本の選手の内早くから有名になった者の一人です。鋭いタックルは天下一品!
数々のドリブラーを苦しめるに飽き足らず、ボールを奪った後は強烈なカーブをかけたパスで
反撃の起点となる職人スタイルは今日我らがブラジルの名ドリブラー達の意地と技術を試してくるでしょう」

早田「(サッカーの天下を取って、日本サッカーの黄金時代を点火させたる!…う〜ん、もう一捻りかな)」

151 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/27(火) 22:56:36 ID:elK+pu+E
放送「中里くんは忍者サイドバックの異名の通り、凄く脚が速い攻撃的なDFです。
FWやMFも舌を巻く程の突破力やキープ力を誇り、隙あらば中盤のパスワーク合戦に乱入してくる
侮れない選手です。彼の突然のオーバーラップによる失点パターンだけは何として避けたい所です」

中里「(やっと中の里の懐も暖まってきたナリ。今なら里の温泉で遊んでも…ヌフフ)」

放送「次藤くんは日本人離れした体躯を活かした正統派なパワータイプのDFです。
強力なブロッカーは第二のGKと言える、との格言を証明するかの如く何度もシュートを防ぎ
日本の失点数を減らしてきた実績があります。まず彼を何とかしなくてはブラジルの得点は難しいでしょう」

次藤「(ごつい奴に勝つ。これ以上楽しか事は何処ば探しても見つかんなか)」

放送「そしてラストを飾るのはご存じ、キャプテンであり正GKの森崎くんです!
その超人的な瞬発力を活かしたセービング、非常識なフィールダー適正、奇想天外な戦術の数々と
話題性があり過ぎる時代の風雲児は今日もまさかの日本の優勝を成し遂げてしまうのでしょうか?
ムラがある選手としても有名なので、今日は不調な日だと期待せずには居られない所です!」

森崎「(フン、すぐに思い知るぜ。俺は大舞台になる程強いってな!)」

放送「以上、全日本ユースのスターティングイレブンでした。次は勿論ブラジルユースの紹介です!」

賀茂「くそーっ、丁寧に一人一人解説してもらいやがって!羨ましくて堪んねえぜ!」

片桐「気持ちは分かりますが抑えてください。もう我々は引退して久しいんですよ」

陽子「(サッカー選手って引退したら大抵現役時代を惜しんでいるわね。有三もそうなるのかしら?)」

152 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/29(木) 23:07:01 ID:NVOlWAUE
〜マラカナン・スタジアム〜

ウォオオオオオオオオオオオァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!

放送「続いてホームチームのブラジルユースのスターティンgヌメンバーの紹介です!
FWにキャプテンのカルロスくんとザガロくん、MFにサンタマリアくん、トニーニョくん、ネイくん、マウリシオくん。
DFにディウセウくん、アマラウくん、ドトールくん、ジェトーリオくん。そしてGKにゲルティスくんです。
ドイツ戦と同じくベストメンバーで4−4−2を組み、世界を制覇しに行きます!」

ロベルト「(コインブラが使えたらな〜…本当はマウリシオと代えたいんだけど…)」

森崎「(ゲルティス以外はどいつもこいつもリオカップで見て来た連中だな。またひねってやるぜ)」

放送「ゲルティスくんはイタリアはセリエAの名門中の名門、ACミラン所属のGKです!
早い内から海外修行を繰り返し、いくつものチームを傭兵の如く渡り歩き磨き上げたそのセービングは天下一品!
キーパーマシンの異名通り冷静沈着ながら幻想的な美しささえある彼のプレイを今日も魅せて欲しい!」

観客「キャー、ゲルティスー!」「こっち向いてー!」「今日は失点するんじゃないぞー!」

ゲルティス「(フィジカルコンディション…良好。ドイツ戦の影響…軽微)」

放送「ジェトーリオくんはフラメンゴ所属のDFですが、MFやFW顔負けの攻撃力を持つ
器用な選手です。無論本業のディフェンスもおろそかにする事はなく、巧みにボールを奪うのが大得意!
敵チームに嫌がらせをするのが自分の仕事と満面の笑顔で言える彼が今日何をするのか楽しみです!」

観客「ジェトーリオー、ヘマすんなよー!」「困らせるのは日本だからな!間違えるなよ!」

ジェトーリオ「やあファンの皆!今日も正々堂々とスポーツマンシップに則って戦うよ〜♪」

153 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/29(木) 23:08:27 ID:NVOlWAUE
放送「ドトールくんはサンパウロDFコンビの片割れで、鋭いタックルと低い浮き球への
強さで有名な選手です。彼のタックルは数多のストライカーのシュートを未然に防ぎ、
ブラジルのピンチを堅実に減らしてきました。今日もその冷静沈着な仕事ぶりを期待したい!」

観客「ドトール!今日も頼むぞ!」「縁の下の力持ちが居るからこそ攻撃に集中できるんだ!」

ドトール「(その通り、俺は主役じゃない。だが主役には出来ない事が出来る)」

放送「アマラウくんはサンパウロDFコンビのもう一人で、高い球へ抜群の強さを誇る
いわゆる跳ね返し屋です。地上戦が駄目ならばと空中戦を挑んできた相手を絶望の淵に跳ね返す
その勇姿にはファンも多い!居るだけで相手のパワープレイを予防してくれる有り難さです」

観客「大空はお前の物だ!」「コンドルの異名は伊達じゃないぜ!」「今日もカッコ良く飛んでーっ!」

アマラウ「(応援は有り難いけど、日本はロングボール戦法してこないんだよな。さて、どうしよう)」

放送「ディウセウくんはサントス所属のDFです!以前はFWだった事もあり、攻撃参加をしても
強力ですが今や本職の守備では正に獅子奮迅の働きをしてくれます!特にそのブロックが
ブラジルの盾として頼もしく、快男児と言うに相応しい人格と共にブラジルに欠かせない人材です!」

観客「ディウセウーッ!今日も頼むぞー!」「今日の相手にシュナイダーは居ない!気楽にやれ!」

ディウセウ「おう!皆応援ありがとな!よーし、いっちょやってみっかー!」

放送「マウリシオくんはサンパウロのMFで、年下ながらブラジルユースのスタメンを
獲得した逸材です!年齢がどうしたと言わんばかりに華麗な技を駆使する彼ですが当然
周りの先輩たちよりも伸びしろがあります。最終的にはどれ程頼もしくなるのでしょうか?」

観客「マウリシオ!マウリシオ!マウリシオ!」「今日はツバサを超えてみせろ!お前なら出来る!」

マウリシオ「(ツバサ越えはちょっとキツいかな〜。ま、やるだけやってみるけどね)」

154 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/29(木) 23:09:46 ID:NVOlWAUE
放送「ネイくんはご存知パルメイラス黄金コンビの一人であり、ブラジル自慢のファンタジスタでもあります!
数多のテクニックと豊富なスピードを兼ね揃えた華麗なドリブル突破は勿論、トニーニョくんの
コンビプレイが攻守に渡って冴えわたる彼はブラジルユースでも一、二を争う程のスター選手と言えるでしょう!」

観客「キャーーーーーーーネイーーーーーー!!」「私を貴方のファンタジーに連れてってーーー!!」

ネイ「やあやあカワイコちゃん達!今日は俺のカッコ良さで心臓麻痺を起さない様注意してくれよ♪」

放送「トニーニョくんは勿論パルメイラス黄金コンビのもう一人ですが、もう一人と言う言い方で
オマケ扱いされる存在では断じてありません!攻守両面に置いて幅広い活躍が安定して見込める為
ネイくんより高い評価を得る事も珍しくない!主役と裏方両方をこなせる貴重かつ重要な選手です!」

観客「トニーニョー!俺達がついているぞー!」「心配するな!優勝すればお前だってモテモテだ!」

トニーニョ「(…どうも俺は勝手にモテない事、及びそれを僻んでいる事にされている気が…)」

放送「サンタマリアくんはフラメンゴ所属のMF、そしてブラジルユースの司令塔です!
カルロスくんと言う巨大な個を位負けする事なく使いこなしてきたその貫録は伊達ではなく、
個性溢れるブラジルユースのタレントを見事に使いこなす手腕は今日も注目所です!」

観客「いよっ、司令塔!」「ブラジルが戦えるのは黒子役のお前のお蔭だ!」「自力で活躍したって良いんだぜ?」

サンタマリア「(全日本ユースの表情…何か気にかかるな…何を企んでいる?)」

放送「ザガロくんはサントス所属のパワーストライカーであり、今大会でも既に7ゴールを上げています!
何かと強引で荒っぽいプレイスタイルが目立つ選手ですが、テクニックもきちんと備えており
彼を力任せの単純な選手と侮って後悔した者は数知れず。敵に回すと恐ろしく、味方にすれば頼もしいタイプです!」

観客「今日はカードくらうんじゃないぞザガロー!」「決勝戦で退場なんてカッコ悪すぎるぞー!」

ザガロ「(うるせえ、観客如きが分かった様な事を言うんじゃねえ。黙って見ていろ)」

155 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/29(木) 23:12:26 ID:NVOlWAUE
放送「そしてラストは勿論この人、フラメンゴ所属にしてブラジルユースキャプテンのカルロス・サンターナ!
世界の頂点に立ちブラジルの黄金時代を復活させて欲しいと言う期待に応えんと
今大会既に10ゴールを上げ、得点王範囲内に居ると言う前評判通りの活躍をしています!
彼が優勝カップを天高く掲げるシーンをブラジル人全てが今か今かと待ち望んでいるのです!」

観客「ワーーーーーーッ!!カルロス!カルロス!カルロス!」「お前が得点王でMVPだ!」
「世界一のブラジルを見せてくれ!頼むぞ!」「俺達がついているぞ!今日は喉が枯れるまで応援するからな!」

カルロス「(そう、今日俺は世界一になる。モリサキにも、コインブラにも、もう俺は負けない)」

放送「以上、両チームの選手紹介を終えました。キックオフまで後僅か!」

賀茂「流石にホームチームなだけあって応援も段違いだなー」

片桐「審判さえ公平ならファンがいくら騒いでいたって構いませんよ」

陽子「今日の審判は確かイギリス人でしたっけ?なら大丈夫そうですね」



そして、遂にコイントスの時間がやってきた。
両チームのキャプテンがセンターサークルに集まり、言葉を交わしあう。
森崎を見るカルロスの目は熱い闘志に満ちた物だった。

カルロス「久しぶりだな、モリサキ」

森崎「ま、リオカップ以来だな」

カルロス「そうだ…俺は勝負事に恨みは持ち込まない。だがリベンジは果たさせてもらう」

156 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/29(木) 23:17:05 ID:NVOlWAUE
A 「おい、矛盾してるじゃないか。復讐したいのに恨みがないだって?」
B 「リオカップでパッとしない成績しか出せなかった事か?」
C 「ん?俺お前に何かしたか?別に馬鹿にした覚えも無いんだが」
D 「そりゃこっちのセリフだ。ドイツの仇を取らせてもらうぜ」
E 「リベンジ?そいつは無理だな。お前が俺の踏み台になるんだ」
F 「そうはいかん。こっちだって日本サッカーの未来を背負っているんだ」

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
            ☆2014/5/30 00:00:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

157 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/30(金) 00:56:54 ID:o85ZCaSg
>D 「そりゃこっちのセリフだ。ドイツの仇を取らせてもらうぜ」

森崎「そりゃこっちのセリフだ。ドイツの仇を取らせてもらうぜ」

森崎がこう答えるとカルロスは聊か驚いた顔になった。

カルロス「意外だな。お前は自分の復讐はしても、誰かの敵討ちはしないタイプだと思っていたよ」

森崎「あいにく、ドイツとは再戦を誓っていたんでな。お前らのせいで
引き分けたままスッキリしない状態が長く続いちまう。だからだよ」

カルロス「そうか…だがそれもさせはしない。明日からはドイツとの決着に加え、
俺達ブラジルへの借りを返す事に必死になってもらうぞ、モリサキ」

森崎「なんだ、随分入れ込んでるじゃないか。リオカップで負けたのがそんなに悔しかったのか?」

カルロス「そうだ。俺だけじゃない。優勝したサンパウロの選手達も、お前のパルメイラスのチームメイト達も、
そして他の全員も…皆日本に負ける訳にはいかない。リオカップでの主役は間違いなくお前とツバサだった…」

森崎「………」

だが驚いたのもつかの間で、カルロスは再び白熱の闘志を込めた瞳と声で続けた。
そこまで接点がなかったと思いきや、人知れず逆襲の決意に満ちていたその迫力に日頃から饒舌な森崎も押し黙る。
良く見てみればブラジルユースの選手達全員が決勝戦だから、と言う理由だけでは説明がつかない程
闘気を漂わせておりカルロスの言葉通り全員がリベンジに燃えている様だった。

カルロス「あの頃から俺達の戦いは始まっていた。そして今日勝たない限り俺達の負けは清算されない。
世間的にも歴史的にも俺達が格上とみなされているだろう。だが…今日は俺達こそがチャレンジャーだ」

森崎「…おもしれえ。優等生くんタイプにしちゃ吠えるじゃないか。出来るもんならやってみな!」

158 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/30(金) 00:58:39 ID:o85ZCaSg
【分岐】http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
 !card と書き込むとランダムでトランプの絵柄が出るので、(!は半角)書き込んでみて下さい。
(ageでもsageでも構いませんが、★も含めて一回の判定の全文をコピペされてない場合は無効です)

先着(順番通りじゃない書き込みは無効)で
★決勝戦キックオフ!→(!dice + !dice)=★
と書き込んで下さい。ダイスの結果で分岐します。

奇数→全日本ユースのキックオフ。
偶数→ブラジルユースのキックオフ。

159 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/30(金) 23:56:39 ID:o85ZCaSg

初音「読者の皆さんこんばんは!本編での登場はこれが最後になるかも知れない作者の分身、塩田初音です。
とうとう、とうとうここまで来ちゃったわねー。ラスボスバトルのブラジル戦!
思えば2006年に1さんの跡を継いでからブラジルユースとの試合を夢想はしていたけれど、
本当にここまで来れたのは感無量だわ。中学生編完結できるかな〜とかJrユース編で
終わらせておいた方がいいかな〜とか思っていた頃が懐かしい…けど、懐かしむのは後々!
それはエンディングまで取っておくとして、今は目の前の試合を楽しみましょう!

ブラジルユースについては最早多くを語る必要はないでしょう。ゲルティスくんとコインブラくんを除けば
全員リオカップで戦っているし、ブラジル対ドイツを主にこれまで散々描写してきたんだから
今更その強さを強調する必要はないわよね?なので早速フォーメーションを紹介しましょう!

−−@−− @ゲルティス
−BCD− Bドトール Cアマラウ Dディウセウ
−−−−A Aジェトーリオ
−−−I− Iサンタマリア
−G−−− Gトニーニョ
F−−−E Fネイ Eマウリシオ
−H−−− Hカルロス
−−−J− Jザガロ
ブラジルユース 4−4−2

全日本ユース 4−5−1
−−−−− 
−−J−− J葵
−−−−−
G−I−F G三杉 I翼 F岬
−E−D− E中山 D松山
B−H−A B早田 H日向 A中里
−−C−− C次藤
−−@−− @森崎

160 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/30(金) 23:58:33 ID:o85ZCaSg
初音「テクモ版のブラジルはカルロスくんコインブラくんゲルティスくんを除くと他の8人は見かけ倒しで
実は大した事ないって印象だけど、キャプ森ではその8人も位負けしない位パワーアップしているわよ!
ハッキリ言って他のどのチームでも即スタメンが確約されるスター選手しかいない、ラスボスじゃないと
絶対やっちゃいけない様な反則チームね…正直、強くし過ぎたんじゃないか心配な位だわ。

まあ何回かゲームオーバーになるかも知れないけど、ちゃんとクリア出来る難易度にはなっている筈よ。
ラスボス戦だから負けたらリセットなので、最強の敵との豪華な試合を心行くまでお楽しみください。

それでは、例によって試合開始前の自チームガッツと感情値リストです」



900/900 葵
900/900 翼 なおりかけ
900/900 日向
700/700 三杉
850/850 岬
750/750 中山
850/850 松山
800/800 次藤
800/800 早田
750/750 中里
835/835 森崎

900/900 若林
850/850 山森
800/800 政夫、和夫、若島津
750/750 新田
700/700 井沢、石崎、赤井
650/650 滝、高杉
600/600 来生

161 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/31(土) 00:01:03 ID:nGwW5Glg
-------------------------------------------
☆現在のキャプテン候補に対する各選手感情値☆
名前 || 森崎 || 大空 || 若林 || 日向
−− ++ −− ++ −− ++ −− ++ −−
政夫 || − 2 || + 4 || + 1 || − 2
和夫 || − 2 || + 4 || + 1 || − 2
新田 || − 4 || + 2 || + 1 || + 1
来生 || − 2 || + 3 || + 5 || − 1
  滝 || + 5 || + 2 || + 5 || − 1
  岬 || + 3 || + 5 || + 2 || + 3
三杉 || + 5 || + 2 || + 2 || + 1
松山 || + 1 || + 5 || + 2 || ± 0
山森 || + 5 || + 4 || + 2 || ± 0
井沢 || + 2 || − 1 || + 5 || − 1
  葵 || + 4 || + 5 || + 2 || + 1
次藤 || + 5 || + 4 || + 3 || + 2
早田 || + 5 || + 5 || + 3 || + 1
中里 || + 5 || + 3 || + 1 || + 3
石崎 || − 3 || + 5 || + 3 || ± 0
高杉 || − 4 || + 4 || + 5 || − 1
赤井 || + 4 || + 3 || + 1 || + 1
中山 || + 5 || + 4 || + 3 || ± 0
若島 || + 1 || + 1 || + 2 || + 5
−− ++ −− ++ −− ++ −− ++ −−
総合 || 3 3 || 6 4 || 4 9 ||  1 0
-------------------------------------------
−5〜+5まであります。+5で全面的支持、−5で明確な敵意と言う状態です。



初音「さあ、泣いても笑ってもこれが最後の戦い。10年以上続いたキャプ森のグランドフィナーレへようこそ!」


162 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/31(土) 00:02:32 ID:nGwW5Glg
★決勝戦キックオフ!→( 3 + 1 )=4★

偶数→ブラジルユースのキックオフ。
-----------------------------------------------------------------
放送「コイントスの結果、キックオフの権利は我らがブラジルが得ました!
ここはいきなり速攻か、それともまずは静かな立ち上がりを目指すのか?
ブラジルはどちらも出来ますが、当然日本もその2択だけで虚を突ける程甘くはない。
まずはどんな攻め方をしていくのか、緊張の渦が高まるなか…」

ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイ!

放送「世紀の一戦のホイッスルが今、吹かれましたァアアアア!!」

サンタマリア「(やはり何か違和感が拭えないが、正体が分からん以上何時までも気にしていられない。
萎縮するよりもマイボールの場合想定していた先制攻撃で切り込むべきだ。行け!)」

放送「まずはカルロスくんがキックオフし、サンタマリアくんがトニーニョくんに流し…おおおっと!?」

トニーニョ「行くぞ全日本ユース!」

ネイ「挨拶代りだ!取っておきな!」

パンッ!ダダッ!パンッ!ダダッ!

三杉「速攻か!中山!」

中山「分かっている!」

放送「トニーニョくんとネイくんのゴールデンコンビ!ブラジルが選択したのは速攻だーーーっ!!」

163 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/31(土) 00:04:26 ID:nGwW5Glg
【分岐】http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
 !card と書き込むとランダムでトランプの絵柄が出るので、(!は半角)書き込んでみて下さい。
(ageでもsageでも構いませんが、★も含めて一回の判定の全文をコピペされてない場合は無効です)

先着(順番通りじゃない書き込みは無効)で
★トニーニョ ゴールデンコンビ (!card) 77+(!dice + !dice)=★
★ネイ ゴールデンコンビ (!card) 77+(!dice + !dice)=★
★三杉 パスカット (!card) 75+(!dice + !dice)+(人数補正+1)=★
★中山 パスカット (!card) 74+(!dice + !dice)+(人数補正+1)=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→トニーニョとネイ、突破成功。
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(カルロスがフォロー)(早田がフォロー)(翼がフォロー)
≦−2→全日本ボールに。

>>5-7に載っているルール以外の補足・補正・備考】
ネイ:「スキル・ファンタジスタ(2D6が2の場合12扱い、3の場合11扱い)」所持
三杉:ダイヤかハートで「サイレントカット(+2)」
中山:クラブ以外で「クィックダッシュカット(+2)」

164 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/31(土) 16:37:10 ID:+ToMFMH+
★トニーニョ ゴールデンコンビ ( ダイヤQ ) 77+( 5 + 3 )=85★
★ネイ ゴールデンコンビ ( クラブJ ) 77+( 5 + 1 )=83★
★三杉 パスカット ( ダイヤ7 ) 75+( 1 + 5 )+(人数補正+1)+(サイレントカット+2)=84★
★中山 パスカット ( ダイヤK ) 74+( 1 + 6 )+(人数補正+1)+(クィックダッシュカット+2)=84★

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】=1→ボールはこぼれ球に。そしてカルロスがフォロー。
-----------------------------------------------------------------
高速の連続ワンツーを繰り出すトニーニョとネイ。
それに打ち合わせ通り立ち向かう三杉と中山。
四人とも動きを止める事なく一瞬だけ眼光をぶつけ、二対二の読み合い勝負が始まった。

パンッ!ダダッ!

トニーニョの堅実さとネイの創造性が互いを補い合い美しくも効果的なパスワークを編み。

ススッ…シュタタッ!

三杉が動きを読ませない事に集中し、中山がタイミングを見計らって走り出し。

放送「高速で選手とボールが動く!この行方は…行方は!」

バチチイッ!
ポーーン!

三杉・中山「「くっ!!」」
トニーニョ・ネイ「「なにィ!」」

ほんの短時間だが濃厚な攻防の後、ボールは三杉と中山両方の足に軽く触れこぼれ飛んで行った。
それが日本ゴールへの方向で、カルロスの足元近くへ飛んだ為ブラジル側の辛勝と見るべきかも知れない。

ただし、直後にブラジルは度肝を抜かれる事になる。

165 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/31(土) 16:38:42 ID:+ToMFMH+
放送「行方は…こぼれ玉だァ!だがそれは前方のカルロスくんの下へ行った!
突破そのものは阻まれたもののボールは前に運べた分まずはブラジルが押し込んだ!」

観客「よっしゃーいけーカルロス!」「油断するな!すぐにマーカーが来るぞ!」

サンタマリア「!!?」

最初に気付いたのはサンタマリアだった。

早田「(早速か!上手くやれよ、日向!)おらーサッカーサイボーグ!その首とボール貰ったァ!」

日向「(そうだ、派手に注意を引け)」

カルロス「(ソーダか。こいつさえ抜けばシュートに持ち込める)」

サンタマリア「(なんだ!?何故ヒューガがあんな所に居る!奴が試合開始直後にこんな後ろに!?)
カルロス!ソーダだけじゃない!ヒューガも8時の方向から来ているぞ!」

カルロス「…なんだと!?」

放送「カルロスくん早田くんと勝負に…ああああ〜っと!?こ、ここで日向くんも来ている!?」

日向「フフフ、今更気付いても遅い…!」

166 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/31(土) 16:40:24 ID:+ToMFMH+
【分岐】http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
 !card と書き込むとランダムでトランプの絵柄が出るので、(!は半角)書き込んでみて下さい。
(ageでもsageでも構いませんが、★も含めて一回の判定の全文をコピペされてない場合は無効です)

先着(順番通りじゃない書き込みは無効)で
★カルロス ドリブル (!card) 76+(!dice + !dice)=★
★早田 タックル (!card) 75+(!dice + !dice)+(人数補正+1)=★
★日向 タックル (!card) 75+(!dice + !dice)+(人数補正+1)=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→カルロス、ドリブル突破。
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(ザガロがフォロー)(松山がフォロー)(中里がフォロー)
≦−2→全日本ボールに。

>>5-7に載っているルール以外の補足・補正・備考】
カルロス:クラブ以外で「分身ドリブル(+4)」
早田:ダイヤかハートで「カミソリタックル(+2)」
日向:クラブ以外で「タイガータックル(+3&吹飛係数2)」

167 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/01(日) 07:13:47 ID:f1jHEwps
★カルロス ドリブル ( ハートA ) 76+( 6 + 6 )+(分身ドリブル+4)=92★
★早田 タックル ( ハート10 ) 75+( 1 + 2 )+(人数補正+1)+(カミソリタックル+2)=81★
★日向 タックル ( ダイヤA ) 75+( 6 + 6 )+(人数補正+1)+(タイガータックル+3)=91★

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】=1→ボールはこぼれ球に。そしてザガロがフォロー。
-----------------------------------------------------------------
普段は滅多に守備参加しない筈の日向がこんな序盤から最終ラインに居る。
この異常事態にサンタマリアはいち早く気付き、カルロスにそれを指摘した。

そしてカルロスの反応速度は素晴らしいの一言だった。

シュバババババァッ!!

早田「んなっ!?(か、カスりもしねえだと!?)」

得意技の分身ドリブルを最速で繰り出し、どんな辛口の評論家ですら唸りだす程
見事な動きを見せ、早田を一瞬にして置き去りにしたのだから。

だが日向もまたベストの動きが出来ていた。

日向「くらえええええええっ!」

ズシャァアアアアアアアアッ!!

カルロス「………っ!!」

バチィッ!

日向「チッ!」

カルロス「くっ!」

168 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/01(日) 07:15:15 ID:f1jHEwps
*日向のタックルは既に成長限界に達しているので、これ以上成長しません。



不意打ちで放たれた気力満タンのタイガータックルは最高のドリブルをしたカルロスからをも
ボールをこぼさせるのに足る物だった。日向自身は満足しなかったが、客観的に言って大ファインプレイである。

放送「カルロスくん分身ドリブル!しかし…ダメだーっ、振り切れないっ!
まさかの日向くんのタックルをかわしきれずボールをこぼされてしまったァ!」

観客「なにィ!?カルロスが!」「なんでヒューガがあんな所に居るんだよ!」「こぼれ玉は!?」

サンタマリア「(くっ…あれでもかわしきれないとは、ヒューガのタックルは予想以上に危険だ。
だがどういう事だ?奴は余程チームが追い詰められていない限りディフェンスには回らなかった筈…)」

森崎「(こぼれ玉かよ。どうせなら吹っ飛ばすくらいしろよな〜。んで、ボールは…)」

バシッ!

ザガロ「くそがっ、何やってやがる!」

松山「中里!」

中里「ニン!」

森崎「(ザガロか。今度こそ奪えるかな)」

放送「このこぼれ玉はザガロくんがフォロー!しかしすぐに松山くんと中里くんにはさまれている!」

169 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/01(日) 07:17:39 ID:f1jHEwps
【分岐】http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
 !card と書き込むとランダムでトランプの絵柄が出るので、(!は半角)書き込んでみて下さい。
(ageでもsageでも構いませんが、★も含めて一回の判定の全文をコピペされてない場合は無効です)

先着(順番通りじゃない書き込みは無効)で
★ザガロ ドリブル (!card) 74+(!dice + !dice)=★
★松山 タックル (!card) 74+(!dice + !dice)+(人数補正+1)=★
★中里 タックル (!card) 72+(!dice + !dice)+(人数補正+1)=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→ザガロ、ドリブル突破。
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(サンタマリアがフォロー)(次藤がフォロー)(岬がフォロー)
≦−2→全日本ボールに。

>>5-7に載っているルール以外の補足・補正・備考】
ザガロ:ダイヤで「華麗なドリブル(+3)」、ハートかスペードで「強引なドリブル(+2&吹飛係数2)」
松山:クラブ以外で「鉄砲水タックル(+3&吹飛係数4)」
中里:ダイヤかハートで「疾風迅雷脚(+2)」

170 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/01(日) 13:18:33 ID:f1jHEwps
★ザガロ ドリブル ( ハート10 ) 74+( 4 + 1 )+(強引なドリブル+2)=81★
★松山 タックル ( クラブ10 ) 74+( 1 + 3 )+(人数補正+1)=79★ *吹っ飛び&負傷発生!*
★中里 タックル ( スペード4 ) 72+( 4 + 5 )+(人数補正+1)=82★

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】=−1→ボールはこぼれ球に。そして岬がフォロー。
-----------------------------------------------------------------
全日本ユースの見込み通り、日向のディフェンスはブラジルにとって完全に予想外だった。
だが今度は彼らにも予想外、より正確には予定外の事が起きた。

ザガロ「ええい、どけっ!」

ダカダカダカッ!
ドガアッ!!

松山「ぐ、わあーーっ!?があっ!」

ドサッ!グキッ!

中里「(むっ、あの倒れ方と悲鳴…!?くっ、今は構っておられぬ!)」

シュタタッ!
バチッ!

ザガロ「くっ!この野郎!」

森崎「(あん?まさか松山、こんなに早くケガかよ!?)」

放送「ダメだ、抜けない!ザガロくんもボールをこぼされ…これは岬くんがフォロー!
ブラジルのキックオフからの先制攻撃は結局シュートまで持っていけませんでした!」

ザガロのドリブルもこぼれ玉にし、見事ブラジルの先制攻撃を遮断したはいいが
松山が吹っ飛ばされた際に足をくじくと言うアクシデントが発生したのだ。

171 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/01(日) 13:20:46 ID:f1jHEwps
岬「(松山…!)」

松山「(くっ、俺の事は構うな岬!大丈夫、決勝戦なんだから軽い怪我位覚悟の上だ!)」

岬「(って考えているんだろうな…監督、準備だけしておいてください!)」

見上「むっ?あのサイン…いきなり負傷か!ドクター、治療の準備を!」

ドクター「はい!」

こぼれ玉をフォローした岬は松山とアイコンタクトをかわし、折角マイボールにしたのに
自分のせいでブラジルに再攻撃を許したくないと言うその意図を正確に察し、
試合を止める事をせずベンチに向けてサインを送るだけに留めた。

岬「(さて、今日のテーマは遅攻だ。今すぐ攻撃が出来るのは僕と翼くんと葵の3人。
三杉くんも位置的には比較的前に居るけれど、わざわざ逆サイドに戻す理由は少なくとも今はない。
それを踏まえて…いや、もう一つ判断材料があるな)」

ジェトーリオ「(あの〜、ヒューガが随分遠いんですけど…僕、どーすりゃいいの?)」

サンタマリア「(ヒューガがすぐに上がってくる訳でもない…なんだ?まるでDFの動きじゃないか)」

岬「(小次郎の動きに戸惑っているね。まずはそれを利用して時間を稼がせてもらおう)」

タッタッタッ…

放送「さあ日本の反撃ですが…岬くん、ややゆっくりしたドリブルでサイドを上がる?
速攻に速攻で返す気はない様です。そうこうしているうちにマウリシオくんがついた!」

マウリシオ「何やってんだ?やる気ないのかいアンタ」

岬「そうでもないよ。序盤から飛ばすつもりはないだけさ」

172 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/01(日) 13:22:13 ID:f1jHEwps
【分岐】http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
 !card と書き込むとランダムでトランプの絵柄が出るので、(!は半角)書き込んでみて下さい。
(ageでもsageでも構いませんが、★も含めて一回の判定の全文をコピペされてない場合は無効です)

先着(順番通りじゃない書き込みは無効)で
★岬 ドリブル (!card) 74+(!dice + !dice)=★
★マウリシオ タックル (!card) 72+(!dice + !dice)=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→岬、ボールキープ成功。
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(葵がフォロー)(翼がフォロー)(サンタマリアがフォロー)
≦−2→ブラジルボールに。

>>5-7に載っているルール以外の補足・補正・備考】
岬:ダイヤで「華麗なドリブル(+3)」

173 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/02(月) 22:38:34 ID:Zwgu3efw
★岬 ドリブル ( スペードK ) 74+( 6 + 1 )=81★
★マウリシオ タックル ( スペード2 ) 72+( 3 + 6 )=81★

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】=0→ボールはこぼれ球に。そして翼がフォロー。
-----------------------------------------------------------------
マウリシオ「あいにくこっちはガンガン行きたいんだよ!オラオラ!」

ガッガッ!

岬「くっ…!(流石にブラジル代表となると、ディフェンスが下手な相手なんていないな…)」

バチッ!
ポーン…

翼「おっとっと」

放送「マウリシオくんボールを弾いた!しかしこぼれ球は翼くんがフォロー。日本の攻撃が続きます」

森崎「なーんかさっきからこぼれ球ばっかりでグダグダになりつつあるな…」

A 「まあこのままでいいだろ。遅攻の連発が目的なんだし」特に何もしない。
B 「おい岬!マウリシオはブラジル守備の穴だぞ、しっかりしろ!」発破をかけつつ挑発。
C 「翼、ブラジルの事は知り尽くしてるだろ!ヘマするんじゃねえぞ!」翼の活躍を促す。
D 「コラァ日向何やってやがる!FWだろうが、さっさと前線に行け!」芝居を打つ。
E 他人の事よりも超モリサキモードだ!

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
            ☆2014/6/3 00:00:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

174 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/03(火) 22:16:01 ID:erkXOmMI
>B 「おい岬!マウリシオはブラジル守備の穴だぞ、しっかりしろ!」発破をかけつつ挑発。

森崎は不甲斐ない岬に喝を入れつつマウリシオを怒らせようとした。

岬「ごめん!ちょっと読み違えた、修正するよ!」

岬はそれに対して特に気分を害する事もなく(例え害してもそれを表に出すかは別として)
素直に己の非を認めた。逆にチームの和を重んじる上岬に好意と敬意を惜しまない松山が
しかめっ面を作っていた程だが、彼自身たった今負傷した負い目から口をへの字に結ぶだけに留まった。

全日本ユース内ではとりたてて何の効果も起こさなかった森崎のセリフだったが、
一方ブラジルユースの方はどうだったかと言うと…
-----------------------------------------------------------------
【分岐】http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
 !card と書き込むとランダムでトランプの絵柄が出るので、(!は半角)書き込んでみて下さい。
(ageでもsageでも構いませんが、★も含めて一回の判定の全文をコピペされてない場合は無効です)

先着(順番通りじゃない書き込みは無効)で
★ブラジルの反応→(!card)★
と書き込んで下さい。カードの結果で分岐します。

JOKER→マウリシオ「穴だって!?この黄金の肉体を見てもそれが言えるか?」ただいま大変お見苦しい映像が以下略。
ダイヤ→マウリシオ「くっ、落ち着け、あんな安い挑発にうぉおおおおおお!!」いきり立った!
ハート→マウリシオ「くっ、落ち着け、あんな安い挑発に乗るんじゃない…!」我慢した。
スペード→マウリシオ「へっ、そんな安い挑発に引っかかる俺じゃないッスよ」冷静だった。
クラブ→カルロス「(んっ…?ヒューガのおかしな動きに誰も文句を言っていないぞ!)」作戦が見切られた!

175 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/03(火) 23:10:49 ID:erkXOmMI
★ブラジルの反応→( スペード4 )★

スペード→マウリシオ「へっ、そんな安い挑発に引っかかる俺じゃないッスよ」冷静だった。
-----------------------------------------------------------------
マウリシオ「へっ、そんな安い挑発に引っかかる俺じゃないッスよ。
アンタの口の悪さは有名だし、ツバサからも散々聞いているからね!」

森崎「むっ…生意気な」

翼「(お前が毎回そんな事やってるから悪名高くなったんだろ…)」

マウリシオは森崎の挑発癖を熟知しており、それを鼻で笑う程度の余裕があった。
折角の挑発が何の効果も無かった事に森崎は顔をしかめ、サンタマリアは胸を撫で下ろす。

サンタマリア「(ふぅ、これ以上不確定要素が増えなくて良かった。
しかしヒューガは未だにあまり上がっていないな…まるでDFとして出場している様だ)」

ジェトーリオ「(サンタマリア!どーすんのさ!早く答えてよ!)」

サンタマリア「(おっといかん…当面の脅威はツバサだ。二人で近寄るぞ)」

ジェトーリオ「(ラジャー!)」

ダダダッ!

翼「(二人…ジェトーリオは流石に避けたいな。葵の位置は…よし、パスが出せる!)」

グワアアッ!

放送「すかさずプレスをかけるブラジル!翼くんは…足を振りかぶった!」

176 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/03(火) 23:12:56 ID:erkXOmMI
【分岐】http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
 !card と書き込むとランダムでトランプの絵柄が出るので、(!は半角)書き込んでみて下さい。
(ageでもsageでも構いませんが、★も含めて一回の判定の全文をコピペされてない場合は無効です)

先着(順番通りじゃない書き込みは無効)で
★翼 パス (!card) 74+(!dice + !dice)=★
★サンタマリア パスカット (!card) 72+(!dice + !dice)+(人数補正+1)=★
★ジェトーリオ パスカット (!card) 72+(!dice + !dice)+(人数補正+1)=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→葵、パスキャッチ。
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(三杉がフォロー)(中盤での奪い合いに)(トニーニョがフォロー)
≦−2→ブラジルボールに。

>>5-7に載っているルール以外の補足・補正・備考】
翼:「スキル・ファンタジスタ(2D6が2の場合12扱い、3の場合11扱い)」所持

177 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/05(木) 00:58:27 ID:ioWEKHHw
★翼 パス ( クラブ9 ) 74+( 5 + 6 )=85★
★サンタマリア パスカット ( スペードJ ) 72+( 5 + 4 )+(人数補正+1)=82★
★ジェトーリオ パスカット ( ダイヤ3 ) 72+( 2 + 3 )+(人数補正+1)=78★

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】≧2→葵、パスキャッチ。
-----------------------------------------------------------------
シュンッ!

サンタマリア「くっ!」

ジェトーリオ「ありゃ」

放送「翼くんの鋭いパス!サンタマリアくんもジェトーリオくんも届かない!
このパスは無事最前線の葵くんに渡りました。日向くんがまだ上がり切っていない今、葵くんが孤立状態です」



*翼のパスは既に成長限界に達しているので、フラグは立ちません。



葵「ナイスパス翼さん!(さーて、ディフェンスラインの位置は、っと)」

ドトール「………」

アマラウ「………」

ディウセウ「………」

葵「(うーん、ドトールを先頭に結構前に来てるな。アマラウがすぐフォローできそうだし…じりじり上がるしかないか)」

178 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/05(木) 00:59:52 ID:ioWEKHHw
タタタタ…

放送「葵くん、緩やかにドリブル。流石にワントップの状態で単独突撃はしない様です」

ゲルティス「DFライン微速後退。ネイとトニーニョの援護を待て」

ディウセウ・アマラウ・ドトール『おう!!』

葵「(あーうん、そりゃーその内挟み撃ち受けるよなあ…日向さんは大分上がってきているけど、
まだシュートレンジじゃないな。翼さんは…サンタマリアがついてるから俺のパスじゃ厳しいな。
となると、ちょっとキツいけどジェトーリオやドトールよりはマシだと思って…)」

ダダダダッ!

ネイ「おーいチビ助!何時までのんびりやってるんだい?」

トニーニョ「早々味方を待たせてはやらんぞ」

葵「この二人の相手をするっきゃないか!」

放送「しかしこっちのサイドにはパルメイラスコンビが居る!得意の連携でボールを奪えるか?」

179 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/05(木) 01:01:08 ID:ioWEKHHw
【分岐】http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
 !card と書き込むとランダムでトランプの絵柄が出るので、(!は半角)書き込んでみて下さい。
(ageでもsageでも構いませんが、★も含めて一回の判定の全文をコピペされてない場合は無効です)

先着(順番通りじゃない書き込みは無効)で
★葵 ドリブル (!card) 74+(!dice + !dice)=★
★ネイ タックル (!card) 73+(!dice + !dice)+(人数補正+1)=★
★トニーニョ タックル (!card) 73+(!dice + !dice)+(人数補正+1)=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→葵、ボールキープ成功。
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(三杉がフォロー)(中盤での奪い合いに)(サンタマリアがフォロー)
≦−2→ブラジルボールに。

>>5-7に載っているルール以外の補足・補正・備考】
葵:ダイヤで「全方位フェイント(+5)」、ハートで「竜巻直角フェイント(+4)」
  スペードで「直角フェイント(+3)」、クラブで「富士山大爆発(+2)」
ネイ:ダイヤかハートで「ツインタックル(+3)」、
  「スキル・ファンタジスタ(2D6が2の場合12扱い、3の場合11扱い)」所持
トニーニョ:ダイヤかハートで「ツインタックル(+3)」

180 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/05(木) 22:21:26 ID:ioWEKHHw
★葵 ドリブル ( ダイヤ3 ) 74+( 6 + 1 )+(全方位フェイント+5)=86★
★ネイ タックル ( ダイヤJ ) 73+( 3 + 1 )+(人数補正+1)+(ツインタックル+3)=81★
★トニーニョ タックル ( ハート10 ) 73+( 4 + 4 )+(人数補正+1)+(ツインタックル+3)=85★

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】=1→ボールはこぼれ球に。そして三杉がフォロー。
-----------------------------------------------------------------
葵「そりゃ!60度ターン!40度ターンとみせかけて220度ターン!」

シュバッ!
カクッ!
ヒュヒュッ!

ネイ「(うお、何でこんな事してて膝と腰がイカれないんだこいつ?)」

放送「おお〜っと、ここで葵くん得意の小刻みなフェイントの連発!
大抵の選手は想像も出来ない程色んな方向への急停止と急発進の繰り返しです!」

葵「お次は120度ターン…」

トニーニョ「(確かに厄介だ…だがネイの存在のお蔭である程度読み易くなる)ここだっ!」

ズザザーッ!
バチッ!

葵「うわぁ!?」

三杉「大丈夫だ葵、それだけ稼げれば十分だ」

181 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/05(木) 22:22:56 ID:ioWEKHHw
スタタタッ!
パシッ!

葵「あっ三杉さん!」

ネイ「あっこの野郎!美味しい所を!」

放送「あっとここでトニーニョくんがこぼした…は良いがそれを真っ先にフォローしたのは三杉くん!
そのまま左サイドをガンガン上がり、左コーナーからの攻撃を狙いに行きます!」

観客「おい、まずいぞ!」「このままじゃキックオフしたのに先にシュートされちまうぞ!」

ゲルティス「…ドトール、止めに行け。アマラウ、翼につけ。ディウセウは待機だ」

ドトール「おう」

ダダダッ!

三杉「(いいぞ、ブラジルはまだ日向の動きに対処できていない。ここで上手く注意をひきつけられれば…!)」

放送「自由にはさせないとドトールくんが迎撃に向かう!ピンチを未然に防げるか?」

182 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/05(木) 22:24:37 ID:ioWEKHHw
【分岐】http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
 !card と書き込むとランダムでトランプの絵柄が出るので、(!は半角)書き込んでみて下さい。
(ageでもsageでも構いませんが、★も含めて一回の判定の全文をコピペされてない場合は無効です)

先着(順番通りじゃない書き込みは無効)で
★三杉 ドリブル (!card) 75+(!dice + !dice)=★
★ドトール タックル (!card) 75+(!dice + !dice)=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→三杉、ドリブル突破。PA内に侵入!
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(翼がフォロー)(日本のCKに)(日本のスローインに)
≦−2→ブラジルボールに。

>>5-7に載っているルール以外の補足・補正・備考】
三杉:ダイヤで「華麗なドリブル(+3)」、ハートで「やや華麗なドリブル(+2)」
ドトール:ダイヤかハートで「コブラタックル(+2)」

183 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/06(金) 00:01:54 ID:riqpRHDA
★三杉 ドリブル ( ダイヤ4 ) 75+( 6 + 2 )+(華麗なドリブル+3)=86★
★ドトール タックル ( ダイヤ7 ) 75+( 3 + 1 )+(コブラタックル+2)=81★

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】≧2→三杉、ドリブル突破。PA内に侵入!
-----------------------------------------------------------------
ブラジルサイドから見て右のコーナー付近で対峙する三杉とドトールの二人。
この時駆け引きで有利に立ったのは三杉であり、それが彼の活躍に繋がった。

ドトール「(まずはにらみ合いで怯ませて…)」

三杉「さて、決勝戦だしそろそろ本気を出させてもらうかな!」

ドトール「!?」

ドトールは冷静に対処しようとしたが、三杉は逆に高らかに自分の能力を自慢した。

バババッ!
シュンッ!

こうなると新技を警戒してしまうのが敵対する人間の心理だが、
三杉が繰り出したのは従来通りの華麗なドリブルだった。

放送「ダメだ!ドトールくんあっさりと抜かれてしまった!
三杉くんPA内に到達!このまま自力でドリブルゴールを狙うのでしょうか?」

184 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/06(金) 00:03:31 ID:riqpRHDA
アマラウ「(本気だと!?)」

ディウセウ「(新技か?)」

ゲルティス「(ミスギが一対一を挑んでくる確率…35%)」

しかも三杉がPA内に切り込んだ為に新技とはブラフではと思わせず、
ドリブルではなく近距離シュートの事では?と言う疑惑がブラジルに生まれた。

そしてそれが一瞬だけ判断の遅れを作った。

サンタマリア「(まずい!ミスギが一対一を狙ってくる様になると危険だ!
ただでさえアオイにツバサにヒューガにと危険な奴らが…ん?…ヒューガ?)」

ブラジルユースは一瞬だけ忘れた。おかしな動き方をしていた日向の事を。

サンタマリア「…っ!ジェトーリオ!ヒューガにつけ!今すぐ!」

ジェトーリオ「えっ、何!?って、えええっ!?」

日向「やっと気づいたか!だが!」

三杉「もう遅いよっ!」

バコッ!

185 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/06(金) 00:05:26 ID:riqpRHDA
放送「おっと、三杉くんここでPAの外にバックパス…?ああああっ!?
日向くんが何時の間にかヴァイタルエリア左側に上がってきていたーーーっ!!」

日向がリベロの如くオーバーラップしてきた時、彼へのマークは一瞬だけ遅れた。
それが全日本ユースの先制シュートに繋がった。

森崎「よーし、ひっかかりやがった!」

カルロス「くっ!そういう事だったのか!」

日向「走れ稲妻!カナリアの群れを焼き殺せ!うぉおおおおおおおおおおおおお!!」

グワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!

ディウセウ「やべっ!アマラウ、サポート頼む!」

アマラウ「くそっ!いきなり入れさせて堪るか!」

ゲルティス「(ライトニングタイガー!ディウセウが威力を弱める確率、25%…!)」

ブワッギュォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!

186 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/06(金) 00:07:03 ID:riqpRHDA
【分岐】http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
 !card と書き込むとランダムでトランプの絵柄が出るので、(!は半角)書き込んでみて下さい。
(ageでもsageでも構いませんが、★も含めて一回の判定の全文をコピペされてない場合は無効です)

先着(順番通りじゃない書き込みは無効)で
★日向 ライトニングタイガー (!card) 86+(!dice + !dice)=★
★ディウセウ ブロック (!card) 75+(!dice + !dice)+(人数補正+1)=★
★アマラウ ブロック (!card) 74+(!dice + !dice)+(人数補正+1)=★
★ゲルティス ダークイリュージョン (!card) 85+(!dice + !dice)=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

【シューター】−MAX【ブロッカー】
≧5→シュートは邪魔される事無く放たれた!GKとの勝負へ。
=4〜2→シュートは放たれた。しかしこの数値差の人数分威力が落ちてGKとの勝負へ。
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(翼がねじこみに)(日本の右CKに)(ジェトーリオがフォロー)
≦−2→ブラジルボールに。

【シューター】−【キーパー】
≧2→日向のライトニングタイガーがブラジルゴールを突き破る!
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(翼がねじこみに)(日本の右CKに)(サンタマリアがフォロー)
≦−2→ゲルティス、キャッチ成功。

>>5-7に載っているルール以外の補足・補正・備考】
日向:「ライトニングタイガー」に吹飛係数1
ディウセウ:ダイヤで「ギガントブロック(+8&250消費)」、ハートで「ソウルブロック(+8&250消費)」、
      スペードで「顔面ブロック(+6&150消費)」
アマラウ:ダイヤで「ダイビングブロック(+4&100消費)」

187 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/07(土) 07:29:39 ID:xi4SjpNw
★日向 ライトニングタイガー ( ダイヤQ ) 86+( 5 + 2 )=93★
★ディウセウ ブロック ( クラブ5 ) 75+( 4 + 1 )+(人数補正+1)=81★ *吹っ飛び*
★アマラウ ブロック ( ダイヤA ) 74+( 3 + 5 )+(人数補正+1)+(ダイビングブロック+4)=87★ *吹っ飛び*

【シューター】−MAX【ブロッカー】≧5→シュートは邪魔される事無く放たれた!GKとの勝負へ。

★日向 ライトニングタイガー ( ダイヤQ ) 86+( 5 + 2 )=93★
★ゲルティス ダークイリュージョン ( ダイヤ9 ) 85+( 3 + 1 )=89★ *吹っ飛び*

【シューター】−【キーパー】≧2→日向のライトニングタイガーがブラジルゴールを突き破る!
-----------------------------------------------------------------
全日本ユースの最初のシュートはそのまま最初のゴールになった。

キュゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!
ドガガドガガッ!!

ディウセウ「うぇあっ!!」
アマラウ「ぐふぁあっ!!」

ブラジルユース全体が物の見事に不意をつかれたのを象徴するかの如くディウセウもアマラウも何も出来ず。

バッ!
ドゴォオオッ!!

ゲルティス「(阻止不可!阻止不可…)ガァアアアアアッ!!」

最後の砦のゲルティスも反応が遅れそのまま勢いに負ける羽目になった。

バリィイイイイイイッ!
ガゴンッ!
ポトッ…

188 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/07(土) 07:31:33 ID:xi4SjpNw
ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!



日本 1−0 ブラジル



大会得点ランキング(表記はメインキャラのみ):
12ゴール シュナイダー
11ゴール ストラット
10ゴール 日向、カルロス
8ゴール ディアス
7ゴール ザガロ
5ゴール カペロマン、火野、ビクトリーノ
4ゴール ポブルセン、翼、森崎、ランピオン、カマーチョ
3ゴール ナポレオン、ピエール、チャンドラー、ロリマー、ミハエル、サトルステギ
2ゴール トニーニョ、マーガス、李邦内、李邦坤、アルシオン、イスラス、レンセンブリンク、三杉
1ゴール ルーク、肖、岬、山森、フライハイト、ネイ、ロペス、ガルシア、クライフォート、
     カイザー、マッハー、クリスマン、政夫、ディウセウ、マウリシオ

大会アシストランキング(表記はメインキャラのみ):
7アシスト アルシオン
5アシスト サンタマリア
4アシスト 岬
3アシスト カルツ、カルロス、マーガス、翼、ダ・シルバ、ネイ、チャンドラー、火野、パスカル、ランピオン、
2アシスト フライハイト、カペロマン、バンビーノ、ピエール、王、森崎、トニーニョ
1アシスト 三杉、カルツ、メッツァ、テイラー、飛、山森、早田、ビクトリーノ、エスパダス、クリスマン、イスラス、
      シェスター、バビントン、クライフォート、カイザー、和夫、ジェトーリオ

189 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/07(土) 07:32:43 ID:xi4SjpNw
*日向が攻防共に大活躍して先制ゴールを決めた事で支持率が2上がりました。
*森崎の作戦である事を見上と井出は知っている為、森崎の支持率も1上がりました。

日向チーム内支持率:48→50
森崎チーム内支持率:75→76



放送「き…き、決まったァ!ゴォオオオオオオオオオオオオオオオオ〜〜〜〜〜〜〜〜ルゥウ!!!
前半10分、最初にシュートを撃ったのはブラジルではなく日本!しかも最初の一本がいきなり決まった!
日向くんが今大会10ゴール目をライトニングタイガーで豪快に奪取!ゴールネットはおろか
その裏の広告ボードまで凹ませてしまう彼らしい先制点を決め、早くも日本にリードをもたらしました!」

ギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

観客「なんだとー!?また先制されやがって!」「コラ!何やってんだ、ドイツ戦の反省はしなかったのか!」
「お前ら相手にリードさせないと本気出せないのか!?」「ワールドユース決勝戦なんだからパフォーマンスするなよ!」
「そもそもなんでヒューガをケアしていないんだ!」「ディウセウ!ゲルティス!あれ位止めろよ!」

日本応援団「よっしゃー!先制点だ!」「日本チャチャチャ♪日本チャチャチャ♪」

沢田「流石日向さん!凄いです!」

反町「(素直に日向を応援しているのってタケシ以外いないな…)」

琴音「うえ〜ん、今日も山森くん出ていない〜…どうして〜?」

赤嶺「(あ、あいつがゴール決めたんだ…ってネット破れてるー!?金属の広告ボードにクレーターがー!?
………あたしもああなっちゃうのかなー。せめて一思いにやって欲しいけど、きっとそうはしてくれないよねー…)」

前半10分と言う早い時間帯での日本の鮮やか過ぎる先制ゴールをブラジル側は嘆き悲しみ日本側は喜んだ。
彼らの多くは今のゴールがどうやって生み出されたか、どうしてここまで上手く行ったかは分かっていない。

190 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/07(土) 07:34:04 ID:xi4SjpNw
無論、分かる者達は当然分かる。



シュナイダー「ふむ…ヒューガが変な位置取りをしていたのはこういう訳か」
カルツ「物の見事に一瞬の隙を突いたなァ」

アルシオン「一回限りのハッタリだが、それが成功したのは大きいな」
ジェンティーレ「フン、ブラジル相手に1点だけで安心できる訳がない」

クライフォート「何気に三杉も何か言って注目を引いていたな。そういう作戦か」

ピエール「良い作戦だったが対処法はいくつもある。ここからは早々効果的にはならないだろう」

ディアス「へっ、面白くなってきやがったぜ」



スタンドで観戦していたライバル達は分かっていたし、当事者のブラジルユースの選手達も理解した。



サンタマリア「…やられた!」

ドトール「アマラウ!ディウセウ!ゲルティス!大丈夫か!」

アマラウ「いてて…大丈夫、ケガはしてないぞ」

ディウセウ「あいったー、やられちまったぁ…あ、オラも平気平気」

ゲルティス「確認終了。負傷なしだ」

191 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/07(土) 07:35:51 ID:xi4SjpNw
カルロス「ならばいい…が、流石にこんなに見事に先制されると悔しいな」

日向のDF起用と言う今までに一度も見せなかった作戦はこれ以上ない程成功した。
猛者揃いのブラジルユースと言えど裏をかかれ、大きな代償を支払わされては歯噛みせずには居られない。

三杉「ナイスゴール、日向。今日は早い段階で入ったね」

日向「ククッ、それで皮肉のつもりか?キレが悪いぞ三杉」

翼「何と言うか、予想通りの光景だね」

葵「あ、あはは…いいんじゃないでしょうか。喜んでいるみたいだし」

早田「日向と三杉の場合はあれでいいんだろ。あいつら相性いいし」

次藤「毒舌と暴君だとお互いに気ば使わんと済むっちゃん」

岬「松山、大丈夫かい?一度治療に出た方がいいよ」

中山「ああ、やっぱりさっき怪我していたのか…」

松山「…すまん。すぐに戻って来る!」

中里「しばらくは10人か。致し方あるまい」

全日本ユースは実力を認められつつも人望がない日向のゴールの為、また松山が怪我を
していた為和気藹々とは行かなかったもののブラジルより明るいムードになっていたのは言うまでもない。

192 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/07(土) 07:37:31 ID:xi4SjpNw
森崎「よし、作戦大成功だ。流石俺。リード出来た分だいぶ楽になるぜ。
だけどドイツ戦を見た限りじゃこれだけでブラジルがビビる訳もないな…」

A 「油断するな!ブラジルはリードされただけじゃビクともしないぞ!」無難に呼びかける。
B 「ブラジル恐るるに足らずだ!もっとガンガン点を狙って行けえ!」追加点を狙いに行く。
C 「ここからはペースダウンするぞ!しばらくは守りを重視しろ!」守備重視に切り替える。
D 「やーいブラジルどうした!こんな手に簡単にひっかかりやがって!」ブラジルを挑発する。
E 今は口を挟むよりも超モリサキモードだ!

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
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193 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/10(火) 22:07:38 ID:SlNUu12E
>C 「ここからはペースダウンするぞ!しばらくは守りを重視しろ!」守備重視に切り替える。

森崎はここで追加点を狙うのではなく一時的に守りを固める事を指示した。

翼「うん、松山も負傷しているしね。10人で攻めに転じるメリットはない」

岬「逆にブラジルは猛反撃を仕掛ける以外の選択肢はないしね」

三杉「しばらくは相手の攻撃をしのぎ、相手のストレスを増やすとしようか」

その指示に反する者は居なかった。一番反発しやすい日向が点を取った直後だった為である。
全日本ユースの選手達はお互いのマークとポジショニングを調整しながら自陣に散らばっていった。



サンタマリア「くそーっ!!」

ガッ!

ネイ「お、おい落ち着けよ…」

ジェトーリオ「あ、いーのいーの。これ、頭を冷やしてるだけだから」

ネイ「はあ?」

サンタマリア「…フゥ」

ブラジル側ではサンタマリアが苛立ちを込めて叫び地面を利き足で強く踏んでいた。
彼らしくない無制御な感情の爆発に宥めようとするチームメイトも出たが、
これはサンタマリアにとって落ち着く為の行動であり、事実それだけで彼は息を吐き気を静めた。

194 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/10(火) 22:10:02 ID:SlNUu12E
トニーニョ「気は済んだか?」

サンタマリア「ああ。良い作戦だった。物の見事にかく乱された。日本に敬意を表し学ばせてもらおう」

ザガロ「何を敵を褒めていやがるんだ。テメーの役目は対抗策を考える事だろうが!」

ディウセウ「おおっ、ザガロが建設的っぽい事を…」

マウリシオ「で、結局どうするの一体?」

カルロス「大丈夫だ。タネがバレてしまえば対策はいくつもある。そうだろう?サンタマリア」

サンタマリア「勿論だ。耳を貸してくれ、まずは…」

観客がブーイングを徐々に収めていく最中、ブラジルユースの作戦会議は進んでいく。
ゴール後に発生する僅かな時間を利用し彼らは冷静さを回復し戦い方を調節した。
ドイツ相手に2点差を引っくり返した実績もあるが故にたった1点で彼らが揺るぐ筈もなかった。



ピィイイイッ!

放送「試合開始から僅か10分後に二度目のキックオフを行う羽目になったブラジルユース!
しかしここは気を落とさずに責めて欲しい所。日本は松山くんが負傷の治療で抜けており
数分間の間MFを一人欠いて戦わねばなりません!このチャンスに同点に追いつけるか?」

松山「(くそっ、こんな序盤でチームに迷惑をかけてしまうなんて…!)」

放送「まずはカルロスくんがボールを持ち…ドリブル開始!」

カルロス「(ヒューガはもう後ろに下がっている。ならばこちらも前に進むのみだ!)」

195 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/10(火) 22:17:56 ID:SlNUu12E
翼「中央突破はさせない!」

中山「松山が抜けたからって甘く見るなよ!」
-----------------------------------------------------------------
【分岐】http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
 !card と書き込むとランダムでトランプの絵柄が出るので、(!は半角)書き込んでみて下さい。
(ageでもsageでも構いませんが、★も含めて一回の判定の全文をコピペされてない場合は無効です)

先着(順番通りじゃない書き込みは無効)で
★カルロス ドリブル (!card) 76+(!dice + !dice)=★
★翼 タックル (!card) 73+(!dice + !dice)+(人数補正+1)=★
★中山 タックル (!card) 74+(!dice + !dice)+(人数補正+1)=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→カルロス、ドリブル突破。
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(ザガロがフォロー)(ネイがフォロー)(岬がフォロー)
≦−2→全日本ボールに。

>>5-7に載っているルール以外の補足・補正・備考】
カルロス:クラブ以外で「分身ドリブル(+4)」
翼:ダイヤかハートで「クリップタックル(+3)」、
    「スキル・ファンタジスタ(2D6が2の場合12扱い、3の場合11扱い)」所持
中山:クラブ以外で「バーニングタックル(+3&吹飛係数2)」

196 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/12(木) 00:17:35 ID:vQSRbTXE
★カルロス ドリブル ( ダイヤ6 ) 76+( 6 + 3 )+(分身ドリブル+4)=89★
★翼 タックル ( ダイヤ5 ) 73+( 2 + 2 )+(人数補正+1)+(クリップタックル+3)=81★
★中山 タックル ( ダイヤ3 ) 74+( 4 + 6 )+(人数補正+1)+(バーニングタックル+3)=88★

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】=1→ボールはこぼれ球に。そしてザガロがフォロー。
-----------------------------------------------------------------
ブワゥウウウウン…!
スッ!

翼「くっ!」

カルロス「(まず一人…だがツバサの守備はそこまでではない。問題は…)」

中山「(速くて上手い!だが…これ以上のドリブルを俺は知っているんだ!)侵し掠める事火の如く!」

ズザザァアアアーッ!!

カルロス「(くっ、予想以上に速い…!駄目だ、かわしきれん!)」

バチッ!
ポコーン!

中山「(ええい、かすっただけか!)」

放送「カルロスくん抜…けないっ!かろうじて中山くんにボールに触れられ、前に蹴り出さされてしまった!
しかしこの前に飛んだボールはザガロくんがキープ…そしてそのザガロくんに日向くんが近寄る!」

日向「(ん、あのザガロとか言う奴の視線…?)」

ザガロ「(対策その1、ヒューガとはカルロスとネイ以外勝負するな…だったな)」

197 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/12(木) 00:18:47 ID:vQSRbTXE
グワアッ…
バコーン!

日向「(やっぱりな。パスで逃げやがった。まあ賢明だと褒めてやろう)」

放送「ザガロくん切り込まない!右サイドのネイくんに渡した!今日は何故か実質的に
DFの動きをしている日向くんが居る以上、中央突破の繰り返しは不味いと判断したのか?」

ネイ「よしっ…おーいそこのカミソリとか言う奴!勝負しようぜ!」

早田「良い度胸じゃねえか!俺の名声の糧にしてやるぜ!」

ダダダッ!
ダダダッ!

放送「おっと、右サイドでネイくんと早田くんの鍔迫り合いが始まりました!」

トニーニョ「(ソーダ一人なら大丈夫だろうが、一応フォローの準備はしておくか)」

日向「(いくらパスで逃げようが結局何処かで勝負しないといけない以上俺からは逃げられんぞ)」

198 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/12(木) 00:20:06 ID:vQSRbTXE
【分岐】http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
 !card と書き込むとランダムでトランプの絵柄が出るので、(!は半角)書き込んでみて下さい。
(ageでもsageでも構いませんが、★も含めて一回の判定の全文をコピペされてない場合は無効です)

先着(順番通りじゃない書き込みは無効)で
★ネイ ドリブル (!card) 75+(!dice + !dice)=★
★早田 タックル (!card) 75+(!dice + !dice)=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→ネイ、ボールキープ成功。
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(トニーニョがフォロー)(サイドラインを割る)(日向がフォロー)
≦−2→全日本ボールに。

>>5-7に載っているルール以外の補足・補正・備考】
ネイ:クラブ以外で「消えるフェイント(+4)」、
   「スキル・ファンタジスタ(2D6が2の場合12扱い、3の場合11扱い)」所持
早田:ダイヤかハートで「カミソリタックル(+2)」

199 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/12(木) 22:25:01 ID:vQSRbTXE
★ネイ ドリブル ( ハート4 ) 75+( 3 + 2 )+(消えるフェイント+4)=84★
★早田 タックル ( クラブ2 ) 75+( 2 + 1 )=78★

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】≧2→ネイ、ボールキープ成功。
-----------------------------------------------------------------
ネイ「ほら、よっとっと!」

クルッ!

早田「く、くそっ!」

ネイ「ふふん、今まで散々ハードマーカーとして鳴らしてきたんだろうが…」

スタタッ!

ネイ「セレソンのドリブラーってのは、一味違うだろう?」

早田「この野郎!」

ババババッ!

ネイ「(意外と簡単にカッカと来てるな。その調子、その調子)」

早田「(くそがっ…動きが読めねえ!何だこいつは!?)」

200 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/06/12(木) 22:29:02 ID:vQSRbTXE
放送「おーっと、ネイくんの技が冴えわたる!早田くんにつかれてもそれが何だと
言わんばかりに華麗な動きを繰り返し、ボールを奪われる気配が全くありません!」

観客「キャーーーーネイーーーー!!」「しびれる〜!あこがれる〜!!」

日向「ザマァねえな、早田!何をグダグダやっている!」

中山「日向、余計な事は言うな!」

ダダダダッ!

放送「しかし何時までも早田くんとの一騎討ちが続く訳がありません!
日向くんと中山くんが寄ってきて今度は1対3!ネイくんボールを持ち続けられるか!?」

ネイ「おーっと、3人がかりか。ま、俺相手にはそれ位必要だよな」

早田「ナメやがってぇ〜!」

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