キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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レス数が900を超えています。1000を超えると表示できなくなるよ。
【歴史は】俺inキャプ森9【繰り返す】

1 :森末(仮):2015/03/02(月) 22:32:44 ID:???
このスレは、キャプテン森崎のスピンアウト作品です。
参加者の皆さんの選択、及びカード引きによって物語が展開していきます。

他の森崎板でのスレと被っている要素や、それぞれの原作無視・原作崩壊を起こしている表現。
その他にも誤字脱字や稚拙な状況描写等が多数あるかと思いますが、お目こぼし頂ければ幸いです。

☆前スレ☆

【滅びの】俺inキャプ森8【バーストマグナム】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1423488665/l50

☆あらすじ☆

キャプテン森崎を心から愛する男板野住明はある日キャプテン森崎の精、
通称『森末』からキャプテン森崎の外伝スレへと参加してみないかと提案をされ外伝世界へと飛ばされる。
ふらの中学で松山達と共に鍛錬を繰り返し、1年と少しの期間を費やして臨んだ3年目の全国大会は惜しくも準決勝で敗退。

その後、同じ中学出身である松山と共に全日本Jrユースに選出された板野は、
全国大会で共に競い合った立花兄弟や合宿で集中的に練習に付き合った新田らの後押しもあってか、板野は見事キャプテンに選ばれる。
舞台は世界へ。全日本はハンブルグとの試合に3−3の引き分けに終わった後、
練習試合をする筈だった各チームに断られ追加合宿に明け暮れる。
そしてフランス国際Jrユース大会が開かれ、全日本はアルゼンチンJrユースに4−1で快勝。
続く二戦目、イタリアJrユースとの闘いが始まる。
堅守を誇るイタリアに日本は攻めあぐね、板野が隠していた新武器「バーストマグナム」もヘルナンデスに防がれる。
しかし、前半17分。
ジェンティーレの負傷退場の好機を突き一気に攻め込んだ全日本は立花兄弟の空中サッカーを解禁。
ついに先取点を上げる事に成功するのだった。

890 :森崎名無しさん:2015/04/03(金) 18:11:08 ID:???
乙です、リアル大事に!

891 :森末(仮):2015/04/05(日) 01:36:17 ID:???
>B.「感じるぞ……とんでもないキーパーだ、アイツ!!」 大仰にミューラーを評価しておく
========================================================================================
若島津「なにィ!?」
反町「(確かに凄い巨漢ではあるけど、そういう意味でいってるんじゃないよな?)」

板野の発言にまず反応を見せたのは若島津。
彼は己の意見を真っ向から否定するかのような板野の言葉に、板野を睨みつけ。
それに伴い他の者達も懐疑的な目を板野へと向ける。
事実、若島津の言うようにミューラーのその巨大さこそは他の者よりも文字通り頭一つ抜けているものの、
とてもではないが俊敏に動けそうには見えないのだ。

松山「だが、板野の言うように只者ではない可能性は確かに高いな。
   こんな重要な場面でキーパーを代えてきたんだし、それには理由がある筈だ」
井沢「いずれにしろ試合が再開されればわかる事だろ……って、なんだあれ!?」

ざわ…… ざわ……

実況「おおっと? これは一体どうしたんでしょうか!?
   西ドイツ、作っていた壁をどけました! どうやらミューラーくんの指示のようですがこれは一体……?
   これではウルグアイにみすみすゴールを献上するようなものです!」

中山「あれじゃ殆どPKのようなものじゃないか! 一体何を考えてるんだ!?」
三杉「あのGKの指示のようだが……それだけ自信があるという事か?」

892 :森末(仮):2015/04/05(日) 01:37:44 ID:???
多くの者が突如現れたミューラーの実力を測りかねる中、
なんとフィールドではそのミューラーの指示に従い西ドイツが作り上げていた壁を取り除いていた。
これには観客たち、ひいては選手たちですら大いに驚くのだが、
指示を出した張本人であるミューラーは顔色を一切変えずにゴール前で仁王立ちをしている。

ビクトリーノ「な……なめやがって! ふざけるなァッ!!」

そして、このミューラーの態度に激昂したのはビクトリーノであった。
このウルグアイにとっての絶好機は、西ドイツにとっては絶対に防がなければならない場面である。
にも関わらず、万全の状態で守るどころかむしろウルグアイにハンデを与えるかのような守り方。
これを受けて激怒しない程、ビクトリーノは冷静な選手ではなかった。

ピィイイッ!!

ビクトリーノ「くらえええええっ!!」

バシュウウウウウウウウウウウウウウッ!!

審判の笛が鳴り、試合再開の合図がされると同時にビクトリーノは走り込んでボールを蹴り込んだ。
得意とするスピードを乗せた、全身のバネを使って繰り出されるミドルシュート。
それは彼の怒りを表すかのように驚異的なスピードでゴール隅へと向かう。
板野のバーストマグナムやシュナイダーのファイヤーショットとは比較にならないまでも、
並大抵のキーパーならば……このPK同然の状況でなら、反応すら出来ない程の威力のシュートだった。

バッ! ガシィッ!!

ビクトリーノ「なっ! なにィ!?」
ミューラー「(フン、やはり大した事ない威力だ……面白みも何も無い)」

だが、ミューラーはそのシュートをいとも簡単にキャッチしてみせた。
その巨体からは考えられない程の敏捷性と、反射神経で動き……左腕一本でしっかりとボールを掴みとったのである。

893 :森末(仮):2015/04/05(日) 01:38:45 ID:???
ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?

実況「とっ、止めたァァ!! ミューラーくん、止めましたぁぁあ!!
   なんとなんと、ビクトリーノくんのシュートをあっさりとワンハンドキャッチです!!」

観客「す、すげぇ!」「あんなにでかいのに凄い反射神経だ!」「しかもワンハンドキャッチって……」

この光景を見て、観客たちが度肝を抜かれたのは言うまでもない。
ミューラーの巨体から考えて彼にはパワーシュートに圧し負けないだけの力や、
一対一の際のその巨体の有用性などはある程度予想されていたものの、
敏捷性については決して秀でていないだろうと見られていたのである。

しかし、実際にそのセービングを見てみれば――彼の俊敏さは他の者の追従を許さない程の素早さ。
巨体を持ちながら一流レベルのスピードを見せ、しかもボールを片手でつかんで見せるという離れ技を見せたのだ。
これに驚かない筈がなく、それは観客席にいる多くのライバル達も同様である。

ヘルナンデス「……とてつもない反応速度だ。
      (ワンハンドキャッチ自体はビクトリーノのシュートの威力を考えれば不思議ではないが)」

ピエール「あれを、止めるのか……」
ナポレオン「(僕のただのキャノンシュートでは分が悪そうですね……)」

来生「えっ、えっ、なんだなんだ? 何やったんだあのでかいの!?」
小池「ピュッて飛んでバッ!と掴みやがった!」
若島津「……前言撤回だ。 板野の言うように、並大抵のキーパーではないようだ……。
    (忌々しい……あのスピードは俺が三角飛び・改を駆使してようやく出せるものだぞ……!)」
新田「そんな馬鹿な……(ビクトリーノのあのシュートをあんな簡単に止めるのかよ……)」
板野「(やっぱり……ミューラーは強い……。 間違いなく、強敵だ……!)」

894 :森末(仮):2015/04/05(日) 01:39:59 ID:???
シュナイダー「俺に回せ、ミューラー!」
ミューラー「ふん!」

ブォオンッ!! ビュウーンッ!!

ビクトリーノ「あ、し、しまった!」

このショッキングな事態に誰もが驚きを隠せないでいる中、唯一冷静でいれたのはシュートを止めた張本人であるミューラー。
そして、ミューラーが止める事を信じ、
彼が壁を取り除くよう告げた時にもその通りにするようメンバーに言い含めたシュナイダーだけである。
ミューラーの太い腕から投げられたボールは凄まじい速度で前線にいるシュナイダーの下まで届けられ、
慌ててウルグアイメンバーも止めに向かうも、
シュナイダーはあっさりと彼らを抜き去るとGKとの一対一から華麗にドリブルゴールを決めた。

その後、試合は西ドイツの一方的な展開となった。
壁無しでの近距離からのフリーキックであっさりとゴールを阻まれた事でビクトリーノは強いショックを受け、
動きに精彩を欠き全くいいところがなかったのだ。
そのウルグアイを相手に西ドイツは容赦なく攻め続け、後半に入ってからはマーガスのヘディングで4点目。
5点目はシュナイダーを囮としたカルツの一対一からのドリブルゴール。
とどめにはシュナイダーのファイヤーショットで6点目。

終わってみれば6−1、圧勝と言う以外に他ないスコアを叩き出し、こうして西ドイツ対ウルグアイの試合は終わったのである。

895 :森末(仮):2015/04/05(日) 01:41:02 ID:???
大会得点王ランキング

10ゴール シュナイダー
5ゴール ビクトリーノ
4ゴール 板野、ナポレオン
3ゴール ストラット、マーガス
2ゴール ディアス
1ゴール 岬、政夫、反町、カルツ、ランピオン

大会アシスト王ランキング

5アシスト マーガス
2アシスト 岬、ピエール、ランピオン
1アシスト 松山、三杉、次藤、和夫、沢田、バンビーノ

896 :森末(仮):2015/04/05(日) 01:42:21 ID:???
実況「試合終了〜っ! なんという事でしょうか、西ドイツ! ウルグアイに圧勝!!
   一時は同点の危機かと思われた場面もありましたが、途中出場のミューラーくんが見事なファインセーブ!
   その後も堅守を見せ1点も許さなければ、西ドイツ自慢の攻撃陣が怒涛の勢いで追加点を重ね、なんと6得点!
   キャプテンのシュナイダーくんは4得点を上げ、これで2桁! 大会通して10得点の大活躍です!!
   これは大会得点王の座はほぼ手中に入れたと言っていいのではないでしょうか!?
   優勝+得点王+MVP、三冠王に向け皇帝シュナイダーくん正に驀進中です!!」

ワーワー! ワーワー!!

観客「すげぇ……こりゃ西ドイツが優勝だ」「シュナイダーがいて負ける所が想像できない!」
  「強いて言うなら点の取り合いならって所だろうが、あのキーパーがいちゃな……」「中盤も盤石だ!隙が無い!!」

この圧倒的な強さでウルグアイを下した西ドイツを見て、観客たちの多くは改めて戦慄をした。
攻撃力、支配力、そして守備力。全てにおいて彼らは一流と呼べるレベルにある。
ウルグアイという強国を大差で下したこのチームこそが、優勝を手中に収めるのだろうと予感めいた思いを抱いていたのだ。

シュナイダー「(見たかい父さん母さん。 マリーお兄ちゃん凄いだろう、10得点だぞ。
        でもまだまだこんな事で満足はしないからな。 優勝、得点王、MVP。
        全部取って世界一のお兄ちゃんになってみせるからな。 マリーの自慢のお兄ちゃんは世界一になるんだ。
        なれたらほっぺにちゅってしてくれてもいいんだぞ。 ハグもしてくれていいんだぞ。
        ああ、マリー。 見ていてくれたかいマリー?)」

因みに観客たちがそのような思いにいた頃、シュナイダーは1人フィールドで西ドイツにいるマリーに思いを馳せていた。
当のマリーは両親をどうにか誘い、『ランピオンにあわよくば会う為』にフランスに渡ろうとしているという事を、
この時の彼はまだ知らない。

897 :森末(仮):2015/04/05(日) 01:43:31 ID:???
松山「改めて見ると、西ドイツはやはり強いな……」
中里「唯一の弱点であった守備力も、あのGKが出てきた事によって消えたと言って差し支えなかろう」
若林「……デューター=ミューラー。 なるほど、思い出したぞ」
高杉「若林さん、知ってるんですか?」

そして、全日本Jrユースの面々もこの結果を受けて西ドイツの脅威について再認識する中。
普段は寡黙な若林が不意に口を開いた事で周囲の視線はそちらに向けられた。

若林「当時は眉唾物の噂だと思っていたんだが……以前、聞いた事がある。
   西ドイツには幻のゴールキーパーがいて、そいつは普段山で修行をし一切姿を見せないという。
   だが、その山のふもとであるプロのチームが練習を行っていた時、
   レクリエーションとしてその麓の村とミニゲームをする際にそのキーパーが参加をしたんだ。

   結果、最初は遊び半分でプレイをしていたプロたちも途中からは本気で攻め立てる程のセービングを見せ、
   しかし結局1点も取れなかったキーパーがいるという」
滝「も、もしかしてそれが……」
若林「俺の記憶が確かならば、そのキーパーの名がデューター=ミューラーだった筈だ」

若林の口から放たれた言葉は、とてつもなく現実離れをした話である。
幻のキーパーという単語だけでも胡散臭いというのに、普段は山に籠っているだの、プロを相手に零封しただの、
とてもではないが信じられるものではない。
実際、若林自身もそれを信じていた訳ではないのだ。だが、思い出してしまった。
あのミューラーのプレイを見た後では、常人離れした普段の生活もプロを相手に零封をしたという事も頷けてしまうのである。

898 :森末(仮):2015/04/05(日) 01:44:36 ID:???
政夫「(俺達のスカイラブが通じるか? いや、自信を持つんだ。 ヘルナンデス相手にも通じたんだ!)」
新田「(俺に出番はあるんだろうか……折角板野さんに面倒を見て貰ったのに、このまま終わるのは嫌だけど……)」
反町「(あれだけの巨体、俺のトクシックインパクトで狙いをブレさせれば……無理かなぁ。 速かったもんなぁ、あいつ)」
来生「(まぁ俺なら余裕余裕。 それより今日の試合はそろそろ俺の出番来るよな?)」
板野「(ミューラーから点を奪えるのは恐らく本当に限られた人だけだろうな。 間違いなく、俺の出来が勝敗に直結する)」

この時、若林の言葉を聞きながら全日本の名だたるストライカーたちは思い思いに感想を抱いた。
自分ならばどうゴールするか、果たして自分がゴール出来るのか、そもそも自分に出番はあるのか。
迷いは尽きず、簡単に答えは出せないが、今はその答えを探す時間ではない。

見上「西ドイツ対策はそこまでにしておけ。 まずは今日の試合、フランス戦の事を考えろ。
   さぁ、ミーティングに向かうぞ」
全日本メンバー「「「はいっ!!!」」」

西ドイツ対ウルグアイの試合が終わり、続いて第二試合。
全日本対フランスの試合の開始時刻が、刻一刻と近づいていたのである。

899 :森末(仮):2015/04/05(日) 01:45:43 ID:???
>>890
乙ありです。

判定はありませんが、本日は一旦ここで区切らせていただきます。それでは。

900 :森崎名無しさん:2015/04/05(日) 01:46:42 ID:???
乙です。ランピオンの死亡フラグが着々と進んでるwやはり地獄兄弟

901 :森崎名無しさん:2015/04/05(日) 10:13:01 ID:???
ラモーン「もうだめだ…おしまいだぁ…!」

902 :森末(仮):2015/04/06(月) 02:07:30 ID:???
西ドイツとウルグアイに入れ替わるように控室へと向かった全日本Jrユースは、
いつも通り見上の第一声からミーティングに入った。

見上「よし、みんなきけ。
   ではこれより今日のスターティングメンバーを発表する。 フォーメーションは3−4−3だ。
   まずFW。 左に板野、右に新田、右ウイングに滝!」
板野「はい!」
新田「!! は、はいっ!!(スタメン! とうとうスタメンに選ばれた!!)」
滝「はい(出番が来たか……それにしても来生は使われないのか?)」

まず見上は今日のフランス戦におけるスターティングメンバーを発表。
FWの部分が告げられた所でレギュラーは確定的であり、かつ事前に監督と話をしていた板野は淡々と発表を聞くだけだったが、
野心に燃え出番を求めていた新田は必要以上に気合の入った返事をし、
滝は自身の起用を喜びながらも選ばれなかった来生に一抹の不安を抱く。

来生「(ふふ〜ん、なるほど、今日も俺は温存策か。 まあ秘密兵器だしな)」
滝「(……あの顔は全く危機感を覚えてねー顔だな)」

なお、その際ちらりと来生に視線を向ければ彼は能天気に鼻をほじっており、滝は呆れかえったという。

見上「次にMF。 OMFは左に松山、右に岬。 DMFは左に山森、右に井沢だ」
松山「はい(ボックス型か。 山森の守備力は不安だが井沢とのダブルボランチなら安心だな)」
岬「はい(ピエールやナポレオンと極力マッチアップをしていい勝負を繰り広げたいね。 その方が後々便利だし)」
山森「は……はい!(俺がスタメン? 夢じゃないのか……)」
井沢「はい!(よし、スタメンに選ばれた。 今日も必要とされる仕事をこなして見せる)」

903 :森末(仮):2015/04/06(月) 02:09:00 ID:???
次に発表されたMFの中では、唯一スタメン級とは言えない山森の起用に山森自身が驚いていた。
しかし、多くの者達は松山・中山というそれぞれ本職がOMFとDFである彼ら以外がボランチをするのならば、
井沢の他には適正的に考えて山森以外にいないと考えていた為にさしたる驚きは無かったという。

見上「DFは中央に寄せ、それぞれ左から早田、中山、次藤とする」
早田「へい(3バックか。 この形だとサイドの守備がかなり弱いがいいのか?)」
次藤「タイ(イタリア戦じゃ土台役くらいしか出来んかったばってん、今日の試合こそは活躍せんとな)」
中山「はい(頂点まであと2つだ……)」

DF陣については、殆どレギュラーが確定している者達がいる為に特に大きな反応は無かった。
何より、次に発表されるポジションが誰に決まるかという方に注目が集まっていたのもある。

見上「最後にGKは……」
若島津「…………」
若林「…………」
見上「若島津だ」
若島津「! はいっ!!」
若林「…………(何故だ。 あのアルゼンチン戦の失点が悪かったとでもいうのか?
   それとも、まさか見上さんはこの俺が若島津にすら劣っていると言うつもりなのか!?
   キャプテンとして云々ではない、GKとしてすら……劣っていると言うのか!?)」

そして発表されたGK――今日の試合ゴールマウスを守るのは、若島津健であった。
見上の発表を受けて若島津は声は荒立てず……しかし、芯のしっかり通った声で返事をし、
逆に若林は拳を強く握りしめながら、かつての恩師である見上に複雑な感情の籠った視線を向けた。

だが、その若林の視線を知ってか知らずか、見上はあくまでも無表情のまま戦術の説明に取り掛かる。

904 :森末(仮):2015/04/06(月) 02:10:09 ID:???
見上「見ての通り、フォーメーションはサイドがやや空いている緩いものとなっている。
   だがフランスにはサイドアタックは無い、相手の攻撃の駒で注意をすべきはピエールとナポレオンだけだ」
中山「ですが流石にがら空きのサイドを突いてこないという真似も相手はしてこないのでは……?」
見上「無論、一度や二度はあるかもしれん。 その場合には多少距離が遠くとも、プレスをかけに行け。
   少し攻め込まれるかもしれんが、確実に潰せばいい」
山森「(距離が多少遠くてもか……走り回るだけなら、体力なら松山さん達にだって負ける気はしない!)」
板野「(フランスのサイドハーフとかが突破してきてくれれば中盤の誰かが奪いに行けば取れるだろうって事か……)」

やはり気にかかるのはあまりにサイドを開けすぎたフォーメーションであり、中山はそれについて言及をしたが、
見上はさしたる脅威ではないと言い含めた上で万一にも突破を図ってきたならば中盤で止める方針を示した。

見上「早田、お前はピエールかナポレオンが攻め込んできた場合はPA内を飛び出してチェックに向かえ。
   必ず迎え撃つ際は前目で止めるように」
早田「はぁ……」
見上「次藤はいつも通り、壁となれ。 中山、お前については指示は出さん。
   早田と共に前に出てプレスをかける、次藤と共に後方でシュートを防ぐ壁となる。 どちらでも構わん、臨機応変に動け」
次藤「はい(ナポレオンとかいう奴のシュートは板野のに比べりゃ可愛いもんタイ。
   ばってん……それすら止めれんかったら、何しにヨーロッパまで来たのかわからんな)」
中山「はい(前に出て、か。 今日はやけに強調するな……何か理由でもあるんだろうか?)」

見上「井沢、お前の位置は早田、松山、岬と周囲にタックル、パスカット共に卓越した選手がいる。
   上手く連携をし、一つでも多くボールを刈り取れ」
井沢「……はい(サポート役かよ! くそっ、ボランチとしてもそこまで高い評価を受けている訳じゃないのか……!!)」
見上「山森、お前は走り回れ、ルーズボールは全て自分が拾うつもりで動くんだ。 ボールを奪ったら得意とするパスで出せ。
   攻撃と守備、その切り替え役を務めろ」
山森「は、はい!(それなら俺の得意分野だ。 よし、やってやるぞ!!)」

905 :森末(仮):2015/04/06(月) 02:11:25 ID:???
見上「岬、滝、今日の試合の攻撃はお前たちに懸かっていると言っても差支えない。
   基本的にはパスワークを中心としてフランスを攻め立て、上手くチャンスをおぜん立てしろ」
岬「はい(パスワークを中心、か。 さっきの早田への注意といい、伊達に欧州研修をしてないようだね)」
滝「はい(パスワーク、か。 岬との連携とかを考えるなら少し下がり目の方がいいか?)」

見上「板野、新田、松山。 お前たちに求めるものはミドルシュートだ。
   板野はいつも通りでいいとして、松山もFWのつもりで積極的に狙って行け」
板野「はい!(アモロ相手なら弾丸シュートでも入るかな?)」
新田「はいっ!!(よし、ガンガン狙って今度こそ点を取るぞ!)」
松山「はい(FWのつもりで、か……。 板野との連携も上手く活用したいな)」

見上「若島津、ナポレオンのキャノンシュートについてはお前なら問題なく止められる筈だ。
   ただしくれぐれもペース配分だけは間違えるな」
若島津「オス(立て続けに打たれては流石の俺も敵わんからな……)」

こうして改めて戦術を説明した所で見上は一度口を閉じた。
冷静に己の役割を認識する者、ようやく来た出番に奮起する者、不安を抱きながらも前を見据える者。
様々な思いをする彼らを見やりながら、見上は咳払いをすると再びその口を開く。

見上「では最後に1つだけ言っておく。 今日の試合、くれぐれも審判に対し抗議はするな」
全日本メンバー「え?」「ん?」「(どういう意味だ?)」

この見上の言葉を聞き、多くの者達は首を傾げた。
審判に対する抗議というのはご法度だというのは往々にしてある認識である。
それは全日本メンバーも重々承知しており、何故今更になってそのような事を強調するのかと疑問を持つのは当然だった。
だが、見上はこの反応を見て納得しなかったのか改めて一同に告げる。

906 :森末(仮):2015/04/06(月) 02:12:42 ID:???
見上「今日の試合、対戦相手は地元開催国のフランス。 そして決勝進出がかかった重要な準決勝という舞台だ。
   完全なるアウェーで戦うという事がどういう事か、日本という国で育ったお前たちでは今はまだ理解出来んだろう。
   よってもう一度だけ言う。 抗議は絶対にするな、これだけは守れ。 いいな?」

念を押すように、再三に渡り注意を促す見上に一同は訳がわからなくとも首を縦に振るしかなかった。
この時、見上の真意を知れたのは4人。

板野「(カードを貰わないようにしないと……誰かが抗議しそうになったら、それを抑えるのも俺の役目だ)」

本編、原作でのフランス戦を読み、知識としてアウェーで戦うむずかしさを知っていた板野。

岬「(言葉で言われてもわからないからね、あれは。 実際に見て、体験するしかないだろうな)」
若林「(……なるほどな、見上さんの言葉の意味はわかった。
    しかし、それを知っている俺を外してまで若島津を起用したかったのか、見上さん……)」

このフランスの地で過ごし、サッカーの汚い部分も多く見てきた岬と、
同じく西ドイツというプロリーグのある国で過ごしてきた若林。

三杉「(ホームタウンディシジョン……間違いなく地元びいきの判定はあると見ていいだろうね)」

海外のサッカーに関する情報にも精通をしていた三杉だけである。

見上「……言うべき事は全て言った。 さぁ、行ってこい。
   ここはまだ準決勝、明日フィールドに立つ為にも勝ってこい!」
全日本メンバー「「「はい!!!」」」

907 :森末(仮):2015/04/06(月) 02:13:43 ID:???
>>900
乙ありです。ヘルナンデスと違ってランピオンにその気はなさそうですが、どうなるかはちょっと未定ですね。

本日も判定はありませんがここで区切らせていただきます。それでは。

908 :森崎名無しさん:2015/04/06(月) 08:23:17 ID:???
おつです。滝ママ、馬鹿息子に呆れかえる。

909 :森末(仮):2015/04/07(火) 01:37:15 ID:???
ワーワー! ワーワー!!

実況「さぁ本日の第二試合、我らがフランスJrユースと全日本Jrユースの試合開始時間が刻一刻と近づいて参りました!
   両チームの選手が、今、入場しています!」

観客「頼むぞピエール! 今日勝って決勝進出だ!!」「ナポレオン、お前のキャノンシュートでニホンを蜂の巣にしてやれ!!」
  「絶対に勝つんだぞ!!」「ニホンに負けるんじゃないぞー!!」

両チームのメンバーがフィールドに現れた瞬間、全方位から浴びせられる観客たちの声。
それらのほぼ全てはフランス人の、フランス人による、フランスを応援する歓声であり、
行進をするフランスメンバーは誇らしげに―― 一部はプレッシャーによるものかおどおどとした様子で歩いていた。

響「う、うわ……なんだか凄い空気だぞ」
真「予選リーグの時も凄かったけど、今日はそれ以上に熱狂してるね」
プロデューサー「それだけあちらさんも必死だってこと。 こりゃいよいよきな臭くなってきやがったぜ……」

一方、この異様な空気に飲みこまれたのは観客席で応援していたアイドル達である。
無理もない事だが、日本のサッカー界ではまず味わえないようなこの空気に彼女たちは圧倒され、
普段は明るく日本を応援していた響ですら二の足を踏みそうになる程であった。

響「う、う〜! でも自分は日本を応援するんだぞ! 頑張れ、ニッポン!!」
プロデューサー「(変なのに絡まれんようによく見ておかねぇとな。 まいったねぇ、こんな事まで仕事なんて聞いてないぜ)」

910 :森末(仮):2015/04/07(火) 01:38:23 ID:???
こうして双方のサポーターたちが見守る一方で、どちらを応援するでもなく観客席にいた者達もいる。
既に決勝進出への切符を掴みとった西ドイツの選手陣。
敗退が決まりながらも後学の為にと残り観戦に訪れていた他国の者達。
そして、招かれざる客である。

マーガス「フランスとニホンか……どちらが上がってきた方がやりやすいかな」
シェスター「俺はニホンが上がってきてくれた方が嬉しいな! ニンジャと戦う事が出来る!!」
カルツ「お前はそれしかないのかい。 だがまぁ……試合の展開について予想しやすいのはニホンだ。
    そういう意味じゃニホンが上がってきた方がやりやすくはあるかなぁ」
シュナイダー「(今日もワカシマヅが出ているな……くれぐれもカードを貰うような真似はするなよ)」

ヘルナンデス「純粋な実力で考えるならば、ニホンがフランスに後れを取る事は無い。
       それこそ大差をつけて勝利する事も可能だろうが……」
ストラット「そう簡単には行かないだろうな」
ジェンティーレ「(こんな所で負けるんじゃないぞ、イタノ。 そうでなければ俺達の敗北も無意味なものとなるのだからな)」

ディアス「(ま、なんだかんだでニホンが勝つだろうな。 どれだけ判定をフランス寄りにしたところで覆せる差じゃない。
      問題はニホンがカードを貰うかどうかだ。 ここで食らうと明日が辛くなるぜ)」

翼「凄い熱気だなぁ、ああ、俺も早くこの舞台でプレーをしたいよ」
森崎「(ケッ、お前はこの試合出場停止だったじゃねーか。 って、また若島津が出てるのかよ!?
    やっぱ若林はどこまで行っても若林だな……)」

911 :森末(仮):2015/04/07(火) 01:39:48 ID:???
敵と味方、そしてそれらとはまた違う第三者。
様々な者達が様々な思惑を胸にして試合を心待ちにする中、その当事者たちはどうしていたか。

山森「うう……す、凄い怒号。 これ全部、敵なんだよな……」
新田「き、気にするな山森! 野次なんていちいち気にしてたらキリがないぞ!」
松山「そそそそそうだぞ、山森! こういう時は手の平に人という字を書いてだな……」
滝「(松山が1番緊張してるんじゃねーか? まあ、試合が始まればちゃんとプレイに集中してくれるだろうけどさ……)」

この試合が今大会初めての出場、しかもスタメンという事もあってか山森は極度に緊張。
よりにもよって完全アウェーの空気の中での出場の為に行進の動作もぎこちなく、
小学生時代からの盟友である新田は自身も緊張しながら励まし、松山もやはりガクガクに震えながら山森にアドバイスを送る。

早田「へへへ、この歓声が全部悲鳴に変わったら気持ちいいだろうなぁ」
次藤「それでこそびっしゃぎがいがあるってもんタイ」
井沢「(相手の要はナポレオンとピエール。 そいつらを止めてブーイングをされるなら、むしろ本望だぜ)」

逆にこのフランスサポーター達の声を聞いて笑みを浮かべていたのは、元来好戦的である早田や次藤である。
彼らはこの空気に緊張をするではなく、むしろ楽しむ余裕すらあった。
それはボランチにコンバートをし、結果を求める井沢にしても同様である。

中山「(ピエールか……見た限りディアスとは違うタイプのMFだな。
    是非とも対戦してみたい相手だが、あいつは守備を重視する傾向にあるようだし機会はあるか?)」
若島津「(今日の試合も無失点だ。 そして明日の試合も無失点を貫き、俺こそがNo.1キーパーである事を証明してみせる)」

そもそも観客たちの声に一切感心の無い者達もいる。
純粋に強い相手と戦いたいと闘志を燃やす中山と、己の力を示す事にしか興味の無い若島津。
周囲に対する性格こそ違う彼らだが、根の部分ではある意味似た者同士だったのかもしれない。

912 :森末(仮):2015/04/07(火) 01:40:59 ID:???
そして、板野と岬はといえば……。

ナポレオン「はい、今日も頑張ります! 応援よろしくおねがいしま〜す!! ほらキャプテン、手を振って!」
ピエール「う、うん……」
ボッシ「(ピエール、すまん……俺達にはもうどうする事も出来ない……)」

板野「(ひ、ひぇ〜っ! やっぱりナポレオンが気持ち悪い! やだやだこんなの俺の知ってるナポレオンじゃないよー!!)」
岬「(どうしたんだろう、ピエール。 やっぱり顔色が悪いな……)」

共に行進をする対戦相手であるフランスの様子をつぶさに観察し、板野はぞわぞわと鳥肌が立つのを感じ、岬は首を傾げていた。
彼らとしてはこれから戦うフランスと出来るだけ交流をしたいと考えての観察だったのだが、
岬からしてみれば些か様子がおかしいピエールたちに声をかけるのは少々躊躇われ。
また、板野にしてもここで声をかけてはナポレオンにまた絡まれるかもしれないと多分的中するであろう不安に駆られてしまう。

因みに、フランスのキャプテンピエールも改めて岬や板野と話してみたいという気持ちはあったが、
ナポレオンに声をかけられてその対応でいっぱいいっぱいだった為そこまで気が回らなかったという。

板野「(う、うーん、どうしよう……何か声をかけた方がいいだろうか?
    でもやっぱりナポレオンが怖いような……っていうかナポレオン、他のチームメイトからも距離置かれてるな。
    無理ないよ。 さて、ここは……)」

A.「ピエール、改めて今日はよろしくね!」 無難にピエールに挨拶する
B.「凄い歓声だね岬、これじゃ試合中の指示も通りにくいんじゃないか?」 岬と相談をする
C.「凄い歓声だねナポレオン、羨ましいよ」 あえてナポレオンに声をかけてみる
D.「(そんな事より我那覇さん達を探してみよう)」 観客席にいる響達を探す
E.「(下手に触らない方がいいな。 ここはスルーだ)」 マグナムスルーだ!
F.その他 板野くんに言わせたい事を書いてください

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913 :森末(仮):2015/04/07(火) 01:42:01 ID:???
>>908
乙ありです。

本日も短いですが一旦ここで区切らせていただきます。それでは。

914 :森崎名無しさん:2015/04/07(火) 01:47:58 ID:ukIN0L7U
C 藪を突くぜェ

915 :森崎名無しさん:2015/04/07(火) 02:03:33 ID:Nd2EEjqI
A

916 :森崎名無しさん:2015/04/07(火) 02:06:30 ID:Fqs2WiGg
D


917 :森崎名無しさん:2015/04/07(火) 02:11:45 ID:7wLGjpog
D

918 :森末(仮):2015/04/10(金) 00:02:34 ID:???
どうも。今日までちょっと所要で夜いなかったので更新出来ませんでした。
今日もちょっと疲れましたので、更新はお休みさせていただきます。
それでは。

919 :森崎名無しさん:2015/04/10(金) 00:04:13 ID:???
おやすみ乙〜

920 :森崎名無しさん:2015/04/10(金) 21:29:13 ID:???
>ジェンティーレ「(こんな所で負けるんじゃないぞ、イタノ。 そうでなければ俺達の敗北も無意味なものとなるのだからな)」
ジェンティーレがツンデレすぎるw

921 :森崎名無しさん:2015/04/10(金) 23:37:27 ID:???
ジェンティーレ「勘違いするな、イタノ。
        俺はお前を応援しているわけじゃない。
        お前を倒すのはこの俺だからな!


922 :森崎名無しさん:2015/04/10(金) 23:44:31 ID:???
地獄の超新星 改め 地獄のツンデレ

923 :森崎名無しさん:2015/04/11(土) 23:45:24 ID:???
最早デレる前のべジータにしかみえない

924 :森崎名無しさん:2015/04/15(水) 06:36:49 ID:0iXW066+
いっち乙

925 :森崎名無しさん:2015/04/18(土) 08:14:29 ID:???
生存報告も1週間ないけど森末さん大丈夫かな?

926 :森崎名無しさん:2015/04/18(土) 08:25:17 ID:???
>925
一々プレッシャーをかけるんじゃない。そもそもリアル事情もあるだろうし
気が向いたときにふらっと投稿してくれる位で十分楽しめるでしょ。

927 :森崎名無しさん:2015/04/18(土) 10:01:09 ID:???
>>926
スレ主を心配してるのをプレッシャー扱いに見える君の事も心配だよ


928 :森崎名無しさん:2015/07/21(火) 15:33:57 ID:???
(こんな所で負けるんじゃないぞ、森末(仮)。 そうでなければ俺達の敗北も無意味なものとなるのだからな)

929 :森崎名無しさん:2015/12/14(月) 05:04:18 ID:???
D.「(そんな事より我那覇さん達を探してみよう)」 観客席にいる響達を探す

板野「

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