キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【レイセンガ】鈴仙奮闘記29【タダシイヨ】

1 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/27(水) 00:27:49 ID:???
このスレは、キャプテン森崎のスピンアウト作品で、
東方Project(東方サッカー)とのクロスオーバー作品です。
内容は、東方永夜抄の5ボス、鈴仙・優曇華院・イナバがサッカーで師匠を超えるために努力する物語です。
他の森崎板でのスレと被っている要素や、それぞれの原作無視・原作崩壊を起こしている表現。
その他にも誤字脱字や稚拙な状況描写等が多数あるかと思いますが、お目こぼし頂ければ幸いです。

☆前スレ☆
【早苗】鈴仙奮闘記28【サッカー好きか?】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1428845712/
☆過去ログ・攻略ページ(キャプテン森崎まとめ@Wiki内)☆
http://www32.atwiki.jp/morosaki/pages/104.html

☆あらすじ☆
ある日突然幻想郷にやって来た外来人、アラン・パスカルと中山政男との出会いにより、
師匠、八意永琳に並ぶ選手になると決心した鈴仙・優曇華院・イナバ。

全幻想郷代表選抜大会で活躍し、代表メンバーの一員となる事を夢見てきた鈴仙はある日、
自身が『プロジェクト・カウンターハクレイ』のキャプテン候補に選ばれている事を知る。
それは霊夢や紫達幻想郷に敵対し、以て幻想郷の価値観を覆すという壮大な計画。
更に鈴仙は、全幻想郷代表の下部組織、『リアル・幻想・セブン』の一員として、
乱心した八雲紫と幻想郷を救って欲しいと紫の式・八雲藍から懇願された。

幻想郷を変える為に戦うか、幻想郷を守るために戦うか。そもそも、自分は何の為に戦うのか。
そう思い悩む鈴仙の心の隙を突く悪しき者もいた。
それは『プロジェクト・カウンターハクレイ』と『リアル・幻想・セブン』との争いに乗じ漁夫の利を狙う第三勢力。
聖徳ホウリューズの一員にして、『ハイパーカンピオーネ』計画の一翼を担う天性の詐欺師・岬太郎だった。

「鈴仙は永琳の途方も無いエネルギー蒐集計画遂行の為の道具である」
巧みな話術で彼は鈴仙を動揺させ、追い打ちとばかりに仲間への疑心をも植え付けた。
そんな中、決勝トーナメント第2回戦、永遠亭ルナティックスは聖徳ホウリューズと相対する。
野心溢れる政治家・豊聡耳神子を中心として集まった様々な悪意と戦術に、鈴仙達はどう立ち向かうのか。
そして鈴仙は疑心を振り払い、強い気持ちで仲間を信じる事ができるのだろうか――。

361 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/05(金) 01:12:28 ID:ONTT+DXU

******


鈴仙「ハッ!? ドリームね!」

てゐ「何言ってるの、鈴仙。こんな時に」

鈴仙「ご、ごめん(――でも、依姫さまのお蔭で大分ヒントは掴めた。
大事なのは、『証言で言っていること』と、『証拠アイテムの記述』との明らかな相違点!
それも、『計画実行の困難さ』を証明してくれる、今回の事件の核を握る、明白な証拠!
これさえ突きつければ、さしもの佳歩も黙ってくれる筈よ………!!)」

A:【下剤とか日用薬】
B:【自分で買いました】
C:【兎に角迅速に】
D:【兎耳を隠して】
E:【お手洗いが混んでいた】
F:ヒント神・ヨッチャンに救いを求めてみる。(! dice×100円消費します)鈴仙の現所持金:1770
G:ヒント神・ヨッチャンに正解を聞く。(! dice×1狂気度を消費します)鈴仙の現狂気度:28

証拠アイテム:『下剤入りドリンク』、『ヒューガーの名刺』、『古ぼけた汗ふきタオル』、『永遠亭のエンブレム』
鈴仙の残機:***

先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

*Gは早く試合に入りたい人&どうしても分からない人の救済用選択肢です。
*証拠アイテムの詳細説明については、>>208>>237を参考にしてください。

362 :森崎名無しさん:2015/06/05(金) 01:17:48 ID:???
ヒントその2はドリンクのことだろうから
いっそのこと、もうC下剤入りドリンクとかで総当りしてみるのは?

363 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/05(金) 01:18:18 ID:ONTT+DXU
すみません、ヒントについては一度使ったので再ヒントはとりあえず不可とします。
また、ヒント代金としては、 6 00円減少したとして計算いたします。(判定不要)

364 :森崎名無しさん:2015/06/05(金) 01:21:19 ID:???
癇に障ったのならあやまりますが、そんなに咎めないでください。
私は別に表現の事で鈴仙さんを毒づこうとした訳でも揚げ足とろうとし訳でもなく、
本当にそう思ったんですから。

キャラクターに代弁させなくても、そういったことでしたら、
直接言っていただいて結構です。余計傷つきます。お願いします。

365 :森崎名無しさん:2015/06/05(金) 01:22:38 ID:2sgwm3CY
C 『下剤入りドリンク』
直接な証拠としてはやはりこれ。
兎に角迅速にやったのに、新品同様なのはおかしい
というか時間的に無理……なはず

そしてダイス最大値を当てる鈴仙ちゃん、なにドイツに勝てばいいさ(汗)

366 :森崎名無しさん:2015/06/05(金) 01:23:39 ID:owea/L7M
C 『下剤入りドリンク』

367 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/05(金) 01:35:34 ID:ONTT+DXU
C 『下剤入りドリンク』が選ばれたところで、今日の更新はここまでです。
そして……この問題で私が想定していた解は、まさしくこれでした。主な理由は>>365さんのとおりです。
明日は大目に時間が取れそうなので、聖徳ホウリューズ戦に入るのを目標にします。


>>364
えっと、もしかしたら、細かい言葉の意味や解釈に拘っていては……のくだりでしょうか。
私としては純粋にヒントとして、あまり意味に拘っていても回答には結びつかないよ、
それよりももっと広い視点で考えた方が有益だよ、……という程度の意味で言っただけで、特段咎める意図はありませんでした。

ですが、意図がなければ何を言っても良い訳ではありませんですし、むしろGMとしてコテがある以上、
他の方以上に発言や記載内容に気を配る必要があると思っています。(その割に凌辱とか言ってますが…(汗))
なので、もしそれで傷つかれたのでしたら、こちらこそ謝ります。大変申し訳ございませんでした。
今後はキャラクターの発言等についても、より一層気を配りたいと思います。

身勝手なお願いではありますが、もし宜しければ、今後とも参加頂ければ幸いです。


それでは、皆様、本日もお疲れ様でした。

368 :森崎名無しさん:2015/06/05(金) 01:46:47 ID:???
乙なのです
あー、一回は正解にたどり着いたのに遠回りしちゃったなあ
時間がかかる? 新品同様なのはおかしい? 実際検証できるんですか?
とか予め練習してました
とか言い訳されるかなとか

変に裏を考えすぎて、タオルの方に行ってしまった
シンプルにムジュンを考えればたしかにこれ以外にないですね

いえいえ、GMさんに非はないと思いますよ
これからも楽しみにしています
ふー、一旦は間違えたけど当てられてよかった(安堵)

乙なのです!

369 :森崎名無しさん:2015/06/05(金) 01:49:24 ID:???
乙です
否定しまくって長い時間撮らせたり混乱させてすみませんでした
品と使いたくないと言うわがまま言いつつ混乱させて使わせたのは間違いなく俺のせいでしょう
600円も間違いなく俺のせい

・・・でも個人的に答え分かってああ!そういうことかって感じよりも
え?そんなこと?って感じました
ただの自分自身の考えすぎで自爆したというアホが言うことですが
個人的には○○なら○○できないと本当に絶対そうだと決めつけれるような答えの方がよかったと思います
そのへん調整がすごく難しいのは分かっていますがどうも
「急具ことを優先したら器用にできない」というのはすこし腑に落ちないです

作者さんに対する長々としたわがままな批判、および責任を押し付けるような言動
そして参加者さんに対する不快な否定の数々、どうもすみませんでした
もし何言ってんのコイツ?とかそんな感情を少しでももたれたのならコメントは見なかったことにしてください

370 :森崎名無しさん:2015/06/05(金) 02:09:10 ID:???
これが本当に正解でいいの?

371 :森崎名無しさん:2015/06/05(金) 06:15:14 ID:???
佳歩が一生懸命ドリンクに注射する練習をしたから間違い

372 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/05(金) 13:53:36 ID:???
こんにちは、今日は時間がとれたので更新していきます。
>>368
乙ありがとうございます。そう言ってくださると本当に助かります。
>>369
乙ありがとうございます。
私としては、「深く考えれば色々な可能性が想定される問題」として出題しており、
問題の肝としては明白なものを意図していたため、え?そんなこと? ……な回答で良いと思っていました。
ですが、ご意見についてはごもっともと思いますので、
この可能性以外は自然に考えにくい! ロジックとしておかしい!(絶対とは保障できませんが)
……となるべく多くの人が思えるような回答編を書こうと思っています。

373 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/05(金) 13:55:06 ID:???
C 『下剤入りドリンク』

鈴仙「(依姫さま、いえ、ヨッチャンの言う通り。ここはシンプルに問題を整理しましょう……)」

心強いヒントを得た鈴仙は一度ここで深呼吸。落ち着いて今回の佳歩のロジックについて検証する事にした。

佳歩「ど、どどど……どうしたんですか、鈴仙さま?
わ、私の完璧すぎるロジックに打ちのめされて、こ、声も出ませんか?」

ウサギC「(ふるえごえ)」

ウサギB「(大丈夫かな。佳歩ちゃんも、鈴仙さまも……)」

暫く押し黙る鈴仙を尻目に佳歩は虚勢を張り、またそんな二人の様子に周囲は心配を強める。
しかし、そんな様子に鈴仙は左右されず、思考を深めていき――。

バッ!

鈴仙「――分かった。これなら崩し得るわ……佳歩が作った、頭脳的で直情的なロジックを!」

ルナティックスメンバー「「「「……!!!!」」」」

大きく頭を振って、堂々と佳歩の胸に対して人差し指をつきつけた。

佳歩「……ど、どうしてですか? また、説明してみてくださいよ!」

悪役にも少しずつ慣れて来たのか、佳歩もどもらず、ふてぶてしい態度を作って鈴仙に反論する。
しかし、今回の鈴仙には余裕がある。佳歩の証言を崩す為のロジックが、頭の中でしっかりと構築されていた。

鈴仙「――まずは、問題を整理しましょう」

鈴仙はざわめくチームメイトを制しつつ、冷静に論点を整理していく。

374 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/05(金) 13:56:20 ID:???
鈴仙「今回の大問題は、【佳歩が証言通り、私達に隠れて下剤を仕込んだ、もしくは仕込めたのか否か】。
……これは、間違いないわよね?」

佳歩「そうですね。そして私は証拠を出して、隠れて下剤を仕込んだと主張し。
鈴仙さまはその証拠を逆手に取って、私には下剤を仕込めないと主張されています」

鈴仙「そう。だから私は、4つの証拠をどうにか使って、佳歩の主張を崩さなくちゃいけない」

鈴仙はここで自らの立ち位置を確認しながら、そこから一歩間を置いて、ひとつひとつ説明を始める。

鈴仙「では、具体的にどうやって佳歩の主張――隠れて下剤を仕込んだ――を崩していくのか?
それにはまず、佳歩が下剤を仕込み、この作戦を完遂しうるための前提条件を考える必要がある。
――これに際し、私は以下の3つの条件を全て満たした場合、佳歩は下剤を仕込めると考えたわ。


@佳歩は私達に隠れて、下剤と注射器を調達した。

A試合当日、佳歩は私達に隠れて、下剤を仕込んだ。

B下剤を仕込んだ後、佳歩は身元が割れないように、ドリンクをスタッフに渡した。


――って、具合にね」

375 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/05(金) 13:59:19 ID:???

妹紅「う……うーん? 確かにその前提条件は間違ってないと思うけど……。
――でもさ。そんな条件を並べたところでどうなるの?
色々と考えて行けば、@〜Bどれにしたって充分否定出来る可能性もあれば、
それを覆すための言い訳だって成り立つと思うんだけど…………」

輝夜「(…………)ヤベッ、何言ってるかちんぷんかんぷんだわ! じゃない、………そ、そうよそうよ!
それを言ったら例えば、@にしたって、『えーりんが神だから佳歩は下剤を盗めない! 終わりッ、閉廷! 以上、解散!』
……で済むじゃないのよ!!」

中山「――それで佳歩は、『私には神子様の聖人パワーがあるから無敵! 下剤を盗めた!』……とでも言えば、
それで全てが覆るな。今の俺達には、『永琳さんは佳歩の行動が御見通しであること』も、『佳歩には神子の力がついていること』も。
そのどちらも、明白に証明できないのだから」

パスカル「……まあ、今のは極端な例とは思うが。さっきの話みたく、
『古ぼけたタオルでは透けるから耳を隠せない!』という説と、『いや、色落ちしてる程度だから耳を隠せる!』という説では、
どちらもそうだと言い得る可能性があるのだから、決定打足り得ないという訳だな」

鈴仙「……これはあくまで『ロジックのゲーム』。あり得る可能性を全て否定するのではなく、
現在ここにある証拠から、より一番確からしい可能性を突きつける事が、最も求められるわ」

ウサギC「密室殺人の犯人が実は宇宙人! 犯人は空を飛んで部屋に入って、魔法で人を殺したんだぜ〜、
みたいなミステリーも世の中にはあるけどね……」

ウサギD「え、えええ……! だ、だったら佳歩ちゃんは外の世界の超能力者に操られて金縛りされてたから、
下剤を仕込みようが無かった……ってこともあり得るってこと? ううう、わたし、分からなくなってきたよぉ……」

ウサギB「――ま、まあ。色々考えだしたらキリが無いから、より妥当と思われるムジュンを見抜け、って事ですよね。
文脈の中と証拠との関係から、素直に読み取れるロジックの破綻。それこそが一番大事な訳ですし」

376 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/05(金) 14:01:00 ID:???
チームメンバーの納得をとりあえず取り付け、鈴仙は本題の説明に入っていく。
つまり、先程述べた@〜Bの前提条件のうち、どれが一番否定するに足る条件かということを説明する。

鈴仙「――まずその@。佳歩は私達に隠れて、下剤と注射器を調達した。
これを証拠に基づいて、佳歩の証言を明確に否定できる可能性があるとしたら……実はあんまり無いのよね。

精々が、『永遠亭のエンブレム』を持っている薬売りで、薬を扱える筈の佳歩が、
わざわざ今朝、薬棚から下剤を盗み出す必要性があるのか? とか、
『ヒューガーの名刺』を持っている佳歩だけど、本当に佳歩は沢田君から注射器を買えたのか?

――と、いう程度だと思うけれど、これは結構自然な言い訳がしやすい。
「当日の朝に盗んだ方が、足がつきにくい」だとか、「沢田君は忙しすぎて、自分が買ったのを忘れている」だとか。

そして一番の問題は。
仮にこれが否定されたとしても、【佳歩は隠れて下剤と注射器を調達した】……というロジックは否定しきれない。
「薬棚から」下剤を調達していないとか、「沢田君から」注射器を買っていないとか。その程度の否定は可能だけど、
【佳歩にはどうやっても、隠れて下剤を注射器を調達する事はできない】……と、いう事までは証明できない点よ」

輝夜「い、いや! わからんわよ! ドリンクには元々下剤が入っていた可能性もあるし、
ヒューガーの在庫管理台帳を調べてみれば、注射器を調達してないって証明できるんじゃ……!?」

鈴仙「そうですね。そのことを証明できれば、佳歩の発言を否定する事は出来るかもしれません。
現に、『下剤は極細の注射器を通して注入させられた"らしく"……』と、注射器を通して注入させられたとは確定しませんし。
――ですが、現在、その事を証明できるアイテムを私達は持っていません。
だったら、より確からしい回答を求めていくのが、ロジックを崩すという意味では理にかなっていると思います」

輝夜「む、むぐぐ……イナバの癖に知的な発言しくさってぇ……。本来、知的キャラは私でしょうが……!」

慧音「(えっ)」

377 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/05(金) 14:05:08 ID:???
佳歩「……成程。では、A試合当日、佳歩は私達に隠れて、下剤を仕込んだ。については?」

鈴仙「――それを説明する前に、先にB下剤を仕込んだ後、佳歩は身元が割れないように、ドリンクをスタッフに渡した。
……から、説明させて貰っても良いかしら?」

佳歩「え、ええ……。構いませんよ」

ここで佳歩の虚勢が少し崩れたような気がしたが、それも気にせず鈴仙は更に続ける。

鈴仙「……とはいえ、Bについては、さっき佳歩が大体説明してくれたし。
それに、@と似たような部分があるから端折らせて貰うけど。
「ドリンクをスタッフに渡した」は、スタッフさんが実際にここにドリンクを持って来た以上否定できないから。
Bで実際に論点となるのは、【佳歩は本当に身元を隠せたのか否か?】……という事になると思うわ。

そして更に具体的に言えば、古ぼけたタオルなんかで本当に身元を隠せるのか? ……だとか、
永遠亭のエンブレムを持っている筈の佳歩が、本当に身元を隠せたのか? ……だとかが問題になるけど。

ここについては、さっき佳歩も言ってたとおり証拠として本当に弱い。身元を隠せたのかもしれないし、隠せなかったのかもしれない。
まあ、佳歩の言ったように、タオルがちょっと白くなっただけで、耳が透けるものとは自然に考えづらいし、
エンブレムにしても、カバンの中に入ってた事を考えると、スタッフがそれを見つける可能性も低いでしょうけど……。

――とにかく、『身元を隠せた説』『身元を隠せない説』。
どっちの説にもある程度の説得力はあるから、これを根拠に佳歩を突いても堂々巡りになるだけだわ」

378 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/05(金) 14:06:45 ID:???
永琳「……前提条件@を崩すには、明確な証拠が今ここに存在しないため困難。
また、……前提条件Bを崩すには、証拠はあっても根拠が弱いため困難。
――では、前提条件Aには。明確かつ、根拠のある証拠が残されている。……そういう事かしら?」

久しぶりに口を開いた永琳に対し、鈴仙は力強く頷く。

鈴仙「……そもそも、今回の謎が複雑だったのは。佳歩が多数のノイズを、私達に投げかけて来たからです。
私の推理が正しければ、佳歩は今ここで一連の証言をでっち上げた。
だから、大がかりなトリックだとか、巧みな隠蔽だとかはどうしたってできようも無い。
――じゃあどうやって、自身の証言に潜むムジュンを包み隠すか。
不要な周辺情報をあえてペラペラしゃべって、色々な可能性を私達に深読みさせるためのね!」

佳歩「………!!」

鈴仙「――佳歩、流石だわ。『全ての情報は推理の為に有用である』、『新しく出した証言のムジュンには、新しく出た証拠で対応できる』。
そんな私達の思考パターンを読み切った、心理的ミスリード……! まさしく頭脳的で頭の回転が速い佳歩らしいわ」

佳歩の表情が驚愕と――まるで鈴仙が永琳を見る時のような畏怖に染め上げられた。
これは、鈴仙の敵と化したらしい佳歩が今までに見せた事の無い表情だった。

鈴仙「――しかし、その本質はあくまで直情的で単純! 頭脳のノイズに潜ませた真実は拍子抜けする程に真っ直ぐ!
……さあ佳歩、見ていなさい! これが――あんたの証言を覆す、最も有効な証拠よ!! ……く ら え !!」


バァァァン!!

379 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/05(金) 14:14:27 ID:???
――と、言ったところで一旦ここまで。
ここまでの展開を纏めると、

・色んな可能性が想定されるけど、手元の証拠と証言で一番『佳歩には下剤を仕込めない』と証明できそうなものをつきつけるよ。
・まず、『佳歩は下剤と注射器を調達した』ことを明確に否定できる証拠は、今ここに存在しないよ。
・次に、『佳歩は身元が割れないようにした』ことを示す証拠はタオルがあるけど、それを否定する根拠はちょっと弱いよ。

……という感じです。

>>371など回答に関する疑問についても、これまで示した文章の範囲内で、
極力自然かつこれしかないと思えるよう解説しようと思います。

380 :森崎名無しさん:2015/06/05(金) 15:17:44 ID:???
乙です
気になったことがいくつかありましたが全部終わった後にまとめて質問してもいいですか?

381 :森崎名無しさん:2015/06/05(金) 17:48:13 ID:???
やめてさしあげろ

382 :森崎名無しさん:2015/06/05(金) 17:53:34 ID:???
質問とかいって自分が納得できない答えだから訂正しろとかガキだな

383 :森崎名無しさん:2015/06/05(金) 18:40:04 ID:???
ちょっと言い過ぎじゃね

384 :森崎名無しさん:2015/06/05(金) 18:40:59 ID:???
言いすぎ

385 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/05(金) 19:46:36 ID:???
こんばんは、更新を再開します。
今読み返すと>>378の日本語が少しおかしいので、>>378の修正版から書いていこうと思います。
>>380
乙ありがとうございます。
必ずその質問について100%納得のいく答えはできないかもしれませんが、それでも宜しければ構いません。
>>381
お気遣いありがとうございます。私の負担にならない程度で、コメントには応えたいと思っています。
>>382
お気遣いありがとうございます。>>383-384さんもおっしゃってますが、言葉遣いについては、私含め皆で気を配っていきましょう。

386 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/05(金) 19:48:11 ID:???
永琳「……前提条件@を崩すには、明確な証拠が今ここに存在しないため困難。
また、……前提条件Bを崩すには、証拠はあっても根拠が弱いため困難。
――では、前提条件Aには。明確かつ、根拠のある証拠が残されている。……そういう事かしら?」

久しぶりに口を開いた永琳に対し、鈴仙は力強く頷く。

鈴仙「……そもそも、今回の謎が複雑だったのは。佳歩が多数のノイズを、私達に投げかけて来たからです。
私の推理が正しければ、佳歩は今ここで一連の証言をでっち上げた。
だから、大がかりなトリックだとか、巧みな隠蔽だとかはどうしたってできようも無い。

――じゃあどうやって、自身の証言に潜む大きなムジュンを包み隠すかだけど。
それは言ってしまえば、手品のトリックの仕込みに似ている。
肝心なタネは単純だけど、それを隠すために、わざと大袈裟で不自然な動きを取って目を眩ませるような。

今回もそれと全く同じ。敢えて不要な情報をペラペラ喋り、不要な証拠をもっともらしく取り出して、
私達がごくごく単純なムジュンに気付く事を妨げたのよ! 本来必要な証拠は、当に出そろっているのにね!」

佳歩「………!!」

鈴仙「――佳歩、流石だわ。『全ての情報は推理の為に有用である』、『新しく出した証言のムジュンには、新しく出た証拠で対応できる』。
そんな私達の思考パターンを読み切った、心理的ミスリード……! まさしく頭脳的で頭の回転が速い佳歩らしいわ」

佳歩の表情が驚愕と――まるで鈴仙が永琳を見る時のような畏怖に染め上げられた。
これは、鈴仙の敵と化したらしい佳歩が今までに見せた事の無い表情だった。

鈴仙「――しかし、その本質はあくまで直情的で単純! 頭脳のノイズに潜ませた真実は、拍子抜けする程に真っ直ぐ!
……さあ佳歩、見ていなさい! これが――あんたの証言を覆す、最も有効な証拠よ!! ……く ら え !!」


バァァァン!!

387 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/05(金) 19:49:23 ID:???
――鈴仙は佳歩に対して、……再び、『下剤入りのドリンク』を突きつけた。
すると佳歩の表情は、隠し切れないレベルを通り越して焦りが広がっていく。

鈴仙「――佳歩も気づいたわよね。あんた、注射は雑になっても良いから、【兎に角迅速に】計画を遂行したと言いながら、
この『下剤入りのドリンク』には、新品同然に雑な痕跡が無い。
だけど、佳歩は兎に角迅速に計画を遂行した筈なのに、全てにおいてミスが全くないとは考え難い。
この証拠の現状は、佳歩の証言と大きく食い違っているとは考えられない?」

妹紅「確かに。さっきのタオルだったら耳を隠せたかどうかは微妙な所だけど……」

つかさ「この下剤入りのドリンクは、少なくともそれ以上に不自然な証拠です!」

輝夜「え? でも偶々雑にやったけど、痕跡が出なかったコトもあり得るんじゃないの?」

妹紅とつかさ、それと多くのウサギ達は鈴仙の発言に納得した様子で頷く。
無論、これだけでは納得の行かない様子であるメンバーも少なからずいたが……。

鈴仙「無論、その可能性も完全には否定できません。……ドリンクの数が、1本だけだった場合は」

慧音「ああ……成程。……私は医療関係者では無いから良く分からんが、
極細の注射器で一本一本漏れ等ミスの無いよう注入するのは、さぞかし大変な作業だろう。
――無論、たまたま1本2本がミスの無いよう注入するのは……まあ、あり得るかもしれんが。
それを24回連続であり得ると想定するのは、些か不自然に思えるからな」

てゐ「――でもさ、ホントに大変なのかな? 時間が掛からない可能性だってあるんじゃないの?
そこについてはどうやって立証するの?」

鈴仙「そこについては、普通に考えて、ドリンク24本に注射をするのは時間が掛かると思う……
ってなるから、論理としてはやや弱いかもね。
強いて言うなら、『あんまり時間がかかっては怪しまれるので』……って言ってた位なんだし。
通常は時間が掛かるものと佳歩は認識していた……と考えられるってのが、根拠かしら?」

388 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/05(金) 19:51:29 ID:???
てゐ「ふ〜ん。……ま、確かにそこを差っ引いたとしても。
他の選択肢よりも、論理として強そうなのは揺るが無さそうだね。
何より、問題の核心である下剤の混入シーンだもの。このムジュンについては、大事にしていくべきさね」

鈴仙は多少の質問についても、余裕を持って答えていく。
その結果、鈴仙の指摘はこれまで以上にチームメンバーの同意を得る事ができた。
多くのメンバーが、佳歩の証言と今、現にここにあるドリンクとの相違について納得し頷いている。

佳歩「……そ、そうでしょうか? これだって、証拠としては弱いのでは?
確かに私は、スタジアムに着いてからミーティング開始までの僅かな時間を縫って下剤を混入させました。
でも、多少雑であってもミスが出ないよう注射をするべく、練習をしていたかもしれないじゃないですか!
だって、これだけの計画なんですよ。ぶっつけ本番でやる訳がありません!」

……とはいえ、佳歩とてこれだけで引き下がる程弱くは無い。
苦しみながらも辛うじて反論を行い、鈴仙の論撃に対し食い下がる。

鈴仙「――確かに、その想定は……まあ充分あり得る、自然な言い訳と考えられるわ。
第一に、それなら証言でその旨を補強すれば良かったのに、『雑でも良いから』としか言わなかった事。
第二に、外界でも最近普及したばかりのペットボトルを、私達にバレないようどうやって、練習用にこっそり仕入れたかという事。
第三に、仮に練習したとしても迅速に動いて24本中24本ともに新品同様の外観に出来た事は、結構苦しいと思うけど。
……でも、まあ。第一の点については佳歩のミスかもしれないし、
第二と第三の点については、それを論証出来る根拠が無いから目を瞑るわ。
ペットボトルじゃない安価な素材で練習したのかもしれないし、24本中24本間違えずに出来たと言い張れば済む話だしね。

――だけど。それを差し引いたとしても。
もし佳歩の言う通り、事前に練習していたのだとしたら、より不自然な推測が成り立つわ」

佳歩「な、なんですかっ、それは」

しかし鈴仙は動じない。佳歩にもひるまず、淡々と自身の考えを述べていく。

389 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/05(金) 19:52:42 ID:???
鈴仙「――佳歩。あんたは神子の命を受けて、事前の取り決め通り、スタジアムで下剤を仕込む事になってたのよね?」

佳歩「そ、そうですよ! 練習、大変だったんですから!」

鈴仙「……なんで、そんな非効率的な事をするの?」

佳歩「……えっ?」

鈴仙「佳歩の話が本当だとすると、佳歩と神子とはある程度前からやりとりがあったことになる。
その際、今回の計画を遂行するにあたっての肝である、
佳歩が注射器で下剤を注入する事ができるか否かについては、神子は当然に確認しているでしょう。
そして神子は、佳歩が注射で下剤を仕込むには、ある程度の練習が必要という事を聞いている筈」

ウサギC「うん。 で、それの何がおかしいの〜?」

鈴仙「……あの聡明すぎる神子が、練習が必要だという前提条件付きの計画をOKするかしら?
しかも、彼女が信を置く側近ならともかく、単なる内通者である、子どもの妖怪ウサギの作戦に対して」

ウサギD「あっ……!」

鈴仙「そう。佳歩に私達の妨害をして貰うにも、もっといい方法がある筈なのに、神子はそれをしなかった。
ただでさえ、ペットボトルという幻想郷では未知の素材に対し、迅速かつ正確に下剤を注入する事は……。
100%無理とまでは言わずとも、信頼度としては落ちるというのに。
――それを、命令を下した時から注射の練習を始めさせてでも、ゴリ押しするでしょうか?」

輝夜「そっか。練習しないとできないような作戦だったら、最初からやらない方が良いもんね。
まあ、ウソというか見栄を張って「注射できます!」……とか言っちゃった可能性もあるけれど。
アイツがそんな子どもの発言全て、真に受けたりするかは割と疑問よね」

てゐ「(それを言い出したら、佳歩ちゃんをスパイに選んでる時点で終わってるけどね〜。ま、いいか)」

390 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/05(金) 19:54:14 ID:???
鈴仙「そうです。それなのに、今佳歩が言ったような作戦が行われているという事は、
あの神子の性格からして、少し自然には考えにくいと思うんです。
佳歩が最初から練習せずとも、100%確実かつ迅速に注入出来たというなら別ですけど」

佳歩「じゃあ、ミス無く100%やったんですってば! 私の注射の腕前は最強なんです!
その余りの腕前に、神子様もご満足されていましたし!」

鈴仙「それって、神子が今回の計画を話す前から注射の練習をしていたって事?
それなら流石の神子も、腕によっては佳歩を信頼するかもしれないわね。 ……でも、どうして?」

佳歩「わ、私はドクターにあこがれてたんです! だからコッソリ注射器を買って、練習をしてたんです!」

ウサギB「そんな話、今始めて聞いたよ」

佳歩「皆にも秘密にしてたんです!」

永琳「だったら私か、そうで無いにしても、ウドンゲの所に相談に行けばよかったのに」

佳歩「えっと……は、恥ずかしかったからです!!」

鈴仙「……まあ。これで皆も、佳歩が迅速かつ間違い無く下剤を注入できた可能性は、
0とは断言できないにしても、限りなく低い事が何となく分かったと思うけど。
――佳歩。あんたはそれでもどうしても、自分はドリンクを下剤を注入したスパイだって言い張るのね」

佳歩「そ、そうですよ! だってそうなんですから! 私は注射の天才だったんです!!
つぎはぎ顔の医師の隠し子だったんです! ブラックジャックによろしくです!!」

391 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/05(金) 19:55:56 ID:???
もはや練習したという前提条件を捨て去ってでも、自分はあくまでスパイだと言い張る佳歩。
しかし、これまでの鈴仙の攻撃により、佳歩のロジックは虫の息である。
鈴仙は最後のトドメとして、佳歩にこう言い放った。

鈴仙「……じゃあ、佳歩。あんたがスパイだって言うならば。
私達の前でもう一度やってみなさいな。24本のペットボトルに、注射を、ミスなく迅速に」

永琳「緊急用の注射器なら、カバンに入っているわ。このサイズで無いとできない!……とか、
ご要望があれば試合後にでも、私室にご招待するけれど」

佳歩「あ……う……」

しかし佳歩はここで言葉に詰まる。
鈴仙の推理が正しければ、佳歩は注射の達人なスパイでは無いため、ミスなく迅速に注射などできない筈である。
しかし佳歩としては、ここで注射の腕前を検証しなくては、自分がスパイであるという主張を続ける事はできない。
やがて、暫しの沈黙が流れ――。


――ユラッ………………ペタリ。


佳歩「わ、私のまけ、です……。 鈴仙さま、すみませんでした…………」

佳歩はまるで憑き物が落ちたかのように力無く、へなへなと控室の床へとへたりこんでしまうのだった。

392 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/05(金) 20:05:16 ID:???
……と、言った所で一旦ここまでです。

『佳歩が練習したからミスなく注射ができた』という反論については、『そもそも練習が必要な不安定な計画など神子はやらない』
……という風なややこじつけっぽいロジックとなってしまいました。
『だったら最初から妨害工作なんてやるなよ』とか『神子は佳歩をスパイにする位のバカだから無謀な作戦でも命令するだろ』とか、
充分反論の余地ありなロジックではありますが、私はやはり、>>386-390のロジックの方が、それらより説得力があると思います。

質問がある方につきましては、気軽にコメントしてくださって結構です。
ですが、100%納得の行く回答になるとは限りませんので、その点ご了承頂ければ幸いです。
より確からしい、説得力がある、と言った観点から私はこれまで書いておりますが、
もしも私の説以上に説得力のある別解があった場合は……すみません(爆)

393 :森崎名無しさん:2015/06/05(金) 20:06:59 ID:???
乙ロットー!

394 :森崎名無しさん:2015/06/05(金) 20:08:05 ID:???
一旦乙です
やだ、鈴仙さんがすごい、なるほどー

395 :森崎名無しさん:2015/06/05(金) 21:11:32 ID:???
乙です

質問はあらさがしと思われても仕方ないのでやめておきます
スレを荒らす気は全くないしそれが原因で荒れることにはしたくありません
みなさんすみませんでした
これはガキだと思われても仕方ないですね、自分が正しくなかったから起こったとみられても無理はありません

言葉使いが荒いのも俺が発言しなけりゃそんなこと言わずにすんだだけですし
雉も鳴かずば撃たれまいというやつです

396 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/05(金) 23:10:46 ID:???
こんばんは、更新再開します。
>>393
乙ロットありがとうございます!
>>394
一旦乙ありがとうございます。鈴仙が随分頭良くなってますが多分仕様です。
一連のロジックについて納得頂けたなら大変嬉しいです。
>>395
乙ありがとうございます。
そうですね、多分私の回答についても、突き詰めていけば細部で怪しい所は多々あると思います。
ですがそれでも、この回答以外に、より説得力のある回答というものは無いと信じています。
もしもロジックが完璧に破綻するような点などありましたら、むしろ今後の参考として教えて頂ければうれしいです(汗)
お気になさらずに。

397 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/05(金) 23:12:02 ID:???
*****

鈴仙「――それにしても、一体どうしたのよ、佳歩? 自分がスパイだなんて……」

佳歩「…………」

鈴仙が声を掛けても、佳歩はその場にへたりこんだままに動かない。
心配になってウサギ達が佳歩の下に群がって来るも、今の論戦で全力を使い果たしたのか、
人形のように虚ろな目をして反応を示さない。

てゐ「……はぁ。もうすぐ試合開始だってのに。――って、まさか」

永琳「――これこそが、本来の聖徳ホウリューズの目的だった。
下剤を飲む飲まないはあくまで副次的な要素に過ぎず、実際は私達の不信を煽り。
そして精神的に消耗させるための作戦だったのかもしれないわね……」

パスカル「そ、そんな! だったら早く止めてくださいよ、エイリンさん!
貴女は最初から分かっていた筈だ、カホはスパイなどしていないと!
彼女のロジックと、その矛盾についてもいち早く気付いていた筈だ! なのに……!」

中山「――気付いていたが。俺達ではどうしようもできない問題だったんだ」

先程まで冷静さを保ってはいたが、やはり普段は気の合うパートナー同士が疑い対立し合うという構図が響いていたのか。
パスカルは柄にも無く感情的に永琳を問い詰めようとするが――それは、中山によって制された。

中山「永琳さんでは、佳歩の暴走を止める事は出来るまい。彼女は聡明であり全知全能に最も近いが。
しかしその実、ませた少女の心の痛みや迷いを癒す事は出来ない。それが出来るのは、同じ心に痛みや迷いを持つ者だけさ」

永琳「……代わりに説明してくれて有難う、中山君」

永琳は中山を労いつつ、掴みかかられたパスカルの腕をそっと元の位置に戻す。
それから、再び鈴仙と佳歩の方へと、静かに視線を向けていた。

398 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/05(金) 23:13:20 ID:???

鈴仙「佳歩、どうして……?」

佳歩「れ、いせん、さま……ごめんなさい、ひどいこと、いっちゃ、って……」

佳歩は少しずつであるが、生気を取り戻していた。
とはいえ、鈴仙の呼びかけに答えるのが精いっぱいな様子であり、その声はか細い。
演技とはいえ、大切なパートナーであり尊敬できる人である鈴仙を口汚く罵ってしまった。
佳歩はその事について、自分自身を酷く責めている様子だった。

てゐ「しっかし、謎なのはどうして佳歩ちゃんがああもスパイである事を主張してたか、だよなぁ。
聖徳ホウリューズの連中に、何等か脅されたのかしらね。だとしたら、もう許せんけれど」

ウサギD「佳歩ちゃん……」

鈴仙とてゐ、そしてウサギ達は依然佳歩を心配そうに見守っている。
そして、そんな中―――。

ぺらっ……。

ウサギC「あれれ〜?」

ウサギB「ちょっとCちゃん、何突然素っ頓狂な声上げてるの……?」

佳歩の近くで座って、珍しく普通に心配そうにしていたウサギCが何かを見つけたようだった。
どうやら佳歩のワンピースのポケットから滑り落ちたらしい一枚の紙切れを、ウサギCはしげしげと見つめていると――。

399 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/05(金) 23:14:43 ID:???
佳歩「!? そ、それは……それは駄目!」

タッ! ドタッ!

つかさ「どうしたの、佳歩ちゃん。そんな突然飛び上がって!!」

佳歩「だ、ダメなんです! Cちゃん、それだけは、ダメだから………!!」

佳歩はよろよろと立ち上がって、紙切れを掴んでいるウサギCに追いすがる。
突然動いた佳歩に周囲が驚いていると……カランと音がして、佳歩のポケットからもう一つ何かが滑り落ちた。

佳歩「あっ……!?」

鈴仙「? どうしたの、佳歩、これは……?」

ウサギCが持っているメモ紙と、今しがた佳歩の背後で落ちた薬瓶。
どちらを追うべきか逡巡していた様子の佳歩の隙をついて、鈴仙はおもむろに丸薬の入った薬瓶を拾い上げると。
そのラベルにはテカテカとした赤文字で、こう書いてあった。

鈴仙「『速攻性下剤 ミスギキラー』……佳歩、これは……?」

ウサギC「鈴仙さま、鈴仙さまー! これ読んで〜!!」

佳歩「あっ、駄目……!」

更にウサギCは、佳歩の制止も聞かずに手に持っているメモ紙を鈴仙に押し付ける。
佳歩も鈴仙にまで反抗するのは気が咎めたのか、絶望的な顔を湛えたまま再び動かなくなった。

鈴仙「(佳歩……? 佳歩はもしかしたら、これを隠していたの……? 一体何が書いてあるんだろ……)」

鈴仙はメモ紙の中身を読み始める。そこにはある意味衝撃的な内容が記されていた。

400 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/05(金) 23:16:03 ID:???
  鈴仙
〜■■■へ〜

先日は貴重な情報ありがとう。
    神子様
今日は■も絶対負けられない試合なの。それは前も言ったわよね?
     鈴仙
そこで■■■ちゃんにお願いがあるの。
                  永  琳
できる限り、今日の試合で■■■■■さんの足を引っ張って欲しい。
 鈴仙   永  琳             
■■■も■■■■■さんに無理をさせ■■■■■■■■るより、

今日の試合でスッパリサッカーを諦めて普通に付き合ってほしいわよね?
                厳格な永琳
何より、先日の話を■■■■■■■■■さんが知ったらどう思うかしら・・・

それじゃあよろしくネ!

                                       霍    青娥
                                      ■■■ ■■■

401 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/05(金) 23:17:09 ID:???
          
鈴仙「こ、これは……!!(霍青娥……神子の影として暗躍しているという、あの邪仙?
最近姿を見せないけれど。まさか、幻想郷に戻って来たというの……!?)」

佳歩「だ、ダメーー! これは違うんです、あの、そのっ!?」

始めは黙っていた佳歩も、話の本旨に差し掛かる頃には思わず大声をあげてしまう。
困惑するチームメンバーを尻目に、佳歩はたまらずこう暴露してしまった。

佳歩「れ、鈴仙さま……! わ、私は、その……! 鈴仙さまを信じていたから!
だから、スパイなのは鈴仙さまじゃなくって、私だって事にしたいって思って……、その……!!」

鈴仙「……は?」

鈴仙は一瞬理解が追いついていなかった。
自分は佳歩をスパイとして疑っていたのでは無かったか。
しかし、佳歩を信じたいと思って佳歩のスパイ疑惑を否定したところ――。

佳歩「ひぐっ! そ、そうです! 最初、お手洗いに行った時にこの紙と錠剤が落ちてて……。
それで私、びっくりしてポケットに隠したんですけど、鈴仙さまがこんな悪い誘いに乗るワケ無いと思ってて」

佳歩はまくしたてるように真実を語りだす。

佳歩「……だから私、ホントにスタッフさんが部屋に来て、
それで鈴仙さまが、姫様に毒見をさせようとして、ホントにびっくりしたんです!
まさか、鈴仙さまが本当にスパイだったのかも……って。でも、そんな訳ないですから!
だから、鈴仙さまに嫌疑がかからないよう、私がスパイだって言っておこうって。
でも、そしたら鈴仙さまが、私の無実を証明しようとしてきたから、混乱しちゃって……!?」

402 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/05(金) 23:18:42 ID:???
てゐ「え……えっと。纏めると。佳歩は、鈴仙をスパイだと思っていた。
だけど、そんな筈ないと信じてたから、敢えて自分がスパイの嫌疑を被る事で、鈴仙の罪を隠そうとした………って、ことかい?」

佳歩「そ、そうですっ!! だって、鈴仙さまがスパイな訳ないのに。
こんな紙が見つかったら、ひょっとしたら皆鈴仙さまを信じないかもしれないって思って……!!」

佳歩は泣きながらそう答える。鈴仙は自分も泣きたくなった。
自分を慕ってくれる少女の、あまりにも真っ直ぐな想いの強さに。

ギュッ。

佳歩「ふ、ふわっ! れ、鈴仙さま……? どうして、鈴仙さまが泣いているんですか……!?」

鈴仙「か、佳歩……! ごめんね……!
(わ、私は佳歩をスパイだと疑ってて。それでてゐに言われて漸くやる気になった位だったのに。
だけど佳歩は、不利な証拠があっても、私をスパイだとハナから考えていなかった!)」

鈴仙は佳歩をぎゅっと抱きしめた。何があっても自分を信じてくれた相棒を。
泥を被ってでも、自分を守ろうとしてくれた愛すべき部下を。
鈴仙は絶対に離したくない、信じ続けていたいと、心の底から考えるようになっていた。

佳歩「れい、鈴仙さま。私こそ、ごめんなさい。全然お役に立てなくて。それどころか、酷い事言っちゃって……」

鈴仙「良いのよ、佳歩……! だから、お願いだから。これからも、私を信じていてね!
私も、もっともっと佳歩を信じられるように、努力するから……!」

佳歩「あはは……駄目です。鈴仙さまは頑張りすぎですから。もっともっと、鈴仙さまは自分に自信を持ってください……」

鈴仙「う、うん……頑張るね!」

佳歩「もーっ、鈴仙さまったら……。――でも……。私もやっぱり、頑張りますね……! 二人で一緒に、頑張りましょ!」

403 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/05(金) 23:20:03 ID:???
中山「(――雨降って地固まる、か。これがあの冷徹で野心深いと評判の豊聡耳神子の作戦とは。
もしくは、人を人とも思わず玩具としか思っていないという、狂った邪仙の作戦とは、俄かには信じがたいな。
となると。この作戦の立案者とは、もしや……)」

一方で中山は、今回の一連の事件を一歩引いた目線で分析していた。
確かにこの作戦は永遠亭ルナティックスに精神的な動揺を与える事に成功している。
しかし、その反面、ルナティックスでもかなり厄介な選手である筈の鈴仙と佳歩との結束を深めている。
言ってしまえば、かなり手ぬるい。これは本当に神子や、もしくは手紙に宛名の記された邪仙――霍青娥の仕業なのか。
中山の思考は、第三の人物による関与の可能性を確信していた。

中山「(――岬。お前は一体、何を考えている……?)」

――試合開始があと間際まで迫っていた。スタッフの号令に従い、
ルナティックスメンバーは興奮冷めやらぬ状況で、スタジアムのフィールドへと向かっていく。


鈴仙「(それにしても……。私だけじゃなく、佳歩にまでこんな卑怯な方法で疑心を植え付けようとするなんて。
聖徳ホウリューズ。私は。私達は……やっぱり、貴女達を絶対に、許したくはない…………!!)」

そして、冷静な中山に反して。――佳歩と離れた鈴仙は、普段の暢気さを捨てて怒りを剥きだしていた。
この借りは、必ず試合で返さなくてはならない。
鈴仙には勝利への執念だの、人間と妖怪との関係だの、神子達の掲げる小難しい理念の是非は分からない。
――ただひたすら、人の心を弄ぶ彼女達のやり方に、純粋に怒っていた。


*イベント成功! 佳歩の評価値がかなり大きく上がりました。
*また、鈴仙の佳歩に対する疑心も解消しました。更に……?
*また、賢い推理を見せつけチームメンバー全員の評価値もやや上がりました。
*推理に成功したため、永琳印象値が上がります。49→51

404 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/05(金) 23:22:17 ID:???
鈴仙「私はおこったぞーーーー!! 神子ーザーーーーーーーーーーー!」
……的な展開になったところで今日は多分ここまでです。(余力があれば深夜にもう1更新したいです)

皆様、本日もお疲れ様でした。

405 :森崎名無しさん:2015/06/05(金) 23:23:27 ID:???
天狗じゃ!天狗の仕業じゃ!!

406 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/05(金) 23:24:28 ID:???
恐らくどうでも良い余談ですが、青娥?の書いた鈴仙への脅迫状について、色々黒塗りになってるのは、
射命丸が前の試合で小悪魔に書きかけた脅迫状をベースにしているからです。
下剤もその時と同じヤツだったりします。

407 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/06(土) 00:06:36 ID:???
>>405
天狗の仕業……と見せかけて天狗でも無かったりしますw
(書いて無かったですが、射命丸とはたてが痴話喧嘩してた後で、
射命丸がメモを破って下剤と一緒に捨てた。それを何者かが黒塗りして書き直したと思ってください)

408 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/06(土) 00:08:03 ID:SuwihlJw
――ブウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!!

鈴仙「…………!!」

通常よりも少し遅れてフィールドに入ったルナティックスのメンバーは、普段とは違って歓声では無く、盛大なブーイングにより歓迎された。

実況「さあ〜! 控室で何かトラブルがあったのでしょうか! いよいよ永遠亭ルナティックスが、フィールドへと入って来ました!
メンバーの一部は試合開始直前と言うのに、既に精神的に疲弊しきった表情を見せておりますが……!
果たしてこれは、大丈夫なのでしょうか〜〜〜〜!?」

観客「ブウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!」
「出ていけー! 人を惑わす妖怪兎どもがー!」「魔女だー! 竹林の魔女が出たぞー!」「魔女は火刑だー!」
「こらー因幡てゐー! このぼったくりー! 詐欺師ー!」「カグヤ カグヤ カグヤ カグヤ」「神子様ー!」
「我々人間をお救い下さい!」「人間の結束の力、妖怪共に見せてやってくれー!」「布都ちゃんかわいい」

輝夜「あーら。今日の試合の観客さんは、愉快なエールを送ってくださるわね。
……だから、いつものアンタら! そう、アンタらよ! アンタらも普通に妖怪ディスってて良いからね!
場の空気に支配されちゃっていいからね! 私の応援なんてしなくて良いからねっ!?」

ウサギD「ひ、姫様はああ言ってるけど、こ、こわいよぉ……」

つかさ「気にしちゃダメよ、Dちゃん。外の世界のサッカーだと、
アウェーチームはこういうブーイングと共に歓迎されるのはごく当たり前の事。……だから、気を強く持って」

てゐ「ひ、ヒドイよ……私がぼったくりだとか、詐欺師だなんて……。
私は……皆が夢を追い続ける姿を……その姿を心から……応援するものなのに……!」

鈴仙「いや、それは真実でしょ……(観客達の感情が支配されている…って事は。
面霊気の妖怪……秦こころはこの試合スタメンでは無く、観客席がどこかで工作をしているみたいね。
まずはあくまでも、私達を精神面で追い詰めて行くつもりか。……ヤなヤツらね)」

佳歩「(……私達は負けない。絶対に、負けないんだから……!)」

409 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/06(土) 00:09:13 ID:SuwihlJw
それでも、鈴仙達は負けずにフィールドを行進していく。
果たして中央には既に聖徳ホウリューズが一列に並び、ルナティックスを待っていた様子だった。

神子「――やあ、随分と待ちましたよ」

その先頭に立つ、紫のマントを羽織った黄金色の華奢な少女――豊聡耳神子は、
これまでの自身の行いをさておいて、朗らかな口調でルナティックスメンバーに挨拶をした。
それも、(一応)キャプテンの輝夜だけで無く、他のメンバーに対し手短だが優しげに挨拶に回り、
子どもウサギ相手には身を屈めて丁寧に声を掛けている。

輝夜「ふん。流石は政治家のセンセーね。せせこましいイメージアップに必死なことで。
この手の連中のつまらなさは千年前から、ちっとも変わっていやしないわ」

神子「ははは。まさかそんな事を政治のカタマリである姫君に言われるなんて。
それならついでに言わせて貰うが、千年どころか、千三百年前からこんなもんさ。我々政治屋はね」

鈴仙「(――豊聡耳神子。稀代の政治家にして稀代の聖人。聖徳ホウリューズのキャプテンで、
妖夢が選んだ、『ハイパー・カンピオーネ』計画のリーダー。……生で会ってみると――ホントに、ヤなヤツっぽいわね。
常に人に見られてる事を意識してるっていうか、謙虚そうで、自分こそが世界の中心と思ってそうなトコとか)」

そんな神子の様子を口で咎める輝夜に、その後ろにて視線で咎める鈴仙。
神子は暫くは輝夜との舌戦に興味を示していたが、その後に鈴仙の方へもやって来た。

神子「……御機嫌よう、月から来た従者さん。本日は、お手柔らかに頼むよ」

神子は全ての事情を知っているかのような含み笑いで、鈴仙に対して優しく手を差し伸べる。
一見すると爽やかな仕草だが、鈴仙はその態度の全てが厭らしく思えた。

410 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/06(土) 00:11:12 ID:SuwihlJw
鈴仙「(こうやって接していると、裏では私と佳歩とで互いにスパイ疑惑を持たせたり、
卑怯な戦術を指示してフランドールやパチュリーさんを退場させたようなヤツとは、一見分からないわね。
……どうしよう。何か声でも掛けてやろうかしら?)」


A:「あんたが豊聡耳神子ね。妖夢やパチュリーさんや佳歩が、ずいぶんとお世話になったようで……!」遠回しに怒りを向ける。
B:「……さあ皆! 準決勝なんてただの通過点よ。さっさと突破しましょ!」神子を無視する。
C:「ええ。……よろしくお願いしますね」比較的友好的に挨拶する。
D:「――許さない。絶対に……!」直接的に強い怒りを向ける。
E:「聞け!貴様らの非道、天が許してもこの鈴仙が許さん!」一発ギャグをかます。
F:特に話さないまま、神子の横っ面をビンタで叩く。
G:その他 自由選択枠


先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。



*一回終わると言っておりましたが、余力がありましたので、試合開始まで続けようと思います(汗)

411 :森崎名無しさん:2015/06/06(土) 00:13:38 ID:BB1f4fQc
G
「ごめんなさい、今は誰とも話したくないの」と言ってカマをかけてみる

412 :森崎名無しさん:2015/06/06(土) 00:21:23 ID:BkQrm9Jk
G よろしく……ところで、あのブーイングだけど、あなたはこの人間と妖怪の不仲についてどう思っているのかしら?

413 :森崎名無しさん:2015/06/06(土) 00:23:41 ID:whySDG2g
C こういう手合いには反応を返すこと自体がよろしくない

414 :森崎名無しさん:2015/06/06(土) 00:26:02 ID:Kqlm3U5M
G:「あなたがかの有名な聖徳太子ね、凄いなあ!
  こちらこそよろしくお願いします!!」
  明るく有効的なあいさつをする。

415 :森崎名無しさん:2015/06/06(土) 00:33:55 ID:BkQrm9Jk
Cに変更をお願いします

416 :森崎名無しさん:2015/06/06(土) 00:34:11 ID:kVq7BuSU
Gそのヘッドフォン・・・デザイン少しださくなぁい?もうちょっとハイカラな方が似合うと思うわ

417 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/06(土) 00:51:59 ID:SuwihlJw
C:「ええ。……よろしくお願いしますね」比較的友好的に挨拶する。

鈴仙「(――くうっ。こっちはアンタの作戦のせいで、私と佳歩があらぬ疑心を持たなきゃいけなくなったってのに。
何なのよ、その『自分は清廉潔白な政治家です』的なオーラは……!)」

言われなき誹謗中傷の入ったブーイングをBGMにしていた鈴仙は、
鈴仙は神子のこれまでの様々な謀略を思い出し、思わず怒りを表面に出したくなるが……。

鈴仙「(――でも、駄目。きっとそうやって私を苛立たせる所まで含めて、奴の作戦なんだから。
だから、ここは相手に合わせて、こっちも柔和に……)――ええ。よろしくお願いしますね」

鈴仙はそれを抑えて、差し出された手に応じる。神子は一瞬だけ意外そうに目を丸くしていたが。

神子「……よろしく。いや、礼儀正しい従者が居て、私はここの主人が心底羨ましいよ」

と、再び得意の政治的な笑顔を作って鈴仙に答える。

神子「(ふうん。私の予測では、多少なりとも不機嫌さを表に出してくると思ったんだけどな。
どうやらやはり、鈴仙・優曇華院・イナバが精神的に脆いというのは過去のデータらしい)」

鈴仙「(――フフ。ちょっと意外そうにしたわね、豊聡耳神子……!
だけど、これからのプレーで、もっともっと、意外そうな顔をして貰うんだから……!)」


*神子の評価値がやや上がりました。

418 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/06(土) 00:53:18 ID:SuwihlJw

輝夜「ふふーん。どうだった、ウチのイナバは? 良くしつけられてるでしょ」

神子「ああ……とても。彼女達は、我々にとっても有益な存在になってくれそうだ」

輝夜「有益……ね。政治家連中は物事を損か得かでしか判断できないってのかしら。
頭のネジ一本か二本くらい、外れてるんじゃないの?」

神子「貴殿には言われたくないさ。――さあ、コイントスを始めよう」

実況「あっ、どうやらコイントスが始まる模様です!
神子選手の穏やかな振る舞いに、輝夜選手はタジタジになりつつも促されてコインを分捕り……!」


先着1名様で、

★コイントスの結果→! card★

と書き込んでください。マークで分岐します。

ダイヤ・ハート→ルナティックスボール
スペード・クラブ→聖徳ボール
JOKER→そのとき、ロベルト本郷(全裸)の スポットカット が輝夜の顔面に直撃!!
       (*ヒャッホー系が出たらJOKERでなくてもこの分岐に強制的に行きます)

419 :森崎名無しさん:2015/06/06(土) 00:56:37 ID:???
LoVAやります?
★コイントスの結果→ クラブ8

420 :森崎名無しさん:2015/06/06(土) 00:57:50 ID:???
★コイントスの結果→ ダイヤ5
スポットカットがヒャッホー系に思えて仕方無い

421 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/06(土) 01:50:11 ID:???
★コイントスの結果→ クラブ8 ★
スペード・クラブ→聖徳ボール

輝夜「――私は別にタジタジになってないっての! ……って、あら」

神子「……おや。これは僥倖。表は私の目だったな」

輝夜が実況にイチャモンを付けている間に、コインの目は表を向いていた。
神子はそれを見て丈長のマントをもう一度大きく羽織り直し、喜色満面に頷く。
たったそれだけの行為。しかしそれだけで、神子の周囲に纏う気力が大きく増していた。

神子「――天道、常に我が掌中にあり。……今日は、勝たせて貰うぞ」

輝夜「セコい政治家風情が天道だなんて、笑止千万! こちとら、そのアンタ等が信望してる天からやって来たのよ。
だから試してあげるわ。アンタの天道が、果たして是であるか非であるかをね! ……えーりんとイナバ達が」

鈴仙「ひ、姫様……!(――いつもだったら、「私に振らないで下さいよ……」とか言うけれど。
今日ばっかりは姫様に同調してやるんだから!)――ええ、頑張ります!」

神子「フフ……それでこそ面白い」

先程の柔和で女性的な雰囲気は鳴りを潜め、中性的な鋭さを秘めつつ、神子は不敵に微笑む。
観客のブーイングは絶えず、何時もなら顔を見せる筈の鈴仙のライバルたちも、不思議な事に姿を認識できない。
前の試合と同じ守矢スタジアムでありながら、まるで魔王の島に単身乗り込んだような錯覚を覚える。

中山「(……豊聡耳神子。俺はあんたの行動を裁ける程偉くは無い。ただ、俺はあんたと戦いたい。
そして、あんたのその研ぎ澄まされた強さ。その秘密を探りたい!!)」

佳歩「(鈴仙さま……。佳歩は絶対に……絶対に鈴仙さまのお役に立ってみせます……!)」

422 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/06(土) 01:51:29 ID:???
岬「……あらら。中山は神子様に夢中か。ちょっとだけ残念だな」

てゐ「同業者として忠告しとくよ。あんたらはちょっと、調子に乗り過ぎだ」

ウサギB「(データ分析。危険度……極高! これは要注意ですね……!)」



布都「我には神子様の考えの全ては分からん。しかし、神子様の前に塞がる者は全て潰す。それが我の使命だ」

永琳「殊勝な心がけね。……だけどその使命、今ここで終わりにしてあげるわ」

パスカル「――ある人物を信望し追い続ける事は大変だ。お前にその覚悟はあるのか?」



屠自古「やって、やんよ……!」

妹紅「(コイツ……できる奴だ。言葉こそ少ないが殺気に溢れている。さて、今日の私は――何回死ねば良いのかな)」

慧音「(私とて、ここで終わってたまるか。……防ぐ。防いでみせる。子ども達と――幻想郷の歴史の為にも)」

つかさ「やってやんよ。良い響きですね。……私も使おうかしら?」

――そして、鈴仙や輝夜以外のチームメイト達も、それぞれ聖徳ホウリューズの中心選手と対峙し、
互い互いにその想いの強さを探り合っているように見えた。
こうして、短いようで長い試合開始前の時間が過ぎていき――――。

……ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!!

――全幻想郷選抜大会、決勝トーナメント準決勝。
永遠亭ルナティックス対聖徳ホウリューズとの戦いの火蓋が、切って落とされた。

423 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/06(土) 01:52:35 ID:???
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ヨッチャン「皆さん、お久しぶり……じゃないですが。ヒント神ヨッチャンです。
今回の試合は、第二章のセミファイナル! 聖徳ホウリューズとの試合になります!
長かった第二章もあとこの試合と、博麗チームとの決勝戦。
それともしかしたらドイツチームとの試合だけと思えば、何だか感慨深い気がしますね。

聖徳ホウリューズは、これまで戦ったどのチームよりも尖ったチームです!
フィールダーの半分以上は一芸特化、中心選手は特殊戦術持ち、更に隠し玉ありと、
まさしく、これまでの常識が通用しないチームと言っても過言では無いでしょう!

頑張って追い詰めたと思ったら、謎戦術、新選手が現れてご破算……みたいな展開も、
全く無いとは言い切れないような、そんな意地悪なチームでもありますが、
それでも、チーム力ではレイセンたちの方がずっと上。皆との結束の力で、敵の工作を跳ね返して、勝ちましょう!」

−−@−− @川上(セービング特化)
C−A−B C高杉(ブロック特化のスイーパー) A布都(守備万能型) B大丸(クリア特化のスイーパー)
−−D−− D岸田(タックルが得意、ストッパー)
−−−−− 
E−I−J E石田(パサー) I神子(万能型) J岬(万能型、パスカットが得意)
−−−−− 
−−−−F F本間(サイドアタックに長けたウインガー)
G−H−− J小田(スルー役兼セカンドストライカー) H屠自古(ダイレクトシュート特化)
聖徳ホウリューズ:4−3−3
永遠亭ルナティックス:4−3−3
−−H−J H鈴仙 970/970 Jパスカル 840/840
F−−−− F佳歩 800/800
−−−−−
G−I−E Gてゐ 680/680 I中山 820/820 E永琳 900/900
−−−−− 
−BDC− B妹紅 910/910 D慧音 750/750 CウサギB 540/540
−−A−− Aつかさ 660/660
−−@−− @輝夜 730/730

424 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/06(土) 01:53:38 ID:???
解説すべき中心選手は少なめです。
OMFの豊聡耳神子選手は案外大した事なさそうなオーラもありますが、全方面に優れた万能トップ下。
能力値は文句なしの一流クラスで、特に攻撃面の数値が中々物凄いです。
運動量もあるので色々な場面で顔を出して、レイセンたちの邪魔をしてくるでしょう。

同じくMFの岬太郎選手は、更に案外大した事なさそうなオーラもありますが、実力はかなり高いです。
松山選手や藍選手をも上回る能力値に、早苗選手にも迫る数々の必殺技。
流石に風見幽香程では無いですが、これまでのトップ下と比べてもかなりの強敵ですので、油断禁物です!

DFの物部布都選手は、まんま某赤信号君的な能力値ですが、見た目に反して頭は悪く無い。
これまた油断していては足元を掬われ得る、要注意選手でしょう。

CFの蘇我屠自古選手は職人気質のエースストライカー。その決定力は中々のものですが、
鍛え抜かれた輝夜ならば防げない事も無い程度です。恐れず全力でセーブしに行きましょう!

その他の一芸特化選手は、それぞれ上述した特徴には気を付けましょう。
多いので特に紹介はしませんが、どの選手も癖のある強敵ですよ?

――また、聖徳ホウリューズには他にも選手の控えがあるようです。
一番分かり易いのは、被った面によって能力を大きく変えるらしい秦こころ選手ですが……。
彼女が参戦するかは、まだ分かっておりません。こうした可能性についても、警戒は必要ですね。


最後に。この試合は【ルナティックスが負けたらゲームオーバー】となります!
負けた場合ではストーリーが続かない事となりますので、リセットが必要となりますが。
……その場合、多少のペナルティを取らせて頂こうと思います。
そのため、緊張感を持ったまま、時には慎重に、時には大胆に選択をして頂ければ幸いです」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

425 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/06(土) 01:58:30 ID:???
……と、言った所で中途半端ですが、今日の更新は今度こそここまでです。
>>419
今のところは仕事が忙しいですし、他にもやりたい事(スレ更新とか読書とか)もありますし、様子見ですね。
>>420
ロベルト本郷(全裸)って書いたら、どんな技でもヒャッホー系に見えるような気がしますw
例:
ロベルト本郷(全裸)の 黄金コンビプレイ
ロベルト本郷(全裸)の 三勇断球
ロベルト本郷(全裸)の 二枚刃カミソリ

それでは、皆様、本日もお疲れ様でした。

426 :森崎名無しさん:2015/06/06(土) 02:09:10 ID:???
乙でした

黄金コンビプレイはちょっと大人の世界過ぎる

427 :森崎名無しさん:2015/06/06(土) 06:09:21 ID:???
てつを乱入とか天道乱入とか色々ネタ考えてたけど間に合わなんだ

428 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/06(土) 20:24:55 ID:???
こんばんは、今日も更新していきます。
>>426
乙ありがとうございます。
黄金コンビプレイはヤバそうですね。三勇断球も二枚刃カミソリも大分意味深な気がしますw
>>427
このスレではクライフォート的な要素やら初期の森崎的な要素も入ってますが、
神子様って結構天道っぽいところあると思います。

429 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/06(土) 20:26:17 ID:SuwihlJw
神子「……」


スッ……。パシッ、パシッ。

実況「さあ、キックオフでボールを受け取った神子選手は……。
まずは様子見か、前線の選手とパス交換を繰り返し、まずはルナティックスの出方を伺っているようです!」

鈴仙「(タックルに来るなら来い、行けるものならね――とでも、言いたいのかしら!
そんな挑発には乗りはしない……けれど。ここで早々にボールを奪えれば僥倖なんだけどね。
――幸いに、今回FWは3トップ。私だけじゃなく、ボール刈りに長けたパスカル君も居るし、
フォロワーとして佳歩も居る。だから、タックルに行ってもムダでは無い……かな?)」

A:タックルに向かう!(鈴仙のタックル:50)
B:パスカルにタックルに行って貰い、自分はフォローに備える。
C:パスカルと二人でタックルに向かう!
D:佳歩とパスカルと三人でタックルに向かう!
E:ここは様子を見る。
F:その他 自由選択枠

鈴仙のガッツ:970/970

先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

430 :森崎名無しさん:2015/06/06(土) 20:29:05 ID:+Btn4Bh+
A 臆せず行ってみる

431 :森崎名無しさん:2015/06/06(土) 20:33:43 ID:???
ところでこのチーム相手にフォローって意味あるの?

432 :森崎名無しさん:2015/06/06(土) 20:35:10 ID:BkQrm9Jk
C

433 :森崎名無しさん:2015/06/06(土) 20:36:36 ID:bQUPD3BE


434 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/06(土) 21:20:25 ID:SuwihlJw
C:パスカルと二人でタックルに向かう!

鈴仙「(油断か、それとも作戦かは分からないけど……神子はまだあの号令
――『和を以て尊しと為す』を実行していない。 だとしたら、神子を討ち取るならまさしく今!)
……パスカル君! 加勢して! 一気にボールを奪うわよ!」

パスカル「ああ、分かった!」

タッ、タタッ! ズザアアアアアアアアアアアアアアッ!

実況「さあ、そして試合開始から1分を過ぎてようやくルナティックスも動く!
FWの鈴仙選手が、パスカル選手と共に神子選手へとプレスを掛けに向かった!」

神子「(……ここはみだりにメンバーを動かす必要も無いか)――良かろう、正々堂々と勝負だ!」

タッ!

鈴仙「な、何が正々堂々よ……! この私が、正義の鉄槌を下してやるんだから!」

パスカル「レイセン、意気込むのは良いが気を付けろよ。 ――彼女は、強い!」

435 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/06(土) 21:21:43 ID:SuwihlJw

神子「……抜く」

―――タッ、タタタタッ……。シュンッ!

先着2名様で、

★神子→ドリブル 53 (! card)(! dice + ! dice)=★
★鈴仙→タックル 50 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+1)=
 パスカル→タックル 52 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+1)=★

と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→神子、ドリブル突破。
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(本間がフォロー)(石田がフォロー)(佳歩がフォロー)
≦−2→ルナティックスボールに。
【補足・補正・備考】
神子のマークがダイヤで「スパイラルターン(+4)」が発動します。
神子のマークがハートで「頭脳的なドリブル(+3)」が発動します。
神子のマークがスペードで「華麗なドリブル(+3)」が発動します。
神子はスキル・聖人により、鈴仙のスキル・狂気の瞳は無効化されます。
鈴仙のマークがダイヤの時、「アイドリングウェーブ(+2)」が発動します。
パスカルのマークがダイヤ・ハートで「クリップタックル(+3)」が発動します。

436 :森崎名無しさん:2015/06/06(土) 21:22:14 ID:???
★神子→ドリブル 53 ( ハート9 )( 2 + 6 )=★

437 :森崎名無しさん:2015/06/06(土) 21:23:36 ID:???
★鈴仙→タックル 50 ( ハート5 )( 1 + 2 )+(人数補正+1)=
 パスカル→タックル 52 ( ダイヤQ )( 3 + 5 )+(人数補正+1)=★

438 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/06(土) 21:59:29 ID:SuwihlJw
★神子→ドリブル 53 ( ハート9 )( 2 + 6 )+(頭脳的なドリブル+3)=64★
★鈴仙→タックル 50 ( ハート5 )( 1 + 2 )+(人数補正+1)=54
 パスカル→タックル 52 ( ダイヤQ )( 3 + 5 )+(人数補正+1)+(クリップタックル+3)=64★
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして石田がフォロー

鈴仙「――く、くらぇぇぇぇっ!」

ズザアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!

スッ……。

鈴仙「って、か。躱された!」

神子「君は怒りを力に変えるのが下手だな。感情を操るのにまだ慣れていないのかい?」

感情的な鈴仙をタックルに対し、神子は闘牛士の如く、マントをひらりとはためかせて回避する。
その理知的かつ必要最小限の動きはまさしく『頭脳的なドリブル』だった。

パスカル「おいおい、しっかりしてくれよレイセン。――それっ!」

バッ! ババッ!

神子「――さて、もう一人か!」

タッ、クルンッ!

そして後続のパスカルのタックルを、神子は大きなターンでダイナミックに回避しようとする。

パスカル「瞬時にその動きが出来るとは。少なくとも油断の類は無いみたいだな。
だが、だったら――実力的に俺とお前は……互角の筈だ!」

ダッ……… ガシイイイイイイッ!

439 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/06(土) 22:00:47 ID:SuwihlJw
神子「! 『クリップタックル』か……!」

そして神子は、パスカルが接近と同時に両脚を大きく開き、
自身のボールを掠め取ろうとしていた事を瞬時に察知していた。
その為、ここから先は完全なる反射神経と髄力の問題だったが――。

ガシイッ………ポロッ……コロコロコロ……。

神子「……押し負けたか」

パスカル「悪いな。レイセンがトチった時は俺の出番なんだ」

実況「ああ〜! 神子選手と鈴仙選手、パスカル選手との勝負は一旦引き分け!
ボールはこぼれ球となり、左サイド後方へと転がっていきます! そのボールをフォローしたのは……!」

石田「……松山。俺を視ろ」

佳歩「(ヘ、ヘンな人です……!)」

実況「つぶらな瞳をぎょろりと光らせた坊主頭の少年……えっと、名前は……石田鉄男選手です!
聖徳ホウリューズの左サイドハーフの彼は、早速右脚を大きく振りかぶって……!」

石田「……松山ァァァァッァァアアア!!」

グワァァァッ、パコン!

実況「石田選手、大きく左から右へと『ピンポイントパス』だ! ウインガーの本間選手に繋げていきます!
パスカットに向かえるのは……パスカル選手と鈴仙選手がタックルに向かったため、佳歩選手一人だけ!
これは……果たして大丈夫なのでしょうか〜〜〜!?」

440 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/06(土) 22:02:21 ID:SuwihlJw
佳歩「あ、あんまり大丈夫じゃないような気が……。――ま、負けませ〜〜〜んっ!」

バッ!

先着2名様で、

★石田→ピンポイントパス 55 (! card)(! dice + ! dice)=★
★佳歩→パスカット 49 (! card)(! dice + ! dice)=★

と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→本間、パスキャッチ。
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(岬がフォロー)(小田がフォロー)(中山がフォロー)
≦−2→ルナティックスボールに。
【補足・補正・備考】
特になし。

441 :森崎名無しさん:2015/06/06(土) 22:09:05 ID:???
★石田→ピンポイントパス 55 ( スペードA )( 5 + 3 )=★


442 :森崎名無しさん:2015/06/06(土) 22:09:57 ID:???
★佳歩→パスカット 49 ( クラブ7 )( 4 + 1 )=★

443 :森崎名無しさん:2015/06/06(土) 22:10:16 ID:???
★佳歩→パスカット 49 ( ダイヤ2 )( 2 + 4 )=★

444 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/06(土) 22:51:41 ID:SuwihlJw
★石田→ピンポイントパス 55 ( スペードA )( 5 + 3 )=63★
★佳歩→パスカット 49 ( クラブ7 )( 4 + 1 )=54★
≧2→本間、パスキャッチ。

バシュルルルル……!

佳歩「う、うま過ぎですっ……!」

実況「佳歩選手、石田選手の素晴らしいパスに、やはりと言うべきか手も足も出ない〜〜!
ボールは大きく右サイド中盤へと流れ、スムーズに本間選手のサイドアタックへとつながります!」

本間「見てろ……。俺の、俺だけのサイドアタックを……!!」

タッ!

永琳「……そう豪語するだけあって、巧いわね。――中山君」

中山「ああ、助力します、永琳さんっ!」

タタタッ! ズザアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!

実況「そして迎え撃つルナティックス、今回の試合右サイドハーフの永琳選手に加え、
劇的な復活と成長を果たしたトップ下の中山選手がタックルに向かっていきます!」

神子「(……中山政男か! ――ここは流石に、動かさねばまずいか)……岬君、勅を」

岬「……分かりました。――皆! 神子様より勅令――『和を以て尊しと為せ』!」

ホウリューズメンバー「「「「 ハ ッ ! ! 」」」」


タッ……クルン…クルン……タタタタタタタタッ………。

445 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/06(土) 22:52:59 ID:SuwihlJw
実況「だがしかし、聖徳ホウリューズも負けてはいない〜〜!
ここぞとばかりに、全メンバーの運動量を増やしてボールの支配率を向上させる戦術、
『和を以て尊しと為す』を発動させて、チーム全員で本間選手をサポートします!!」

中山「……む!」

永琳「……惜しげも無く出して来たわね。中山君、分かっているとは思うけれど――」

中山「ええ。『和を以て尊しとなす』……即ち『トータルフットボール』を相手に、零れ球は許されない。
奪うならば――完璧に奪い取る!」

本間「やれるものなら、やってみろ……!!」

446 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/06(土) 22:54:46 ID:SuwihlJw
先着2名様で、

★本間→ドリブル 53 (! card)(! dice + ! dice)+(サイドアタック+2)=★
★永琳→タックル 52 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+1)=
 中山→タックル 54 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+1)=★

と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→本間、ドリブル突破。
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(神子がフォロー)(岬がフォロー)(岸田がフォロー)
≦−2→ルナティックスボールに。
【補足・補正・備考】
本間のマークがダイヤ・ハートで「華麗なドリブル(+3)」が発動します。
永琳のマークがダイヤで「天文密葬法(+3、吹飛5)」が発動します。
永琳はスキル・蓬莱人により絶対に負傷しません。
永琳はスキル・月のファンタジスタによりダイスで2が出た場合、数値を12にします。
中山のマークがダイヤで「アッシュタックル(+4)」が発動します。
中山のマークがハートで「バーニングタックル(+3、吹飛2)」が発動します。
神子のスキル・和を以て貴しと為すにより、聖徳ホウリューズは零れ球を必ずフォローします。

447 :森崎名無しさん:2015/06/06(土) 22:56:22 ID:???
★本間→ドリブル 53 ( クラブQ )( 2 + 4 )+(サイドアタック+2)=★

448 :森崎名無しさん:2015/06/06(土) 22:56:43 ID:???
★永琳→タックル 52 ( ダイヤJ )( 1 + 3 )+(人数補正+1)=
 中山→タックル 54 ( クラブJ )( 2 + 6 )+(人数補正+1)=★

449 :森崎名無しさん:2015/06/06(土) 23:20:54 ID:???
助かったか

450 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/06(土) 23:42:35 ID:SuwihlJw
★本間→ドリブル 53 ( クラブQ )( 2 + 4 )+(サイドアタック+2)=61★
★永琳→タックル 52 ( ダイヤJ )( 1 + 3 )+(人数補正+1)+(天文密葬法+3)=60
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして神子がフォロー

本間「俺が一番巧く、サイドアタックを使えるんだ……!」

ダッ! タタタタッ―――――ブウン、ガシイイイイッ!

永琳「だからと言って、ゴリ押しに頼るのは感心しないわ。――実力はあっても、それを使いこなす知恵が無くてはね!」

実況「あっと、永琳選手! 目にも見えない巧みな技術で、本間選手からボールを零す事に成功します!
ですが聖徳ホウリューズの攻撃はまだ終わらない!」

パシッ。

神子「……D番(岸田)、もう少し前へ。G番(小田)は下がって、H番(屠自古)にセンタリングを出せるように。
E番(石田)、C番(高杉)、もう少しサイドに寄って。 スペースが空いているぞ」

実況「中盤の神子選手! 部下のミスは上司がフォローせんと、今度は彼女自らがパスでボールを前線へと運んで行きます!」
しかも他のメンバーにも的確に指示を出しながら! この器用さと頭脳、まさしく超幻想郷級だ〜〜!!」

中山「……次は奪う!」

てゐ「私も加勢するよ〜!」

実況「そしてそんな神子選手にパスカットへ向かうのは、
先ほどタックルに向かいつつも、すぐに体勢を戻した中山選手! そして右サイドハーフのてゐ選手です!
二人ともパスカットの名手として知られていますが、神子選手のパスも、さっきの石田選手に負けず劣らず強力!
ここを通せば聖徳ホウリューズは早速得点チャンスとなりますが、果たして〜〜〜!?」

451 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/06(土) 23:43:53 ID:SuwihlJw
先着2名様で、

★神子→十七条レーザーパス 55 (! card)(! dice + ! dice)=★
★中山→パスカット 53 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+1)=
 てゐ→パスカット 50 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+1)=★

と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→小田、パスキャッチ。
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(岬がフォロー)(屠自古がフォロー)(石田がフォロー)
≦−2→ルナティックスボールに。
【補足・補正・備考】
中山のマークがダイヤ・ハートで「クイックダッシュカット(+2)」が発動します。
中山はスキル・後天性ファンタジスタにより、ダイスが2の時数値を10、3の時9とします。
てゐのマークがダイヤ・ハートで「フラスターエスケープ(+3)」が発動します。
神子のスキル・和を以て貴しと為すにより、聖徳ホウリューズは零れ球を必ずフォローします。

452 :森崎名無しさん:2015/06/06(土) 23:44:39 ID:???
★神子→十七条レーザーパス 55 ( スペードJ )( 6 + 3 )=★

453 :森崎名無しさん:2015/06/06(土) 23:47:12 ID:???
★中山→パスカット 53 ( ダイヤJ )( 3 + 4 )+(人数補正+1)=
 てゐ→パスカット 50 ( クラブK )( 5 + 4 )+(人数補正+1)=★

454 :森崎名無しさん:2015/06/07(日) 00:09:31 ID:???
カグヤ カグヤ カグヤ カグヤ(そろそろスタンバイ

455 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/07(日) 00:27:05 ID:???
★神子→十七条レーザーパス 55 ( スペードJ )( 6 + 3 )=64★
★中山→パスカット 53 ( ダイヤJ )( 3 + 4 )+(人数補正+1)+(クイックダッシュカット+2)=63★
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして岬がフォロー

ギュンッ!

神子のパスはまるでシュートのような鋭利さで前線へと貫かれる。
てゐすらも反応できない水準で放たれたそのパスに、中山は単身俊敏な身のこなしで割り込んで―――。

中山「――疾きこと、風の如く!」

バビュンッ! ――バチイイッ!

実況「なんと〜〜! 中山選手、俊足を生かしたパスカット……『クイックダッシュカット』を活用し、
神子選手のレーザーパスをこぼれ球にして見せた! これは確かにファインプレー……ですが!
永遠亭ルナティックスは少しずつ、どんどん、ボールを自身深くに押されております!
このこぼれ球は、てゐ選手よりも更に後ろ! ゴールからおよそ30メートル時点で……!」

てゐ「あっ、しまった……!」

パシッ!

岬「よし。――F番(本間)、センタリングは僕がするから君はサイド際で万一のボールキープに専念して。
G番(小田)は一応のねじ込みに向かうこと。そしてH番。屠自古さんはシュートを狙って下さい!」

本間「……了解だ」

小田「…………」

屠自古「――よし、待ちくたびれたよ」

タッ!

456 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/07(日) 00:28:49 ID:/zGx75J6
実況「……ゴールから30メートル時点で岬選手がボールをフォローし、そして指示を出すと、
FWの三人はいよいよ得点に向けて臨戦態勢! そして岬選手自身も、失敗時のフォローやねじ込み要員として、
ややスペースのあるルナティックスの右サイドを駆け上がっていきます。そして……!」

岬「――それっ!」

バシュルルルルッ……!

実況「そして岬選手! 右サイド深くで大きく高い浮き球を上げた! それに向かっていくのは、勿論H番の蘇我屠自古選手です!
亡霊の彼女は軽い身のこなしを活かして大きくジャンプ! そのボールに狙いを定めていきます!」

妹紅「あっ……! さ、させないわ!」

バァァァァァァァァァァッ……!!

慧音「――つかさ。来るぞっ!」

つかさ「分かっています、慧音さん。……やってやんよ!」

ウサギB「……私も行きます。どうせどんなシュートでもフォローされてしまうなら、せめて人数合わせには!」

バッ! ババババッ!

実況「そしてルナティックスは、4名のDFが総動員でそれぞれクリアとブロックに向かいます!
特に妹紅選手は自身の身体を燃やしながら、跳ぶというよりは飛ぶがごとく、
高空高く上げられたセンタリングを撃ち落とさんと追撃している!
雷の妖気を纏いながら上昇する屠自古選手とも合わせて、これは凄い迫力だ〜〜!」

輝夜「くっ、思ったより厄介な敵さんじゃないの……!」

鈴仙「(――ど、どうしよう! ここまでずっと、相手のペースに押されっぱなしなんだけど……!
と、とりあえずここは! ここは何とか妹紅や慧音さん達。そして姫様に守って貰わなくちゃ……!)」

457 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/07(日) 00:40:48 ID:/zGx75J6
屠自古「さあ食らえ、永遠亭ルナティックス! これが私の――『ガコウジサイクロン』だッ!」


              バアアアアアアアアアアアアアアアアアッ! グルンッ!
        バギュウウッ、ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!


実況「そして出た〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!
蘇我屠自古選手の必殺ダイレクト! 『ガコウジサイクロン』!
超高空での撃ちおろしヘディングはシンプルながら、鬼にも負けぬ破壊力を持って、
輝夜選手の守るルナティックスゴールへと突き刺さろうとグングン進んでいきます!
前半5分! 聖徳ホウリューズ、ここはまず第一の正念場だ〜〜〜〜!!」

観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
「いけー! 屠自古様ー!」「神子様の名の下、悪の妖怪をやっつけろー!」「でも決まるかなぁ……?」
「大丈夫だろ。ルナティックスって案外大した事なくね?(笑)」「カグヤ カグヤ カグヤ カグヤ」「ひめしね」
「慧音さん、悪の妖怪の肩を持つとは幻滅しましたよ!」「妹紅さんもだ。あいつ、昔から怪しいって思ってたんだけどね?」

輝夜「(やっぱし、ブーイングが多いわねぇ……。
――でもだからと言って、その中でもただひたすらいつも通り私を応援?してるヤツらに、ウルっと来たりとかしないからね!
これフリでも何でもなく、事実だからね!!!!)」

鈴仙「(姫様、何言ってんですか……)」

意地のような何かを見せる輝夜に鈴仙は首を傾げつつ、セービングについて指示をする事にした。

458 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/07(日) 00:41:52 ID:/zGx75J6
☆どのセービングをしてもらいますか?
 先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

A:たすけてえーりん!(セーブ力に固定で+8されます)150消費
必殺キャッチです。1/4で「(えーりんが)とめる!」(+3)が発動します。
成功時獲得カリスマポイント:0

B:パンチング(セーブ力に固定で+4されます)80消費
ボールを弾きます。勝利しても自陣深くにボールが残ることが多いです。
1/4で「ブリリアントドラゴンバレッタ(+2)」が発動します。
成功時獲得カリスマポイント:1

C:キャッチング(セーブ力に固定で+2されます)40消費
ボールを掴みます。成功率が低い分、勝利時はこちらにより有利な判定となります。
成功時獲得カリスマポイント:3

D:カリスマセーブ(セーブ力に固定で+0されます)40消費
カリスマにワンハンドキャッチします。属性はキャッチと同じですが、成功したらカリスマ度が急上昇します。
また、JOKERが出た場合は数値差に限らず強制勝利となります。
成功時獲得カリスマポイント:5(失敗時でも+1)

E:ライフスプリングインフィニティ(セーブしません)100消費
輝夜が何か凄いオーラを発します。基本的には何も起きませんが2/13(+JOKER)でシュートを防ぎます。
吹き飛び判定はなく、ポスト判定は存在します。絶体絶命の時に一か八かで。
成功時獲得カリスマポイント:4

*ここでの「成功時」とは、こぼれ球以上の結果を指します。ポストの場合は成功とはみなしません。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
輝夜セーブ力:53
屠自古の『ガコウジサイクロン』の威力:62
輝夜のガッツ:730/730
輝夜のカリスマポイント:1/10(ポイントが溜まると難題が解放され、輝夜がパワーアップします。現在:LV2)

459 :森崎名無しさん:2015/06/07(日) 00:42:38 ID:BmrOjl+E
Aカグロットォー!ウルっと来てもいいのよ?

460 :森崎名無しさん:2015/06/07(日) 00:43:21 ID:3j8cgyG2
A

461 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/06/07(日) 00:51:20 ID:/zGx75J6
A:たすけてえーりん!(セーブ力に固定で+8されます)150消費

輝夜「でええい! 選択肢なんて設けんでもいいわよイナバ!
こんなの勿論、たすけてえーりん一択でしょうが! 私が一人であんなん防げるワケないでしょう!?」

鈴仙「(偉そうに情けない事言わないで下さい、姫様……。まあ確かに、予想以上に凄そうなシュートですけど)」

鈴仙は輝夜の態度に辟易としつつも、全力でのセービングをお願いする事にした。
そして、輝夜が観客のブーイングを掻き消す絶叫で永琳を呼び出すのを確認した後、鈴仙は全てを天命に捧げて祈った。


*姫様の一存で選択肢が消える事は無いので、ご安心?ください。

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