キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【楽園の未来】鈴仙奮闘記31【映す試合】

1 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/26(水) 00:17:11 ID:???
このスレは、キャプテン森崎のスピンアウト作品で、東方Project(東方サッカー)とのクロスオーバー作品です。
内容は、東方永夜抄の5ボス、鈴仙・優曇華院・イナバがサッカーで師匠を超えるために努力する物語です。
他の森崎板でのスレと被っている要素や、それぞれの原作無視・原作崩壊を起こしている表現。
その他にも誤字脱字や稚拙な状況描写等が多数あるかと思いますが、お目こぼし頂ければ幸いです。

☆前スレ☆
【影の役者】鈴仙奮闘記30【天才の相棒】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1435582878/
☆過去ログ・攻略ページ(キャプテン森崎まとめ@Wiki内)☆
http://www32.atwiki.jp/morosaki/pages/104.html

☆あらすじ☆
ある日突然幻想郷にやって来た外来人、アラン・パスカルと中山政男との出会いにより、
師匠、八意永琳に並ぶ選手になると決心した鈴仙・優曇華院・イナバ。

全幻想郷代表選抜大会で活躍し、代表メンバーの一員となる事を夢見てきた鈴仙はある日、
自身が『プロジェクト・カウンターハクレイ』のキャプテン候補に選ばれている事を知る。
それは霊夢や紫達幻想郷に敵対し、以て幻想郷の価値観を覆すという壮大な計画。
更に鈴仙は、全幻想郷代表の下部組織、『リアル・幻想・セブン』の一員として、
乱心した八雲紫と幻想郷を救って欲しいと紫の式・八雲藍から懇願された。

結論を出せず思い悩む鈴仙の心の隙を突く悪しき者も居た。
幻想郷の人心を把握し暗躍する豊聡耳神子とその一派は、ありとあらゆる手段で鈴仙を苦しめる。
幸いにも鈴仙は仲間を信じる事で、彼女達による魔の手を乗り切り準決勝を突破したが、
紫の弱みに付け込み責任を逃れた神子達は未だ潜伏を続け、『ハイパーカンピオーネ』計画の成就を狙う。

そんな中、準決勝第二試合。紅魔スカーレットムーンズ対博麗連合2015の対戦が幕を開けた。
総合力と大技で押し切り、前半で2点のリードを奪った博麗連合は一見順風満帆。
しかしその影で、キャプテンの霊夢は大きな挫折と劣等感に苦しむ親友・霧雨魔理沙との距離感に悩んでいた。
一方、紅魔スカーレットムーンズは点差を前にしてもますます結束を強め、後半戦でも好プレーを見せる。
――が。体力の消耗を悟った風なパチュリーは、仲間のパスを突然カットして……?

69 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/04(金) 00:49:25 ID:???
こんばんは、今日は書き上げる予定でしたが、
仕事が遅かったのと東方紺珠伝をやってた事もあり、最後までは行きませんでした。
それでも分量がたまったので更新していきます。

70 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/04(金) 00:50:27 ID:???
バッ! ……グワァアアアアアアアッ!

魔理沙「低いセンタリング……! 『ブレイジングスター』を撃つには丁度良い位置取りだ!」

魔理沙は森崎によって出された的確なパスに動きを合わせ、シュートへと向かっていた。
一見粗雑で無神経な風な森崎だったが、そのセンタリングの軌道は驚く程繊細。
厳しい修練は当然として、パスを受ける仲間の位置や性格をしっかりと把握し、
かつ場面場面ごとの適切なタイミングを考えていなければ、こうしたパスを放つ事は出来ないだろう。

魔理沙「(――何だか、私よりもずっと魔法使いって感じだな、森崎。
普段はずうずうしいけれど、要所要所で思慮に満ちた細やかさも見せて。
それで出す策はオーバーラップみたいな奇行なんだが、その策の裏には確かな勝算と打算がしっかりと根付いている。
ただがむしゃらに努力してるだけじゃない。
森崎は、きちんと考えている。勝つために。強くなり続けるために……)」

――ァァァアアアアアッ……!!

陸「――体力がチト厳しいが、文句はいっとれんアル! ……アチョ〜〜! 『襲爪雷斬脚』〜〜〜〜!!」

バアアアアアッ! ズバシュウウウウウウッンッ!

魔理沙がボールにインパクトするとほぼ同時に、陸が大きく飛び出した。
必殺の『襲爪雷斬脚』が、魔理沙の右脚から迸る閃光に接近していく。

魔理沙「(――『ファイナルスパーク』を覚える前、ちょっとしたスランプだった時。森崎に聞いた事があるっけか。
『お前はどうして、そこまで頑張れるんだ? 何回でも勝ちたい、ナンバー1になりたい、頂点に立ちたい……。
これらの目標を目指し続けるには、終わりない努力が必要だ。そして努力する為の精神力は有限で、補給が必要だ。
お前を前に走らせ続けるのは一体何だ? 教えてくれないか……?』って)」

バッ……ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!
バギュルルルッ、ビイイイイイッ……ンンッ!!
ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!

71 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/04(金) 00:51:52 ID:???
魔理沙も負けじと飛び込みながら右脚を振り抜き、白い虹色の熱線を撃ち放った。
それは大きな雷を帯びた陸の右脚と互角にぶつかりあい、火花を周囲に撒き散らしながらせめぎ合う。

魔理沙「(……そうだ。でも、その時の森崎の答えは全く論理的でも何でも無かったんだ。
『理屈じゃないな。勝ちたいって言うのは感情や本能であって、それがそのまま精神力になっている』
――とか言って。その時は私もえらく怒ったモンだ。そんなの、当たり前すぎるじゃないか! とか言ってさ)」

ドゴゴゴゴゴゴゴゴ………バチバチバチッ……グググッ……!

陸「ア、ググ……!」

勝負は僅かに魔理沙の優位だった。
元々『ファイナルスパーク』に拘らずとも、彼女のシュート力は幻想郷でもトップクラスだったし、
陸の方は前半のオーバーワークによる疲れが回復仕切っていなかった。
そのため、ペナルティエリアでの攻防は、少しずつ魔理沙の放った光の方が大きく膨れていった。

魔理沙「(……だけど。その後森崎に同じ事を逆に聞かれた時。あの時の私は何も答えられなかった)」

――そして同時に、これまで心の中に膨れ上がっていた、自分の心の中の蟠りの原因も、
シュートが放つ一瞬の閃光に照らされて、ハッキリと明らかになっていった。
霊夢への苛立ち。『ファイナルスパーク』への拘り。幻想郷一のFWであり続けたい理由。
それは全て、森崎によるこの問いかけに対する答えに繋がっていた。

72 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/04(金) 00:53:08 ID:???


           ――魔理沙。そういうお前はどうして努力を続けているんだ?
        才能に限界を覚えつつも。人間という幻想郷では弱い種族でありながらも。
           どうして今もまだ、サッカーに、魔法にしがみつこうとするんだ?



73 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/04(金) 00:54:27 ID:???


魔理沙「その答えは――言うまでもないっ!」



 ゴオオオ―――――――――――ガシイイッ!

魔理沙は利き足とは逆の左脚を出して、今や陸をも超えてゴールへと迸らんとする閃光を止めた。
――自分のシュートを、自分で止めてみせたのである。
……無論、そのような無茶が収まらず、ボールは乱暴に空高く放り出される。

フラン「えっ! ぼ、ボールが……勝手にこぼれ球になっちゃった!?」

レミリア「……いや。むしろこれはチャンスよ、フラン!
ゴールキーパーが不在の今なら、ゴールから60メートルという滅茶苦茶な距離からでも、
『トランシルヴァニア』を撃てば、充分決まるぞ!」

タタタタッ……ドタタタタッ……!

魔理沙「……ふん、決まるかよ。お前達じゃあ、どうあっても決めらんないぜ!」

その動きを、当然レミリアは見逃さなかった。
早々に森崎にドリブル突破をされた後、ボールのフォローもしくは『カウンターシュート』
――紅魔スカーレットムーンズの得点策の一つである――の為に、
フランドール共々下がり目の位置に戻っていた事が功を奏した。


74 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/04(金) 00:55:45 ID:???

フラン「えっ、ホント!? 私……やっとお姉さまの、皆の役に立てるのね!」

タッ! ……バッ!

レミリア「(皆の役に立てる……か。――フラン。やはり貴女は、先の聖徳ホウリューズ戦での退場を気にして。
だけど……)――フランドールッ! ストライカーにそうした女々しい感情は不要だ!
あんたはあんたらしく、どこまでも純粋に力強く撃ち抜いて――点を取る事だけ考えろ!」

――バァァッ!

キックオフ早々にオーバーラップをした森崎は当然戻り切れておらず、
その為距離があろうともシュートコースはかなり広い。
萃香の『三歩壊廃』があろうとも、それを無視して任意のコースにシュートを決められる見込みがある。
競り合いに向けて、レミリアとフランは魔理沙が打ち上げたボールに動きを合わせる。

霊夢「(……魔理沙。あんたはやっぱりそうするのね。
鳥が空を飛ぶように、虫が地を這うように。あんたは、閃光のように生きなきゃ、おかしくなっちゃうもん。
……だとしたら、そんなあんたの生き方を決めつけて、押し付けるのは。
――それは果たして、あんたにとっての幸せになるのかな。……なんて、柄にも無い事考えちゃってるけど)」

75 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/04(金) 00:57:41 ID:???
フラン「行くよ、お姉様!」

                                            レミリア「決めるわ、フラン!」

グワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!
                         グワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!
  ――――バッ、ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!!
   バギュウッ! ゴゴオオオオッ、バリバリバリ……ドドドドドドドドッ………!

霊夢「(…………)」

霊夢は魔理沙の異変とその意図に気付き、呆けたように空を見つめていた。
それはレミリアとフランが即席の力業で創り上げた空中ツインシュートが、
今まさに霊夢の四肢を粉々に破壊しようとしていても同じだった。

パチュリー「(……巫女はずいぶんと余裕綽々ね。言っておくけれど、あの二人のシュートこそが、
今回の大会における我々の最終兵器。星熊勇儀の『三歩必殺』にも匹敵する超威力かつ、
ツインシュート特有のブレを含みながら発射するリーサルツイン!
――確かに、大会開始直後では動きが合わず失敗する事もあったけれど。
大会中の様々な出来事で外に大きく心を開いたフランと、その姉であるレミィとの連携は
今大会でも最高峰。だから、この位置からでも……森崎さえいなければ充分入り得る!)」

その様子を慢心と取る者も居た。それは仕方の無い反応だった。
魔理沙が急遽打ち上げたボールを、霊夢は目でしか追いかけておらず、
いざレミリア達がこれ見よがしにシュートに向かっても、クリアやブロックに入る様子すらない。

魔理沙「(霊夢ならきっと分かってくれる筈だろ? 私が、本当の本当に望んでいる事を)」

……しかし、それでも魔理沙は悪戯っぽい笑みを消さなかった。

76 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/04(金) 01:00:18 ID:???

霊夢「(――魔理沙はきっと、この次に私がどう出るかを知ってた上で。
それで今、こうしてボールを打ち上げたのね、きっと。
……私が一番したくない事をやると思うなんて。頭がどうかしているわ)」

フワッ……。

純粋な笑顔を浮かべる魔理沙に対し、今度は霊夢の表情が濁る。
それは罪悪感か、それとも自身への嫌悪感か、あるいは博麗の巫女としての「機能」によるものか。
兎に角ハッキリ言って嫌な感覚だったが、魔理沙はそれでも自分を認めるように笑ってくれている。
そう考えると、霊夢は緩慢に空へと浮かびながらも、どこか安心したように、天性を夢想へと委ねた。


ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ……!!


地響きを上げながら時速三百キロの速さで動く真紅の光条。
レミリアとフランドールが放った『トランシルヴァニア』は、例え森崎が相手であっても、
5割以上の確率でゴールを割られるのでは無いかと霊夢は思った。
……が。その可能性は自分が居る限り存在しない事も知っていた。
その証明のため、霊夢は無機質な表情でこう呟いた。
  

          ―――霊夢「……『カウンターシュート』」


オオオオオッ…………バギュンッ! ギュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウンッ!

地響きをそのままひっくり返したような爆音。
それは霊夢の一言によって、そのベクトルを大きく180度変換させた。
そして、このシュートこそが――魔理沙がこの試合で出した答えに対する、霊夢なりの返事だった。

77 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/04(金) 01:03:39 ID:???
……と、言ったところで今日の更新はここまでです。

チラシの裏になりますが、紺珠伝は勿論鈴仙……では無く早苗さんでイージーをクリアをしました。
今回のシステムはいつもの残機制ではなく、ミスったらその地点からやり直しと特殊なのですが、
個人的には合ってたような気がします。ノーマルで血ヘドを吐いてないので分かりませんがw
最近はあまり考えず、いつでもどこでも誰でもサクッと遊べるゲームも増えましたが、
東方に限らず、色々試行錯誤したり、じっくりと腰を据えてやれるゲームというのは大事にしていきたいですね。

それでは皆さま、本日もお疲れ様でした。

78 :森崎名無しさん:2015/09/04(金) 01:06:11 ID:???
乙です
うーん、つまり超森崎のがんばり改と5割をあたりまえで返すと考えると・・・
大体自分ピンゾロでも余裕で返せるってことか
いいねぇ、でももっと無茶苦茶な難易度にしてもいいのよ?

79 :森崎名無しさん:2015/09/04(金) 08:15:51 ID:???
まぁ、リーサルの補正値はすごいしな。
(最終章でないのに超補正シュートをだすのもちょっともったいない気もするがw)

80 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/05(土) 02:03:36 ID:???
こんばんは、更新再開します。
>>78
乙ありがとうございます。
霊夢のカウンターシュートは、色々と状況が重なったのと、演出補正もあるので実際はそこまで強くないですw
決勝戦は難しくはあっても、無理ゲーにはしたくないと思っています。
>>79
リーサルって書いちゃいましたが、実際の補正はリーサルツインより低いです(爆)
それでもファイヤードライブ位は強いです。


81 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/05(土) 02:04:42 ID:???

――ギュウウウウウウウウウウウウウウ…………ッ!

森崎「……滅茶苦茶な試合だな、オイ」

霊夢が放ったカウンターシュートによる風圧で軽くよろめきつつも、森崎は皮肉気に唇を歪める。

森崎「ゴールキーパーがオーバーラップし、フォワードはそれをシュート……と、思いきや。
血迷ったか、そのボールを後方に蹴り出してしまうし。
敵のFWもFWで、そこから無理やりにダイレクトシュート――しかも滅茶苦茶な威力の
――に向かってくるし。……センターサークル付近なのによ。
それで……」

――ウウウウウウウウウウウウウウウウウ……ッ!

メイド妖精「「きゃ、きゃあ〜っ!? 今のシュートだったの!?」」

咲夜「(今の不自然なまでに予定調和な動きは……きっと、霊夢の『博麗の巫女』としての天性。
幻想郷の理を司り、妖なる者に打ち克つ為に、遺伝子レベルにまで組み込まれた才能の賜物……でしょうね)」

パチュリー「(……しかも今回、凄いのは霊夢の才能だけじゃない。
ボールを持たない他のチームメンバーの動きの練度も、隠れていたけれど優れていた。
レミィ達のジャンプと同時に、MF・DF合わせて――霊夢以外にも6人が、
多少の体勢の崩れはあれどブロックに行ける体勢になっていたし。
少なくともシュートコースを狭める程度の役には立っている。
他の仲間達の、こうした献身的な動きが無ければ、霊夢が仮に才能を発揮していても、
カウンターシュートは成功しなかったかもしれなかった。 ……だから、ここは認めましょう。私達の完敗を)」

霊夢の放ったカウンターシュートを止められる者は、紅魔スカーレットムーンズの中には居なかった。
咲夜が、パチュリーが、美鈴が、小悪魔が。
……それぞれが悔しさや諦めや畏怖を抱きながら、フィールドに吹く一陣の風を見送るだけだった。

82 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/05(土) 02:05:50 ID:???
森崎「(こと幻想郷に住む人間や妖怪その他諸々と対峙する際に取り分け光る、『博麗の巫女』としての才能。
それに、巫女としてでは無く。霊夢の……アイツ自身の、分け隔てなく人を呼び寄せる不思議な力。
その両方が発揮されて放たれた、必殺の『カウンターシュート』。
正直、これが嵌っちまったら、俺が敵の立場でも止められる気はあまりしないな。面白くねぇ)」

魔理沙「(ああ……。やっぱり、綺麗だな)」

霊夢によるまさしく「奇跡のカウンターシュート」に対し、
森崎は自分では一生辿り着く事の出来ぬ才能と、単純に自分が目立て無かった事への嫉妬を膨らませる中。
対照的に魔理沙は……そのシュートを惚れ惚れとした表情で見つめていた。

魔理沙「(……ありがとな、霊夢。試合前やら試合中は、カリカリして八つ当たりして、悪かったよ。
――だけど、もう大丈夫。私、思い出したよ。これは――森崎のお蔭、かな? けどアイツへのお礼は別にいいや)」

――そして、それと同時に、魔理沙は霊夢に感謝していた。
何故なら、魔理沙は直観的に理解していたからだ。
このシュートは、『博麗の巫女』としての霊夢から放たれたのと同時に、
『魔理沙の親友』としての霊夢から放たれたのだという事を。
そして、それが何を意味するかについては――この次の展開が示していた。

――ウウウウウウウウ……ッ! ――スカッ!

陸「あ、アイヤ〜〜〜!? やっぱり外したアル〜〜〜〜!?」

陸がなけなしの体力で放った『雷斬脚』を外した事について狼狽していたが、それは大した事実では無い。
問題は、その次の瞬間だった。


ギュウウウ………、 ガイイイイイイイイイイイイイイイイインッ!!


83 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/05(土) 02:07:44 ID:???
針妙丸「ご………ゴール、ポストだ!?」

小町「Zzz……え? ポスト? ポストプレイ!? あたいの出番かい??」

美鈴「この人は何を寝ぼけてるんですか。肝心な局面で居眠りとは、敵ながら感心しませんね!」

小町「アンタだけには言われたくないねぇ、それは」

美鈴「わ、私はアレよ。ワークライフバランスを大事にしてるだけですし!」

小悪魔「美鈴さん、低次元な言い争いをしている場合じゃないです! 早くボールをフォロー……!」

――霊夢の『カウンターシュート』は、盛大にポストを叩いたのである。
ゴール周辺の選手がこの意外な展開に思わず慌てふためき、取り乱しすらする中で。
……ただ一人だけ、この結果を始めから分かっていた者だけが淀みなく動いた。

魔理沙「……それには及ばないぜ」

シュンッ! ――バアアアッ……ポムッ!

実況「魔理沙選手、ポストによって弾かれたボールをいち早くにトラップしフォロー!
紅魔スカーレットムーンズのゴール前にて、絶好の形でボールを持ちました!!」

魔理沙「……要するに、今の『カウンターシュート』は、壮大なパスだったんだ。
わざとボールをポストに当てて、私がゴール前でグラウンダーのシュート
――それでも、さっきのに負けない程スゴいシュートを放つ為の、引き立て役だな」

実況や観客、他のチームメイトや敵を無視するかのように、魔理沙は呟き始めた。
本来ならば問答無用で、ペナルティエリア内での乱戦が発生するべき場面だったが。
彼女の周囲で渦巻く狂気にも似た純粋な感情の渦が、思わず他の者の足を留めていた。


84 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/05(土) 02:15:58 ID:???
     魔理沙「……私はどうして努力を続けるのか。どうして何度挫折をしても、辛い目に遭っても。
  自分の才能の無さに絶望しても。それでも尚、希望を持ち続けられたのか。その理由は、こうだったんだ」

          ………グワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!

          魔理沙が静かに、しかし決意と覚悟を持ってその右脚を振り上げた。

     魔理沙「私は……小さい頃から自分こそが、この物語の主人公だと信じて疑わなかった。
       だけどそれは同時に、「本当の主人公」に対する、憧れでもあった……んだと思う。
     自分も主人公になれば、そいつと対等に話せる。対等に戦える。対等にサッカーが出来る。
           ――きっと、心の奥底では、そんな事を夢見ていたんだと思う」

         霊夢「――知ってたけど。こうして聞くと……あんたって、ほんとバカね。
        ……そんなあんたにボールを渡しちゃってる私も、かなりのバカだと思うけど」

        魔理沙はそこで、悲しそうな眼で自分を見つめる霊夢に視線を合わせる。
        口先では相変わらず皮肉を呟いてはいたが、表情には躊躇いがあった。
         気にせず、魔理沙は振りかぶった足に魔力を籠めながら語り続けた。

                ゴオオオオオオオオオオオオオオッ……!

        魔理沙「私が努力を続ける理由。それは――私が、「本当の主人公」に……。
               霊夢。お前に並び立てる存在でありたいからだ!」

          オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ……!

   魔理沙「私が今から放つこのシュートは――お前の『カウンターシュート』や『夢想封印・瞬』や。
                もしかしたら『夢想天生』にも負けない威力がある。
           つまりさ……このシュートはこれまで叶えて来た私の夢の中でも、
           最高に大きくて、最高に幸せな夢である事に間違いないんだよ!」

85 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/05(土) 02:17:29 ID:???
       オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ……!!

    魔理沙「だから。……例えこのシュートが私の身体を破壊したとしても、それでも良い!
      これまで家族や、友達や、色々なものを犠牲にしてでも、夢を掴もうとしたんだ。
          今更自分自身を犠牲にしたって……ちょっとだけしか怖くないぜ!」

      霊夢「……結局、怖いんじゃないの。だったら、止めたら良いんじゃない?」

           魔理沙「……今更、止めらんないよ。だって―――!!」


                ――――だって。これが、私だから。


               その言葉は、霊夢には聞こえなかった。
     ゴールへと向かって蹴り出されたボールの放つ爆音があまりに大きすぎ、
         魔理沙の絞り出すような声を掻き消してしまった為である。

     バッ……ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!
 バギュウウウウウウウウウウウンッ! ドギュルルルルルルルルルルルルルルルルルッ……!
        ―――カッ!  チュドゴーーーーーーーーーーーーーーンッ!
        ビイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ………ンン!!
         ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド…!!

           ―――文字で表現するにも困難なまでの大音量は、
    バランスを崩しながらも果敢にパンチングに出た陸の存在自体をも掻き消した。
  そして、笛の音すら掻き消された状態のまま……博麗連合はどうやら、後半18分に3点目を得た。

86 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/05(土) 02:19:08 ID:w+5RN9Lg
紅魔スカーレットムーンズ 1 − 3 博麗連合2015


大会得点ランキング(表記はメインキャラのみ):
13ゴール レミリア
12ゴール 鈴仙
9ゴール  フランドール、射命丸、魔理沙
7ゴール  勇儀
6ゴール  来生、屠自古
5ゴール  星、諏訪子、霊夢
4ゴール  森崎、神子、反町
3ゴール  早苗、謎の向日葵仮面
2ゴール  神奈子、ピエール、メルラン、天子、赤蛮奇、空、佳歩、岬
1ゴール  妹紅、咲夜、美鈴、サニー、リリーB、ぬえ、響子、永琳、萃香
       影狼、藍、幽々子、幽香、針妙丸、パチュリー、小田、椛、パスカル


大会アシストランキング(表記はメインキャラのみ):
6アシスト パチュリー、霊夢
5アシスト 小町
4アシスト てゐ、神子
3アシスト 早苗、ピエール、小悪魔、マミゾウ
2アシスト 森崎、反町、はたて、岬、空、お燐、ウサギB、レミリア、アリス
1アシスト 鈴仙、影狼、大妖精、橙、諏訪子、佳歩
       衣玖、針妙丸、リリーW、ルナサ、ぬえ、永琳、妹紅


87 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/05(土) 02:22:02 ID:???
魔理沙が夢を叶えたところで、今日の更新はここまでです。
これだけ描写してると、魔理沙はこのシュート撃った時点で死にそうですが、
まだ次の決勝戦までは持つので、少なくともゲーム的には大丈夫です。

それでは、皆さま、本日もお疲れ様でした。

88 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/06(日) 00:03:49 ID:???
すみません、明日は早朝から仕事があるので今日は更新をお休みします。
明日は夕方くらいから更新できればと考えています。

89 :森崎名無しさん:2015/09/06(日) 09:53:41 ID:???
ゲーム的には大丈夫ってw
お疲れさまでっす!

90 :森崎名無しさん:2015/09/06(日) 21:31:15 ID:???
魔理沙も森崎の腰といっしょさ。
多分この試合終わったら森崎と魔理沙二人で仲良く治療行きだな。

91 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/07(月) 00:11:07 ID:???
こんばんは、少しだけですが更新再開します。
>>89
お気遣い頂きありがとうございます。
ジャパンカップ編の森崎みたいなイメージですね。
>>90
大筋としてはそんな感じです。

92 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/07(月) 00:12:23 ID:???
――ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア……ッ!

実況「先ほどのキックオフからおよそ数十秒。
……僅か間でしたが、凄まじい乱戦が繰り広げられました。

森崎選手のオーバーラップを交えた奇襲からの、魔理沙選手へのアシスト。
しかし魔理沙選手は敢えてシュートを撃たず、後方にクリア。
そのボールはレミリア選手とフラン選手が捕捉しツインシュートに向かいましたが、
それは霊夢選手の『カウンターシュート』により防がれます。
――ですが、それで攻撃が終わりでは無かった!

ボールはポストを叩き、魔理沙選手の足元へと転がって……絶対無敵の新技・『ファイナルスパーク』が、
とうとう唸って、紅魔スカーレットムーンズのゴールを突き破りました!!
1−3! 様々な結果が予測されましたが、最後に勝ったのは博麗連合!
後半も半ばを過ぎた現在の状況で、点差を2に広げたのは非常に大きいでしょう!!
ゴールを決めた霧雨魔理沙選手も、今ゴールを決めた喜びを、仲間達と分かち合っ、て……!?」


魔理沙「あ……が、がぁぁぁああああっ………!!」

フラリ……ドサッ。


アリス「ま、魔理沙!」

針妙丸「え……? そ、そんなに痛いの! あのシュート……?」

天子「ちょっとちょっと! アンタ私より目立ち過ぎでしょ……って、もしかしたらヤバい?」

実況や観客達が魔理沙の異変に気が付いたのは、
混沌としたキックオフから鮮烈なゴールまでの複雑な流れを消化してからとなった。
そしてその頃にはもう、チームメイトは地面に倒れ右脚を抱えて悶絶する魔理沙を取り囲んでいた。

93 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/07(月) 00:15:32 ID:???
小町「こりゃ酷いね。今は辛うじて形を保っているけど。
多分一枚皮を剥がしたらミンチみたいになってるよ、この右脚」

衣玖「……普通の人間ならば、このレベルの痛みを受ければショック死すると聞きます。
私からしてみれば、まだ貴女が生きてる事自体が奇跡ですよ」

中里「取りあえず、忍法仕込の骨接ぎ施術はしてみたが。これ以上の試合続行は無理でゴザろう……」

過去に霊夢が推察した通り、魔理沙の『ファイナルスパーク』は絶大な威力と引き換えに、彼女の脚を破壊する代物だった。
実際に、深夜での練習にて始めて放った一回目、地霊殿サブタレイニアンローゼスとの対戦で放った二回目。
そして今放たれた三回目のシュートと、回を重ねるごとに魔理沙への負荷は重くなっている。
中里が漏らしたように、通常ならば少なくとも、これ以上の試合続行は不可能。
できる事なら、今後シュートは永久に封印した上で、数か月は絶対安静にすべきレベルの症状の魔理沙を見て、
チームメイトの多くは同情を感じたのか嘆息した。
――しかし、魔理沙本人が現在抱いていた感情は、およそ普通の感性を持つ者には理解しがたいものだった。

霊夢「………」

スッ。

そして、数少ない魔理沙の理解者は、穏やかな笑みで魔理沙に歩み寄る。
彼女だけが知っていた。魔理沙は今、苦悶の表情を浮かべつつも笑っているという事に。
霊夢は分かっていた。だから、悩みつつ――そして、最後には決断した。
魔理沙のサッカー生命を延ばす事よりも、魔理沙がサッカーを通じて叶えたい夢の手伝いをしよう、と。
霊夢は本心から、魔理沙に優しくこう言った。

霊夢「……あんたと居ると、本当にいっつもいつもハラハラさせられて。
だけど、今みたいに純粋に凄いと思わせるようなトコもあって。
――うん。やっぱり私の相棒には、あんたしか居ない。言葉でなく態度でそれが伝わった」

94 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/07(月) 00:17:02 ID:???

魔理沙は霊夢の言葉を聞いて、苦痛にゆがんだ顔を更に歪めて笑顔を作り。
目から一筋の涙を零しながら、こう誇らしげに言ってやった。

魔理沙「まあな。なんせ私はお前の相棒で、この物語の主人公なんだから。
――この位、……ッ、普通だぜ!」

今も痛みをこらえていて、明らかに普通では無い表情と声色と態様の魔理沙。
その姿は客観的に見て惨めで哀れなものだったに違いない。
しかし、それでも――『霊夢に並び立ち活躍すること』を夢として来た彼女にしてみれば、
今はまさしく、彼女の夢が叶った瞬間だった。だが、欲張りな魔理沙はこれだけでは飽き足らない。

魔理沙「(――これで終わりじゃない。まだこの試合だって20分近くあるし、
一番大事な事として、まだ決勝戦や、大会後の世界大会が控えているんだ。
まだまだこれから。このまま点差を維持してレミリアにほえ面をかかせて。
決勝戦でも活躍して、うどんげの奴をぎゃふんと言わせてやって。
それで……私が霊夢と肩を並べられる名プレーヤーである事を世界に証明しなくちゃ……な)」

パタリ。

激痛と疲労により薄れゆく意識の中、遠い未来の戦いにまで想いを馳せながら。
如何なる逆境や状態であっても全力以上の力を発揮する『不屈の主人公』は、
その物語の最終章を目の前にして、まずは一旦の休息に入った。

95 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/07(月) 00:19:02 ID:???
……と、言ったところで今日の更新はここまでです。
皆さま、本日もお疲れ様でした。

96 :森崎名無しさん:2015/09/07(月) 00:40:32 ID:???
鈴仙「駄目だぁ、どう考えても魔理沙の方が主人公だあ……」
てゐ「私はあんなズタボロになってまで主人公になりたくないけどねえ」

乙です

97 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/08(火) 00:42:31 ID:???
こんばんは、短いですが更新再開します。
>>96
乙ありがとうございます。
博麗連合戦では、鈴仙の主人公としての素質が改めて問われると思います。

98 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/08(火) 00:44:43 ID:???

レミリア「……あんな茶番で、戦意をまるで削がれた奴は居ないな?」

担架に運ばれて退場する魔理沙を見送りつつも、紅魔の軍勢は未だ勝利を諦めてはいなかった。
状況は最悪、攻める駒は体力不足、時間は残りわずか。
2点差になった以上、ここで魔理沙が退場して名無し妖精が入ったとしても何ら有利はない。
それでも勝利を諦めないのは彼女達の流儀。
レミリアは厳しく言い放ちチームメイトを鼓舞し、彼女達もまた無言でそれに従った。

――しかし、運命はこれ以上、スカーレットムーンズの味方をする事は無かった。



……ピイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!

キックオフのホイッスルが鳴った。
魔理沙を代償として、後半18分に2点のリードを得た博麗連合はこれ以上は攻めなかった。
元々パス力の高い中盤を厚くする事で、スカーレットムーンズはボールの所有する事すら困難となった。
死に物狂いでボールを奪いに猛進するレミリアや咲夜、フランドールがボールを奪取する事は
度々こそあれども、そこから得点につながる有効打までは出ない。

後半30分に、レミリアとパチュリーがワンツーで中盤を突破し、
フランドールが『495年の波紋』をペナルティエリア内で放てた機会も一度はあったが。
――それはDFの位置にまで下がっていた霊夢や、競り合い強さでは幻想郷で一、二を争う萃香により
威力を減衰され、森崎のパンチングにより防がれる。

99 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/08(火) 00:46:48 ID:???
レミリア「………!」

ズザアアアアアアアアアアアアアアアアッ!

霊夢「――悪いけど、私はここで負ける訳にはいかないの。……『ヒールリフト』っ!」

グッ、ポーーーーーーーーーーンッ、シュパァァッ!

後半ロスタイム。体力切れであるにも関わらず恐ろしい動きでボールを刈りに向かうレミリアを、
霊夢は華麗な『ヒールリフト』であっさりと受け流す。
実際には、今のレミリアのタックルは疲労により洗練されたのか鋭く、
霊夢も一瞬奪われる事すら覚悟したが。
――それでも、彼女の『博麗の巫女』としての才能は、どんな綻びも逃がさない。
霊夢は自然と最良の体勢で放り投げたボールをトラップしており。

霊夢「……友達とは、互いに違う道を行こうとも、自分を理解してくれる存在。――これって、誰が言ってたんだっけ」

咲夜「――霊夢。勝負が終わっていないのに独り言とは、あまり関心しないわね!」

霊夢「……じゃま」

ブウンッ!

咲夜「……ッ!」

その後に飛び出した咲夜を自慢の『博麗幻影』で軽く抜き去った後。

100 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/08(火) 00:48:29 ID:???

霊夢「私には友達って良く分からないけれど。
皆で同じ道を行った方が、色々と楽しいんじゃないのかなぁ。――普段の宴会みたいに」

グワアアッ、バシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!!

自分の友人とは、できるだけ最後まで同じ道を歩みたいと思いつつ、
霊夢は大きくボールを蹴り出して―――。


――ピッ、ピッ、ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ……!



紅魔スカーレットムーンズ 1 − 3 博麗連合2015  試合終了!

101 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/08(火) 00:55:21 ID:???
漸く大会準決勝が終わったところで、今日の更新はここまでです。
明日は試合後の描写をちょっとしてから、とうとうつかさの特訓に入りたいと思います。
前に選択をやっていたのが8月10日なので、約1か月くらい文章だけでした(汗)

それでは、皆様、本日もお疲れ様でした。


102 :森崎名無しさん:2015/09/08(火) 21:00:33 ID:???
乙です。
完全に主人公が代わりましたねぇw

103 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/09(水) 01:11:36 ID:???
こんばんは、少しだけ更新します。
>>102
魔理沙は色々な覚悟やら信念やらを背負っているのに対し、
鈴仙は果たしてどうなのか、という事が次の試合のテーマになるかと思います。
それを経て、第二部では鈴仙が真の意味での主人公として活躍してくれる……と信じています。

104 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/09(水) 01:12:56 ID:???
〜大会15日目・特別イベント〜
【鈴仙とつかさ。ファンキーガッツ特訓!】

鈴仙「……今日の試合、凄かったね」

つかさ「そうですね。ハッキリ言って、今回の大会の博麗連合は、これまでの比ではないと思います」

――紅魔スカーレットムーンズ対博麗連合の準決勝戦が1−3で決着を見せ、
試合を観戦していた鈴仙達永遠亭ルナティックスのメンバーは
口々に感想を語らいながら、妖怪の山モリヤスタジアムを後にしていた。
鈴仙は普段こうした時、てゐや佳歩と他愛の無い話をするか、
それともパスカルや中山と戦略的な話をしているのかのどちらかが多かったのだが、
今回は珍しく、つかさと二人で帰路に就いていた。

つかさ「……けれども、燃えてきました。
私、立ちはだかる障害が大きい程、テンションが上がっちゃうタイプみたいです」

鈴仙「知ってる。つかさはいつも、冷静なお姉さんに見えて、強敵に対しては
真っ先に叫び声上げて飛び込んで行くタイプだもんね。
――そんなつかさだからこそ、私に声を掛けたんでしょう? 今日の夜、二人で特訓をしようってさ」

つかさ「そ、そうですけど……。 ――強敵に対して、そんなに叫んでたでしょうか? 私……。
確かに、気持ちが昂ると、周りが見えづらくなるきらいはあると思いますが」

鈴仙「――今まで気付いて無かったのね。別に恥ずかしがる事じゃあないと思うけれど」

つかさ「いえっ。多少は気になります! その。はしたない、ですから……!」

鈴仙「(ここまで来ると、もはや二重人格ねぇ……。――ま、そのギャップが可愛いんだけど)」

105 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/09(水) 01:15:48 ID:???
可愛らしく上品に頬を膨らませるつかさの頭を撫でたい衝動に駆られつつも、
鈴仙はもう一つ気になる事を聞いた。

鈴仙「……ところで、Dちゃんは良かったの? いつも一緒だったじゃない。
てっきり、今日の特訓にもDちゃんを誘うのかと思っていたけれど」

つかさ「――Dちゃんは置いていきます。練習はしましたが、
ハッキリ言って、あの子は付いて来れないと思いますから」

つかさは毅然とした表情で答えた。
それは普段ウサギDを妹や娘のように可愛がっているつかさとはかけ離れているが、
鈴仙にはそれが、どんなに厳しい特訓をしてでも、博麗連合という壁に打ち克ちたいという、
つかさの決意とウサギDに対する愛情の表れであると思えた。

鈴仙「(……つかさも凄いわね。自分よりも強い者に対して、
卑屈になる事も諦める事も無く、ただひたすらに勝ちたいと思う。ぶつかってみたいと思えるなんて。
私も勿論その覚悟がある――と、思っていたけれど。それは本物なのかしら……)」

――つかさが明確な意思を見せる一方。
鈴仙は、今日の博麗連合の試合を見てモヤモヤとした感情を抱いていた。
強い意志と高い実力を持ち、たゆまぬ努力を重ねる選手達の姿を見て。
自分は果たして今、彼女達のように輝けているだろうかと自問自答を重ねていた。

106 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/09(水) 01:19:31 ID:???
鈴仙「(――これまで中山さんと。皆と走って来た私だったら。
こうして思い悩んで立ち止まりそうになった時は、兎に角練習をして、無理矢理にでも前に進み続けて来たんだっけ)」

そして何か事ある度に悩んでいた鈴仙は、こうした時にどうすれば良いかも流石に学習していた。
――とにかく、やるしかないのだ。
道を切り開くのは、他の誰かでも無く自分自身。努力を重ねれば、きっと必ず道が見えて来る筈だ。……と。

鈴仙「……つかさ。今夜の特訓。一緒に頑張ろうね。諦めずにやれば、きっと、何かが見えてくる筈なんだから……」

鈴仙はつかさに対してか、自分に対してか、そう堅く告げる。
それは信念というよりは、努力に対する信仰に近いと思ったが、
鈴仙は敢えてその感想を自身の奥に封じ込める事にした。


――そして、その日の夜。
二人は夜分遅くに永遠亭のサッカーコートに集合し特訓を重ねた。果たして、その結果は……。


先着2名様で、

★鈴仙の意地→! card★
★つかさの意地→! card★

と書き込んでください。数値の合計で分岐します。

35→彼女らに一体何が…? ガッツ+50、全能力+3、更に更に…?/ガッツ+100、全能力+3、更に更に…?
31〜34→超進化!!     ガッツ+30、全能力+2、更に…?/ガッツ+50、全能力+2、更に…?
26〜30→進化!        ガッツ+10、全能力+1、攻撃系or防御系各+1/ガッツ+30、全能力+1、攻撃系or防御系各+1
16〜25→特訓は成功だ!    ガッツ+10、全能力+1/ガッツ+30、全能力+1
10〜15→そこそこの成果だった。ガッツ+10、攻撃系各+1/ガッツ+30、防御系各+1
2〜9  →残念な感じだった…。 ガッツ+0、防御系各+1/ガッツ+10、攻撃系各+1
*次のレスにて特訓判定の注意書きを掲載しますが、レスとレスの間にある判定も有効とします。

107 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/09(水) 01:20:46 ID:g/Ix9O0E
*左が鈴仙の結果表、右がつかさの結果表です。
*攻撃系=ドリブル・パス・シュート・せりあい で、防御系=タックル・パスカット・ブロック・せりあい です。
*マークか数値が一致した場合、判定に+5されます。これらの効果は重複しません。
*合計値が21以上の時、フラグ習得!(既にあれば回収。無い時は、鈴仙は選択可で、相手は判定)
*合計値が26以上の時、必殺技習得!(分野は鈴仙は選択可で、相手は判定)
*攻撃系の合計と防御系の合計を比較して、低い方=2〜9 高い方=10〜15 で表示しております。
*JOKERが出た場合は『ダイヤの15』として扱います。オールマイティにはなりません。

――――――――――――――――――――――――――
……と、いったところで今日の更新はここまでです。
皆さま、本日もお疲れ様でした。

108 :森崎名無しさん:2015/09/09(水) 01:21:07 ID:???
★鈴仙の意地→ スペード7

109 :森崎名無しさん:2015/09/09(水) 01:21:28 ID:???
★つかさの意地→ クラブQ
またドラゴンボールネタw

110 :森崎名無しさん:2015/09/09(水) 01:21:48 ID:???
★つかさの意地→ ダイヤ9

111 :森崎名無しさん:2015/09/09(水) 14:02:12 ID:???
魔理沙さんの足の具合(中身)についてももっと詳しく描写をしてほしいと思いました。
決勝で期待してます(笑)

112 :森崎名無しさん:2015/09/09(水) 20:50:06 ID:???
ウサギD、カ・ガーミンじゃなくてチャオズだった

113 :森崎名無しさん:2015/09/09(水) 21:27:35 ID:???
むしろつかさ的にはユウスケかと

114 :森崎名無しさん:2015/09/09(水) 22:23:40 ID:???
乙です

ウサギD「さよならつかさちゃん。どうか死なないで」

シリアスにしれっとまざるDB要素である。
この後はつかさをチルノに会わせる方向でいいかな?


115 :森崎名無しさん:2015/09/09(水) 22:34:52 ID:???
しゃべるボールがもう少しで完成っぽいしコーチでいいから練習2回くらいやってみては?
個人的にはてゐのシュートが低くてあがりやすそうなはずだから面白い気がする
ただの絶妙なループシュートが+7は高すぎじゃけん

とりあえずはつかさチルノでいいと思うけど

116 :森崎名無しさん:2015/09/09(水) 22:47:31 ID:???
しゃべるボール完成→アリスさんと友達にしてボールで買収→決勝が12対10になる

テニヌでも買収くらいなら普通にやってたし別におかしくないおかしくない

117 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/09(水) 23:28:12 ID:g/Ix9O0E
こんばんは、更新していきます。
今日はなんと、選択肢がありますので是非参加して頂けると幸いです(爆)
>>111
詳しく描写すると別のジャンルになりそうですが、熟れたトマトみたいな感じですね。
決勝は多分もっとぶっ飛んだ感じになると思います。
>>112
ウサギD「さよならつかさちゃん! さらばサッカー!」→霊夢と魔理沙の脚を折り無事退場ですね、わかります。
>>113
私のディケイドは地獄兄弟が出てきてアッサリ退場したあたりで終わってますね…。
>>114
乙ありがとうございます。
多分JOKERが出たらDちゃんが魔理沙の肩に張り付いて爆発します。
>>115
しゃべるボールの事もありますね。
カルツ君が森崎からゴールを奪いかけた位ですし、強いと思います>ループシュート
>>116
アリスさんは頭脳派なので多分大丈夫だと思います(震え声)


>>107注意書きに記載が漏れていたのと、前の特訓から結構間が空いたので追記しますが、
今回の特訓においても、これまで同様伸ばせる能力値の限界がありまして、
今回ですと特訓では「52」以上の能力値については上昇しない事としております。
そのため、結果表を見ると全能力+1ですが、
鈴仙のドリブルとシュートについては今回上昇しませんので、ご了承ください。

参考として、特訓後の鈴仙の能力値を載せておきます。

選手   ド  パ  シ   タ  カ   ブ  せ  総   高/低 
鈴仙  52  52  53  51  50  46  52  356  2  3 
最大ガッツ:980/980

……と、なります。それでは、更新を再開します。

118 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/09(水) 23:29:29 ID:g/Ix9O0E
★鈴仙の意地→ スペード7 ★
★つかさの意地→ クラブQ ★
7+12=19
16〜25→特訓は成功だ!ガッツ+10、全能力+1/ガッツ+30、全能力+1

鈴仙「食らいなさい、『マインド……エクスプロージョン』!!」

つかさ「うらあああああああああああああああああああああっ!」

バシュウウウッ、ゴオオオオッ―――ドガアアアアアアアッ!!

つかさ「あべしっ!? も、……もう一回! もう一回です鈴仙さま!」

鈴仙「ええ。何度でもやってやるわ! 追撃の……『マインドエクスプロージョン』!」

バシュウウウッ、ゴオオオオッ―――ドガアアアアアアアッ!!

つかさ「ゲボハァーーーーッ!? ……こ、この程度! 鈴仙さま、次はもっと近づいて下さい!」

鈴仙「えっ? 今でも充分至近距離だったと思うけど……」

つかさ「ダメです! 鈴仙さまはあの『ファイナルスパーク』の威力を忘れましたか!
――ああ、もう! もはやボールの存在すらもどかしいです! 鈴仙さま、私を蹴って下さい!」

鈴仙「いやいやいや! そんな。つかさの――女の子の顔を真正面から蹴るなんてできないわよ!」

つかさ「良いんです! さあ! 私の事はスイカ割りのスイカか何かだと思って!」

鈴仙「それって、蹴ったら赤いのがパックリブシャーっていっちゃうじゃない! 嫌な例え止めてよ!
……えーい! もう。そんな目しないでよ。 だったらヤケよ! お望み通りやってやろうじゃない!」

119 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/09(水) 23:30:34 ID:g/Ix9O0E
――ゲシッ、ガシッ、ボガボガッ! ドガッ、バギッ、ボゴッ!

つかさ「ぐ、グワアアッ!も、もっと……もっと……です、鈴仙さま。この程度じゃ、終われませんっ!」

鈴仙「ええ、言われなくても分かってるわよ!(――ところで、何の練習だったっけ。これ。
というかそもそも、これって何かの練習なんだっけ……?)」

――鈴仙とつかさとの特訓はシンプルながらも熾烈を極めた。
軽い総合練習の様相を示していたのはごく最初だけであり、
実戦形式のシュート/ブロック練習が鈴仙とつかさの互いの熱情に火を付けて、
最終的にはボールも使わず鈴仙がつかさの顔面にキックを繰り返すという、
傍目には鈴仙による一方的リンチとしか思えないような惨状となった。

つかさ「はぁ。はぁ……はぁ……! もう少し。もう少しです……!」

鈴仙「(つかさ……凄い。あれだけ撃ち込まれて、まだガッツを残している。
実戦においてはそこまで体力がある方とは言えないつかさだけど。
だったら現に今発揮している、あの子の底知れぬガッツの源は一体何なの?
……何だか、知れば知るほど、余計に底知れなくなるわね。つかさったら)」

先ほどあれだけはしたないのは嫌と言っておきながら、
いざサッカーとなると自らの身を全く厭わず、自身を傷つけてまで鍛えようとするつかさの姿勢に、
鈴仙は畏怖の念すら覚えるも――結果として、この特訓らしき何かは効果があった。
それが分かったのは、鈴仙がつかさの顔面に千度目のダイレクトシュートを撃ちこんだ時の事だった。

120 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/09(水) 23:38:46 ID:g/Ix9O0E
鈴仙「はぁ、はぁ……どおっせーーーいっ!」

つかさ「うりゃああああああああああっ!!」

グワアアアアッ、バギイイイイッ……! ―――チイイイッッン!

鈴仙「――い、痛ッ!」

既にその時点で東の空は白み、血塗れになったつかさの首からは生気が若干抜けかけていた。
しかしそれでも尚、シュートを求めるつかさに対し鈴仙が大きく右脚を振りかぶり、
急所を撃ち抜いたところ――つかさの顔面がまるで鋼鉄のように固くなったと感じた。

つかさ「そ、そう。この……感覚です」

鈴仙が痛みに顔を顰めるのを見て、つかさはこの特訓で初めて納得したように頷いた。
そして、独り言を話すように虚空に向かって成果を語りだす。

つかさ「――具体的に何か技やそのきっかけを掴んだ訳じゃないけれど。
何度も痛みや苦痛を受けて、だけどそれでも折れずに立ち向かう。
……今までの私は、そんな覚悟がどこかで欠けていましたが。
だけど、今。少しだけ、そんな心構え――DFとして、最低限の心構えが出来たような気がしました」

鈴仙「(あれだけ蹴られまくって「最低限」だったら、
多分全宇宙のDFやってるサッカー選手は皆、DF失格なような気がする……)」

鈴仙は思わず冷静なツッコミを入れてしまいたくなるが、しかしつかさにとってはきっとそれは真実に違いなかった。
つかさは一見淑女に見えるが、その実はご覧の通りのファンキーガッツウーマン。
理屈や理論では語れない、彼女なりの精神論が組み込まれているようだった。
そして、精神に存在の多くを依拠する妖怪兎にとって、そうした精神論は彼女のメンタリティだけでは無く、
身体能力を高める事にも役立っていたらしい。

121 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/09(水) 23:40:20 ID:g/Ix9O0E

つかさ「……鈴仙さま。最後にもう一度、総合的な練習をしませんか?
きっと、今の私なら、もっとうまく出来るような気がするんです」

――そう言ったつかさの感覚は当たり、実際に鈴仙が見る限りつかさのサッカー能力は
ブロック以外の分野においても著しく成長していたのだ。
しかも更に不思議なのは、鈴仙自身も同様に一定の基礎技術の向上が見られた事だった。

鈴仙「(私は月の兎で、永遠亭の妖怪兎とは違うから。そんな精神論だけで上手くはなれないと思うけれど……。
――それでも、ガッツ溢れるつかさの姿を見て。
余計な心配事とかが解れた分、ノビノビと動けるようになった……のかな)」

今回の特訓で、鈴仙はつかさにも救われていた事を実感する。
博麗連合との試合で感じたモヤモヤが、それだけで完全でないにしろ、大きく晴れた気がした。
そしてそのふわりとした感覚こそが、今回の特訓で得た鈴仙の宝に違いなかった。


*鈴仙の全能力(ドリブル、シュート除く)が+1され、最大ガッツが+10されました。
*つかさの全能力が+1され、最大ガッツが+30されました。

122 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/09(水) 23:45:21 ID:g/Ix9O0E
〜大会16日目・午前〜

鈴仙「はぁ、はぁ。昨日は色んな意味でキツい特訓だったわね……成果があったから良かったけど。
――さて、今日は何をしようかしら。
試合の時にした約束通りつかさの部屋に行って、チルノに会いに行くとか。
前にレミリアさんが言ってた好意に従って、紅魔館に行ってシュートを見てもらうとか。
秋姉妹やらお燐やら、割と仲の良い人に会いに行くとか、……アリスさんと友達になってみるとか。
それとも、ボロボロのボールが喋りださないか練習の場で観察するとか。
やりたい事自体は一杯あるけれど、やれる事は限られるのよねぇ」

A:自由行動をする(自由行動フェイズに移ります。更に分岐)
B:練習をする(一人か仲間で練習したり、コーチングをします。更に分岐)
C:狂気度を使用する(更に分岐。一部を除き、この行動では時間を消費しません)鈴仙の狂気度:28
D:現在の能力値を確認する(この行動では時間を消費しません)(※1票決)
×:アイテムを使用する(この行動では時間を消費しません)
  ※「ボロボロのボール」など、練習用アイテムはCの練習の選択時に使用してください。

先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

(参考:大会16日目〜大会18日目(決勝戦終了)までのスケジュール)
        午   前     午   後
16日目   休   み←今ココ休   み
17日目   休   み    聖徳×紅魔(三位決定戦)
18日目   休   み    永遠×博麗

※試合のある時は、鈴仙は自由行動ができません。
※新聞イベントについては今回省略して、博麗連合戦時に役立つ情報を少し開示する、
  などという形を取る事で代用したいと思います。

123 :森崎名無しさん:2015/09/09(水) 23:49:18 ID:dGVF+h0U


124 :森崎名無しさん:2015/09/09(水) 23:50:35 ID:HqL1CVFE


125 :森崎名無しさん:2015/09/10(木) 00:02:18 ID:???
私はどうやらサッカーを甘く見ていたようだ(震え声)

126 :森崎名無しさん:2015/09/10(木) 00:04:13 ID:???
顔面を蹴ればブロックが鍛えらる・・・
つまりあまりに蹴られすぎて金属みたいに伸びて面積を広くするのか!

127 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/10(木) 00:05:55 ID:bGgmmqqA
A:自由行動をする(自由行動フェイズに移ります。更に分岐)

鈴仙「――とりあえず、今日は自由行動ね。
……あ。さっき>>122で挙げた内容とかについて、いちいち二回も三回も選択して貰うのは
テンポも悪いし手間だから、ショートカットキーを作ってみたわ。
だけど勿論、このキーに入っていないけれど有益な行動やイベントは他にもあるから、
無理してキーの中から選ばなくっても良いのよ?」

A:永遠亭に居る(さらに分岐)
  主に永遠亭に居るチームメイトと交流をします。
  評価値を上げたり特別なイベントを起こしたりできます。
B:外出する(さらに分岐)
  買い物をしたり、永遠亭に居ないチームメイトや、
  その他の幻想郷の住人と交流できるチャンスがあります。
C:気晴らしに玉兎通信でもしてみる。(さらに判定)
  ランダムで、色々な情報が入ります。運が良ければ必殺技フラグも入手できるかも…
D:現在の能力値を確認する(この行動では時間を消費しません)(※1票決)

<ショートカットキー>
E:先の試合での約束通り、つかさがチルノに会いに行く手伝いをする。
F:紅魔館で、レミリアにシュートの練習を見てもらう。
G:妖怪の山ふもとに行き、焼き芋を無料で買いつつ秋姉妹達に会う。
H:地霊殿に行き、お燐やさとりに会いに行き交流を深める。
I:その他 作者は失念しているがこうしたイベントがあった筈だ! ……などありましたら、一発で繋ぐよう配慮します(汗)


先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

128 :森崎名無しさん:2015/09/10(木) 00:06:12 ID:???
サッカーは格闘技とはあくまでもたとえ話じゃなかったのか…(震え声)

129 :森崎名無しさん:2015/09/10(木) 00:06:50 ID:pKmsyvao


130 :森崎名無しさん:2015/09/10(木) 00:09:37 ID:OHpkzcUs


131 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/10(木) 00:19:41 ID:???
Eが選ばれたところで、今日の更新はここまでです。
久しぶりの選択肢でしたが、積極的に相談や投票をしてくださりありがとうございました(汗)

>つかさ式ブロック特訓について
顔面ブロックの練習をするにあたってどうするのが一番効率が良いのかを追求した結果、
ボールは不要という結論に至りました。原作キャプ翼っぽい爽やかな狂気が表現出来てればうれしいです。

それでは、皆様、本日もおつかれさまでした。


132 :森崎名無しさん:2015/09/10(木) 00:20:42 ID:???
これ爽やかだったのかw

133 :森崎名無しさん:2015/09/10(木) 17:29:58 ID:???
らんま2/1を思い出す特訓描写だったんですがそれは

134 :森崎名無しさん:2015/09/10(木) 22:56:58 ID:???
ウサギDが置いていかれたのはわかったけどウサギCは置いていかれたことにすら気づいていない…
セグウェイフォーエバー 無駄にいろいろ考えた(ネタ)名前フォーエバー

135 :森崎名無しさん:2015/09/10(木) 23:36:16 ID:???
今回のチルノに会うのがすんなりいくのか次第だけど、残り三回の自由行動をどうしようか。

>>127のF〜Hの他には、しゃべるボールの完成を目指すくらいだと思うけど。
あとは狂気度がドイツ戦に微妙に足りないから、試合直前に使っておこう。
ドイツ戦に届かなければ、浮き球、洗脳もしくは印象操作。
洗脳はゆかりんに使えると依然アナウンスされてた。
印象操作はフェアプレイ精神を覚えればたぶん不要かな。一応マリーシアされた場合は効果ありそう。

後は永琳印象値が次の特訓まで2足りないけど、師匠に会ってそこまで行くかは不透明。

しゃべるボールを完成させる場合どうするか
鈴仙のドリブル、パス、シュートはすごく上がりにくいだから厳しい
上がりやすさと必要な能力を考慮すると候補はこんなところかな。

○必殺フラグの完成
オフサイドトラップ(18/20)、フェアプレイ精神(17/20)

○仲間のコーチング
佳歩 タックル 47
てゐ シュート 47
霞  タックル、カット 46
慧音 タックル、カット 50 ブロック 51
妹紅 タックル 49
つかさ タックル 47 カット 45 ブロック 50
姫様 せりあい 49 (1対1+2あり)

136 :森崎名無しさん:2015/09/10(木) 23:39:17 ID:???
どれもこれも必要な能力なはずなのに50も行ってないのばっかり…

137 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/10(木) 23:53:05 ID:???
こんばんは、更新していきます。
>>132
何となくいい話っぽい感じに終わったので、多少血塗れになってても大丈夫かな…とか思ってました。
>>133
転がる岩石を避けながらボールキャッチとかも、描写次第によってはかなりのスプラッタになると思います。
>>134
Cちゃんはドラゴンスフィア読んでましたね。

138 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/10(木) 23:55:46 ID:???
E:先の試合での約束通り、つかさがチルノに会いに行く手伝いをする。

鈴仙「……よし、特訓までした間柄だしね。今日はつかさに付き合いますか」

先の聖徳ホウリューズ戦の合間にて、気になる選手としてチルノの名前を挙げたつかさ。
今度つかさがチルノに遭いに行く際の同行を約束した鈴仙は、
早速約束を果たしに行こうとつかさの部屋の襖をノックする。

つかさ「はい……あっ。鈴仙さま。昨日はどうも、ありがとうございました」

静かに襖を開け、ワンピースの裾をつまみながらペコリとお辞儀するつかさ。
そこには叫びながら顔面キックを要求する、クレイジーガッツマンの要素は全く消え失せていた。
真っ赤なトマトのようになっていた顔は既に元の端正な美少女の顔立ちに戻っており、
鈴仙はつかさの豹変ぶりに恐怖すら覚えた。

鈴仙「えっと……その。ねぇ、つかさ。こないだの約束の事なんだけど……今から早速、出かけてみない?」

つかさ「――! は、はい。喜んで!」

部下に恐怖しているという事実を隠す為に、鈴仙は無表情を貫いて早口でつかさに申し出た。
つかさはそんな鈴仙のある意味では素っ気ない態度。
しかしその中でも約束を果たそうとする誠意と優しさを感じ取ったつかさは、鈴仙の言葉に大きく喜んだ。

つかさ「でも、本当に良いのですか? 鈴仙さまだって、練習とか、したい事もあるでしょうに……」

鈴仙「……別に良いのよ。私だって、昨日はあれでもつかさに救われたんだから」

それは嘘では無かった。
昨日の試合で霊夢と魔理沙が魅せた信念を、レミリアとパチュリーが示した誇りを前にして、
自分は果たして彼女達のように輝けているのか、鈴仙は少し自信を失いかけており。
そんな後ろ向きな発想をする自分を、とりあえず前へ前へと推し進めてくれたのは間違いなく、
つかさの華奢な身体に溢れる「ガッツ」だったからだ。

139 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/10(木) 23:57:32 ID:bGgmmqqA
鈴仙「――さ。それよりも、さっさと探しに行きましょ、チルノの事。
取りあえず、霧の湖とか、魔法の森とか。妖精達の遊び場で有名な場所をしらみつぶしに回りましょうか」

つかさ「はい。そうですね……! 鈴仙さま、今日は宜しくお願いいたしますわね」

何となく湿っぽい雰囲気になったと思って、鈴仙は口調を変えてつかさの出発を促す。
つかさも鈴仙の意を汲んだのか、あるいは昨日の特訓での醜態を思い出し恥ずかしくなったのか。
話題を打ち切って、もっぱら今日の探索――チルノ探しに意識を向ける事にした。
半刻程経って、準備を終えた二人は並んで竹林を飛び立つ。その結果は……。


先着1名様で、

★妖精クエスト→! card★

と書き込んでください。数値で分岐します。

JOKER→ロリ・コンナンデス「ブヒヒ! 性に目覚めていないJY(女子妖精)萌へ〜!」チルノ「は、離せよぉ…!」
       なんと、ヘルナンデスが再びロリコン化しチルノに襲い掛かっていた!
ダイヤ→霧の湖で仲間と遊んでいるチルノを見つけた!
ハート→魔法の森で迷子になってる大妖精を見つけた。
スペード→人里で曲芸をしている来生を見つけた。
クラブ→残念ながら、チルノも関係者も誰も見つけられなかった……。

140 :森崎名無しさん:2015/09/10(木) 23:58:14 ID:???
★妖精クエスト→ ハート6

141 :森崎名無しさん:2015/09/10(木) 23:58:22 ID:???
★妖精クエスト→ スペード7

142 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/11(金) 00:50:35 ID:mN6bWhT+
★妖精クエスト→ ハート6 ★
ハート→魔法の森で迷子になってる大妖精を見つけた。

〜霧の湖・ほとり〜

鈴仙「えっ、居ないの?」

サニー「そうよ! チルノは私にキャプテンの座と預金通帳を預けてこう言ったの。
『あたいはもうだめだ。サニー様、後は貴方様に全てを任せます』……ってね」

スター「まあサニーの言ってる事は全部ウソなんだけどね。
チルノなら、ここに居ないんだったら魔法の森ででも遊んでるじゃないかしら?」

ルナ「(チルノの預金通帳……。凍らせた蛙とかしか入ってなさそう)」

運の悪い事に、妖精大連合がいつも練習をしていた霧の湖周辺において、チルノは不在だった。
大会で敗北した事で飽きっぽい妖精達のサッカー熱は冷めて、
それぞれがそれぞれでやりたい遊びをやるべく、チームは一旦解散したらしい。

サニー「ま。私達とかみたく、未だにサッカーやってる子も結構居るけどね。だって楽しいし」

ルナ「そういや、カントクさんも最近来てないね。サッカーに飽きちゃったのかな?」

スター「その可能性……結構高いわね。最近幻想入りした、『せぐうぇい』ってオモチャに嵌ってるみたいだし」

リリーW「最近人里で『セグウェイ天パ』っていうオカルトが流行してるらしいですよー」

つかさ「……鈴仙さま。取りあえず魔法の森に行ってみませんか?」

相変わらずフリーダムな妖精達の身の上話を聞き流しつつ、
鈴仙とつかさはこの中で唯一得た有益な情報――チルノは魔法の森で遊んでいるのではないか
――を頼りに、チルノ探しを続行する事にした。

143 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/11(金) 00:51:35 ID:mN6bWhT+
〜魔法の森・上空〜

つかさ「鈴仙さま、見つかりましたか?」

鈴仙「うーん、こっちは全然ね」

――しかし。いや、やはりと言うべきか。
その程度の証言のみをもって、広い森の中からひとりの妖精を発見するのはかなり困難だった。

鈴仙「……どうする。今日は諦める?」

つかさ「そうですね。また日を改めれば、あの子も湖まで戻ってるかもしれないですし……」

探索開始から数時間が経過するも、青い髪の氷精は見つからず。
代わりに凶暴化した向日葵妖精の群れに出くわし撃退したりして、鈴仙とつかさはかなり消耗していた。
そのため、そんな弱気な提案が口をついて出てしまいそうになった所で――。


???「……あ、あのう! 迷子になってしまったので、助けてくれませんかー?」


――空を飛ぶ鈴仙達の足元で、そんな声が聞こえる。鈴仙達は有無を言わせずに、その声に従う事にした。

144 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/11(金) 00:53:36 ID:mN6bWhT+
〜魔法の森・奥部〜

大妖精「ありがとうございます。あの森の瘴気は、私にとってはちょっと強すぎるから。
鈴仙さんが駆けつけてくれなければ、今ごろ一回休みになってました」

鈴仙「空も満足に飛べないなんて、結構な重症よ。……ほら、もっと水で流し込んで。
お師匠様の薬は万能薬だけど、苦いのが玉に瑕だからね」

鈴仙達を呼んだ大妖精は、暗い森の中を長時間さまよっていたらしく、
この森にただよう強い瘴気も相まって、大きく疲弊していた。
気の毒に思えた鈴仙はポケットに常備している永琳の薬を一限、水筒とともに大妖精に渡していた。

つかさ「……でも、どうしてそんな状態になるまで森の中に居たんですか? 迷子って仰ってましたが」

大妖精「ええ。その。……迷子になったというか。迷子を探しているといいますか……」

背丈ではつかさの方が大妖精よりも少し大きいが、温厚で丁寧な性格は二人とも共通していた。
薬を飲んで元気になった大妖精は鈴仙達に対し、これまでの経緯を説明してくれる。

大妖精「私、最初はチルノちゃんと一緒に森に入ったんです。
『一緒に魔法使いごっこをやろう。大きいキノコを採った方が勝ちね』……って言って。
それで、始めたばかりの時は互いが見える場所に居たんですけど、途中から分からなくなって。
それでもどの時は、外に出ればいつかは合流できるって甘い考えだったんですけど。
外への出口が掴めないまま、森の瘴気に充てられて空が飛べなくなって……」

鈴仙「――それで、今に至る……ってワケね」

――そして、大妖精の話は鈴仙達にとって朗報だった。
チルノが今、この森かあるいは周辺にいる可能性がいよいよ濃厚となったからだ。

145 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/11(金) 00:54:57 ID:mN6bWhT+
鈴仙「じゃあさ、それなら――」

鈴仙はここぞとばかりに、「自分達も実はチルノを探していた。一緒に協力して探さないか」
と提案をしようとするも――。

つかさ「……待ってください、鈴仙さま」

鈴仙「――えっ、どうして、つかさ」

それはつかさの控えめな声により押し留められる。

つかさ「薬は飲みましたけれど、今は大妖精さんの容態が心配では無いですか?
今はとりあえず、私達で大妖精さんを外まで案内してあげた方が良いかと思うのですが。
それにそうしたら、出口でチルノと鉢合わせになる可能性だって、あるかもしれませんし」

鈴仙「うーん、そうねぇ。確かに無理して探検させて、寝込ませちゃったりもしたら。
仮にそれでチルノに遭えたとして、勘違いされて喧嘩になっちゃうかもしんないし」

鈴仙はつかさの的を射た発言に関心しながらも、同時に取るべき選択肢の幅を検討していく。

鈴仙「チルノは一旦諦めて、大妖精を私達の力で外まで案内する。
チルノの探索を重視して、このまま大妖精と一緒にチルノを探す。
それと、他にも……そうだ。外に出ないにしろ。
魔法の森にある、アリスさんとか魔理沙の家とかに一時入れて貰って、
大妖精の容態を回復させてからチルノを探すってのも良いかもしれない。
アリスさんはかつて光の三妖精も泊めた事があるって聞くから、妖精の扱いには慣れてそうだし。
むしろ運が良ければ、そこで難なくチルノと合流できちゃうかもしれないわね。
でも逆に、魔理沙の家になんて……妖精が来るのかしら?
私が前訪問した時は、魔導書やら森で採れた実験用の触媒とかがゴロゴロしてたけど。
――でも、好奇心旺盛なチルノだったら……ワンチャン、居たりするかも?」

146 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/11(金) 00:56:57 ID:mN6bWhT+

鈴仙の脳内で、選択肢はおよそ4つ程度に絞り込まれた。
どの方針を取れば、大妖精の――もしかしたらチルノの、迷子問題について解決できるのか。
あるいは、高い確率で解決できるよう動かせるのか。
ポカンと口をあけて鈴仙の言葉を待つ大妖精に対し――鈴仙は、こう提案をした。

A:とりあえずは休養が大事だ。大妖精を外まで案内してあげる。
B:目的が同じなら協力しよう。一緒にチルノを探そうと提案する。
C:何をするにも一旦休養だ。近くにあるアリスの家に行き、休息を取らせて貰うようお願いする。
D:何をするにも一旦実験だ。近くにある魔理沙の家に行き、休息?を取らせて貰うようお願いする。
E:その他 自由選択枠

鈴仙のガッツ:980/980

先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。


――――――――――――――――――――――
……と、言ったところで今日の更新はここまでです。
皆さま、本日もお疲れ様でした。

147 :森崎名無しさん:2015/09/11(金) 00:59:00 ID:+MA3Qwfw


148 :森崎名無しさん:2015/09/11(金) 01:03:23 ID:KDXLELn2
C

149 :森崎名無しさん:2015/09/11(金) 22:49:05 ID:???
アリスの家に行ってもチルノはいませんでしたが代わりに
ヤンデレアリスに監禁された森崎がいましたとさ

150 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/12(土) 00:43:01 ID:xyT/n8C2
こんばんは、少しだけになりましたが更新再開します。
>>149
アリスさんはちょっとプライドが高くて寂しがりやなだけですから、多分大丈夫です(震え声)

151 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/12(土) 00:44:19 ID:xyT/n8C2
C:何をするにも一旦休養だ。近くにあるアリスの家に行き、休息を取らせて貰うようお願いする。

鈴仙「……外に出ても合流できる保証はないし。
それなら、ここ付近で休める場所に行った方が良いかもしれないわね……」

大妖精「で、でも。瘴気が立ち込める上、光もロクに射さない暗い森に、そんな都合の良い場所なんて……」

鈴仙「――確かに少ないけれど。あてならあるわ」

鈴仙はそう言って、過去に自分が魔法の森を訪れた時の事を思い出す。
確かに魔法の森は普通の人間や妖怪なら寄り付くべき場所ではないが、
しかしそんな森にも、物好きによる住まいはある程度あった筈だという事を。

鈴仙「アリスさんの家がここから近かった……ような気がするわ。そっちに行きましょ」

つかさ「人形師さんの家に行くんですね。
人里の子ども達からは、誰とも慣れ合わないクールな人と思われてるみたいですけど。
だけど、悪い魔法使いじゃないと思いますし。私は賛成です」

鈴仙「(そんな風に思われてるんだ……アリスさん。
きっと友達を作りたいけど、プライドの高さがそれを邪魔してるんだろうなぁ。
――提案しといてなんだけど。本当に大丈夫だったかなぁ……アリスさんちに行くの)」

七割の期待の中に三割の不安を抱きながらも、
しかし今さら退けないような気分になって、鈴仙は撤回せずに大妖精とつかさを連れて、
魔法の森の中でも少し明るく綺麗な場所にある、洋風の一軒家へと飛んで行った。

152 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/12(土) 00:45:54 ID:xyT/n8C2

*****


アリス「あら……。こんな所に来客とは珍しい。どうしたの、迷子?」

鈴仙「アリスさん。台詞はクールですけど顔がニヤけてますよ」

アリス「う、五月蠅いわね! これは脊髄反射よ!
……そ、それより。そうした事なら放っておけないわね。上がりなさいな」

タッ! シュパッ! ススススッ!

つかさ「(凄い! 外面は平静(?)を装いつつも、テキパキとした動きで来客をもてなす準備をしているっ!?)」

――そして結論として、アリスは鈴仙達一行を快く受け入れてくれた。
氷精とはぐれた迷子の妖精を保護したが、酷く弱っている。暫く休ませてほしい――。
そうかいつまんで状況を話した鈴仙を尻目に、アリスはウキウキとした様子で、
無駄に大量に並んでいるお洒落なマグカップに積もった埃を落としたり、
何故かある簡易ベッドのメイキングまで始めていた。

鈴仙「あ、あのー。私達はちょっと休憩させて欲しいだけで、別に泊まったりするわけじゃ――」

アリス「あら? 何か言ったかしら?」

鈴仙「(い、言い辛い……。あんなに楽しそうな顔をしている人の期待を、裏切りたくない……)」

明らかに鈴仙達の要求以上の好意を示してくれるアリス。
根っこがごく普通の小市民的な鈴仙は、こういう善意を踏み倒す事がすこぶる苦手である。
言いたい事も言えずにそうこうやっている間に、アリス宅の小奇麗な狭いリビングは、
ちょっとしたティーパーティ会場へと様変わりしていた。

153 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/12(土) 00:47:15 ID:xyT/n8C2
つかさ「れ、鈴仙さま……どうしましょう。なんか――帰り辛いです!」ヒソヒソ

鈴仙「う、うう……ん。取りあえず、今鼻歌を歌いながら作ってるマドレーヌ位は食べないと、
帰りたくっても帰してくれなさそうねぇ……」

大妖精「(くんくん……いい匂い。チルノちゃん、匂いに釣られてやって来ないかなぁ……。
折角食べるんだったら、一緒に食べたいなぁ)」

アリスが来客をもてなすお菓子作りに入り、大妖精は妖精らしくその甘い香りに夢中になる中、
鈴仙とつかさは焦っていた。
このままでは、チルノを探すどころか、これから丸一日、いや、もしかしたらそれ以上、
アリスの家という空間から抜け出しづらくなるのではないか――と。

鈴仙「(こ、これ……果たして本当に正解だったの?)」

自分の下した選択に後悔しつつある鈴仙。果たして本懐のチルノ探しはどうなるのか―――。

先着1名様で、

★妖精クエスト2→! card★

と書き込んでください。数値で分岐します。

JOKER→アリス「ウフフ……私たち……ズッ友だょ……」チャキッ 鈴仙、お人形(隠喩)になる!
ダイヤ→魔理沙「おーい、アリス。そっちに迷子が来て無かったか?」魔理沙が訪ねて来た。
ハート・スペード→チルノ「おおーっ、大ちゃん!」いい匂いに釣られたチルノと合流できた!
クラブ→アリスさんとこのまま無為な時間を過ごす。チルノは後日無事救出された。

154 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/12(土) 00:51:35 ID:???
……と、言ったところで今日の更新はここまでです。
鈴仙は疑問に思ってますが、アリスさん宅訪問はそこまでハズレでは無いです。
クラブでもアリスさんとか大ちゃんと仲良くなれますし。

それでは、皆様、本日もお疲れ様でした。

155 :森崎名無しさん:2015/09/12(土) 00:52:21 ID:???
★妖精クエスト2→ クラブ9

乙です

156 :森崎名無しさん:2015/09/12(土) 13:09:02 ID:???
アリス(ここで二人を足止めしてチルノに会わせないことで、つかさのパワーアップを阻止するのよ!
さすがね私! 後でチームのみんなに褒めてもらわなくちゃ!)

157 :森崎名無しさん:2015/09/12(土) 13:48:49 ID:???
絶交

158 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/12(土) 18:17:04 ID:???
すみません、今日はちょっと更新できなさそうです。
明日は更新できると思います。
>>155さん、乙ありがとうございます。最近更新ペースが遅くてすみません。
>>156
やはりアリスさんは頭脳派だった!
>>157
残念な所もありますが、基本的には優秀で面倒見の良い方なので、
付き合っててメリットもあります……た、たぶん(汗)

159 :森崎名無しさん:2015/09/12(土) 22:39:26 ID:???
この空回り具合、これは友達作れませんわぁ・・・

160 :森崎名無しさん:2015/09/13(日) 01:31:48 ID:???
これではしゃべるボールしか友達できなさそうですね
いや、ボールにも振られたりして

161 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/13(日) 15:38:55 ID:???
こんにちは、今日は更新をしていきます。
>>159-160
本人はこんな感じですが、実際は言う程嫌われてる訳ではないと思うので、大丈夫です(推測)

162 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/13(日) 15:39:55 ID:???
★妖精クエスト2→ クラブ9 ★
クラブ→アリスさんとこのまま無為な時間を過ごす。チルノは後日無事救出された。

鈴仙「あのう、アリスさん……」

机の上に並べられるパーティ料理を前に、
鈴仙は勇気を出して、おずおずと上目遣いでアリスに口を開くも。

アリス「フフ、気にせず食べなさい。そうね……。
今日は夜から雨が降るかもしれないから、泊まって行っても良いわよ?」

鈴仙「え。いや、そう言う話をしたい訳では……」

久しぶりに友人(と信じている人)と昼食を共にすることへの喜びに満ちた、
アリスの輝かしい瞳を前に、その口は自然と閉じていった。

つかさ「アリスさん。ご飯とお菓子は喜んで頂きたいと思います。
ですが、私達、昼から別の用事がありまして――」

アリス「あら、そうなの。だけど魔法の森は危険よ。
今はとりあえず、自分達の身を第一に考えた方が良いわ」

大妖精「そ、その危険な森にチルノちゃん――友達が、独りでいるんですけど……」

アリス「と、友達……トモダチ……。――わ、私は孤独なんかじゃないっ!?」

ガシャーンッ!

大妖精「きゃ、きゃあっ!?」

鈴仙「(どうしよう、これ……)」

163 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/13(日) 15:41:11 ID:???
つかさと大妖精も鈴仙の援護に回り、
自分達には用事があるため長居はできないという事を伝えようとするが、
意図が伝わらなかったり、アリスの繊細な心の琴線に触れてしまったりして、話は中々進まない。
そのうち、「とりあえず、暫くはアリスのペースに合わせておいて、機を見計らって外に出よう」
という暗黙の合意を経て、鈴仙達は暫く、アリスとの楽しい昼食会に興じる事にした。

アリス「(フフフ……気の合う友人達が訪問して、都会派なガールズトークに明け暮れる……。
――これだわ。これこそが私の憧れていた暮らしだわ……)うっ、うっ……。
お母さぁん……、わたし、今まで生きててよかったぁ……」

鈴仙「ま、まぁまぁ泣かないで、アリスさん。ほらっ、このマドレーヌとか カルボナーラ とか凄く美味しいですよ!
(そんなに私達が来てくれたのが嬉しかったんだ……)」

つかさ「でも……本当に大丈夫? もしも本当にチルノの事が心配だったら、
鈴仙さまとも相談して、無理矢理にでも外に出られるようにするけれど……?」ヒソヒソ

大妖精「うーん……そこまでしたら、凄く迷惑をかけちゃいますし、大丈夫です。
それに、チルノちゃんはその辺りの妖怪よりも強いですし。
――最悪、妖精は万一があっても暫くしたら復活できますから。
だけど、どういう言い訳をするべきかは、今のうちに考えておいた方が良いかもですよね……」ヒソヒソ

――なお、アリスは感極まって泣きじゃくり、鈴仙はそれを窘めるのに必死になり。
つかさと大妖精は苦笑しつつも、如何にして穏便にこの場を抜け出すかの計画を練っているような昼食会が、
果たして本当に楽しいのか否かについては議論の余地があった。

164 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/13(日) 15:42:33 ID:hy6RxmoI

*****

アリス「悪かったわね、長時間引き留めてしまって。次はもっときちんとした用意をしておくわ」

鈴仙「あ、あはは……(次……あるのかなぁ)」

つかさ「(つ、疲れた……! 決して悪い人では無いと思うのだけれど……)」

大妖精「(チルノちゃん、結局来なかったし。なんかきっともう、一人で帰ってるような気がする……)」

鈴仙達が結局解放されたのは、アリスの家に入ってからおよそ4時間後の午後二時半。
三時のおやつを作ろうとしたアリスが手元の材料を使いきった事に気づき、
それを口実につかさが鈴仙よりも上手い口八丁で、帰る理由を捻りだせた事がきっかけだった。

つかさ「鈴仙さま……これから、どうしましょうか」

鈴仙「そうね。思った以上にアリスさん家で時間を食っちゃったし……」

大妖精「私も元気にはなったので、空を飛んで一人でチルノちゃんを探すなり、
一旦森の出口や、湖に戻ってみるなりは出来そうです」

つかさ「――私としては、これ以上鈴仙さまにお時間を取らせるのも恐縮ですから、
チルノに会いに行くのはまた後日となっても良いのですが。
――大妖精ちゃんも、さっきの昼食会の時に約束してくれましたし」

大妖精「ええ。チルノちゃんは見つからなかったけれど、薬を貰ったりお世話になりましたから。
だから、もしもつかささんがチルノちゃんに会いたいと言うなら、お手伝いします!」

また、大妖精とつかさの会話を聞くに、アリスの家で過ごした時間は必ずしも全くの無駄では無かった。
昼食会で体力を回復し、ある程度つかさと心を通わせた大妖精は、
鈴仙達が今すぐにチルノ探しを手伝わずとも良く、また、後日でも彼女に会えるよう便宜を図ると言ってくれている。

165 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/13(日) 15:46:13 ID:hy6RxmoI
鈴仙「(……うーん。そういう事なら、ここは大妖精の好意に甘えて、午後は別の事をしていようかしら?
それともここまで来たからには、最後まで大妖精に付き合っておくべきかしら?
別にどっちを選んだからって、私への評価値がどうなるとかも無いとは思うけれど。ここは――)」

A:このままチルノ探しを続行する。(午後の自由行動フェイズを消費します。必ずチルノは見つかります)
B:今日は諦めて、一旦永遠亭に帰る。
  (午後は普通通りに自由行動や練習等できます。また、次回は必ずつかさをチルノに会わせる事ができます)


先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

*アリスの評価値が大きく上がりました。
*大妖精の評価値がやや上がりました。
*つかさの評価値がやや上がりました。

166 :森崎名無しさん:2015/09/13(日) 15:49:31 ID:OIhxJrqg
A

167 :森崎名無しさん:2015/09/13(日) 15:57:03 ID:???
A

168 :森崎名無しさん:2015/09/13(日) 15:57:03 ID:???
A

169 :森崎名無しさん:2015/09/13(日) 16:03:33 ID:y7P1/qlE
A
すみませんまちがえました。

514KB (08:00PM - 02:00AM の間一気に全部は読めません)
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0ch BBS 2007-01-24