キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【契約書に名前】鈴仙奮闘記34【書いてみて】

1 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/10(日) 15:50:42 ID:???
このスレは、キャプテン森崎のスピンアウト作品で、東方Project(東方サッカー)とのクロスオーバー作品です。
内容は、東方永夜抄の5ボス、鈴仙・優曇華院・イナバがサッカーで世界を救う為に努力する話です。
他の森崎板でのスレと被っている要素や、それぞれの原作無視・原作崩壊を起こしている表現。
その他にも誤字脱字や稚拙な状況描写等が多数あるかと思いますが、お目こぼし頂ければ幸いです。

☆前スレ☆
【レイセン】鈴仙奮闘記33【アレアレオー】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1449152880/
☆過去ログ・攻略ページ(キャプテン森崎まとめ@Wiki内)☆
http://www32.atwiki.jp/morosaki/pages/104.html

☆あらすじ☆
ある日突然幻想郷にやって来た外来人、アラン・パスカルと中山政男との出会いにより、
師匠に並ぶ名選手になると決心した鈴仙・優曇華院・イナバ。
彼女は永琳の庇護下で実力を大きく伸ばし、幻想郷中の勢力が集まった大会でMVPを勝ち取った!

しかしその夜鈴仙は、自身の成長は永琳の計画であった事、その計画の副作用で
月に眠る大いなる厄災――「純狐」が八雲紫の身体を乗っ取り目覚めつつある事を明かされる。
そして、鈴仙は永琳に懇願される。このままでは蘇った「純狐」が世界を滅ぼしてしまう。
「純狐」の純粋なる狂気を止める者は、混沌たる狂気を溜め込んだ鈴仙以外に居ない。
だからこそ、鈴仙は次に紫が計画した大会――『幻想スーパーJr.ユース大会』に優勝し、
サッカーで、純狐に取り憑かれた八雲紫を倒して欲しい……と。

鈴仙は最初は戸惑いつつも、中山により自身の成長と覚悟を悟り、最後には永琳の願いを受け入れる。
そして鈴仙は、幻想郷の秩序の変革を狙う『プロジェクト・カウンターハクレイ』の一員として、大会に優勝することを誓った。

一方その頃、『プロジェクト・カウンターハクレイ』のGMを務める魅魔は、
幻想郷の各地を飛び回り、鈴仙と共に純狐と戦う残り14人の戦士達を集めるべく奔走していた。
出身も種族も全然違う、個性的な面々の中から、果たして誰が鈴仙の新たな仲間となるのか。
幻想郷から永らく姿を見せなかった悪霊の、人知れぬ奮闘記が始まった。

643 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/23(土) 00:02:58 ID:???

魅魔「最後に古明地さとり。そして火焔猫燐!
    あんた達2人はイギリスへの派遣が決まった。正確にはイングランドだ。
    フィジカル重視のサッカーは華奢なお前さん達2人は苦しかろう。
    しかし、そんな地獄を乗り越えてこそ、見える光もある筈だ!」

さとり「……地獄に光とは、憎い事を言いますね。私が断らないよう根回しした心算でしょうか」

お燐「あたいはさとり様と海外行けるなら何でもいいよ〜。あー、外国のお料理楽しみだなぁ〜♪」




――以上5組の指名を終えて、魅魔は一旦口を閉じる。
アルゼンチン、イタリア、フランス、メキシコ、そしてイングランド。
そのどれもが、それぞれのメンバーにとって当然ながら馴染みの薄い国ばかりだった。

魅魔「――さて。あたしが話すべき事はこれで最後かな。何か質問は――?」

スッ……。

パチュリー「…………」

魅魔「何かね。パチュリー・ノーレッジ」

自分が必要事項をひとしきり話し終えたと思った魅魔は、最後に一同に質問を投げかける事にした。
そうして魅魔が質問を投げかける前に、苛立たしげにスッと手を伸ばしたのはパチュリーだった。
彼女は屋外であってもやはり囁くような声で、こんな質問をした。

644 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/23(土) 00:04:41 ID:???
パチュリー「……ドイツには誰を派遣させるの」

魅魔「――へぇ。流石は良く学んでいるね」

その質問はパチュリーと魅魔以外の者にとっては殆ど意味不明な物だったが的を得ていた。
魅魔は良い質問だ、とニヤリと笑って答えた。

魅魔「そうだ。実はこの新チーム……お前さん達15人が全部じゃない。他にもまだ居る。
    ドイツには、この他に居るメンバーに行かせるつもりだ」

パチュリー「………!」

ざわっ……! ざわざわ……

その回答にパチュリーが伏せた目を僅かに開き、周囲は謎の16人目の存在について俄かに色めいた。
魅魔はそれを律する様子も無く、ただ少し言い間違えたと言う風に軽く訂正する。

魅魔「……いや。正確には、まだ居る『かもしれない』かな。
    一つ言える事は、その居る『かもしれない』奴についても、
    お前さん達と同じような修行環境を与える予定である……それだけだよ。
    何、詳しくはまた説明するさ。――時が来れば、ね」

パチュリー「……ま。別に今はそれで良いわ」

魅魔の回答は曖昧だったが、パチュリーはそれで納得したようだった。
その場はパチュリー程素直に納得はできなかったが、
しかし魅魔がそれ以上の情報を出さない事もあって、やがて場は再び静まり返った。

645 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/23(土) 00:05:41 ID:???
魅魔「さて。これで質問は最後かな?」

質問が無ければ、魅魔は15人のメンバーを空港まで送り届けなくてはならない。
いい加減にこの場を打ち切ろうかと思った際に――。

スッ……。

最後にピン、と手を伸ばす者が居た。それは鈴仙だった。

魅魔「何かな、えーっと……鈴仙」

鈴仙「――はい。あの、考えてみれば、パチュリーさんのと比べると、全然大した事無い質問なんですけど……」

彼女はピンと手を伸ばした割りには、どこか恐縮している様子だった。
部下としてならいじらしい態度だったかもしれないが、
鈴仙にある程度のキャプテンシーを求めている魅魔にとっては、ひたすら彼女が頼り無く見える。

魅魔「前置きは要らん。要件を言っておくれ」

魅魔は僅かな怒りを籠めてそう鈴仙を促した。
すると鈴仙自身も自らの情けなさに気付いたのか、オホンと咳払いをすると。
――意を決したように、こんな事を提案してきた。

鈴仙「……名前、決めませんか? 私達の新チームに」

魅魔「名前ぇ? そんなもの、後で幾らでも……」

魅魔はその提案の下らなさに舌打ちしたくなった。
まるでかつての博麗の巫女のように暢気な奴だと思った。
――しかし不思議な事に。あるいは偶然か、鈴仙の一言で場は大きく動いた。

646 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/23(土) 00:07:06 ID:???

星「た、確かに……! 私もいつまでも『新チーム』って言い辛いな、って思ってたんですよ!」

慧音「名付ける、定義するという行為は一種の世界との契約だ。
    新チームとして結集するのは後になっても、その寄る辺があるのは大きいかもしれないな」

アリス「あ! じゃ、じゃあ新チームは『アリスちゃんとオトモダチズ』ってのは……?」

穣子「『オータムスカイズ』! なんかピピっと来ちゃった! これしかないって!」

反町「(み、穣子さん。それをあなたや俺が話すのは、何というか、その……危険です!)」

てゐ「でも鈴仙ったらないわー。あの緊迫した場で『名前決めません?』って。マイペースすぎ」

佳歩「……ですが。鈴仙さまの提案のお蔭で皆さんの空気がさっそく和んでるような気がしますよ?
    たまたまかもしれないですけど……。――でも、似たような事はルナティックスでも沢山ありましたし!」


魅魔「……なるほどね」

この様子を見て、魅魔は頷いた。そしてかつて永琳が自分に言わんとしていた事を察した。

魅魔「(この、なんとなーく皆の和を作り出しちゃう親しみやすさ。
     これが単なる狂気の器には無く、鈴仙・優曇華院・イナバにしか無い才能……って事かね。
     ――だったら、あたしが止める理由も無いか)――分かった」

騒ぎ出した一同に対し、魅魔は降参だと言った風に両手を挙げる。
そして彼女達に対して、こう言ってあげる事とした。

魅魔「そんなら、決めておくれ。新チームの名前。あたしは何も言わんから、
    各自が適宜リーダーシップなり何なりを発揮する事。
    ――これがお前達15人に与える、一番最初のタスクだ」

647 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/23(土) 00:28:46 ID:SDpe5jZg
☆新チームの名称を決定します。以下のA〜Wの中からIDを出して投票をして頂いて、
 【1/23(土)18:00:00までに一番票数が多かったチーム名】が、
 鈴仙がこれから所属する新チームの名前となります。同数の場合は、決選投票を行います。

A:リトルウイングズ
B:ワールドトラベラーズ
C:ファンタジアガーディアン
D:アウトサイダーズ
E:ビッグボンバーズ

F:地獄姉妹
G:たのしいサッカー同好会
H:反逆組織莫逆大鑑
I:ラ・オルケスタ・オブ・ザ・デス
J:パーフェクトハーモニー・オブ・ザ・デス

K:トワイライト・オブ・ザ・デス
L:デッド・オア・ダイ
M:ファイナルファンタジー
N:弑虐プロジェクト
O:イナバサッカークラブ

P:マスターパチュリーにきいてみて!
Q:KI☆ZU☆NA
R:仲間だもんげ
S:幻想郷再生担当大臣
T:クラッシュファンタジー

U:蹴球十五天王
V:シュバルツ・フェアレーター(黒の反逆者たち)
W:ヴァイス・フリューゲル(白き翼)
X:その他 自由選択枠(※同数の場合、A〜Wが優先されます)

648 :森崎名無しさん:2016/01/23(土) 00:36:18 ID:IEreljk6
A

649 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/23(土) 00:47:00 ID:SDpe5jZg
…と、言ったところで今日の更新はここまでです。
最初、今日チーム名を募集するのか明日なのかが分かり辛かった為、
A〜Wの選択肢に加えて、Xで自由選択枠を設けました。
ただし、自由選択と他の選択肢が競合した場合は、先に提案頂いた方を優先したいと思っています。

何票決にしようか悩みましたが、【土曜日の夕方6時を期限とする多数決】制としましたので、
また投票をして頂ければ幸いです。
 ※夕方6時から投票開始! ……では無いので、ご注意ください。

それでは、皆さま、本日もお疲れ様でした。

650 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/23(土) 00:52:46 ID:???
〜久しぶりの投票宣伝コーナー〜

矢車「人気投票か。あれは一部の人気者以外にとっては、最低の地獄なんだよ。どぉせ俺なんか……」

パルスィ「あんたはどうせ、その人気者の方でしょうが。妬ましいわね……どぉせ私なんか……」ギリギリ

さとり「パルスィさん、移ってます。ま、私は東方wikiの人気投票で順位を上げたので別に……」

こいし「私も1位じゃなかったけど、おねえちゃんには勝ったよー!」

お燐「こ、こいし様、何時の間にっ!?」

空「お燐。時間というのは海馬が生み出した幻想にしか過ぎないよ! ところで時間って何?」

ヤマメ「時は金なりってね。現ナマの事じゃないかな! あははっ!」

勇儀「要するに生ビールって事だね!」

キスメ「………」(←ぷるぷると首を振っている)

こいし「ねぇねぇお姉ちゃん。ところでこれって、何の集まり?」

さとり「……第二回人気投票の宣伝会らしいけれど。どう見ても単なる飲み会ね。……私の部屋を会場にした」

勇儀「おーい古明地ー、ここにある生全部持って来ちゃってくれー!」

松山「あにきぃ……これが地獄で一番最低な味なんだよね……土がゆおいしいよぉ……」

さとり「私は女中ではありません。そして松山君、美味しそうな表情で土がゆを食べないで下さい。こっちが悲しくなります」

ゾンビ妖精E「……鈴仙奮闘記第二回人気投票。投票は以下のURLから。……よろしくね」チャキッ
http://capmori.net/vote/vote41/bbs.cgi

651 :森崎名無しさん:2016/01/23(土) 01:21:48 ID:y3LQsU+6
B

652 :森崎名無しさん:2016/01/23(土) 07:07:24 ID:OYPYx8RQ


653 :森崎名無しさん:2016/01/23(土) 07:22:24 ID:O89WWd2g
E

654 :森崎名無しさん:2016/01/23(土) 09:18:25 ID:fN1cO/nI
X
ハイマートレゲネラツィオーンクルップミッテルフーズバル(略称HRKF)
または日本語訳の「サッカーによる故郷復興会」

655 :森崎名無しさん:2016/01/23(土) 11:22:43 ID:woLOH+Lc
F

656 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/23(土) 12:46:04 ID:???
すみません。投票途中ですが様子を見ていると、投票先がかなりバラけそうなので、
一番票数の多い選択肢が3票未満の場合も、決選投票を行うことにルールを変更しようと思います。
(例:Aだけ2票、他全部に1票ずつ→決選投票!)
投票期限は変わらず、本日の夕方6時までとします。恐縮ですが、ご了承お願いします。

657 :森崎名無しさん:2016/01/23(土) 13:00:57 ID:/Ts76ixA
A

658 :森崎名無しさん:2016/01/23(土) 13:50:51 ID:5K0YHTwc
W

659 :森崎名無しさん:2016/01/23(土) 14:23:35 ID:2Vnbs6Y2
F

660 :森崎名無しさん:2016/01/23(土) 15:23:51 ID:otDmFslM
X:プロジェクトカウンターハクレイ

661 :森崎名無しさん:2016/01/23(土) 15:31:56 ID:AqJDY2D6


662 :森崎名無しさん:2016/01/23(土) 15:34:53 ID:XoRrfP3E
X:レヴォリューショナリーズ
シンプルに革命ってことで、シンプルに幻想郷革命軍でもいいけど

663 :森崎名無しさん:2016/01/23(土) 16:04:34 ID:pYhece1k
W

664 :森崎名無しさん:2016/01/23(土) 16:24:44 ID:cvDp4/7E
W

665 :森崎名無しさん:2016/01/23(土) 17:33:31 ID:9r1Ww3EQ


666 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/23(土) 23:59:03 ID:???
こんばんは、更新開始します。
投票につきまして、みなさんご参加頂きありがとうございます。
集票の結果全15票が集まり、Aが4票で最多となりましたので、
新チーム名は「リトルウイングズ」で決定としたいと思います。

667 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/24(日) 00:00:34 ID:???
A:リトルウイングズ


ワイワイ、ガヤガヤ……

新チームの名前を決める段になって、幻想郷のありとあらゆる所から集められた15名は
喧々諤々の議論を進める。誰かが『たのしいサッカー同好会が良い』と言えば、
また別の誰かが、『弑虐プロジェクトにしよう』と全く別の意見を振りかざす。

鈴仙「ハッ!? 閃いた! 『白翼協商(ヴァイス・フリューゲル)』とかどうかしら!?」

てゐ「何でルビ打つの前提なチーム名なのさ……分かりにくいし。却下だよ却下」

最初は場を動かした鈴仙も、ことネーミングセンスになると独特の感性が働いてしまい、
中々皆の同意を取り付ける事ができない。
一部からは『もう、プロジェクトカウンターハクレイで行くのが良いんじゃない? シンプルだし』
……と言う意見も出て来て、場はいよいよ混迷を極めて来たが――。

「――リトル・ウイングズ」

……誰がそう言ったのかは分からない。
しかし確かに、そんな単語がチーム内のどこかから聞こえた気がした。
そして、このリトルウイングズと言う単語を聞いて、頷く者が少しずつ現れだした。

668 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/24(日) 00:01:58 ID:???
さとり「……リトルウイングズ。良いかもしれませんね」

ナズーリン「確かに。何というか……その。しっくり来た感じだ」

パチュリー「まぁ。駄目とは言えないわえ。私は『マスターパチュリーにきいてみて!』派だったけど」

静葉「小さな翼達。何となく、素敵な響きかもしれないわね」

にとり「『やりがい促進・ヒューガー元気創生プロジェクト』……。『ヒューガー発・幻想郷再生担当大臣』……。
    ――って、え? 何? リトルウイングズ? だ、大丈夫かなぁ。もっとスポンサー元の意向を汲んだ方が……」

つかさ「スポンサーにしても、そう露骨な宣伝までは命じないと思いますけど……」

リトルウイングズに関する賛成の波は、烏合の衆となりつつあった一同を上手く鎮めてくれた。
チーム名について、他に意見がある者も居ないではなかったが。
しかしだからと言って、これ以上に良いチーム名について案がある者はいない。

鈴仙「……そう言えば、師匠が言ってたんですけど」

――そんな微妙な状況の中、鈴仙がふと口を開いた。

鈴仙「……プロジェクト・カウンターハクレイって、元は外の世界の『プロジェクト・カウンターウイング』
   ――っていう計画を元にして組まれたらしいんですよ」

知り合いが多いとは言え、過半数が自勢力外の選手故か、口調が自然と敬語になっている。
皆の視線と興味が一斉に自身に向くのを強く意識しながらも、鈴仙は気丈にも続けた。

鈴仙「ウイングとは日本語で言えば翼。これは人の名前を指しています。
    その人物の名は、大空翼。彼は森崎有三の最大のライバルでありながら、彼に唯一並べる選手。
    途方もない才能と実力から、日本のサッカー界に今なお強い影響を与えている英雄……!」

669 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/24(日) 00:03:31 ID:???
森崎有三の名はこの前の大会で幻想郷中に知れ渡ったが、大空翼は今現在そこまでの知名度は無い。
そのため、全日本出身の反町や、外界のサッカー知識を多く持つパチュリーを除いた、
チームメイトの多くは鈴仙の説明に一度はポカンと口を開けていたが――。

鈴仙「そして私達は丁度、霊夢に勝って幻想郷のサッカーに大きな影響を与える予定です。
    ――だったら、彼にあやかってみても、別に良いんじゃないでしょうか。
    私達一人一人が修行して強くなって、大空翼になる。
    そして、私達はチームとして大会に勝って――幻想郷を、大きく変える……!」

最後まで話を聞いたチームメイトは、リトルウイングスの秘める大きな意味に納得してくれた。
チームメイト一人一人が主人公として成長して、小さくも確かな翼となる。
その小さな翼達はやがて結集して強くなり、巨大なハクレイに並び立ち、打ち倒す――。

慧音「――一人一人が大空翼になる……、か。何だか……その。ワクワクするな、確かに」

佳歩「私もツバサになるんですね! 鈴仙さまとおんなじで!」

アリス「小さな翼が結集し、やがてはハクレイをも打ち倒す……か。悪くないわね。
    (結集……ってコトは、友達になるって事よね? つまり、このチームで私にもようやく春が……!?)」

鈴仙「私が考えたワケじゃないけれど。……ねぇ、皆。良いかもですよね、『リトルウイングズ』!」

670 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/24(日) 00:05:50 ID:???
――そのチームの名前に反対する者は、やがていなくなっていた。
彼女達15名は、魅魔から与えられた始めてのタスクをこなしてみせた。
討論の様子を教師の如く眺めていた魅魔も、この流れを聞いて大きく頷いてみせて。

魅魔「プロジェクト・カウンターハクレイで、その元ネタの名前が出て来るってのも面白いね。
   あたしゃ気に入ったよ。あんた達が決めたチーム名。『リトルウイングズ』。
   後は精々、その崇高な理念が口だけにならないよう、修行に励むこったね」

そう、彼女達の決定を承認してやるだけだった。
かくしてここに、プロジェクト・カウンターハクレイによる新チーム――リトルウイングズが正式に発足された。


*新チームの名前は『リトルウイングズ』に決定しました。

671 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/24(日) 00:07:51 ID:???
鈴仙達が新たな歩みを見せる新チームは、一応順風満帆な船出を告げた。
――しかし一方、半年後に迫った新たなる戦いに向け、計略を打つ者は他にも大勢いた。


〜日本・日本サッカー協会会議室〜

片桐「『ツバサ・ヴァイキング計画』……ですか」

見上「そうだ。私の――全日本Jr.ユース監督の立場から、
    強化本部部長である君にこの企画書を持ってきた。見てくれるな?」

片桐「……ふむ。これまで翼と森崎だけに行わせていた海外への選手派遣を、
   黄金世代の有力選手達にも広げて行う……確かに、悪くない計画だ。
   ――資金面での大きな不足さえ除けば」

見上「――フッ。それも心配いらないさ。……君の優秀な部下達が、その問題を解決してくれたからね」

ガチャッ……。

中西「片桐サン、報告や! 日本サッカー協会の付帯業務で始めたうどんチェーン店経営が軌道に乗って、
    今季の収益金は30億円や! どうや、これならいけるやろ! 見上サンの計画!」

岬「……それと、僕の方から文部科学省にも根回しをしておきましたよ。
  日本サッカー協会に対する、莫大な補助金の交付決定のね。
  スポーツ系の某有力族議員が、凄く僕に良くしてくれまして。案外大したことなくできました」

見上「……ヒューガーも、莫大な資金の貸し付けを了承してくれた。
    ――もっとも、了承した本人は早速海外で修行に明け暮れているようだが。
   ……どうかね、片桐君。これでも尚、君がこの計画を出し渋る理由は無いだろう?」

片桐「――分かりました。陽子を担当職に充てましょう。森崎・翼に加えての負担になるが、
    彼女ならば、きっと上手くやってくれる筈だ」

672 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/24(日) 00:09:16 ID:???

〜幻想郷・紅魔館〜

レミリア「小悪魔! 今から私が言うクラブチームに電話を掛けるのよ!
      えーと、まずはドイツのバイエルン! それとイタリアのインテル! 後は、えっと……」

小悪魔「ふ、ふえぇ……何で咲夜さんじゃなく私が……?」

レミリア「パチェが言ってたのよ。『普段私にやらせてるような事は、あの子に任せときなさい』って。
     あ、決まった! 次はイングランドのリバプールに……」

咲夜「(……パチュリー様だとそうでも無かったけれど。
    小悪魔がお嬢様に何か言いつけられてるを見ると、ジェラシーを感じる……)」

美鈴「それよか、お嬢様は何を企んでるんですかぁ?」

レミリア「――簡単。今からパチェを除いた紅魔の6人を、海外のクラブチームに売り込むのさ!
     そこで技術を磨いて、超一流の選手となる為にね!」

陸「はぁぁ。お嬢様は相変わらずメチャクチャな事考えるアルね。代表合宿をサボる気マンマン……って、アレ?
  6人って事は。……もしかして、朕も入っているアル?」

レミリア「当たり前でしょ、中国。あんたも大事な私達の仲間。咲夜や美鈴と全然変わらないからね!」

陸「……! 大人(ターレン)……感謝する。謝謝」

レミリア「……(――絶対後悔させてやるよ、パチェ。次の大会で生まれ変わった私達の姿を見せてね。
      そして……鈴仙。あんたには次の大会でこそ、必ずこの借りを返してみせる……!)」

673 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/24(日) 00:10:39 ID:???
〜仙界・神霊廟〜

青娥「太子様、報告いたします。……ナジーブ・ユブンタイが昨日、『不幸にも』心臓病で急逝しましたわ。
    彼の莫大な遺産の全ては、遺言状の手筈通り、内縁の妻である私に」

神子「――つまり。いよいよ手駒が揃った、という事かな」

青娥「ええ! そうですわー。金と名誉。そして少年特有の馬鹿馬鹿しくて中途半端なプライド……。
    その辺りを適度にくすぐり、カンペキなメンバーが揃ったと自負出来ますわ。
    貴女様がこれより『明けの明星〈アルシオン〉』として君臨するに相応しい、最強最高のチームが……!」

神子「流石は青娥殿。私が最初指示していた以上の事をやってのける。
    私は単に、海外から適当なチームを買い上げてくれ、と指示しただけだったのに」

青娥「いえいえ! 良いんですのよ? 私は太子様が喜ぶお顔が見たいだけですからー」

屠自古「(……神子様の手筈通り、幻想郷の政治的支配は水面下で着実に進んでいる。
      そして同時に、彼女――霍青娥がここに帰り、色々な話をするようになった。
      ……果たして、本当に良いのだろうか。忠臣として、ここで進言をせずとも……)」

布都「……屠自古。何か考えておるのか」

屠自古「――なんだ。布都か。お前には永遠に分からないような大事な事だよ」

布都「ふうん。……ま、屠自古が何を考えているかはどうでも良いが。
    それなら我も言っておくべき事がある。
    ……我は、何があろうとも、太子様に着いて行くぞ」

屠自古「! そう、か……(――布都はこう見えて賢い。私の何倍も。
     ……彼女はきっと、私が今悩んでいる事などとっくの昔に悩み済みで。
     そして、もう既に結論を出しているんだな……。ならば、私は……)」

674 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/24(日) 00:11:53 ID:???
〜幻想郷・選抜合宿会場〜

紫「――私が、今大会の監督をする八雲紫よ。宜しくね」

ラズリー「そして私がヘッドコーチを務める一般通過妖怪のラズリーよん。よろしくね〜」

ピース「そしてそして! あたいはごしゅ……ラズリーコーチのアシスタントをする、
     一般通過妖精のクr……ピースよ! グッド・グレービー!」

霊夢「……………」

早苗「あ、あの! 質問なんですけど!」

紫「何かしら? 東風谷早苗さん?」

早苗「誰ですか、この変なTシャツ着た青い髪のお姉さん! コーチは藍さんじゃないんですか!
    あと、この更に変なタイツ着た妖精って、お姉さんの式神か何かですか!? 橙さん互換みたいな!?
    あとあと、レミリアさんとか咲夜さんとか複数人がイキナリ欠席してるのは何故ですか!
    えーと、他にも……兎に角、何かいつもと違うって言うか。ツッコミどころが多すぎると思います!!」

紫「……そこについてはおいおい話すわ。貴女達は何も心配せず、彼女達の指示に従っていれば良い。
  大丈夫よ。幻想郷は、夢見る全ての者達の味方ですから。ウフフ……」

早苗「は、はい……(うううっ、心配過ぎです。霊夢さんは人形のように黙して何も語らないし、魔理沙さんは居ないし。
    諏訪子様と神奈子様が居るのは救いだけど、お二人とも、何かこの状況を知っていながら話してくれないし。
    ――やっぱり私、プロジェクト・カウンターハクレイで、鈴仙さんと一緒に行けば良かったのかなぁ)」

675 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/24(日) 00:20:47 ID:???

――これは、古き奮闘と新たな奮闘を繋ぐための、単なる幕間の物語。
しかしそれは、これまでの物語を振り返り、新たな物語を紡ぐ為に必要なピース。
悪霊に選ばれし15人の戦士達は、これより彼女達が想像するより多くの試練に出会い。
……また、同時に多くの仲間を得るだろう。

しかし、それは幕間で語るべき些事では無い。いよいよ、物語を次に進める必要がある。
新天地で織りなされる、全く異なる7つの物語。
その顛末を経て初めて、我々は最後の物語を開く事が出来るのだから。

――さあ、出かけよう。幻想を一旦離れ、舞台は確かにここにある、ただ一つの現実へ。



                                     〜第二、五章 完〜             

676 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/24(日) 00:31:01 ID:???
…と、言ったところで今日の更新はここまでです。
第三章については、プロットについて確認でき次第始めたいと思いますので、
明日は更新できないかもしませんが、以下に簡単な進行予定についてだけ再掲します。
(再掲と言いつつ、若干内容を変えています(汗)。また、予定なので変更の可能性もあります(爆))

★簡単な進行表

     第三章開始
        ↓
  ○妖夢の章(試合)
        ↓
○鈴仙の章(練習2回→試合)※最初(リオカップ開会前)のみ練習8回→試合
  ↓            ↑
○仲間の章(練習8回→試合)※試合後は鈴仙のチームに合流
        ↓
  チームメイト全員合流
        ↓
○鈴仙の章ラスト(練習2回→決勝戦)
        ↓
   ○??の章(試合)
        ↓
○新チームの章(練習4回→試合→練習8回)
        ↓
   第三章完、最終章へ…

※最終的な練習回数は、鈴仙が約20回+α程度。他の仲間が約8回+α程度となります。
 練習の仕様等について、仲間の章の際は、少し方式を変えようと思います。詳細はその時説明します。
 (鈴仙の章の際は、これまでと大体同じようにしようと思っています)
※才レベル等練習時の伸びやすさについては、選択の楽しみがあるように工夫しようと考えています。

……もしも第三章について、質問があればネタバレになり過ぎない程度でお答えしたいと思っていますので、
またコメントを頂ければ幸いです。それでは、本日もお疲れ様でした。

677 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/24(日) 01:03:29 ID:???
〜宣伝コーナー〜

中西「鈴仙奮闘記第二回人気投票、今も実施中や!
    今日はワイにも出番があったからなー、今頃300票位入っとるで!!」

幽々子「あら。中西君ったら大張り切りね。私は皆がこの場を通じて楽しんでくれるなら、何でも良いわ〜」

リリカ「私達はそんな悠長な事言ってらんないよ! 私達にも愛の手をー!」

ルナサ「……て、てをー……何か、恥ずかしいな」

メルラン「アレ? でも考えてみたらさ。私達が自分の心の中で1位だと思ったら、
      それはつまり、私が実質的に1位って事じゃない! やった〜! 私1位だ〜♪」

藍「……と。世の中の全員がそう思えれれば楽なのだが、
  そうはならないから、人気投票というものはあるんだろうな」

橙「でも。色んな人の気持ちが、コメントや投票を通じて見えるのって素敵ですよね!
  皆違って皆良いですよ、藍さま!」

妖夢「(……私は、この場に入っても良いのだろうか。一度主に背を向けた自分が、
    こうした明るい場に戻って来る事は、許されないと思う……けれど)」

幽々子「妖夢〜。貴女もこっちに来て宣伝しなさいな。この場はメタ空間だから、
     ここで何を言って何を喋っても平気よ。
     別に『あやや、私はフランちゃん! 応援してウサ!!』とか言っても、今なら怒られないからね〜?」

妖夢「怒られなくても、そんな事言いませんって。――でも、それなら。今は少しだけ、前みたく居させて下さい……。
    (――そして。また頑張ろう。私は、私の物語を続ける必要があるのだから……)」

〜投票は以下のURLから〜
http://capmori.net/vote/vote41/bbs.cgi

678 :森崎名無しさん:2016/01/24(日) 13:48:37 ID:???
乙なのです
三章も楽しみにしています。

早苗さんから漂う不憫オーラ
藍「早苗……私の妹になれ」
早苗「却下♪」

全く関係ないけどなぜかブラジルでポストプレイヤーとして開花して、
「あれぇ?」といいながら、大活躍する鈴仙ちゃんの夢を見た


679 :森崎名無しさん:2016/01/24(日) 14:17:57 ID:???
>そして大事な穣子さんと静葉さんの為にも、俺は成長するんだ! ……できればFWとして
――反町は――
2度とFWへは戻れなかった…。
MFとDFの中間の選手となり永遠にフィールドをさまようのだ。
そしてFWで出たいと思っても出れないので
――そのうち反町はシュート練習をやめた

680 :森崎名無しさん:2016/01/24(日) 23:37:14 ID:???
乙です。
なんか、仲間の海外修行にレミィと愉快な仲間たちが立ちふさがるフラグがw

681 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/24(日) 23:38:16 ID:???
こんばんは、今日は意外と時間が取れたため、
とりあえず序盤のプロットはそこそこ上手い事整理できました。
なので第三章オープニングについて、冒頭だけ書いてみようと思います。
>>678
乙ありがとうございます。
楽しみにして頂いて本当にありがたいです。活力になります。
早苗さんは地獄堕ちする前に自己解決しちゃうタイプだと思います。
パスと競り合いも高いですし、選択次第ではポストプレイヤーになる道もあると思います。
>>679
究極ディフェンシブフォワード生命体の末路は哀しいですね…

682 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/24(日) 23:43:50 ID:???


〜19XX年11月 ブラジル・グアルーリョス国際空港〜


――ゴオオオオオオオオ…………ッ。ガッ、ガガガガガガガガガガッ!


パチュリー「……着いたわね」

ジェット機が無事地上に着陸し、けたけましい車輪の音がBGMとして鳴り響く中。
パチュリー・ノーレッジは気だるげにそう呟くと、読んでいた新聞を畳み、
エコノミークラスの狭い座席から窓の外を眺めた。
出立に先立ち小悪魔から仕立てて貰った薄紫色のブラウスに、濃紺色をした七分丈のパンツ。
外界の少女風の出で立ちでパチュリーがこのブラジル・サンパウロの地に降り立ったのは、
チーム発足後、彼女に選手兼コーチの地位を与えた魅魔の命による物だった。

「ハイパーカンピオーネ計画の核である、魂魄妖夢の視察に行って来い」

自身のイタリア研修中に与えられたその命令は、ハッキリ言ってパチュリーにとっては不快なものだったが、
一方で彼女自身も気にならない訳では無かった為、最終的にはその命令に承諾。
イタリアから遥々12時間のフライトを経て、こうしてブラジルの地に辿り着いたのである。
パチュリーがこの無茶な命令を承諾した理由は二つあった。

パチュリー「(私は――紅魔スカーレットムーンズは、かつて聖徳ホウリューズに辛酸を舐めさせられた。
        紅魔の一員だった私は強い借りを感じていると共に、知識を追求すべき魔法使いとしての私は、興味を持っていた。
        豊聡耳神子が企む計画――ハイパーカンピオーネは、一体どのような形の力を望むのか。
        個人として強いサッカー? 組織を活かすサッカー? あるいはその両立?
        ……いずれにせよ、きっと彼女達は、私達のチーム……リトルウイングズには無い、全幻想郷選抜にも無い。
        また別な意味での「力」を示してくるのでしょうけど)」

683 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/24(日) 23:46:28 ID:???
その理由の一つは、ハイパーカンピオーネ計画に対する純粋な興味。
魔導とは即ち知を求むる道。魔法使いとして首席に名を連ねる以上、自分は全てを知りたかった。
そして、もう一つの理由はより明快だった。
パチュリーが読んでいたのはサンパウロ州で出回る地方紙だったが――その一面見出し。
かつての魂魄妖夢を知る者ならば間違い無く全員が、その内容に大きな驚きと興味を持つに決まっているからだった。

パチュリー「(――魂魄妖夢。何故貴女がここまでレベルアップしたのか……。まずはこの試合、この眼で確かめさせて貰うわ!)」

中身はもう覚えたと、パチュリーは新聞の記事を座席にポイと投げつけ、
そのまま飛行機を降りてタクシーを手配し、スタジアムへと向かった。
……置き去りにされた新聞の一面見出しには大きなフォントで、こう書かれてあった。



『サンパウロの新しいエース・魂魄妖夢! ここまで5試合連続でハットトリックを達成!』





                        キャプテン森崎 外伝
            
                          「鈴仙奮闘記」

               第三章 プロジェクト・カウンターハクレイ 海外修行編

                    ――オープニング   妖夢の章――





684 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/24(日) 23:50:12 ID:???
〜サンパウロFCホームスタジアム・ロッカールーム〜


??「姉御! ねぇ姉御ったら、起きて下さいよ!」

妖夢「……ぁ。済まない、少し意識が飛んでいたようだ」

――私が目を覚ますと、眼前では幼さの残る長髪の少年が、私の肩をポンポンと叩きながら呼んでいた。
私は瞼に移る夢の残骸を脳裏から消し去りながら、目を僅かに開いて少年に対してこう言った。

妖夢「悪いね、新田君」

新田「いえいえ。俺、姉御が信じられない程の特訓をこなしているって事、知ってますから!
   悪いと思ってるなら、またシュート練習でも見てくださいよ!」

妖夢「――また考えておく。……それより、ミーティングだろう? 急ごうか」

軽く眼を擦りながら彼と会話を交わし、私はそのまま立ち上がる。
彼は――新田君は同じこのサンパウロFCのチームメイトであったが、
何故か私の事を姉御と慕い、こうして気に掛けてくれており――私もまた、その好意に甘えていた。
私は新田君に軽く会釈をすると、ロッカールームに備え付けてあるホワイトボードの前へと向かった。

ロベルト「……集まったな。では、本日の練習試合――パルメイラス戦のミーティングを始める」

そこではサングラスを付けたひげ面の壮年男性――ロベルト本郷が、
既に集まっていた他のチームメイト達を集めて指揮を執っていた。
彼は私の所属するチームの監督だった。

685 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/24(日) 23:52:26 ID:???
ロベルト「――パルメイラス戦については……よし、翼。お前に話をして貰う」

翼「はい、……分かりました」

彼はいつも多くを語らない。チームメイトの自主性・自立性を重視する彼は、
ミーティングの指揮を常に選手に対して行わせる。
それも、一部の特定の選手やキャプテンに対してでは無い。
彼は大体平等に誰かを指名し、こうして説明をさせていた。
……若干、かつての主の無茶振りを想起させられるが、理不尽では無い分出来た人物だと思う。
きっと彼は既に、この試合の全てを見通しているのだろう。私はそう信じている。

??「な、なぁ。大丈夫なのかよロベルト……監督。パルメイラスは、翼にとって……」

――しかし、今回においてはやや特別な事情があった。
先程の新田君や、今ロベルト監督に指名された翼君とも違う、
丸刈りにした日本人の少年が怯えたような声色と表情でそう進言していた。

翼「――大丈夫だよ、石崎君。俺はもう、悩んでいないから」

石崎「ほ、ホントかよ。……だったら、良いけどさ」

彼の名は石崎了。このチームでキャプテンを務める大空翼の大親友だった。
最近チームに入ったばかりの私には詳しい事情は良く分からないが、
彼は私に先んじて渡航してチームに入り、大空翼の失調を回復させる為に大きな役割を果たしたらしい。
……選手としての実力は、お世辞にも高いとは言えないけれど。

翼「――では、パルメイラスと対戦するにあたっての傾向と対策について説明します」

翼君は優等生じみた声でそう宣言してから、ホワイトボードに何かを書き始めた。
それは、敵チームであるパルメイラスFCの陣形予想図と、それを受けた翼君による、
この試合での私達の陣形案だった。ホワイトボードには、こう書かれてあった。

686 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/24(日) 23:53:26 ID:???

−−@−− @サルサノ
−−C−− Cキーガン
−BDA− Bブランコ Dアレクセイ Aミラ
−−−−−  
F−−−E Fゲレーロ Eリンコン 
−G−I− Gネイ Iトニーニョ
−−−−−
−H−J− Hサトルステギ Jオルヘス
パルメイラス 4−4−2
サンパウロ 4−3−3
−−−H− Hストラット
−J−−− J妖夢
−−I−− I翼
F−−−E F新田 Eマウリシオ
−−G−− Gバビントン
−−D−− Dドトール
A−C−B Aリマ Cアマラウ B石崎
−−@−− @レナート


687 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/24(日) 23:55:01 ID:???
ストラット「……いつも通りの布陣だな」

日本、あるいは南米出身の選手が目立つ中、
退屈気にそう呟いた、たった一人の西欧系の金髪の少年――チェザーレ・ストラット君。
彼は表面上は詰まらなそうにしているけれど、特別不満があるようには見えなかった。
一見乱暴そうに見えるけれど、本当の彼は誰よりも紳士だから、私は彼の事が結構好きだったりする。

マウリシオ「ヘイ、ニッタ! 今日の試合も左サイドにボールが集中しそうだけど、負けるんじゃないぜ!」

新田「ふん、言ってろマウリシオ! 今日こそお前には負けねえぞ!」

右サイドに配置されたマウリシオ君。彼はこのチームの中でも年少だ。
石崎君より少し遅れて、『ツバサ・ヴァイキング計画』により、
このチームに加入した新田君とは年が同じらしく、いつもこうやって突っかかっている。
……たまに一緒に練習している姿を見るから、本当に仲が悪いワケでは無さそうだけど。

バビントン「まぁまぁ。二人とも。試合前に喧嘩は良くないよ?
       それに、僕達は手柄じゃなくて、あくまでもチームの為に動かないと」

新田君とマウリシオ君の喧嘩を仲裁するのは、いつもこのバビントン君の役目だった。
色白で長身の彼はアルゼンチン――ブラジルのお隣の国だ――出身。
常に物腰穏やかで優しい彼は好きだけど、ストラット君と比べると少し頼り無い側面もあると思う。

ドトール「……パルメイラスが相手か。モリサキが居ないならば楽勝とは思うが――注意しなくてはな」

アマラウ「果たして俺の『コンドルクリア』の出番が来るかなー? さっさと前で止めててくれよ、ドトール!」

顰め面で冷静な表情をしているドトール君。
ドトールというのは彼の父が医師(ドトール)だから着いた渾名らしいけど、彼は実はこの渾名はあまり好きではないらしい。
それでもチームの内外でこの呼び方が定着してしまった以上、彼も明確には否定していないが。
笑い顔で軽薄な表情をしているアマラウ君。お調子者な節のある彼だけど、そのクリアの実力は間違い無く本物。
ドトール君と並んで、ブラジル代表DFの座はほぼ内定していると言う声すらある。

688 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/24(日) 23:56:58 ID:???
リマ「リマ占いの結果が出たリマ。今日の試合、リマが活躍するリマ!」

レナート「(その活躍の機会を)とるっ!」

残されたDFのリマ君とレナート君だけど……。彼らの事は私は勿論、他のチームメイト達も良く分かっていない。
だけど二人はいつも幸せそうにしているのだから、それを邪魔するのも酷だと思う。
というかハッキリ言ってあまり関わりたくない、関わるべきでない部類のならず者共である。

翼「――さて。そろそろいいかな」

おおよそ全員の感想が行き渡った所で、翼君が静かにそう言った。
すると彼らは一斉に静まり返る。この辺りは幻想郷では中々ないから、私には新鮮に映る。
……少なくともこうした点については、外の世界こそ幻想郷より立派で優れていると断言して良いだろう。

翼「今のパルメイラスには、警戒すべき選手は僅かしか居ない。
  I番のトニーニョ、H番のサトルステギ。そしてG番のネイ……この三人だけだ。
  そして、このうちどの選手も俺達にとっては下位互換……より強い選手が俺達の中にいる。
  例えば、トニーニョは世代屈指のゲームメイカーとの評判があるけれど。俺の方が優れているよね?」

ニコリと如才無き笑みで、翼くんはそう問い返す。
発言のみを取ればそれは非常に傲慢だけれど、一方で彼の発言に間違いは何一つ無い。
実際に、『俺の方が優れているよね?』と問い返した翼君に異議を唱える者は一人も居なかった。
……何故なら、それは空が青いのと同じくらい、ごく当たり前の事だから。

翼「次に、H番のサトルステギはストラット。彼は君と比べると点取り屋として大きく劣る。
  ダイレクトシューターとミドルシューターの違いはあるけれど、間違いは無いよね?」

ストラット「……まあ、そうだろうな。俺だって、その程度の自負はあるさ」

続いての論証に、名指しで呼ばれたストラット君も翼君に賛同の意を評した。
『メガロゾーンシュート』と言う化け物クラスのシュートを編み出している彼の実力を疑う者は、
このサンパウロFCは当然として、ブラジル中に存在しなかった。

689 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/25(月) 00:02:01 ID:vntwtxBc
翼君は最後に――私の方に視線を向けて、ニコリと笑ってこう言ってくれた。

翼「――そして。G番のネイ君は優秀なドリブラーだけど。
  ……これについても、魂魄さんが彼を二回り位突き放している事については、疑問の余地が無いよね?」

妖夢「…………」

大空翼。私は彼の事が少しだけ苦手だった。
途方も無く高い才能と実力を持つ一方で、自身もこれを隠そうとはしない。
善悪の区別が付かない子どものような笑顔で、彼は自身の才と力をひけらかし、他者の無才と無力を蔑む。
そしてそれらは事実に裏付けされている故に、残酷だと私には思えた。

妖夢「(――とは言え。そういう彼も最近は変わって来たらしいのだけれど。
    ……さてと。私はどんな風に彼に答えてあげようか)」

私は翼君の笑顔に向けて、こう言ってやることにした。


A:「――当然の事だ。一々勿体ぶって言う必要もあるまい?」
B:「二回りは私を過大評価し過ぎね。……一回り半、と言ったところか」
C:「……それが何? だから彼らを弱者として侮っても良いと?」
D:「結論は単刀直入に。今日の戦略をどうするか、教えてくれない?」
E:「それより、リマ君とレナート君の意見も聞いてみないか?」


先に2票入った選択肢で進みます。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。


*どの選択肢を選んでもマイナスはありません。ロールプレイと思って選んで頂ければ幸いです。

690 :森崎名無しさん:2016/01/25(月) 00:03:40 ID:t/0uGCmQ
C

691 :森崎名無しさん:2016/01/25(月) 00:05:33 ID:9jLfzJhM


692 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/25(月) 00:06:20 ID:???
……と、言った所で今日の更新はここまでにします。
妖夢の章はオープニングイベントなので、試合についてはかなりサックリ目に進行させて頂ければと思っています。
>>680
このくだりは3を意識していますねw

それでは、皆さま、本日もお疲れ様でした。

693 :森崎名無しさん:2016/01/25(月) 00:07:03 ID:uCPB4Kvo
D

694 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/25(月) 00:21:15 ID:???
〜宣伝コーナー〜

早苗「みなさーん! 第二回鈴仙奮闘記人気投票では、是非私達守矢みらくるずに清き一票!
    いえ、私と神奈子様と諏訪子様の分で清き三票。
    いえいえ、それにピエールさんとか若島津さんとかの票も入れて、清き沢山の票をお願いしまーす!!」

神奈子「ま、私らはそこまで派手にやってた訳じゃないから、そこまで伸びないとは思うけどねぇ。
     ……でも、早苗には投票をして欲しいな。あの子も色々悩んで来たんだし」

諏訪子「……主に私達のせいで、だけどね」ボソ

ピエール「そう言えば、新チーム……リトルウイングズのメンバーも、フランスに来る者が居るとか。
      その時こそは、俺も是非宜しく交流させて頂きたいな」

早苗「!? そ、そうだ。私もフランスに行けば票が得られるかも! ピエール君、私をフランスに連れてって!」

神奈子「あ、こら! 駆け落ちは許さないよ!」

若島津「……フン。五月蠅い雑魚共だ」ガガガ

華扇「そう言う貴方は、今でもスクラップのままですけどね。……どうするんですか、今後」

若島津「決まっている。より強い身体を得て、より強い力を手に入れる。
     そして今度こそ、この世界を血と暴力が支配する世界へと変えるのだ……」ガガガ

華扇「(――育て方、どこで間違ったかなぁ)」

偽レナート「人気投票のアドレスは下記のとおりだ! ていうかアレ!? 俺の本物が今日本編に出てたし、
       これからの投票って全部本物に吸われるんじゃね!?」

〜投票は以下のURLから〜
http://capmori.net/vote/vote41/bbs.cgi

695 :森崎名無しさん:2016/01/25(月) 00:47:23 ID:???
F キーガンからとてつもないオーラを感じます・・・!!!

696 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/25(月) 22:46:54 ID:???
更新再開します。
>>695
妖夢の章を書くにあたって本スレのリオカップ編を改めて読み返してたんですが、
実はキーガンさんって、フラメンゴ戦でジェトーリオやカルロスのシュートを止めるまでほぼ空気だったんですね…。
あとはサントス戦でリベリオ君のバナナシュートを止めたくらいです。





697 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/25(月) 22:49:40 ID:???
C:「……それが何? だから彼らを弱者として侮っても良いと?」

私はせめてもの反抗として、吐き捨てるように翼君にそう言ってやった。
それは、私自身がかつて弱者だったが故にした、単なる同情かもしれなかった。
――しかし、結果として私の反抗は徒労に終わった。

……ニコッ!

翼「それは違うよ、魂魄さん。彼らもサッカーに命を賭けてるんだ。
   そんなライバル達を侮るなんて、するわけないよ」

翼君は不機嫌になるでもなく、冷やかに無視するだけでも無く――笑った。
成程確かに、その純真な笑顔からは蔑みとか傲慢とかとは無縁に見える。
そして、その笑顔は余りに真っ直ぐ過ぎるが故に、他のどんな感情よりも恐ろしかった。

翼「俺はむしろ、悲しいと思ってるんだ。彼らだって俺や魂魄さんと同じくらい努力しているのに、
  何時まで経っても低レベルなサッカーから、どうしても抜け出せない。……本当に可哀想だと思ってる。
  ……だけど、石崎君と再開して気付いたんだ。それを救うのが、俺の仕事なんだって」

翼君の表情から、僅かな陶酔が生まれた。それは貧しく病める者達に施しを与える聖人のようだった。

翼「俺は、事実として弱い彼らを救って……つまり、励ましてあげる必要があると思うんだ。
  がんばれ、がんばれって。君たちでも俺みたくサッカーを愛すれば、きっと上手くなれるぞ……って。
  だから魂魄さん、誤解しないで。俺はパルメイラスを侮ってるんじゃないんだよ。
  むしろ使命感に燃えてたんだ。俺が、可哀想な彼らに、正しいサッカーを教えてあげなきゃ……って!」

妖夢「………」

698 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/25(月) 22:51:12 ID:???
翼君が演説を終える。チームメイトはシン、と静まり返っていた。
無理も無い。彼の考えは歪んでいると、その場に居た誰もが知っていたからだ。
翼君一人が、磔にされても尚正義を訴えるイエスの如くに輝いていた。

石崎「翼……。昔はここまでじゃなかったのに。やっぱり、森崎が消えた穴は、俺だけじゃあ……」

私の隣で石崎君が、無念そうにそう呟いていた。
彼は選手としての大空翼を復活させた立役者だったが、人間としての大空翼を復活させるには至らなかったようだった。

妖夢「……森崎、有三」

その人物の名を私は情報として知っている。彼が大空翼にとってどれだけ大きな存在だったか、という事も。
……そして私は現実として知っていた。森崎有三を失った大空翼は今も尚、内心にどす黒い狂気を抱えている事を。

*****

――その後、ミーティングは恙なく終わった。
一度は狂気を見せていた翼君も、こと実際のサッカーになると恐ろしく真面目な性格をしており、
ホワイトボードの図を何度も指差しながら、冷静で的確な判断をチームメイトに下していた。

翼「――試合自体は、まっすぐ攻めていっても問題無いと思うな。
  いつも通り魂魄さんがボールを運んで、自分で決めるかストラットに送るかで迷わせるのも効果的だし、
  俺が中盤でボールキープした上で、俺のミドルシュートを起点に攻めて行くのも悪くないと思う。
  新田やマウリシオのサイドアタックも有効かな?
  逆に今日の試合は攻勢になるだろうから、ボランチのバビントンが頑張って攻める必要は無いと思うよ。

  ただ、守備は少し気を付けた方が良いかもね。
  多分ネイのサイドアタックが中心に飛んで来るとは思うけど、それに対処する為に逆サイドが空いては目も当てられない。
  基本的にはネイはドトール。サトルステギはアマラウ。そしてトニーニョのミドルシュートは石崎君が対処すれば、
  大体は何とかなると予想してるけど……その辺りは、レナートの活躍にもよるかな?」

レナート「なにィ(闘志)」

699 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/25(月) 22:52:55 ID:vntwtxBc

翼君が語った分析と対処法には非の打ちどころが無く、レナート君がなにィと鳴いた以外は特段の反論も出なかった。
ロベルト監督も、無表情のままにコクリと頷くとそれ以上は発言しない。
……そしてそれは、ミーティングの終了をいつも暗示していた。

妖夢「(試合開始まで後僅かだが時間がある。今の内に誰かと話しておくべき事はないか……?)」

私は基本的にこのチームでの馴れ合いは嫌っていたが、必要がある話なら別だ。
試合開始までの僅かな時間を利用して、私は誰かに声を掛けるべきか否かについて少しだけ考えこみ――。


A:……誰かと話をする事にした。(交流したいキャラを選んでください。例:A 翼)
B:……交流など不要だ。試合を待とう。


先に2票入った選択肢で進みます。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。


*交流できるのはサンパウロFCのメンバー+ロベルトのみとします。具体的に誰が居るかは>>686を参考にしてください。

700 :森崎名無しさん:2016/01/25(月) 22:54:15 ID:9jLfzJhM
A 石崎

701 :森崎名無しさん:2016/01/25(月) 22:58:44 ID:O0qHCEB2
Aストラット

702 :森崎名無しさん:2016/01/25(月) 23:01:03 ID:3XhazhBw
A新田

703 :森崎名無しさん:2016/01/25(月) 23:06:35 ID:pN8aR41M
A新田

704 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/25(月) 23:48:01 ID:vntwtxBc
A新田

妖夢「(――サイドアタックの際には、後ろのSHとの連携が必要になるな。
    新田君と少し打ち合わせておこうか)……新田君」

新田「あ、はい! どうしましたか、姉御!」

純粋に戦術的な面から声を掛けただけなのに、
新田君はご主人様に呼ばれた子犬の如く、まっしぐらに私の方へとやってきた。
本当に分かり易い奴だ。……かつての私も、人の事が言えないけれど。

妖夢「別に。少し戦術的な面で打ち合わせが必要と思っただけだ。具体的には……」

――私は新田君と数点、事務的な打ち合わせを行った。
そこに全くの他意は無いにも関わらず、彼はキラキラ目を輝かせて、
私の一挙手一投足を見逃すまいと必死にしている。

妖夢「……ぷっ」

何となく、その光景が面白くって。私は少しだけ噴き出してしまった。
外見で言えば、新田君は小柄と言えど私よりも大きくて、体つきもしっかりしているのにも関わらず。
そうやって私なんかに付き従っているのが本当に面白かったのだ。

新田「あ、笑いましたね。俺の事」

妖夢「ごめん、ごめん。……やっぱりどうにも、こうして懐かれるのに慣れていなくって」

新田「え? 姉御ってその……幻想郷ってトコでも超プレーヤーじゃなかったんですか!?
    だから俺みたいに、こうやって嫌でも着いて来るような奴って結構居たんじゃないかって……」

妖夢「…………えっと。それは……」

705 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/25(月) 23:50:21 ID:vntwtxBc
新田君に不意にそう聞かれて、私は少しだけ口をつぐむ。
私は力を手に入れる為に過去を。愛すべき主人や親友を捨てた。
そして、ハイパーカンピオーネ計画のトップ――豊聡耳神子の命で私はこの地に来て、大きな成長を遂げた。
……しかし、その詳しい事情を彼らは知らない。
とりわけ新田君がこのチームに来たのはそれから大分後だ。だから彼は、強い私の姿しか知らない。
……子どもらしい虚栄心が、私に正直に話す事を躊躇わせていた。

妖夢「――そう言う新田君は、どうして私をそこまで慕うの?」

だから私は折衷案として、話題を逸らす事にした。
私の問いかけに新田君は顔をかあっと赤くして――それっきり、私への疑問は無くなってしまったようだ。
本当に直情的で一本気な子なのだろうと私は思った。

新田「えっと、それは……」

それでも新田君ははぐらかさずに素直にその理由を教えてくれた。
彼が話した内容は――。

先着1名様で、

★新田と妖夢の関係→! card★

と書き込んでください。マークで分岐します。

JOKER→新田「そうだ! 新技思いつきました! バビントンさんが蹴ったボールを姉御が打ち返して、
           その跳ね返りを更に俺がねじ込む! これぞ新技『真実のファルコン』です!!」
ハート→新田「その……貴女は。俺の、憧れなんです……」
ダイヤ→新田「貴女は、皆が思っているよりも優しくて強い人だからですよ」
スペード・クラブ→新田「貴女は、俺が目指したい選手像そのものなんです!」
クラブA→新田「何というか、ポスト魂というか。隼魂を感じたからです! 今度からシルバーファルコンって呼んでいいですか!?」

706 :森崎名無しさん:2016/01/25(月) 23:51:35 ID:???
★新田と妖夢の関係→ クラブ8

707 :森崎名無しさん:2016/01/25(月) 23:51:58 ID:???
★新田と妖夢の関係→ スペードJ

アカンクラブA出たら妖夢さん泣いてまう

708 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/26(火) 00:19:46 ID:???
★新田と妖夢の関係→ クラブ8 ★
スペード・クラブ→新田「貴女は、俺が目指したい選手像そのものなんです!」

新田君は私の目を捉えて、まっすぐにそう言ってくれた。

新田「俺は……日本で伸び悩んでいました。
    ……嫌な先輩への反発というか、反骨心だけは人一倍あるつもりだったけど、その結果がどうしても出なかった。
    それでも、『才能なら翼以上』と言って俺を推してくれた人の協力もあり、こうしてブラジルに渡って来て。
    そして貴女に出会って――俺は本当にびっくりしたんですよ!」

妖夢「…………」

私は新田君の話を黙って聞いていた。

新田「だって、姉御は小柄な俺よりも小さくて。純粋な脚力だったら俺よりも弱い。
   だけど、貴女はそれをハンデと感じる事無く、自慢の俊足とキックセンスを活かして、
   強豪ひしめくブラジルサッカーでも、伝説的な活躍をしている!
   大袈裟な言い方をすると。俺にとって貴女は希望なんです。
   俺も腐らず、姉御の……妖夢さんのように頑張っていたら、いつか必ず才能を開花出来るって!」

私が知る新田君の目はいつも輝いていたけれど。今日のこの時は更にひときわ輝いていた。
だから、彼の言葉に偽りは無かったのだと思う。新田瞬にとって、私魂魄妖夢は間違い無く希望だったのだ。

妖夢「……ありがとう」

彼が私に対し抱く感情は、情けない過去を話そうとしない私の虚栄心によるものかもしれない。
また、こうして受けた忠義を、私は彼に対して返せる自信は無かった。
――それでも、私は彼に小さく礼を言いたかった。

妖夢「(……鈴仙も、こういう気持ちだったのかな)」

――彼は私に、かつての親友が味わっていたのと同じ気持ちを抱かせてくれたから。

709 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/26(火) 00:31:16 ID:???
……と、言った所で今日の更新はここまでです。明日からは試合に移れると思います。
それでは、皆さま、本日もお疲れ様でした。

〜宣伝コーナー…は本日お休みですが〜
拙作の人気投票が只今実施中です。宜しければ1票入れて下さればうれしいです。
白熱する(?)1位争いの結果がどうなるかが、私的には気になります。
http://capmori.net/vote/vote41/bbs.cgi






710 :鈴仙奮闘記@携帯 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/27(水) 00:17:13 ID:???
すみません、書いてたら突然PCが止まり動かなくなったので、更新をお休みします(汗)
電源には接続してましたし、なにか特別な事をしていたわけではないと思うのですが…
(作業用bgmを聞きつつエクセルを開き、専用ブラウザに文章を打ち込んでました)

万一の場合のデータ復旧は何とかなると思っていますが、PCの様子次第では、
更新が暫く止まってしまうかもしれません。

711 :鈴仙奮闘記@携帯 ◆85KeWZMVkQ :2016/01/27(水) 21:25:06 ID:???
あれから色々試しましたが、PCが本格的に故障したっぽいです…。
新章開始ということで、これから話を盛り上げていきたかったのですが(泣)
申し訳ないですが、更新再開まで暫くお待ちください…

712 :森崎名無しさん:2016/01/28(木) 12:35:56 ID:???
それは残念ですね
でも試合中とかで止まらないでよかったかなと
再開を楽しみにしてますね!

713 :森崎名無しさん:2016/01/31(日) 16:06:07 ID:???
投票結果凄いね。

714 :森崎名無しさん:2016/01/31(日) 18:33:06 ID:???
途中からアリスにブースト入ってきて笑った

715 :森崎名無しさん:2016/01/31(日) 19:17:55 ID:???
鈴仙が活躍しそうだからって、スレ主のパソコンの正常と異常の境界をいじってポンコツにさせ、
活躍の場を強制的に奪うとは、汚いなさすが紫汚いあもりにも卑怯すぎるでしょう?

716 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/02(火) 23:07:19 ID:Isc00Gwk
こんばんは。漸くPCが本調子っぽくなったので更新再開します。
最初いきなり電源が切れたので、最悪買い替えすら考えてましたが、
実際は単にバッテリーパックが壊れてただけでした。なのでデータも大丈夫でした。

ここまで長期間更新を休んでいたのが多分初めてで、最初は更新したい欲を抑えるので一杯一杯でしたが、
結果的には、これから完結に向けて書きまくる(予定)中で、丁度良い休憩になったのかなと思います。
これからも、リアルに支障をきたさない範囲で、またやりたいように書かせて頂きたいので、
積極的に参加して頂ければ嬉しいです。

それと、人気投票につきましても沢山参加して頂き、本当にありがとうございました。
投票期間中は色々ご迷惑やご心配をおかけしましたが、
沢山の投票やコメントを頂いたお蔭で元気づけられました。
結果発表につきましては、また区切りが付いたらやりたいと思っていますので、宜しくお願いします。

>>712
ありがとうございます。そう言って頂いたお蔭で、かなり前向きに休めたと思います。
これからも面白くなるよう書いていければと思っていますので、また宜しくお願いします。
>>713-714
まさかアリスさんがあそこまで伸びるのは予想外過ぎでしたねw
>>715
不良品の電池パックを私のPCに仕込んだのも紫のせいだったんですね…
そう考えるとなんか涙ぐましいです。

717 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/02(火) 23:08:46 ID:Isc00Gwk


*****


〜サンパウロFCホームスタジアム・フィールド〜

――ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

実況「さあ〜! 間もなく始まります! サンパウロFC対SEパルメイラスのダービーマッチ!
    今回の試合はジュニオール部門の、かつ練習試合ではありますが……。
    見て下さい、この客入り、そして活気を!
    トップチームの、リーグクライマックス戦にも負けない程の熱狂が、ここエスタジオ・ド・モルンビーに渦巻いています!
    ですがこれも仕方が無い! 何故なら今のサンパウロFCにはブラジル中、
    いや、世界中のスタープレーヤーがひしめきあっているからです!」

――新田君との会話の後、私達はフィールドに向かった。
実況が先に言った通り、スタジアムは場違いなまでに人が一杯で、
その全員が力の限りで歓声や叫び声を上げている。
だが、今の私には関係無い。そう言い聞かせるよう、私は小さく呟いていた。

妖夢「勝つ……!」

力を手に入れる為には、勝つしかない。勝利こそが今の私の全てだ。
それ以外は不要だ。ファン達の熱狂も、自身への歓声も、……新田君の思慕すらも。
フィールドという名の戦場に立つ事で、私の思考は漸く元の冷たさと鋭さを取り戻して行った。

718 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/02(火) 23:10:23 ID:Isc00Gwk
実況「……そしてやはり! 本日の注目度ナンバーワンプレーヤーはこの人、魂魄妖夢選手です!
   つい数か月前、日本のゲンソウキョウなる地域から来た彼女は、
   女子ながらも圧倒的なサッカーセンスを見せつけ急成長!
   ツバサ・オオゾラやチェザーレ・ストラットなど、これまでのヒーロー達と並んで大活躍を遂げ……!
   今日まで5試合連続でハットトリックを達成しています! 勿論、今日の試合も狙っていくでしょう!」

観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
   「ヨーム! ヨーム!」「またハットトリックだー!」「可愛くないかあの子、小柄だし」「止めとけ、前に声掛けたら斬られた」

妖夢「……五月蠅い」

――かつての自分では決して得る事の出来なかった大歓声を、私は邪魔だと思った。
あいつらは、私の勝利に何の影響も齎さないし、私に力を与えてくれる訳でも無い。
そして私が苦々しげにそう吐き捨てて見せても、彼らが声を止める筈が無い。
私は諦めたように天を仰ぐと――ふと、センターサークルを挟んで向こう側から、不穏な声が聞こえて来た。


トニーニョ「……皆。今日は得る物が大きい試合にしよう」

サトルステギ「勝つ、じゃねえのかよ。とんだ臆病キャプテン様だぜ」

トニーニョ「勝利は当然に求めるべきだ。だが同時にこの試合が終わりでは無い。
       今日の試合を通してデータを集め、冷静かつ客観的にデータを分析する事こそが……」

サトルステギ「かーっ! データデータって。お前はドラゴンスフィアに出て来た人造人間かっつーの」

トニーニョ「……何とでも言え。そして、言うからには勇猛に勝利を目指してくれ」

妖夢「(あれは……パルメイラスのキャプテン。アントニオ・コンセイソン……通称トニーニョと。
    コリンチャンスから最近移籍して来たアルゼンチン人FWの……ロペス・サトルステギだっけ。
    冷静沈着なデータマンと、感覚主義の野生児との仲は、相当冷え切っているみたいね)」

719 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/02(火) 23:11:33 ID:Isc00Gwk
中肉中背の地味な坊主頭がトニーニョで、ヒョロリとした長身長髪がサトルステギだったか。
二人は公然と対立するまでは無いものの、互いの言葉の端々には冷ややかな敵意が感じられて、
傍目から見ても彼らの連携が上手く行っていない事が読み取れた。

ネイ「おーい、お二人さん。もうすぐ試合開始だからイチャつくのは後にしなよ。
   ただでさえ俺達、上層部から呆れられつつあるんだからさ。
   データかセンスか。どっちが正しいのかは試合で決めようぜ!」

トニーニョ「そうだった。……すまんな、ネイ。俺とした事が」

サトルステギ「それを言うのは反則だぜ、ネイ! えーいっ、今日の試合で汚名挽回……あれ、名誉返上?
         ま、なんかそれ的なヤツ、やってやるんだからな! んじゃ、俺は持ち場に着くぜ!」

タタタタッ……。

ネイ「……やれやれ。こんなの全然俺のキャラじゃないのによー。なんでこんな事になったんだろ」

そんな二人の潤滑油となっているらしい軽薄そうな美少年――ファビオ・デルネイ・フロレンシオは、
試合前だと言うのに明らかに疲れた溜息を吐いている。
……彼もまた、ベストコンディションでは無いのは明らかだった。

ストラット「――ツバサは指摘しなかったが。あいつ等の穴はまだまだありそうだな」

ポジション上、私の傍に居る事が多いストラット君はそう独りごちていた。
確かに、彼の言う通り。
馴れ合いこそ少ないが、軍隊のように統制が取れた私達サンパウロFCには無い弱点。
それが眼前のライバルチームにはあるように思えた。

720 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/02(火) 23:13:54 ID:Isc00Gwk

トニーニョ「宜しく頼む」

翼「トニーニョ君……今日は俺が君に、サッカーを教えてあげるね」ニコッ

やがてキックオフ直前になり、センターサークルで翼君とトニーニョの二人は対峙した。
トニーニョは何を考えているのか分からない、いつも通りのムッツリした表情。
一方で翼君はペンキで塗った空のように、鮮やか過ぎて吐き気を催す爽やかな笑顔で握手して、
コイントスが執り行われた。その結果は――。


先着1名様で、

★コイントスの結果→! card★

と書き込んでください。マークで分岐します。

ダイヤ・ハート→サンパウロボール
スペード・クラブ→パルメイラスボール
JOKER→そのとき、ロベルト本郷(全裸)の 汚い野次 がレナートの顔面に直撃!!

721 :森崎名無しさん:2016/02/02(火) 23:16:37 ID:???
★コイントスの結果→ ハート5

722 :森崎名無しさん:2016/02/02(火) 23:20:14 ID:???
汚い野次、とな?
ロベルトほんごう(ぜんら)「てめえ! そんなパンツでGKやろうってのか!
ぜんらのほうが まだ マシだぜ!!」
こうですか? 分かりません!!

723 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/03(水) 00:21:07 ID:r/LSHcOI
★コイントスの結果→ ハート5 ★
ダイヤ・ハート→サンパウロボール

翼「……表、だね」ニコッ

トニーニョ「ああ……」

実況「コイントスの結果! サンパウロFCのキックオフから試合開始という事になりました!
    そうなると、守備のタレントに欠けるパルメイラスはやや不利でしょうか!?
    何はともあれ、キックオフまで残り幾許となりました〜〜〜!!」

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ……!!

妖夢「――始まる、か」

ストラット「泣くなよ、ヨウム。俺にハットトリックを奪われてもな」

妖夢「……そんな事で泣く訳が無い。私が泣くのは、完膚無きまで負けた時だけだ」

観客から発せられる音の洪水は更にボリュームを上げ私の耳をつんざく。
それを気にせず、私はストラット君と軽口を叩くと、センターサークルでキックオフを行う翼君に目を合わせた。
翼君の視線はこう言っていた。「――じゃあ、最初は君に渡すね。魂魄さん」と。
私は小さく頷いてから、左サイドの突破口を同時に確保し。そして―――。


ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!!


実況「――ホイッスルが鳴った! サンパウロのキックオフで試合開始です!!」




724 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/03(水) 00:22:32 ID:r/LSHcOI
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ヨッチャン「こんばんは。第三章も宜しく、ヒント神・ヨッチャンですよ!
       さて、今回の試合はオープニングイベントという事で。妖夢さんを操作しての、VSパルメイラス戦となりますが……。
       ――ハッキリ言いましょう。この試合、負ける要素はほぼありません!
       手元にはサンパウロの超一流のタレントたち。一方で相手のパルメイラスは森崎君の失踪が響き、
       実力的にもチームワーク的にもどこか精彩を欠いています!
       無論、トニーニョ君、ネイ君、サトルステギ君の3人は強敵でしょうが……妖夢さんの実力はレイセン並みかそれ以上。
       恐れすぎる事なく、存分に力を発揮して頂ければと思います」

−−@−− @サルサノ
−−C−− Cキーガン
−BDA− Bブランコ Dアレクセイ Aミラ
−−−−−  
F−−−E Fゲレーロ Eリンコン 
−G−I− Gネイ Iトニーニョ
−−−−−
−H−J− Hサトルステギ Jオルヘス
パルメイラス 4−4−2
サンパウロ 4−3−3
−−−H− Hストラット
−J−−− J妖夢
−−I−− I翼
F−−−E F新田 Eマウリシオ
−−G−− Gバビントン
−−D−− Dドトール
A−C−B Aリマ Cアマラウ B石崎
−−@−− @レナート

725 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/03(水) 00:25:30 ID:r/LSHcOI
ヨッチャン「選手の情報についても敢えて詳しく語りません。ですが、最後に3点程、システム的な面から付け加えさせて貰います。
       第一に、【この試合は負けた場合、ゲームオーバーとしてリセット】されます。これは大丈夫かと思います。
       第二に、【この試合で妖夢がハットトリックを取るなど活躍した場合、
             後のイベントで鈴仙に有利な成長イベントが発生】します。
       これは、敵サイドに立つ妖夢を操作する事に対する、ゲーム的な動機付けが大きいです。
       そして第三に、【この試合では、妖夢のみに対して覚醒判定がある。覚醒による成長は鈴仙に準ずる】とします。
       要するに、妖夢さんは覚醒で、新たに技を覚える可能性がある(能力値は増えない)、という事です。

       ――私からの説明は今度こそ以上です。次のレスに成長した妖夢さんの能力値を載せてから、試合を開始します。
       オープニングイベントという事で、やや短めの試合になるとは思いますが――皆さん、ご健闘を祈ります!」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

726 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/03(水) 00:26:45 ID:r/LSHcOI

現在の能力値
選手   ド  パ  シ   タ  カ   ブ  せ  総   高/低  才
妖夢  55  53  54  53  52  49  51  367  2  4   6
所持中のフラグ:なし

最大ガッツ:950

芸術的なドリブル(1/4でドリブル+5)
高速ドリブル(1/4でドリブル+4)
強引なドリブル(1/4でドリブル+2、吹飛2)
未来永劫斬(シュート+6)200消費
未来永劫斬・改(シュート+9、吹飛2)250消費
弦月斬(高シュート+2)120消費
待宵反射衛星斬(低シュート+6、吹飛5)300消費
二百由旬の一閃(1/2でタックル+2、吹飛2)
無為無策の冥罰(1/4でパスカット+2)
スキル・不退転(自身に発生するマイナスのペナルティ(※)を全て無効)
            ※バランス崩し、負傷、ガッツ切れ、狂気の瞳etc...

727 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/03(水) 00:28:24 ID:r/LSHcOI
翼「それっ、魂魄さん!」ニコッ

バシュッ! ――パシッ。

妖夢「攻める……!」

実況「――キックオフで翼選手から出されたボールは左サイド側のFW、妖夢選手に。
    妖夢選手がこのままサイドアタックで切り込んでいくのが、サンパウロお得意の速攻パターンです!」

トニーニョ「……この程度、流石にデータで計算済みだ。オルヘス、サトルステギ!
       二人で共同してヨウムに当た――」

オルヘス「無理だ! だって、サトルステギの奴、俺より先に……!」

ダダダダダダっ!!

サトルステギ「ヒャッホーー! ボール寄越せーーーっ!!」

実況「――ですが速攻には速攻か!? FWのサトルステギ選手、
    オルヘス選手を振り切って、単身妖夢選手の居る左サイドへ全力疾走です!」

トニーニョ「全く。あいつと来たら。不用意な単独行動は避けろとミーティングで散々注意したのに……!
       ――オルヘス! 悪いがフォローに向かってくれ!」

オルヘス「あ、ああ!!」

タッ……!


728 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/03(水) 00:29:50 ID:r/LSHcOI
サトルステギ「――へへっ、お嬢ちゃん! 俺の爆発的なタックルを食らいな!」

ダダダダダダッ、ズザアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!

実況「――サトルステギ選手、妖夢選手に激しいタックルを仕掛ける〜〜〜!!」

妖夢「(……ふざけるな。こんな所で、私は負けていられない)」

先着2名様で、

★妖夢→ドリブル 55 (! card)(! dice + ! dice)=★
★サトルステギ→タックル 49 (! card)(! dice + ! dice)=★

と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→妖夢、ドリブル突破。
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(翼がフォロー)(ストラットがフォロー)(オルヘスがフォロー)
≦−2→パルメイラスボールに。
【補足・補正・備考】
妖夢のマークがダイヤで「芸術的なドリブル(+5)」が発動します。
妖夢のマークがハートで「高速ドリブル(+4)」が発動します。
妖夢のマークがスペードで「強引なドリブル(+2、吹飛2)」が発動します。
サトルステギのマークがダイヤの時、「エクスプローシブタックル(+2、吹飛4)」が発動します。

729 :森崎名無しさん:2016/02/03(水) 00:30:29 ID:???
★妖夢→ドリブル 55 ( クラブ3 )( 3 + 1 )=★

730 :森崎名無しさん:2016/02/03(水) 00:37:12 ID:???
★サトルステギ→タックル 49 ( ダイヤ8 )( 4 + 5 )=★

復活おめでとうございます!

731 :森崎名無しさん:2016/02/03(水) 00:44:03 ID:???
イヌカマッセが君を待っているぞ!

732 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/03(水) 00:44:27 ID:???
サトルステギ、妖夢からボールを弾いた! ボールはパルメイラスのオルヘスへ!
…と、言ったところで今日の更新はここまでにします。
仕事が余程忙しくならない限り、明日から定期的に更新できると思いますので、
またお付き合い頂ければ幸いです。
>>722
パンツか全裸かという選択を強いてる時点でかなり汚いですね…
>>730
ありがとうございます。また参加して頂ければとても嬉しいです。

それでは、皆さま、本日もお疲れ様でした。

733 :森崎名無しさん:2016/02/03(水) 03:04:14 ID:???
ふざけているのは6差で必殺的にもガン有利なのに―1になってるイヌカマッセ新メンバー候補ですね・・・
これはヒドラ再来の臭い

734 :森崎名無しさん:2016/02/03(水) 09:43:10 ID:???
ヒドラさん「ヨウム、お前からイヌカマッセ魂を感じる!」

735 :森崎名無しさん:2016/02/03(水) 12:48:28 ID:???
強いセリフを言っておいてこれは第二のヒドラ(笑)になりそうですね...

736 :森崎名無しさん:2016/02/03(水) 15:33:43 ID:???
作者がイベントとかで強くしたキャラって大抵たいしたことないんだよねぇ
こんなふうに

737 :森崎名無しさん:2016/02/03(水) 16:23:20 ID:???
やめたげてよぉ!

738 :森崎名無しさん:2016/02/03(水) 16:33:12 ID:???
妖夢 51 48 50 49 47 47 48 340 1 / 3  750  6
鈴仙 53 53 54 51 50 47 52 360 3 / 4  990 比較用

前戦った時の能力から才レベル揃えるとだいたい全能力+4程上昇、
鈴仙とは最後の成長から才+1分上で、技的にシュートは鈴仙、ドリブルは妖夢で他は互角か

739 :森崎名無しさん:2016/02/03(水) 17:48:01 ID:???
大したことないイレブン再結成かな?

740 :森崎名無しさん:2016/02/03(水) 18:02:01 ID:???
う〜ん、どんげのためにハットはしたいけど正直ノれない・・・

741 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/03(水) 23:15:16 ID:???
こんばんは、更新再開します。
>妖夢って案外(ry
ま、まだ判定一回目だから…次に6ゾロで圧倒するかもしれないから…(震え声)

742 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/03(水) 23:19:05 ID:???
★妖夢→ドリブル 55 ( クラブ3 )( 3 + 1 )=59★
★サトルステギ→タックル 49 ( ダイヤ8 )( 4 + 5 )+(エクスプローシブタックル+2)=60★
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そしてオルヘスがフォロー

……後々振り返ると、この時の私はとりわけ弱かった。

妖夢「単なる力任せのタックル。そんな粗末な物で私を倒せると思うな!」

ダッ!

実況「妖夢選手、サトルステギ選手の猛攻にも狼狽えずに一足飛びで突破を図る!
    ごく最小限の動きで放たれたそれは、しかし的確かつ迅速にボールを運びますが……!」

サトルステギ「あまーいっ! 俺だって遊んでたワケじゃねーんだぞ!」

ズザアアアアアアアアアアアッ、ガシイッ!

サトルステギは思い切りその脚を私が持つボールへとぶつけてきた。
反則すらも厭わないそれは、強引と言うよりは乱暴と表する方が正しい。
試合開始であるにも関わらずまるで捨て鉢のようなプレーに、私は思わず失笑しそうになるが――。
そうやって本質を捉えきれなかったのは、間違い無く私の弱さだった。

サトルステギ「喰らえ新技! 『エクスプローシブタックル』だぁぁぁーーーっ!」

グワッ、バンッ! ―――ドゴオオオオオン!!

妖夢「――えっ……!?」

――その直後、センターサークル付近で爆発が起きた。
正確には、爆発が起きたかのように私は吹き飛ばされていた。

743 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/03(水) 23:21:01 ID:???
実況「――あ……ああ〜〜! これは試合開始直後からハプニング!
    これまで完全無敵のドリブルを誇って来た妖夢選手が、サトルステギ選手の前にあっさり敗北!
    ボールごと足を地面に打ち付けた際に起きた振動で、妖夢選手は弾き飛ばされました!」

トニーニョ「……やれやれ。新技はリオカップまで取っておくんじゃなかったのか?」

後ろでトニーニョが苦笑いしながら肩を竦めている。
不仲に見えた二人だったが、少なくとも彼はサトルステギの実力と才能は評価しているようだった。

トニーニョ「(――エクスプローシブタックルは、ロペス・サトルステギの空中技を陰で支える、強靭な脚力から生まれた。
       スライディングタックル時に足を地面に叩き付ける事で、局地に小規模な地震を発生させて、
       周囲数メートルに存在する選手を丸ごと弾き飛ばしてしまう荒業――まさか、今日の試合までに完成させていたとはな)」

妖夢「くっ、不覚……!」

ストラット「……ヨウム、気を落とすな。格下が圧倒的な格上を食らうのは、サッカーでは良くある事だ。
      それよりも、カウンターに備えろ! 何時までもデレデレやってんじゃねぇ!」

妖夢「……済まない」

――吹き飛ばされて放心していた私を、ストラット君は荒っぽく激励してくれた。
彼が言う通りに私は、自身の弱さを恥じるという「弱さ」を押し殺しながらも、
意識を飛んでいったボールへと集中させる事にした。

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0ch BBS 2007-01-24