キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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屁理屈推理合戦withキャプ森

1 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2016/12/30(金) 03:30:43 ID:???






――この物語はどうせ幻想に決まってます。
      キャプ森本編・外伝及び「うみねこのなく頃に」本編と関係有る筈もありません――。











※このスレは、キャプテン森崎のスピンアウト作品で、「うみねこのなく頃に」とのクロスオーバー作品です。
※内容は、「うみねこのなく頃に」本編中の赤字&青字による屁理屈合戦(推理)ゲームを、独自の謎を使って行うものです。
 「うみねこ」本編ストーリーの直接的なネタバレはありませんが、「うみねこ」本編の登場人物がスレに登場します。
※最初のエピソードだけ>>1が書きたいですが、それ以降は他の方も書けるようにしたいとか考えています。

☆出典☆
【うみねこのなく頃に】屁理屈推理合戦スレ@wiki
http://www19.atwiki.jp/herikutu/

115 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/03(火) 23:05:45 ID:IB1rcuRM


*****


〜????〜

――ここは、森崎が翼との奇妙な友情を確認した世界から見て、上位に位置する世界。
そのテラスにて、とある絶世の美女は溜息をついていた。

絶世の美女「いやいや……。一体全体どーして、高名なる無限の魔女・ベアトリーチェ郷なんぞが、
        ウチの領地に現れてるのよ……しかもまた何かをする気マンマンだし……はぁ」

絶世の美女の名はニネー。森崎が主人公として活躍を遂げる『ゲーム盤』を統べるゲームマスターにして、
千年を生きた偉大なる運命の魔女。そんな彼女にとって、無限の魔女が自身の領地に入り込んで来る事は予想外だった。

ニネー「ベアトリーチェの魔法は同じ1を無限に繰り返す魔法。
     対する私の魔法は無限の中からたった1を紡ぎ出す魔法。
     互いに正反対の性質だから、決して相容れない存在だと思ってたのになァ」

無論、この運命の魔女のゲーム盤を愛し、その領地にて無数の物語を紡ぎ始める創造主は絶えない。
しかし、今回の場合は性質が違いすぎた。いや、違うのは性質だけならば問題無かった。

ニネー「例えば……いや、例えじゃなくて半分直球だけど。皆がサッカーゲームで楽しんでいる中、
     一人だけチェス盤を持って来て、おもむろに対局を始めたような。そんな違和感があるのよね。
     勿論、皆が楽しんでくれるんだったら、私はチェスをされようが将棋をされようが、一向に構わないのだけど。
     ……私が気になるのは、このゲームを始めた人の、真なる目的。
     ただ単に、新しい遊びを持ち込みたかった……それだけ?」

ニネーは、無限の魔女を疑っていた。正確には、無限の魔女の『駒』を操り、新たなゲーム盤を持ち込んだ者の目的を。
繰り返しになるが、実際にゲームを楽しんでいる者がいる以上、ニネーとしても魔女を頭ごなしに否定する気は無い。
……しかし、どうしてもその意図が解せないが故に、気になるのだ。

116 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/03(火) 23:11:32 ID:IB1rcuRM

ニネー「……でも、実際に手の打ちようが無い訳だし。だったら、しょうがないわ」

――魔女の意図が解せないというだけで、上位世界の住民が一つの下位世界を荒らして良い訳が無い。
そのため彼女は、普段通りかつ奥の手を使って、魔女の動向を監視する事にした。


ニネー「……あなた。この物語を読んでくれるあなた、参加してくれている、画面の向こうのあなた。
     悪いのだけれど、これからも、この世界における森崎君に気を配ってくれないかしら。
     そして、再び魔女が魔法でこの世界を侵食しようとしたら――森崎君の力に、なってほしいの。
     魔女の真意が、純粋にゲームを楽しみたいという事であれば、それで良い。
     だけど、魔女の真意が、別の所にあるのだとしたら――それは、森崎君や私の力だけでは、
     どうしようも無くなってしまう恐れがある。だから、その時に備えて、力を貸して……!」

パァッ……!

彼女はそう言うと、自身の魔力(この表現を使う事自体、無限の魔女の作法に従っているようで気分が良くないのだが)
を練り上げて、参加者に対して黄金の勲章を授与した。

ニネー「……このゲームに参加してくれるあなた達を、このニネーの領域における【ウィッチハンター】として任命します。
     ウィッチハンターの皆さんは、常に魔女の動向を監視し。
     魔女が魔法によって、『キャプテン森崎』のゲーム盤に登場する人達を苦しめた場合は。
     その時は、主人公の森崎君を通じて、魔女の魔法を否定する事で助けてあげて」

……これは屁理屈による推理合戦の範疇を既に超えている。
運命の魔女と無限の魔女との探り合い。その間に発生するであろう、人間と魔法の戦い。
『戦争』とも称すべきその争いが、今、静かに始まろうとしていた―――。

117 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/03(火) 23:17:12 ID:IB1rcuRM
――と、言ったところで第一話は完とします。
ニネーさんの名前・設定については俺inキャプ森さんの設定を勝手にパク……リスペクトさせて頂きました(汗)
何か伏線っぽく書いてしまいましたが、この伏線が今後活かされるか否かは私の気分次第です(爆)

第二話については、また時間のある(かつ、参加してくれそうな方がいる)時に書いていければと思いますが、
もしも『自分も出題者になりたい!』…という方が居られましたら譲りますので、書き込み頂ければ幸いです。
本日もありがとうございました。

118 :森崎名無しさん:2017/01/03(火) 23:21:32 ID:???
乙なのです!
改めて作者さんの構成力や文章力に唸らされました。
楽しかったです!

119 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/04(水) 20:05:53 ID:???
>>119
乙ありがとうございます。そう言って頂いて大変嬉しいです。
ただ、構成や表現については、原作の「うみねこのなく頃に」をリスペクトしている部分も結構ありますので、
もし気に入って下さったのなら、「うみねこ」もプレイして頂ければ幸いです。(既プレイだったらすみません)
昔と比べてはマシ…とは聞きますが、今もネット上の評判はそこまで高くないですし、
実際人を選ぶところもあるゲームかもしれません。ただ、少なくとも私は楽しめました。

第二のゲーム盤について、ネタは何となく考えているのですが、
もう少し固まるまで最短数日、最長数週間お休みします。
(なので、その間出題したい! という方が居りましたら是非使ってください!)
出題が無ければ、書く予定と言っていたTIPSを、気の向くままに投下しようと思っています。

120 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:10:27 ID:???

【TIPS@・悪魔の証明】

<序・TIPSコーナーについて>
〜黄金郷・魔女のテラス〜


ワルギリア「ウィッチハンターの皆さま、御機嫌よう。私は有限の魔女・ワルギリアと申します。以後お見知りおきよう。
        あの子、ベアトのゲーム盤はもうお楽しみ頂けたでしょうか?
        私は今宵、主の意向にて、皆さまに魔女のゲーム盤における基礎知識を教示する事となりまして。
        その為に召喚されたものでございますよ。ほっほっほ……」

美しい黄金の薔薇が咲き乱れる庭園。その中に備え付けられたテラスにて、彼女は紅茶を嗜んでいた。

ワルギリア「ここは私達の故郷――『黄金郷』を魔法で再現した場所。
        あらゆる望みが叶い、全ての愛が結ばれる地ゆえ、決して不快にはさせないとは思いますが。
        ……私だけが話しっぱなしとなっても辛いでしょう。ここに生徒役を二人程呼びましょうか」

魔女はそういうと講義に先立って魔法の杖を振るい、一人の人間と一人の魔女を呼び出した。

森崎「……なんだよ。また魔女の魔法か? コレ」

ベアト「くっくっく。お師匠様も準備が良い。この辺境の地においてこの風景が見られるとは思わんかったぞ。
     ああ、懐かしい……。お師匠様、また美味しい紅茶を入れてくれよォ」

ワルギリア「この森崎くん。そしてベアトは、私が魔法で呼び出した駒に過ぎません。
        【ここはTIPSの為の空間であり、本筋とは完全に隔離された空間】と認識して頂ければと思います」

121 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:12:54 ID:???
森崎「……前置きは良いからさ、折角呼んでくれたんだ。教えてくれよ、さっき言ってた魔女との戦い方ってヤツ」

ベアト「妾はもう、お師匠様から一度勉強済みだけどなァ。妾はそなたにとっては先輩みたいなモンだぞぅ。
    ほら、敬え! 指を舐めろ! 全裸で首輪になり、その上で妾の椅子となれ!」

森崎「最悪な先輩だぜ……。なぁ、ワルギリア。この配役なんとかならねーのか?」

ワルギリア「無理ですね。無理に私達の世界から戦人くんとか引っ張って来ても、『誰コイツ?』ってなるでしょうし。
       それなら本編と多少役どころが変わっても、あなた達二人が生徒役。
       私が教師役というのが一番しっくり来るでしょう」

森崎「まぁ、長く引っ張ってても疲れるだけだし、仕方ないか……宜しく頼むぜ、先生」

ワルギリア「ほっほっほ。成績優秀な子には、先生が鯖ジュースを奢ってあげますよ?
        ……と。本格的な説明に入る前に、一つ前置きを。
        今回からの講座で取り上げる単語(『悪魔の証明』など)は、一般的・辞書的な意味ではなく。
        『うみねこ』及び『屁理屈推理合戦』の世界で使われる意味に則り、説明を行っていきます。
        そして、その内容についても、【当説明は>>1の主観に則っているため、絶対的に正しいとは限りません。】
        その点につきましても分かって頂ければと思います。では、次から講義に入っていきましょう」

122 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:16:00 ID:???
<第一講・『悪魔の証明』とは?>

ワルギリア「それでは栄えある第一回講義ですが、『悪魔の証明』から初めていこうと思います。
      ――ベアト、魔女のゲームにおける『悪魔の証明』とは何か分かりますね?」

ベアト「はァァ〜イ! お師匠様! ズバリ『悪魔の証明』とは。
    『妾は黄金の魔女である!』という事について何の疑いも無いという事です!」

森崎「いや、分かんねーよ」

ワルギリア「……ベアトの言いたい事もあながち分からないでも無いですが。
        ここは私が順を追って説明していきましょうか」

ワルギリアは形式的な前置きを終えると、魔法を使ってテーブルの上に一つのリンゴを生みだした。

ワルギリア「……さて。森崎くんに質問です。この世界に、『リンゴ』という果物は存在するでしょうか?」

森崎「は? いきなり何聞いてんだ? リンゴなら、今お前が持ってるだろ。ボケたのか?」

ワルギリア「……そうですね。『リンゴ』という果物は確かに、この私の手に存在していました。
        では、この世界に『ゴリン』という果物は存在するのでしょうか?」

森崎「いや。そんな果物ねーだろ。聞いた事無いし」

ワルギリア「あら。ですが、南アメリカの奥地には、そうした果物があるのかもしれませんよ?」

森崎「だからねぇっての。辞書でもウィキペディアでも何でも調べてみろよ。そんな果物、どこにも無いから」

123 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:17:34 ID:???
ワルギリア「そうでしょうか。実は人類がまだ未発見で未定義の為辞書には載っていませんが。
        実は地球から100万光年離れた惑星の果樹には『ゴリン』の実が成っているのかも。
        森崎くんはこの宇宙、いやこの地球すら隅々まで見ていないのに、
        どうして『ゴリン』が存在しない事を、高らかに主張できるのですか?」

森崎「だーっ! それがどうしたんだよ。 だったら、そんなモンは単に証明不可能って事だろう!」

ワルギリア「その通り! このように、ある事柄がこの世界に『ある』事を証明する事は、その事柄を実際に持ち出せば良い一方。
        ある事柄がこの世界に『ない』事を証明する事は、この世界全てを確認した上で『ない』と結論付ける必要がある事から、
        現実的にはほぼ不可能である。これが、『悪魔の証明』の基礎理論となるものです。

        そして、実際の魔女のゲーム盤――屁理屈推理合戦においては、この基礎理論を応用し。
        『ある事象Xの有無について争う際、事象Xが『ある』と主張する者は、その存在について証明する責を負わない』。
        ……と、いう意味合いとして、『悪魔の証明』という単語を使う事があります」

森崎「成程な。……ん? でもそうしたら、『魔法や魔女が存在しない』って事も、決して否定できないんじゃ……?」

ベアト「くくくくくっ! そうだ。漸く分かったか? つまり魔法や魔女は存在するんだよォ!」

ワルギリア「ベアトは少し黙っていなさい。……それでは次に、魔女のゲームにおいて、
       『悪魔の証明』が、どういった風に活用されているのか。実例を踏まえて考えてみましょう」


124 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:18:58 ID:???
<第二講・『悪魔の証明』の使い方>

ワルギリア「さて。悪魔の証明とはつまり、『「ある」事の証明に比べて、
        「ない」事の証明は非常に困難である』という事でした。つまり……」

ベアト「はァァ〜い! 妾はー、魔法はァー、存在すると思いまァ〜す!
     何故ならァ、妾こそが魔法を使いこなす魔女だからで〜〜〜す☆」

ワルギリア「――と、ベアトが宣言すると、魔法を否定したい森崎くんは大変な事になります。
        何故なら、魔法は本当にこの世に存在しないと。そう言い切る事は困難だからです。
        南アフリカのどこかに、魔法を使える部族が居るかもしれません。
        1万2千年前に滅んだ古代民族は、魔法を使っていたのかもしれません。
        これから3千年後、魔法理論が確立し、人類も魔法が使えるようになるかもしれません。
        それを実際に確認して否定できない以上、森崎くんは『魔法は存在しない』事を立証する事はできません」

森崎「いや……でも、魔法なんて無いだろ、実際」

ベアト「何言ってるんだよぅ、森崎ィ! 魔法はあるんだってばァ!
    何ならそなたの目の前で魔法を見せてやろうか、ほらァ!」

パァァッ……フワッ。――パチンッ!

森崎「あいたっ」

そういうとベアトは金色の蝶を呼び出すと、
蝶々はやがて星のような形を取り、森崎の額めがけてぶつかった。
気付くと森崎の手元には数粒の金色の金平糖が落ちていた。

125 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:24:07 ID:???
ベアト「くっくくくっく……くひゃひゃひゃ! どうよ、これこそが魔法!
     『妾が金色の蝶を操り、森崎にぶつけてやったのだ』!
    どうよ森崎ィ、確かにそなたも見ただろう? あの金色の蝶を! 妾が魔法の証を!」

森崎「いや……こんなの『ベアトは金平糖を俺に投げつけただけ。
    金平糖が金色の蝶に見えたのは、CGか何かを使った機械的な演出』だろうが! 何が魔法だよ!」

ベアト「何かァ〜? CGか何かって何だ森崎ィ? 妾に具体的に説明してみろよォ。
     そんな小細工、そう簡単にできる訳が――って、しまった」

ワルギリア「全く、本当に余計な事を口走るのが好きなんだから。……でも、良い教材になりました。       
       さて。……『悪魔の証明』はこの時、人間側にとっても有利に働きます。
       ベアトは今しがた、森崎くんの仮説『ベアトは金平糖を俺に投げつけただけ。
       金平糖が金色の蝶に見えたのは、CGか何かを使った機械的な演出』に対して、
       『そんな小細工、この黄金郷で出来る訳が無い』……、そう言いかけました。
       ――ですが、本当に出来る訳が無いのでしょうか?
       謎の機関がCG発生装置を取り付けている可能性は? 新種の蝶が発見された可能性は?
       ――これもまた、人間が魔法の不存在を証明できないのと同様、魔女は証明する事はできないのです」

森崎「……成程、分かって来たぜ。今の話で言う『CGか何かを使った機械的な演出』ってのが、
    前のゲーム盤でもあった『謎の兵器X』とかなんだな」

ワルギリア「ええ。人間側が魔女の魔法を否定しきれないのと同じように。
        魔女もまた、人間のトリックに『人間にとって都合の良い非魔法要因X』の存在可能性を、
        否定する事が出来ないという事です。――まぁ、魔女には【赤き真実】があるんですけど」

森崎「人間も魔女も、『未知の可能性X』を提唱されたら、黙るしかねぇって事か……」

ワルギリア「そうですね。魔女が『魔法は存在する。存在の証明については拒否!』と言えるように。
        人間もまた、『魔法以外のトリックXは存在する。存在の証明については拒否!』とも言えるという訳です。
        そのため、魔女のゲームにおける人間の目的を正確に言うと、『魔法の否定』ではなく。
        『魔法以外で状況を説明できる、有力な仮説の提示』となるでしょうか」

126 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:26:05 ID:???
<第三講・『悪魔の証明』の注意点>

〜ある日のゲーム盤にて〜

ベアト「なぁ森崎森崎ィー。面白いゲーム盤を考えたから付き合ってくれよー」

森崎「フフ……良いぜ。今の俺は必勝法を身に着けたからな」

ベアト「ほう……威勢が良いな。ならばどうだ、【 サンタマリア は他殺された】【殺害現場は密室】
     この謎を解いてみろ森崎ィィィィイイッ!」

森崎「――これを食らえ!『犯人Xが何らかの方法Xで密室を突破し何らかの仕掛けXで中山を殺害。
    その後、何らかの方法Xで密室から脱出した』!
    犯人Xが誰か、何らかの方法Xとは何か、何らかの仕掛けXとは何かについては、
    悪魔の証明により説明不要! どうだ、カンペキな説明だろう!!」

ベアト「……………」

***

ワルギリア「――『悪魔の証明』の理屈で行けば、森崎くんはこうした青字を撃てることになります。
        しかし、……どう思いますか? コレ」

森崎「これじゃあ、『魔女が魔法で密室を突破し被害者を殺害。その後、魔法で脱出した』
    ……と、殆ど変わらねーな。でもいいんじゃね? 魔女には勝てるだろ」

ベアト「くっくっく。甘いのう森崎。こんなんでしたり顔をされても、妾はちっとも悔しくなんか無いわ。
    そもそも、妾の目的が何であったかを忘れた訳でもあるまい?」

森崎「魔女の目的ィ? それってつまり、一見不可能に見える犯罪を、魔法のせいだと主張する事で、
    魔法・ひいては魔女が実在する事を証明するって……あ、そうか」

127 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:28:02 ID:???
ワルギリア「そう。このゲームの本質はあくまで、『不可能犯罪を人間とトリックで説明すること』であり。
        魔女が示す『不可能性』を明確に否定しない事には、その仮説には意味が無い、という事です」

森崎「Xだらけの仮説は、さっきワルギリアが言ってた、『魔法以外で状況を説明できる、有力な仮説の提示』
    に当たらない。だから魔女もピンピンしてるって訳か……。
    『悪魔の証明』は便利だが、頼りすぎてもダメ……う〜ん。使い方が難しいな……」

ベアト「これは妾の意見だが。『悪魔の証明』とは、『ゲームの謎の核心とは外れた部分について、
    詳細を説明する事は不要である』と。そう考えて使うのが良いと思うぞ?」

ワルギリア「……ベアトもたまにはしっかりとした事を話しますね。
        ですが、あの子の説明は誤りでは無いと思います。
       ……そうですね。第1のゲーム盤を例に、具体的に補足しましょうか」

128 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:30:04 ID:???

『翼の死因は老衰死。体育用具室が何らかの理由Xにより封鎖された状態が数十年続き、翼は寿命を迎えた』

ワルギリア「……さて。これはベアトの考えた、第1のゲーム盤における真相です。
        さっそく証明不要な『何らかの理由X』という、悪魔の証明が用いられていますね」

森崎「これはつまり、ゲームの謎の核心は『翼の死因』だったから。
    翼が何故密室に閉じ込められたか。どのようなトリックで密室が出来たかは重要では無い、って事か?」

ベアト「『石崎が翼を閉じ込め外から鍵をかけた』『事故Xにより扉の前に岩盤が落ちて来た』
     ……理由など、幾らでもでっち上げられる。
     そして今回の謎において、密室が出来た理由はさして重要ではない。
     今回の核心は、『外部からの干渉を一切受けない密室において、翼は何故死亡したのか?』だったからな」

ワルギリア「そこで。今回のリザイン手は『翼は自然死であり、鍵をかけたのは翼自身。今回、ベアトリーチェはそれを利用したに過ぎない』
       でした。――ベアトはこのリザイン手について、足掻こうと思えばもっと足掻けた訳です。
       例えば、【ベアトリーチェは今回の事件に関係しない】とか【翼は自分では鍵をかけていない】とか。
       ……ですが、どうですか?
       もしもこれで魔女に、『死因については認める。では犯人を当ててみろ! 鍵がかかった理由を当ててみろ!』
       と、居直られた場合。――果たして、このゲームは面白いでしょうか?
       既に謎の核心は暴かれ。魔法以外での翼君の死亡について、有力な仮説が立てられたというのに」

ベアト「妾が断言する。くだらん。実にくだらんな」

森崎「そりゃあ、犯人当てつっても、それこそ当てずっぽうに『犯人は石崎!』『犯人は滝!』『犯人はロベルト!』
    『犯人は 見上選手(お前ら若造モード) !』……ってやり続けるしかないしな。まさしく不毛な言い当て合戦だ」

ワルギリア「……勿論、犯人当てが意味をなさないのは、今回のゲーム盤の謎の核心がそれでは無いからであり。
        死因についてはどうでもよく、限られた人物から犯人を特定する事が謎の核心であるゲーム盤であれば、
        それはそれで面白くはなるでしょう」

ベアト「要するに、悪魔の証明は、用法を守って正しく使いましょうって事だな!」

129 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:32:56 ID:???
<今回のまとめ>

ワルギリア「随分と長くなりましたが。今回説明した『悪魔の証明』についてまとめてみましょうか」


〜魔女のゲームにおける『悪魔の証明』まとめ〜

 1.特定の事象Xの存在の有無について、『ある』事を証明するのは容易だが、『ない』事を証明するのは困難

 2.故に、魔女/人間側は、『未知の魔法/トリックX』等が存在する事について、証明不要で主張しても良い

 3.人間側の目的は、『不可能犯罪を人間とトリックで説明する事』なので、全てを証明不要とする事はできない。
    『ゲームの謎の核心とは外れた部分について、詳細を説明する事は不要である』と考えるのが吉?


森崎「こうして見ると、随分簡単だな。こんな事に時間を割きすぎじゃないのか?」

ワルギリア「そうですね。確かに少々教えるのに難儀してしまったかもしれません。
        ですが、この辺りの理論はこのゲームを行う上で重要でして……。
        単なる用語解説にとどまらず、その考え方についても丁寧に書く必要があると考えました」

ベアト「その結果より分かりづらくなってしまっては、目も当てられないがなァ!
     ……ま、大丈夫だろう。お師匠様の教えだし、何より結局は習うより慣れよだしな。妾も腕が鳴るぜェ?」

森崎「何だと〜!? 俺も負けてられないぞ!」

ベアト「くっくくく! 相変わらず吠える声だけはデカい男よ! ならばさっそく、次のゲーム盤で勝負だ!」

ワルギリア「――と、言ったところで。長くなりましたが第一回のTIPSはここまでです。
       ……次回は、もう少し短く、分かりやすくなると思います。ええ、そうしますとも」

                                                    〜TIPS@ 了〜

130 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/08(日) 14:00:59 ID:???
こんにちは、他にGMをやりたい方が居なければ、
早速ではありますが、私の第二のゲーム盤を投下したいと思っています。
予定としては、本日〜明日よりNPCパート投下を始め、
明日の1月9日の夜21時〜22時頃から、第一の晩を始めるつもりです。

もしもその時間にゲームに参加して下さる方がおりましたら、
本日中にその旨書き込みして頂ければ幸いです。
(1名以上書き込みがあれば、予定通り始めます。勿論当日の飛び込み参加も可です。)

131 :森崎名無しさん:2017/01/08(日) 20:06:50 ID:???
>『犯人は 見上選手(お前ら若造モード) !』
凄い、これ初めて見た……あ、ゲーム参加させて頂きます

132 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:13:57 ID:???
>>131
これは乱心の魔術師ミカミ卿の登場フラグですね…
ゲーム参加の表明、ありがとうございます。

結構分量があるゆえ、一気に投下しても読みづらいと思うので、
次レスから時間を空けて少しずつ投下していこうと思います。

133 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:17:06 ID:???


     屁理屈推理合戦withキャプ森『もりさきのふっとぶ頃に』
        Episode 2  Resurrection of the golden witch 〜黄金の魔女の復活〜




おはようございます。

黄金の魔女はあなた方の声にお応えし、新たなゲーム盤を用意されました。
どうぞお相手をよろしくお願いいたします。

魔女はあなた方が楽しめるよう、様々な趣向を考えておいでです。
趣向よりも、血沸き肉踊る鍔迫り合いを望まれる熱心な方々のご期待には、
恐れながら応えられぬかもしれませんが。

難易度は基礎。
このゲームの仕組みを理解した者にとっては、容易い問題でございます。


134 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:19:47 ID:???
〜東邦学園宿舎・反町の私室〜


反町「畜生……日向の奴め。あいつのせいで俺のサッカー人生お先真っ暗だ……!」

全国中学サッカー大会決勝戦、その前夜。
反町一樹は誰もいない自分の部屋で、言いたかったが言えなかった事を壁にぶちまけていた。

反町「日向だけじゃない! 日向のお引きの若島津に、そいつらを煽って殺人サッカーを促す吉良監督!
    タケシはまだ良いとしても、あの3人が居るせいで……!」

その理由は勿論、日向、若島津、吉良という、これまでの反町の人生を全否定するような、
現在の東邦学園サッカー部を牛耳る連中のせいである。

反町「尊敬していた北詰監督は、胃潰瘍が悪化し危篤。
    仲の良かった友達からは、日向との癒着をでっち上げられ苛められる。
    これも全部、全部、あいつらのせいなんだ……!!」

これまで優等生として、概ね順風満帆なサッカー人生を歩んで来たが故に、
反町は日向達アウトローの存在を認められない、認めたくないという幼い気持ちもあった。
しかしそれ以上に、日向達はまだ中学3年生の少年の心を黒く蝕みすぎた。

反町「そうだ。アイツらだ。アイツラを殺せば。コロセサエスレバ……!」

――反町はいつしか、日向達の死を強く望むようになっていた。
事故に遭ってくれないか、突然病気になってくれないか、こうなったらいっそ自分がナイフで……!
いや、ナイフは足がつく。ならば、何処にいても殺せるような魔法を使って……!!

135 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:21:31 ID:???

反町「――はぁ。一体俺は何を考えているんだ……!」

しかし同時に、反町は聡明な少年であった。黒い妄想を抱きこそすれど、決して実行には移さない。
それどころか、こうした妄想が何も生まないという事すらも知っていた。

反町「喉が渇いた。自動販売機で、 ドリンクバー でも買って来ようかな……」

だから彼は、気分転換を兼ねて自室を離れようとした。
外の空気を吸えば、自然と建設的な考えも浮かぶ――そう思っていた時だった。

ヒラリ……。

反町「(ん……金色の……蝶?)」

――反町の私室の窓枠に、黄金の蝶が一羽、舞うのが見えた。
何かの見間違いか。そう思って目を凝らすと、それはゆっくりと人の姿を象り……。

ベアトリーチェ「くっくくく……少年よ。一つ妾と取引をしないか?」

反町「何だって……?」

やがて、蝶は美しい金髪の女性の姿を取った。
その姿は亡霊のように朧げであったが、気品に溢れており、反町は自然と姿勢を正してしまう。
亡霊は続けてこう言った。

ベアトリーチェ「妾は無限の魔女。妾はそなたにこの魔力を貸し与える。
          そしてそなたは魔力を使って、妾の代わりに殺人を犯すのだ」

136 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:24:27 ID:???

反町「な、何だって……!」

ベアトリーチェ「何、心配は要らない。妾の魔法は完璧だ。
          警察に足が付く事を恐れているならば、それも心配ない。
          魔法による完全犯罪など、赤子の手を捻るより容易い事よ」

その提案は衝撃的だった。それは反町がつい先程妄想していた事を、
眼前の魔女は現実に可能であると断じてみせたのだから。
しかし、反町の疑念はまだ拭えない。それを悟ったベアトリーチェは、先回りするように説明を重ねる。

ベアトリーチェ「……まだ妾の存在が信じがたいとみる。まあ、それも仕方ない。
          人間とは元来、抗魔力が高い生き物故、妾の姿など目視できぬ者が多いのよ。
          ――そんな中で、そなたが妾を視認できたのはまさしく僥倖。
          元より異世界との親和性が高いが故、妾の魔力を敏感に察知できたのではないか?」

反町「いや、異世界なんて行った覚え、ないんですが……」

ベアトリーチェ「くくくくっ、その辺りは妾の推測だ! 気にせずとも良い。
         それより肝心なのは、これはそなたの妄想でも何でも無い。
         そなたには魔術師としての適性がある。先程の話は、それを見込んでの取引だという事よ!」

反町「取引……?」

ここまで話を聞いて、反町は自然と、この幻想的な出来事が事実ではないかと薄っすら思い始めていた。
気付けば彼は、ベアトリーチェの美しく凛とした声に聞き入ってしまっていた。

ベアトリーチェ「うむ。本来妾は無限の魔女故、殺人など幾らでも犯す事が出来るのだが。
         しかし先般、とある事情から魔力の多くを失ってしまってな。
         このように、完全なるニンゲンの形をとる事が出来なくなったのだ。
         これでは、妾が単独で殺人を犯す事はできぬ。誰かの力を借りるしかない」

137 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:26:15 ID:???

――ここでベアトリーチェは「とある事情」とぼかしたが、
これは数か月前、森崎に魔女のゲームを提示するも、敗れた事が原因である。
彼女の創り上げた魔女幻想が、人間とトリックにより説明されたことにより、
ベアトリーチェはその存在意義を失って雲散霧消していた。
それを辛うじて現世に繋ぎ止めたのが、今の亡霊のような姿であるため、
正直に暴露すれば、彼女は今追い詰められた状況下にあったのだが――そこは敢えて語らない。

ベアトリーチェ「妾が完全な力を取り戻すには、幻想により、魔女が実在すると多くのニンゲンに認められる必要がある。
         しかし今の状態では、妾のみの力では困難だ。
         ……故に反町。そなたが妾の代わりに、魔女幻想を起こして欲しいのだ。
         これが妾の願い。そしてそなたへの対価は、無限の魔法の使用権となる。
         ……どうだ? 聡明なそなたならば、この取引が不公平な物では無い事が分かったろう?」

反町「魔女は魔法で自分の存在を証明したい。俺はその依り代となる代わりに、
    俺が望む事を魔法で叶えさせてやる。……そう言いたいのか」

ベアトリーチェ「その通り! どうだ、妾と契約して魔法少年、いや魔術師となってくれぬか?」

どこかのアニメに出て来たマスコットキャラクターのような語り口で、ベアトリーチェは反町を誘惑する。

反町「……」

ベアトリーチェ「ま〜だ悩んでおるのか! 良いか、もしもそなたがニンゲンの下らぬ良心の呵責に囚われてるなら、
         それは全く心配せずとも良い! 何故なら妾の無限の魔法はニンゲンの理の先にあるもの。
         そうした悩み、そなたが魔法を覚えれば全てどうでも良くなろう!」

反町「……………」

反町は当初、その良心から魔女の誘いを断ろうと考えていた。
幾ら日向達が憎いと言っても、人は人を殺すべきではない。
……しかしその一方で、ベアトリーチェの提案に魅力を感じている自分が居る事に気付く。

138 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:28:13 ID:???
反町「(考えてみれば、日向だけじゃない。俺は今まで……誰にも言いたい事を言えない人生を歩んで来た。
    物心ついた頃から、サッカーの英才教育を受け、練習後は夜遅くまで塾通い。
    両親や、チームの監督や、塾や学校の先生。その期待に応えたいと思っていた。
    だから、辛くても辛いと言えなかった。地道に努力を重ねるしかないと思っていた。
    ――だけど。そもそもどうして俺だけがこんな目に遭わなくちゃいけないんだ?)」

ベアトリーチェ「そうだ反町ィ。憎い奴らを殺すのは単なるきっかけだと考えよ!
          これはいわば試練なのだぞ。そなたが下らん大人の価値観を脱ぎ捨て、
          言いたい事を言える、立派な一人格となる為のな!

          完全犯罪の魔法は五万とある。後はその魔法を解き放つか否か!
          さあどうする? このまま魔法を否定し、大人や暴君に言いなりの人生を歩むか?
          それとも魔法でそいつらを殺し、自分らしく言いたい事を言える人生を歩むか??
          この絶好のチャンスをみすみす逃すのかソリマチィィィィィィイイィィッ!?」

反町「(そうだ。魔女の言う通りだ。このまま大人しくしていても、食い殺されるだけだ。
    やられる前に、やらなきゃダメなんだ。俺が……俺が、日向達暴君どもに、鉄槌を下すんだ!
    そして、俺は全てから解放されるんだ!!)」

ベアトリーチェの狂気に触れ、反町の心に生じたどす黒い感情はますます高まる。
その感情は毒のように、真面目で聡明な少年の心を蝕んでいき――。


反町「……分かった。取引に応じよう。無限の魔女、ベアトリーチェ」

139 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:29:58 ID:???

ベアトリーチェ「くくくく……! 宜しい。それではそなたに、無限の魔法を授けようぞ!」

ゴオオッ……!!

魔女と人間との取引は成立した。その瞬間周囲に凄まじい量の魔力が迸った。
如何に力の大半を失っているとはいえ、無限の魔女が保有する魔力は規格外。
常人ならばその洪水を受ければ、たちまちに絶命してしまうだろうが――。

パァァァァッ……!

ソリマチ・ベアトリウス・ユグドラシル卿(以下長いのでソリマチ卿)
「……くっくっく。くわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーはっはっは!
 なんだ、これは。これが俺だというのか……! 全身を駆け巡る無限の魔力!
 全身の血液がヘロインになったみたいに、爽やかで、満ち足りたっ!」

――魔女と契約を結んだ魔術師となれば、話は別であろう。
黄金の気を纏った魔術師にとっては、その毒こそが生命の源。
よって、ベアトリーチェの魔力を体内に宿した彼はもはや、
人間としての生命から完璧に逸脱した存在と進化していた。

ベアトリーチェ「うむ……妾の見立て通り。そなたには魔術師としての適性があったようだ。
         では殺せソリマチィ! 今こそそなたの積年の恨み、果たすべき時ぞ!」

ソリマチ卿「ふーはっはっはは! 分かっておるわ、ベアトリーチェ卿!」

魔力譲渡を終え、人の姿すら喪い金色の蝶と化したベアトリーチェに対し、
ソリマチ卿はこれまでの理性あふれる少年の仮面を脱ぎ捨て、傲然とした口調で応じた。

140 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:33:15 ID:???
…と、言ったところで一旦ここまでです。今回の森崎の敵は、毒の魔術師ソリマチ卿になります。
次回は肝心の殺人シーンの幻想描写(魔女(魔術師)が自らの主観で現実を歪めたシーン描写)を更新します。

141 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 00:39:43 ID:???
乙でした
また反町が人間を止めてしまったか……

142 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 09:59:58 ID:???
魔力が53ぐらいありそう(魔王並感)

143 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 10:51:28 ID:???
続きを投下します。
>>141
乙ありがとうございます。某スレの影響もあってか、反町君をよく弄ってしまいます(爆)
>>142
シュート力は67あります。

144 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 10:54:24 ID:???

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

【毒の魔術師の殺人、そして蘇生】


ソリマチ卿「まずは召喚魔法を行う。日向、若島津、吉良! この3名を俺の部屋に転送する!!」

そして彼はまず、数ある魔法体系の中でも基礎である召喚魔法を詠唱した。
すると今や彼専用の魔術工房となった反町の私室に異空間が現れ、
そこから宣言通り日向、若島津、吉良の3名が召喚される。

日向「な、何だ……? 俺は今、東京のヒューガー本社で会議中だった筈だが……?」

若島津「――飛騨の山奥で修行をしていた筈だったが。何故反町。貴様がここに居る……!?」

吉良「ウイ〜ヒック。んあ? ワシは埼玉の居酒屋で飲んどった筈じゃが。記憶が飛んだか?」

ソリマチ卿「くっくくく……! 愚かな暴君どもめ。俺は今から、貴様らを処刑する」

日向「ホウ……? 良く分からんが反町の奴、随分と調子に乗ってるみたいだな。
    もしかして貴様、俺のタイガーショットを受ける側に回りたいというのか……?」

ソリマチ卿「ハン! 吠えていろ、駄猫が。 ……ハァァァッ!」

パァァッ……ゴオオオッ! ……ブチンッ!

日向「ぐ、ぐわぁぁぁっ……!!」

第一の処刑は、この状況下を理解せず偉大なるソリマチ卿に楯突く愚かな日向小次郎。
毒の魔術師は魔力による大槌を練ると、次の句も告げぬ間に潰され肉塊と化す。

145 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 10:56:28 ID:???
若島津「貴様……よくも日向さんを……!」

ソリマチ卿「若島津よ……今すぐ俺の軍門に下るというならば、命を見逃してやらん事もないぞ?
       力を信望する貴様の事だ、今ので俺と日向、どっちに付く方が得か分かったと思うが」

若島津「ふざけるな……! 自分で強くなる努力を忘れ、下らぬ外法の力に溺れる貴様などの下に誰が付くか!
     俺を従いたいのなら、まずはこの俺を倒し――ぐふっ!」

パァァッ……グシャァァッ!

ソリマチ卿「私のシュート力は67です」

第二の処刑は、力を求める癖して偉ぶり身の程を弁えぬ若島津健。
まずは自分を倒してみせろ、と意気込む割には、ただのシュートを食らっただけで絶命する。

吉良「ひ、ヒイイイ……! ワシは、ワシは被害者なんじゃ。
    日向にそそのかされ、無理矢理東邦学園に連れてこられたんじゃぁ……」

ソリマチ卿「日頃は威張っていながら、窮地に立つと被害者面か。日向や若島津以上に見苦しいぞ」

吉良「な、何が目的じゃ!? か、金ならある! それとも女か!? ひ、ひいいいいっ!?」

ソリマチ卿「死ね」

パァァッ……ブンッ、グシャアアアアアアアアアッ!!

第三の処刑は、殺人思想をばら撒く割には自らの保身には必死の腐った大人、吉良耕三。
ソリマチ卿は天空からグングニールの槍を召喚して、その身体を一突き。それだけであっけなく動かなくなった。

146 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 10:58:26 ID:???

ベアトリーチェ「く……くっくくく! お見事、お見事! 中々やるでは無いか!
         一時譲渡なのが勿体無い、そなたなら修行を積めば、さぞ立派な魔術師に――」

その凄惨なる処刑光景に、ベアトリーチェは若干気圧されながらも、しかし上機嫌にソリマチ卿の魔法に賛辞を贈る。
当初の予定以上にソリマチ卿は優れた魔術師であったが、ともかく、これでベアトリーチェの目的は半分果たされた。

ベアトリーチェ「さてさて。後は妾が適当に密室結界でも張っておく。
         だからその魔力を一旦妾に返すが良い。良い塩梅の不可能犯罪に仕立て上げてや……」

ソリマチ卿「――だが断る」

ベアトリーチェ「ん、んなっ!?」

――しかし、ベアトリーチェは同時に誤算していた。ソリマチ卿の魔法適正の高さを。
彼はもはや、ベアトリーチェの駒を逸脱し、一個の魔術師として覚醒を果たしていた。

ソリマチ卿「俺が今アイツらを殺した魔法は貴様の力による物では無い。
       全て、この俺の血に生まれながら宿っていた毒の魔法。それが目覚めたのだよ。
       くっくくくく……! ああ、スゲー力だぜ魔法ってのは。
       どうして今までこの力に気付いていながら使わなかったのかなァ!!
       食らえよ、毒属性レベル67魔法、『トクシックインパクト』ォ!」

グンッ、ドガァァッ!

ベアトリーチェ「ぐうううううっ!?」

強烈な毒属性の魔法を受け、ベアトリーチェは数メートル先まで吹き飛ばされる。
普段ならば生来の高い抗魔力でレジスト出来た筈の攻撃に耐えられぬ程、今の彼女の力は減衰していた。

147 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 11:03:10 ID:???

ソリマチ卿「……そうだ。この魔力があるんだったら、日向共を何度でも殺せるんだったなァ。
       だったら、あんなショボい殺し方をしてオシマイ、じゃ勿体ねぇ。
       とりあえず、アイツらも生き返られせてやるかァ」

ベアトリーチェ「な、何をやっている! 反魂の魔法はそれ相応の対価が――」

ソリマチ卿「関係ねーよ、ババア!」

ベアトリーチェ「ばッ……。わ、妾はまだ19だ! ぴちぴちの乙女であるぞっ!?」

パァァッ……フワァァッ!

日向・若島津・吉良「「「い、今のは一体……」」」

ソリマチ卿「貴様等とは明日も遊ぶからな。今の内に準備しておけ」

フワァァァッ……

ベアトリーチェ「む、むううっ……! あやつ、何の気も無しに反魂の魔法を成功させおって……!
          こうも容易く魔法を使われては、妾の立つ瀬が無いではないか……!」

そして、思わぬ罵詈雑言にベアトリーチェがたじろぐ間にもソリマチ卿は魔法を使い、
日向達を蘇生させ、彼らが元居た場所にそれぞれ転送させる。
無限の魔女にとって反魂術は簡単であったが、それでもある程度の魔力を消耗する。
それを片手間でやってのける行為は、彼の魔力の青天井さを証しており。
――かつての無限の魔女・ベアトリーチェのそれを圧倒的に上回っていた。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

148 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 11:05:09 ID:???
反町が無双した所で一旦ここまでです。続きは本日の夜21時くらいから始めます。
幻想描写の要点や実際の赤字についてはゲーム開始直前に提示します。

149 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 17:20:49 ID:???
毒々しいソリマチ郷を崇めるのだ乙

150 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 17:34:13 ID:???
キバヤシ「ノストラダムスの予言書によると、反町の子孫がシスの暗黒卿ダース・ソリマチアス卿になるんだよ!」
研究員「な、なんだってーっ!」
キバヤシ「時代を越えて爆誕したのか、ダース・ソリマチアス卿!」

151 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 19:27:07 ID:???
我らが毒々しいソリマチ卿を崇めるのだ乙

152 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 19:32:04 ID:???
乙です……
すみませんソリマチ卿信徒のサバトはこちらでよろしいでしょうか?

153 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 21:01:17 ID:MGYyPwiA
こんばんは。ゲームを始めていきます。
ですがその前置きの文章が長くなってしまいましたので、暫く文章を投下しています(汗)
出題文とかはまたまとめて出すので、文章に興味ない方はもう暫しお待ちください。
>>149
乙ありがとうございます。ソリマチ卿人気が凄いですね…w
>>150
ダース・ソリマチアス卿「コーホー」(←言いたい事が言えてない)
>>151
乙ありがとうございます。
強キャラっぽいですがゲーム盤の難度自体は低めなので、
「ソリマチ卿って案外大したことなくね?」ってならないか心配です(爆)
>>152
乙ありがとうございます。
キャプ森キャラが魔女(魔術師)になるのが面白いかな?と思いソリマチ卿を出しましたが、
まさかここまで信徒が出来るとは思いませんでしたw

154 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 21:03:34 ID:MGYyPwiA

ソリマチ卿「……俺はもう、誰にも縛られない。ベアトリーチェ、貴様にもな!
       そして俺は――この魔力で、新世界の神。いや、魔王となるのだ!
       全ての記憶、全ての存在、全ての次元が言いたい事を言えるユートピアを作りあげるのだ!       
       くくくくく! くわーーーーーーーーーーーーっひゃっひゃっひゃっひゃ!!」

ベアトリーチェ「おのれ、ソリマチ卿……!」

自身の無限の魔法に加え、生来の毒の魔法にも覚醒してしまった今のソリマチ卿には敵わない。
そう悟ったベアトリーチェは、惨めにも金色の蝶の姿のまま、逃げ延びるしかなかった。

ベアトリーチェ「だが……ソリマチ卿の思想は危険だ。誰もが言いたい事を言える世の中だと?
         そんな世の中が実現すれば、魔女やゲームどころではない。社会秩序の崩壊だ! 野放しにしてはおけぬ!」

しかし、全人類が言いたい事を言える世界を魔法で作り出そうとしているソリマチ卿は、
この世界の秩序を乱すのみならず、人類滅亡すら招き得る恐れがある。
故にベアトリーチェは――。

ベアトリーチェ「こうなれば……仕方あるまい。この妾をも倒した『奴』の力を借りるしか……!」

その高いプライドを捨ててまで、ある『ウィッチハンター』に助けを求める事を決意した。

155 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 21:05:01 ID:MGYyPwiA
〜南葛中・宿舎〜

森崎「ぐが〜、すぴぴ〜」

……ここは東邦学園の宿舎からそう離れた場所ではない、南葛中の宿舎。
日向との決戦を控え、最後の特訓を積んだ森崎は僅かながらの休息を取っていた。

ベアトリーチェ「……森崎。森崎よ! 妾の声に応じよ!!」

森崎「ぐが〜、ん。そのイラつく声は……いや、流石に夢か……」

故に、人としての姿も保てぬ状態で、如何にベアトリーチェが呼びかけようとも、森崎は一向に起きる気配がない。

ベアトリーチェ「ええい、この非常時に……! ならば仕方ない、魔法を使うか……」

元はと言えば自分の誤算により引き起こされた異変であるが、傲慢なる魔女はそうした細かい事は気にしない。
ベアトリーチェは森崎を起こす為、なけなしの魔力でごく小さな魔法を使った。

――ジリリリリ! ジリリリリ!

目覚まし時計に黄金の鱗粉を振りまくと、時計の針が早回しのように進んでいき
――そして、目覚まし時計のベルを鳴らす。
時そのものを加速させる事はできずとも、手を触れずに時計の針を進める程度は造作もない。

森崎「うわっ! やべっ、寝坊した!」

ベアトリーチェ「ようやく起きたか、この寝ぼすけが」

森崎「……姿は見えぬが声は聞こえるぞ。その声は……テメエ。ベアトリーチェだな」

ベアトリーチェ「ほう! 良く覚えていたなぁ森崎。くひひひひ!! そうだよ妾だよ妾ァ。
         可愛い黄金の魔女サマが、お前を起こしに来てやったんだよぉホラホラ喜べよォ!」

156 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 21:06:39 ID:MGYyPwiA

先の戦いで大きな痛手を負ったベアトリーチェだったが、
同時にあの戦い以来森崎の実力を認め、一方的なライバル心を抱くようになっており。
今日の晩も、ソリマチ卿ではなく自分が出題者として、森崎にリベンジを果たしたいと思っていた。
そうした彼女の内心もあり、ベアトリーチェは嬉しそうに森崎を煽るが。

森崎「……クソッタレ。まだ死んでなかったのかよ。
   誰が喜ぶか、幻想になったとはいえ、翼を嬉々として殺したようなヤツをよ」

森崎としては、ベアトリーチェは翼を殺そうとした、単なる残酷な魔女にしか過ぎない。
無論彼女が先のゲームの終盤で見せた粘り強さや執念はある程度評価していたが、
それはあくまで敵としての視点であり、こうして馴れ合う為のものではない。

ベアトリーチェ「あ、あんときの事は悪かったよォ。
         でも、ちょっと派手にやった方が魔女を信じてくれるかなーって思ったんだもん。
         ポケットから鉛筆が無くなったとか、目覚まし時計が勝手に鳴ったとか。
         そんな手品みたいな魔法を持ち出しても、信じてくんないだろぉ?」

森崎「……『鉛筆が無くなるのはポケットに穴が空いていたから』だし、
    『目覚まし時計が勝手に鳴るのは、単に俺の設定ミス』だからな。
    ――だが、そういう事を言っているんじゃない。
    俺が言いたいのは。魔女のお前にとっては人の生死はゲームかもしれないが。
    人間の俺達にとっては、その生死が一番大事だって事なんだよ」

ベアトリーチェ「む、むぅ……ニンゲン達の価値観位、妾も分かっておる。だが……」

魔女のベアトリーチェと人間の森崎では、根本的に視点がズレていた。
無限の魔女にとっては、人の生死はチェスの駒と同じで、ゲームが終われば何度でも蘇る。
しかし、魔法の使えぬ人間にとっては、一度きりの人生をただのゲームと切り捨てられる訳がない。
故に、二人の口論は平行線。
ゲームを楽しみ、魔法を認めて貰う事が最優先で、人の生死など二の次と平気で話すベアトリーチェと、
野望を求めて毎日を一生懸命に生きている森崎が交じり合う可能性は無かった。

157 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 21:08:07 ID:MGYyPwiA
ベアトリーチェ「……妾は、そなたとは良きライバルになれると思ったのだがなァ」

森崎「何がライバルだ。ライバルになりたかったらサッカーでも始めやがれ」

――しかし、今はそうした口論をしている場合ではない。決然と、ベアトリーチェは本題を切り出す。

ベアトリーチェ「――だが。今は少なくともそなたに共闘を頼みたいのだ!
          ……凶悪なる毒の魔術師が生まれてしまった。奴はゲームを望んでおらぬ。
         奴の狙いは世界の秩序の崩壊。そうなれば、魔女も人間も、生きる場所が無くなる!」

森崎「へぇ。そりゃいいや。そいつのお蔭で、てめえみたいなゲーム脳で頭薔薇庭園の魔女が消えるんだったら、
    その魔術師さんの方を応援してやるぜ。てか第一、信じられるかそんな与太話」

ベアトリーチェ「与太話などでは無い! 現に脅威はすぐそこにまで迫って来ておる!」

とはいえ、敵視され一切信頼されていないベアトリーチェの発言に、森崎は耳を貸そうとしない。
これも魔女の新たな策略かもしれないのだ。一度彼女の甘言に乗せられている森崎は慎重だった。
しかし、丁度その時だった。

ドオオオンッ!

森崎「な、なんだよ次は……!?」

ベアトリーチェ「……魔術師だ。ヤツが来たのだ!」

南葛中の宿舎を揺るがす地響きとともに、森崎の部屋に大きな穴が空いた。
その穴の先には――ベアトリーチェの言う通り、凶悪な表情をした毒の魔術師が、
かつての無限の魔女がそうであったように、夜の世界の王者として君臨していた。

158 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 21:09:29 ID:MGYyPwiA
ソリマチ卿「ほう……そんな所に逃げ隠れていたのか、ベアトリーチェ。惨めだな」

ベアトリーチェ「貴様……ソリマチ卿! 妾を追って来たのか!?」

ソリマチ卿「当たり前だ。貴様が再び力を取り戻した際、
       俺様の『言いたい事を言い放題ユートピア』の障害となるかもしれんからな。
       危険因子は、芽のうちに摘んでおかねばなるまい」

ゴオオッ……!

ソリマチ卿はそう言うと邪悪な笑みを浮かべながら、空中に毒々しい色の球体を編み出す。

ソリマチ卿「毒魔法レベル59。『ポイゾナスドライブ』だ。この魔法を受ければ、
       半径10キロメートル内は死の毒に満ち溢れるだろう……!
       くっくっく。たまんねえぜ!! 貴様らは青酸カリのように甘ァいアーモンド臭に溢れて死ぬんだ!」

森崎「いやいや……! そんな魔法を使われたら俺が死ぬだろう!
    ベアトリーチェ、お前が撒いた芽だろう、何とかしろよ!」

ベアトリーチェ「それが出来るなら、もうやっておるわ! 増長した魔術師を倒すのは、森崎。
          この妾をも制してみせたウィッチハンターたる、そなたにか出来ぬのだぞ!」

森崎「倒すったって、どうすれば良いんだよ。俺にかめはめ波でも打て、ってか?」

ベアトリーチェ「違う! ……そもそも、あやつの魔術師幻想を繋ぎとめているのは、
          不可能状況での殺人によるもの。その真相を人間とトリックで説明すれば、
          遡ってあやつの魔力は立ち消える! 要は、妾の時と同じという事よ!」

ソリマチ卿「ホウ……? 貴様、この俺様相手に『魔女のゲーム』で勝負するというのか?」


159 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 21:11:12 ID:MGYyPwiA

ベアトリーチェの発言に、ソリマチ卿は何らかの興味を示したらしい。
彼は毒の魔法を一旦中止して、森崎の下へと降り立った。

森崎「――知らねえけど、どうせやるしかないんだろ。やらないと俺はこの宿舎を破壊し尽すとか、言っちゃうんだろ?」

ソリマチ卿「成程。どうやらあの小五月蠅い蠅から聞いているようだな。
        俺の魔力の源泉を。それを止めるというのか……くくくくっ! 愚かな!」

そして、かつての森崎とベアトリーチェとの対峙と同じように、
二人の間を隔てるように一台のチェス盤が置かれる。
局面は序盤にも関わらず黒番の不利。盤面中央に白のクイーンが鎮座している一方、
黒はルーク、ビショップ、ナイトの駒が既に1枚ずつ脱落していた。

ソリマチ卿「見るが良い。この俺様が構築した、圧倒的な赤き真実を。
       そして屈服するが良い。ベアトリーチェをも超えた、俺様による完全不可能犯罪の前にな!!」

ベアトリーチェ「……期せずとも勝負が始まったか。森崎!
         そなたが何と言おうとも、このゲーム、妾がそなたのサポートとして補佐をさせて貰おう。
         そして必ず勝つのだ! さもないと魔女幻想やゲームどころでは無い!
         ソリマチ卿の魔力により、この世界は破滅してしまうぞっ!!」

森崎「世界がどうとかは知らねえが。俺はまだ死ねねえんだよ。ベアトッ!
    この戦いが終わったら、俺が説教たんまりかましてやるから、覚悟しとけよ!」

――かくして、些か不格好ではあるが。
世界の崩壊を賭けた、魔女と人間による奇妙な共同戦線がここに張られたのだった。

160 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 21:14:48 ID:MGYyPwiA
Episode 2   Resurrection of the golden witch 〜黄金の魔女の復活〜 第一の晩 開始

−魔術師の出題(幻想描写は>>144-147)−
【日向小次郎、若島津健、吉良耕三は、反町一樹により殺害された】。
しかし、【反町一樹の殺害の直前、日向小次郎は東京、若島津健は岐阜、吉良耕三は埼玉に居た】が、
【反町一樹は、殺害時、東邦学園の宿舎の自室から一歩も動いていない】。
加えて、特記事項として【日向小次郎、若島津健、吉良耕三の3人は、反町一樹の殺害の翌日、生存していた】。

魔術師側はこれを、「魔術師が3人を魔法で自室に召喚・殺害し、その後反魂の魔法で3人を蘇生した」と主張する。
人間側は、「魔術師の魔法」以外の方法により、今回の状況を再現できる仮説を提示し(仮説は、【赤き真実】に抵触しないこと)、
以て魔術師の主張を否定する必要がある。

−ルールまとめ−
・人間側(=参加者)は、魔女(=GM)に対し、「復唱要求(=事実の確認)」および、
 『青き真実(=魔法を否定するための仮説)』を放つ事ができます。
 
 (復唱要求ならば、要求したい内容を「」に入れて書き込みを。
  青き真実ならば、事件の一連を示した内容を『』に入れて書き込みをしてください。)

・魔女は、参加者の「復唱要求」に対し、【赤き真実(=絶対的な事実)】にて復唱することができます。
 ただし、魔女は「復唱要求」に応ずる義務はなく、応じない理由を示す義務もありません。

・魔女は、参加者の『青き真実』に対し、【赤き真実】にて否定する義務があります。
 否定の方法は魔女の裁量に委ねられますが、ここで『青き真実』を否定できない場合は、魔女の敗北となります。

・人間側は、魔女の【赤き真実】に対し、打ち出せる『青き真実』が出なくなった場合、
 リザイン(=投了)を表明することにより、敗北となります。
  ※実際にこうなりそうな場合は、GM側にて正解の進行を描写しようと思います。

・(新ルール)どうしても謎が解けない場合、助言役(ベアトリーチェ)にヒントを貰う事ができます。
 ヒントが欲しい場合は、「ベアトにヒントを聞く」と書き込みして下さい。ヒントを書いていきます。
 (ヒントが要る方と要らない方に別れた場合、ヒントが要らない方は申し訳ないですがスルーして下さい。) 

161 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 21:16:04 ID:MGYyPwiA
−これまでの赤字−※これまでに出ていた内容と、誤解が無いよう書き方を変える場合があります。

【日向小次郎、若島津健、吉良耕三は、反町一樹により殺害された】
【反町一樹の殺害の直前、日向小次郎は東京、若島津健は岐阜、吉良耕三は埼玉に居た】
【反町一樹は、殺害時、東邦学園の宿舎の自室から一歩も動いていない】
【日向小次郎、若島津健、吉良耕三の3人は、反町一樹の殺害の翌日、生存していた】

162 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 21:17:57 ID:MGYyPwiA
森崎「――よし。まずは復唱要求でも……って、何だァこの赤字は!?
   遠隔殺人にしても三人の距離が離れすぎてるし、第一、殺害されても生きてるって、矛盾してるじゃねーか!!」

ソリマチ卿「くひゃひゃひゃ! それは勿論、この俺が魔法で3人を召喚・殺害し。
       その後更なる拷問の為に魔法で蘇生させたに決まっておろう!! 全く矛盾しておらぬ!
       逆に聞くが、人間の転送! もしくは遠隔殺害! 極め付けに蘇生! これを人間とトリックでどう説明するのだ!?」

問題を提示しその不可能性を強調する事で悦に浸るソリマチ卿。
実際、悩みながらも、何らかの仮説は出せていた前回のゲーム盤と違い、
非常に強固な赤字で固められたソリマチ卿のゲーム盤を見て、森崎は戦慄していた。

ベアトリーチェ「慌てるな、森崎!」

――それを一喝し、冷静さを取り戻してくれたのはベアトリーチェだった。
彼女は平静なまま、今回のゲーム盤について解説を加えてくれた。

ベアトリーチェ「まずは、核心となるべき謎の整理だ。問題文から読み取れる謎は大きく分けて2つ。

その1、「それぞれ離れた場所に居た日向、若島津、吉良を、反町は東邦学園の自室でどのように殺害したのか」

その2、「一度殺害した筈の日向、若島津、吉良は、何故殺害の翌日に生存しているのか」。

        これを人間とトリックで解き明かす事が、妾達の目的となろう」

163 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 21:20:10 ID:MGYyPwiA

森崎「その位は分かってるっての。でも、あまりに謎過ぎるだろ!
   前回の翼の密室殺人だったら、まだとっかかりはあったけどよぉ。何も思いつかねえぜ!」

ベアトリーチェ「そうか? 魔女として、様々なゲーム盤を作り、覗いて来た妾からすれば。
        このゲーム盤の心臓はあまりに陳腐で単純と読めるぞ?」

森崎「そうなのか? でもだって、赤が強すぎるぜ。まるでチェス盤の中央でデカイ面してるクイーンみたいだ。
   あいつが居るせいで、どこの駒も進ませようが無いっつーか……」

ベアトリーチェ「だからこそ、よ。ソリマチ卿……きゃつが放った赤き真実は強力だが、強すぎる。
          アーリー・クイーン・ムーブ。――強力なクイーンを先出しする戦法は、
          無能な者を完膚なきまでに叩きのめすという意味では強力だが、欠点も多い。
          強力な赤それ自身が推理の幅を狭め、真相という名の心臓を剥きだしにしてしまうのだ。
          ――名うてのウィッチハンターならば、たった一発の青き杭にて潰されるであろう」

森崎「マジかよ……」

ソリマチ卿「何を話しておる、雑魚共が! 来るならさっさと来るが良い! くははははははは!!」

ベアトリーチェ「――ああは言ったが、無理に一撃必殺を試みる必要はないぞ、森崎!
        失敗や拒否を恐れず、色々な復唱要求や青き真実を放ってみせよ!」


☆ソリマチ卿に対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

164 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 21:24:32 ID:???
「反町一樹という名称の人物は複数人存在する」
「日向、若島津、吉良という名称の人物は複数人存在する」

165 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 21:28:04 ID:???
「宿舎の中に東京、岐阜、埼玉という呼称の空間が存在する」

166 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 21:29:21 ID:MGYyPwiA
森崎「……そうだな。確かに可能性は限られる、か。――よし! 復唱要求だ、ソリマチ卿!
    「反町一樹という名称の人物は複数人存在する」
    「日向、若島津、吉良という名称の人物は複数人存在する」ッ!」

ソリマチ卿「……ふんっ! 復唱は拒否だ! 理由は特に無い!」

森崎「へえ。折角魔術師になったってのに、言いたい事も言えねえのか?
    ……それとも、言いたくないから言わねえのか?」

ソリマチ卿「それは好きに解釈するが良い。クククッ……!!」

ベアトリーチェ「相手のペースに乗せられる必要はないぞ、森崎。その調子でどんどん敵を突いて行くが良い!」

森崎「うるせえ、言われなくても分かってるぜ!」


☆ソリマチ卿に対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

167 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 21:31:46 ID:MGYyPwiA
>>165

森崎「おっと、もう一つ復唱要求だ。
    「宿舎の中に東京、岐阜、埼玉という呼称の空間が存在する」!」

ソリマチ卿「くっくくくく……! 面白い要求だ。だが拒否する。理由は特に無い!」

ベアトリーチェ「発想は面白いが、魔術師もそう簡単に口を割らぬか。
         これが果たしてブラフなのか、核心を突くが故なのか……」

森崎「まあいいさ。勝負はこれからだ!」


☆ソリマチ卿に対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

168 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 21:42:16 ID:???
「反町一樹は生存している」
「反町一樹はこの事件の犯人である」
>反町一樹の殺害
読み方によっては反町自体がもう殺されているようにも読めるけど……

169 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 21:47:18 ID:???
『反町一樹は日向小次郎、若島津健、吉良耕三を殺害したが、
同姓同名の別人が、日向小次郎は東京、若島津健は岐阜、吉良耕三は埼玉に存在し、
反町一樹の殺害の翌日時点で生存している』

170 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 21:48:30 ID:MGYyPwiA
>>168

森崎「……ちょっと待った。この要求には応じられるか? 復唱要求!
   「反町一樹は生存している」
   「反町一樹はこの事件の犯人である」」

ソリマチ卿「なんだ、そう言う事か。ではあらぬ誤解の無いよう、これは復唱しよう。
       【反町一樹は生存している】!
       【反町一樹はこの事件の犯人である】!
       ――更に既存の赤字を、より明確な意味に訂正させて貰おう。
       【反町一樹が殺害を行った直前、日向小次郎は東京、若島津健は岐阜、吉良耕三は埼玉に居た】」

ベアトリーチェ「成程。反町一樹の殺害、という表現をそう取ったか。
         赤字の定義についてしっかりと確認を取る事は、このゲームの基礎中の基礎。流石だなァ、森崎」

森崎「クソ魔女に褒められてもうれしくないぜ。……さっさと次に行くぞ、次!」


☆ソリマチ卿に対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

171 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 21:49:49 ID:???
『被害者の三人は反町一樹の指示で動いた人物Xによって殺された』

172 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 21:55:42 ID:MGYyPwiA
>>169

森崎「よし。それじゃ誤解も解けたところで青を打って行くぜ! 喰らえ!
   『反町一樹は日向小次郎、若島津健、吉良耕三を殺害したが、
    同姓同名の別人が、日向小次郎は東京、若島津健は岐阜、吉良耕三は埼玉に存在し、
    反町一樹の殺害の翌日時点で生存している』!」

ドーーーーンッ!

強烈な青き真実が杭の形をとり、ソリマチ卿の胸に突き刺さる。

ソリマチ卿「ぐっ……!」

しかし、その直前にソリマチ卿は足に赤きオーラを纏わせ、
その強烈なシュート力を持って杭を破壊する。

ソリマチ卿「【日向小次郎、若島津健、吉良耕三という名前の人間は、この世界に1人ずつしか存在しない】!」

シャキーンッ、ブンッ、ガシャアアアアアアアアアアアンッ!

森崎「チッ、駄目だったか!」

ベアトリーチェ「いや。この青は惜しくも切られたが、確実に真相の範囲を狭めている!
          臆せず攻撃の手を緩めるなよ!」

173 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 22:02:51 ID:MGYyPwiA
>>171

森崎「おうよ、食らえ! もう一発赤だ!
    『被害者の三人は反町一樹の指示で動いた人物Xによって殺された』!
    人物Xがタケシか、小池か、北詰監督か、それとも高島だか三島だったか誰かは知らんぞ。
    だが、細部に関する説明は『悪魔の証明』理論の応用により、拒否する!」

ドーーンッ!

ソリマチ卿「フン……! ならばこの赤を食らえ、【この事件において、謎の人物Xは一切関与しない!】」

シャキーンッ、ブンッ、ガシャアアアンッ!

ベアトリーチェ「謎の人物Xの関与が否定されたか。……どう思う?」

森崎「くくっ。不可能性が増して大変だが、一方で可能性もまた崩された。随分推理がしやすくなったぜ!」

ソリマチ卿「強がりを言っていられるのも今の内だぞ森崎ィ。
       貴様の運命はトリカブトの如く急激に絶たれるのだァ!!」

森崎「チッ……! それはどっちかな。まだまだ行くぜェ!」


☆ソリマチ卿に対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

174 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 22:03:38 ID:???
『反町は自室に日本地図が印刷されたカーペットを敷いており、その東京、岐阜、埼玉の上で三人を何らかの方法で仮死状態にし、
その後三人に蘇生処置を行った』

175 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 22:04:37 ID:???
『反町は被害者の三人に仮死状態となるような毒物を送り飲ませ、被害者たちはその後息を吹き返した』

176 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 22:11:58 ID:MGYyPwiA
>>174


森崎「だったら次はトンデモだ!
    『反町は自室に日本地図が印刷されたカーペットを敷いており、その東京、岐阜、埼玉の上で三人を何らかの方法で仮死状態にし、
    その後三人に蘇生処置を行った』!
    何故反町がそんな事をしたのか、その理由Xについては説明拒否!」

ソリマチ卿「くひゃひゃひゃひゃひゃ! 笑わせてくれる、森崎!
       だが……そうだな。如何にして切ろうか。
       【反町の私室に、日本地図は存在しない】。いや、もう少し具体的に言ってやろうか。
       【東京、岐阜、埼玉とは単なる名称ではなく、実際の日本国の都道府県内を指す】
       これはつまり、宿舎内の『東京』『岐阜』『埼玉』という場所で殺害を行った、という意味では無く。
       彼らは実際に、東京都、岐阜県、埼玉県のいずこかに存在していた、という意味よ」

ベアトリーチェ「ふむ……。赤で囲まれていない部分もあるが、ソリマチ卿の発言は信用しても良さそうだ」

森崎「どうしてそう言えるんだ?」

ベアトリーチェ「正確には、疑う必要が無いというべきか。こうした詳細の定義は、日本語での説明が難しい事が往々にしてある。
         どうしても疑いたい場合は、対応する青字を打っても良いが。
         ここは対戦相手を信じても良いのではないか……と、長年の感覚からそう思うだけだ」

森崎「まぁ、お前のゲームに対する律義さというか、流儀は何となく分かってるよ。……参考にはするぜ」

177 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 22:19:45 ID:???
「反町一樹の部屋から外部に連絡をとる手段は存在しない」

178 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 22:21:57 ID:MGYyPwiA
森崎「……一度死んだ人間が生き返る方法について、仮説を叩いてみるか。
    『反町は被害者の三人に仮死状態となるような毒物を送り飲ませ、被害者たちはその後息を吹き返した』!
    そんな毒物Xが実際にあるかどうか、三人が実際に飲む理由Xかどうかについては、悪魔の証明により説明拒否!」

ドーーンッ!

ソリマチ卿「クックク……くわーーーーーーーーーーーーっひゃっひゃっひゃっひゃ!!」

森崎・ベアトリーチェ「「!?」」

森崎が提出した青き真実に対し、ソリマチ卿は待っていたかの如く高笑いを上げる。
そして次の瞬間、彼が何故こうした余裕を持っているかを思い知らされることとなる。

ソリマチ卿「【この事件において、いかなる薬物・毒物Xは関係しない】ッ!」

カッ!

バキイインッ!

ソリマチ卿はまず、森崎の青を赤い気を纏ったダイビングボレーで撃ち返す。
しかし、彼の攻撃はまだ終わらない。

ソリマチ卿「出血大サービスだ、更に赤字を出してやる。
       【日向小次郎・若島津健・吉良耕三はいずれも、反町一樹による攻撃が原因で絶命した】!
       どうだ? 【反町一樹は、殺害時、東邦学園の宿舎の自室から一歩も動いていない】状況下だが、
       俺は【反町一樹の殺害の直前、日向小次郎は東京、若島津健は岐阜、吉良耕三は埼玉に居た】
       アイツ等を殺したのよ。ククク……どうだ森崎ィ? どう見ても不可能だろう??

シャキーンッ! ゴオオオオッ……!!

一旦森崎の青を打ち返した赤きシュートは、ソリマチ卿の魔力に呼応してその威力を増幅させ、
更なる赤き真実を加えて森崎を圧倒する。

179 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 22:26:53 ID:MGYyPwiA
ベアトリーチェ「魔力増幅術……! いわばこれが奴の得意技と言ったところか。
          得意とする箇所への青を打たれた場合、更なる赤を追加し不可能性を強調する。
         『強烈なシュート』。このゲームに即して言えば、『強烈な赤き真実』と言ったところか……!」

森崎「……ああ。確かに痛い攻撃だぜ。だが、まだ終わっちゃいねえ。生憎と、俺は諦めが悪いんでな」

ソリマチ卿「ホウ……? この俺様の『強烈な赤き真実』を食らって尚耐えるか。面白い……!」


>>177

森崎「面白いついでに復唱要求、
    「反町一樹の部屋から外部に連絡をとる手段は存在しない」!」

ソリマチ卿「応じる。【反町一樹の部屋から外部に連絡をとる手段は存在しない】」

森崎「クッ……!」

ベアトリーチェ「落ち着くのだ森崎。詰まった場合はこれまでの赤字を読み返すのも良い。
          ……とにかく、攻撃の手を休めてはならんぞ!」

森崎「分かってる、分かってる! よし、じゃあ次は……」



☆ソリマチ卿に対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

180 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 22:28:23 ID:???
『ソリマチ卿とは別人の反町一樹という名前の医師が複数存在し、
日向小次郎には東京、若島津健には岐阜、吉良耕三には埼玉でそれぞれ心臓の手術を行った
手術中に三人は一時心停止したが、その後再び心臓を動かし蘇生させた』

181 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 22:28:23 ID:???
『三人は反町一樹の自室から放たれたシュートによって殺された』

キックオフシュートを決める魔王ならやってくれる(信頼の目)

182 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 22:34:13 ID:MGYyPwiA
>>180


森崎「これはどうだ!
    『ソリマチ卿とは別人の反町一樹という名前の医師が複数存在し、
    日向小次郎には東京、若島津健には岐阜、吉良耕三には埼玉でそれぞれ心臓の手術を行った
    手術中に三人は一時心停止したが、その後再び心臓を動かし蘇生させた』!」

ドーーンッ!

ソリマチ卿「無駄無駄ァ!【反町一樹という名称の者は、この世界に1人しか存在しない】!
       勿論、この1名というのは殺人を行ったこの俺様の事よ! くわぁっかっかっか!!」

シャキーンッ、グワァァッ、ドガァァァァァッ!

森崎「チッ、これもハズレか」

ベアトリーチェ「………」

183 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 22:38:12 ID:MGYyPwiA

>>181

森崎「チイッ……じゃあこれだ、『三人は反町一樹の自室から放たれたシュートによって殺された』!
    シュート力67の魔王ならこの位楽勝だよなァ!?」

ドーーンッ!

ソリマチ卿「ええい、変な青を打ってきおって……!
        ならばこうだ、【日向小次郎、若島津健、吉良耕三は、反町一樹の私室にて殺害された】!
        加えて、【反町一樹は殺害にあたり、一切の道具Xを凶器として使っていない】!
        道具Xにはサッカーボール、ブラックボール等も含める!
        ついでに言っておこう、【このゲームに謎の異世界Gは関係しない】!」

シャキーンッ、ズバァァァッ! ガシャァァァンッ!

ベアトリーチェ「なあ森崎ぃ。謎の異世界Gって何だ? 黄金郷の事?」

森崎「俺も知らん。……知らんが、多分どうでも良い事だろう」


☆ソリマチ卿に対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

184 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 22:43:43 ID:???
「東邦学園の宿舎は一つしか存在しない」
「日向小次郎、若島津健、吉良耕三は同じ日に殺害された」

185 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 22:49:22 ID:???
殺し方まではまだなんとなくいけそうな気がするけど、蘇生の経緯が全く検討もつかない……
「反町の攻撃には明確な殺意が伴っていた」

186 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 22:50:06 ID:MGYyPwiA
>>184

森崎「くそっ……。悔しいが、詰まって来たな。復唱要求!
   「東邦学園の宿舎は一つしか存在しない」、
   「日向小次郎、若島津健、吉良耕三は同じ日に殺害された」!」

ソリマチ卿「そうだな。別に拒否をしても良いのだが……まァ良かろう。
       復唱に応じる。【東邦学園の宿舎は一つしか存在しない】、
       【日向小次郎、若島津健、吉良耕三は同じ日に殺害された】。
       更に言ってやろう、【日向小次郎、若島津健、吉良耕三は、それぞれ5分以内の間隔で殺害された】。
       ククク……どうだァ? 俺は東京、岐阜、埼玉に居る3人の人間を、自室に居ながらにして、
       僅か5分以内の間隔で殺害したのだ。これを魔法と言わずして、何と呼ぶまい?」

森崎「ええい、それも『強烈な赤き真実』ってヤツか? 余計な事ばっかり喋りやがって……」

ベアトリーチェ「案ずるな森崎。赤き真実は伝家の宝刀。使い過ぎはこちらの利になる。
         よいか森崎。事件の不可能性が高いという事は、それだけ他の可能性が想定し難いという事よ。
         後はこれまでの赤字を見たり、不明瞭な定義を確認する事により、心臓を撃ち抜く青を出せばいい事。
         絶対に諦めぬそなたの方が、今なお立場としては強いのだ」

森崎「お世辞がうまくなったじゃねーか。でもご心配なく。俺はまだ諦めてないぜ」

187 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 22:55:18 ID:MGYyPwiA
>>185

森崎「復唱要求だ。……「反町の攻撃には明確な殺意が伴っていた」!」

ソリマチ卿「そうだな。……復唱してやろう。【反町の攻撃には明確な殺意が伴っていた】!
       殺意とは即ち、その対象の生命を奪おうとする意志を指す。
       赤で囲う程ではないため白字だが、この定義について過たない事を約束しよう」

ベアトリーチェ「魔女のゲームは、ゲームマスターとプレイヤー。双方の信頼があって成り立つ。
          ここは妾達も、その言葉を信頼するしかあるまい」

森崎「分かったよ。でも何で白字なんだ? 文字的には黒だろ。
    それを言い出せば、【】も『』も赤でも青でも無いし……」

ベアトリーチェ「そ、それは元ネタの文章が……ええい、そんなつまらぬ事は突っ込まんで良い!
         さっさと青字なり復唱要求なり考えろ!」


☆ソリマチ卿に対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆


188 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 22:58:50 ID:???
『全てはオンラインゲームX上での出来事だった』


189 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 23:06:14 ID:MGYyPwiA
>>188

森崎「……現実的に考えてあり得ない遠隔殺人、そして死者の蘇生。
    これを説明するのは――そうだ!
    『全てはオンラインゲームX上での出来事だった』!
    こうしたオンラインゲームが存在するか否かについては――」

ソリマチ卿「説明拒否。それも良かろう。なぜならば、
       【この事件は全て、現実世界で起こった事である】からな。
       なお、事件というのは、反町一樹による日向小次郎、若島津健、吉良耕三の殺害を指し。
       現実世界というのは、この我々が存在している世界の出来事、という風に捉えれば良い」

森崎「おいベアト、これも信用できるのか」

ベアトリーチェ「事件及び現実世界の定義か。……まあ、ここを疑ってはキリが無いからなァ。
         ただ、ネットゲーム説は屁理屈推理合戦では頻出かつ、正解になる事もままある青だ。
         こうした柔軟な発想を持つ事自体は悪くないぞ」

森崎「そうかよ。しっかし、どうしたもんか。本当に人間が死んで生き返るのか?」

ベアトリーチェ「そうだな。……そもそも。本当に人間が生き返っているのか?という事も含めて。
         一度これまでの赤字を見返してみるのも、必要かもしれぬな」


☆ソリマチ卿に対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆
※今晩のゲームは、24:00まで行います。それまでに回答が無い場合は、明日の夜に続きをやります。    

190 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 23:13:36 ID:???
「反町一樹が殺害した日向小次郎、若島津健、吉良耕三の三名は人間である」

191 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 23:22:20 ID:MGYyPwiA
>>190

森崎「……おっと、そう言えば。――復唱要求!
   「反町一樹が殺害した日向小次郎、若島津健、吉良耕三の三名は人間である」」

ソリマチ卿「……復唱を拒否する。理由は特に無い」

ベアトリーチェ「ほう? 先程までは威勢よく赤を並べておったのに、ここに来てダンマリか」

ソリマチ卿「余裕故よ。これ以上貴様等に赤を出さずとも、この謎は到底解けまい」

森崎「……そうかい。そんなら良いけどよ。……それならお言葉に甘えて、
   有力な青か、それともお前が顔を真っ青にするような復唱要求でも考えてみるぜ?
   お前がこれまでホイホイ下さった赤字をよ〜く検討してみてな!」


☆ソリマチ卿に対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

192 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 23:26:51 ID:???
『反町は自室にて三人の名前をつけた生物Xを殺害した』

193 :森崎名無しさん:2017/01/09(月) 23:27:05 ID:???
『ソリマチ卿が殺害したのは、日向小次郎、若島津健、吉良耕三と名付けた人形である』

194 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 23:42:59 ID:MGYyPwiA
>>192

森崎「そう言えば。序盤にスルーしちまったが、一点気になる赤があったんだよな」

ソリマチ卿「ホウ……?」

森崎はそう言うと、ソリマチ卿が切った無数の赤字の中から一つを取り出した。

   【日向小次郎、若島津健、吉良耕三という名前の人間は、この世界に1人ずつしか存在しない】

それは当初、日向達の同一人物説を否定するために切られた赤字。
一見何の変哲も無い赤字のように見えるが――。

ベアトリーチェ「気付いておったか」

森崎「ああ。……よく考えてみたら、この赤。俺の青を完全には切ってねぇ。
    俺の青はこうだった。」

   『反町一樹は日向小次郎、若島津健、吉良耕三を殺害したが、
    同姓同名の別人が、日向小次郎は東京、若島津健は岐阜、吉良耕三は埼玉に存在し、
    反町一樹の殺害の翌日時点で生存している』

森崎「同性同名の別人の存在については、確かに否定されたかもしれない。
    だが、ソリマチ卿。本当ならお前はもっと良い赤の切り方があった筈なんだ。
    例えば、『このゲームにおいて、日向小次郎、若島津健、吉良耕三の名称を持つ者は1名ずつしか存在しない』
    ……とかさ。でも、お前はしなかった。……いや、出来なかったんだ」

ソリマチ卿「………………………」

先程までの饒舌さが嘘のように、ソリマチ卿は黙して語らない。森崎は更に推理を続ける。

195 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 23:53:42 ID:MGYyPwiA

森崎「それと、殺された3人の蘇生トリック。これについてお前は赤では、『殺害された』『生存していた』しか語ってねぇ。
    蘇生した云々は、あくまで幻想描写部分や、赤で無い部分だけでしか言ってない。
    そして、生きた人間が死ぬ方法なんて腐る程あるが、死んだ人間が生き返る方法なんて殆どねぇだろ。
    しかし、お前は【この事件において、謎の人物Xは一切関与しない】、【この事件において、いかなる薬物・毒物Xは関係しない】
    と赤を出す事で、蘇生が可能な医師X、一時的な仮死薬Xの可能性を悉く否定している。ゲームXの出来事である可能性すらもだ。
    こうなると、答えは簡単だ。……【日向小次郎、若島津健、吉良耕三は、生き返っていない。ずっと死んだまま】なんだろ?」

ソリマチ卿「ぐっ……………」

森崎「そこに気付いてからは早かった。遠隔殺人なんて不可能、死者の蘇生なんて不可能。でも日向達は死んでいる。
    この条件を満たしつつ、【日向小次郎、若島津健、吉良耕三の3人は、反町一樹の殺害の翌日、生存していた】を満たす方法。
    それは――【人間でない】同性同名の日向達を、反町の部屋で殺す事。
    お前は丁寧にも、ちょくちょくヒントを与えててくれたしな」

ソリマチ卿の顔が宣言通りみるみる青ざめるのを尻目に、森崎は幾つかの赤字を並べる。

    【日向小次郎、若島津健、吉良耕三はいずれも、反町一樹による攻撃が原因で絶命した】
    【日向小次郎、若島津健、吉良耕三は、それぞれ5分以内の間隔で殺害された】
    【日向小次郎、若島津健、吉良耕三の3人は、反町一樹の殺害の翌日、生存していた】

森崎「まずはこの赤。死んだ日向達について、お前は「人」という表現を使っていない。
    人という表現が出て来るのは、同名の人間の否定。それと、生存していた3人について赤を出しただけだ」

【反町一樹という名称の者は、この世界に1人しか存在しない】
【日向小次郎、若島津健、吉良耕三という名前の人間は、この世界に1人ずつしか存在しない】

森崎「あとは……この赤もヒントだったんだろ? 『反町一樹』は『者』という抽象的な表現を使用する一方、
    日向達については『人間』と限定している。まぁ、者もイコール人間だっていわれりゃ、きついけどな。
    でも、お前は公正だった。『人間』という表現に疑いを向かせるよう、伏線を張ってくれた」

ソリマチ卿「俺様は……お、俺は……!!」

196 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/10(火) 00:00:44 ID:LKwyGoHo
森崎「……後半の方では『事件』やら『現実世界』やらについて、嫌に丁寧に定義解説をしてくれたのもそうだろ?
    『殺害』とは人間を殺す事なのか? 動物を殺す場合も含まれるのか?
    ……と聞かれた場合に備えて、定義の確認の重要性を俺達に示そうとした。
    ――ったく。キャラ変はしても、その無駄に真面目で丁寧なトコは変わんねーのな、反町?」

ソリマチ卿「違う。俺をその名で呼ぶな。俺はこれより千年を生きる無限と毒の魔術師。
       ソリマチ・ベアトリウス・ユグドラシル卿であるぞ……!」

森崎はソリマチ卿のハラワタを完全に掴んでいた。後は森崎が手を引き抜き、その心臓を外部に撒き散らすのみ。
魔術師の処刑。その瞬間はすぐそこに迫っていた。
森崎は最後の情けとして、彼の首を取る為の青いギロチンを召喚し。



森崎「――『反町は自室にて三人の名前をつけた生物Xを殺害した』」



ドーーーーーーーーーーーーーーンッ!
……ガシャァァァァァアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァンッ!!


ソリマチ卿「ぐ…………ぐぐぐ………………ぐぼぼぼぼぼわーーーーー!!」

プク……プク、プクプク……。


――森崎がそれを振りかざすのとほぼ同時に、ソリマチ卿は自身の体内に溢れる毒を制御できず。
世界を支配しようと試みた魔王であるとは到底思えぬ程情けない断末魔の叫びとともに、
泡を吹きながら、その存在を否定されたのだった。

197 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/10(火) 00:13:23 ID:LKwyGoHo
無限と毒の魔術師ソリマチ・ベアトリウス・ユグドラシル卿は、
>>192さまの提出した青き真実に対し、リザイン(投了)を表明しました。
よって、このゲームは人間側の勝利となります。お疲れ様でした。

――――――――――――――――――――――――――――――――


……と、言ったところで今日の更新はここまでにします。
次回以降は幻想描写抜きの真相を描写の上、少し森崎とベアトのやりとりを挟み、
第二話完、としたいと思います。

前回は『死んだ理由当て』が謎の核心でしたが多くて難しかったので、
今回は逆に『復活した理由当て』を謎の核心にしようと思っていました。
人間が死ぬ理由は沢山ありますが、生き返る(ように見える)理由は少ないと思ったので…。
最初>>172が出て来た時ヒヤリとしましたが、
『人間』という表現について特段の突っ込みが無かったため、続行させて頂きました。
結果としては、前回よりも難易度を下げつつ、そこそこ駆け引きと推理を楽しめるゲームになったのではないか、
と思っています。また感想や意見を書き込みして頂ければ嬉しいです。

>>192
正解おめでとうございます。私の中では反町が殺した生物Xはアリでした。
反町はアリの巣キットを持ち歩いており、ストレスが溜まった際は適当なアリを日向と見立てて、
愚痴を言ったり殺したりしてストレス発散を試みていたようです。
>>193
この場合、【殺害とは、特定の対象Xの生命を意図的に奪うことである】【人形に生命は無いものとする】
と逃げようと思いましたが、これは実質、1手詰のチェックメイトに近い状況でしたね。

今回もゲームに参加して頂き、また色々なコメントを頂き、誠にありがとうございました。
お疲れ様でした。

198 :森崎名無しさん:2017/01/10(火) 00:18:23 ID:???
乙なのです
>>193を書き込んだあと、よく考えれば人形は殺害したとか言いませんよねって自分でも思いました(汗)

でも今回も楽しめました!

199 :森崎名無しさん:2017/01/10(火) 00:21:15 ID:???
乙でしたー
二回目ということもあり、参加者としては前回よりもある程度は慣れてきた感じがして非常に楽しめました。
次回もあるなら期待してます。

……それと反町がフィクションでよくいるサイコパスみたいに哺乳類には手を出してなくて良かった。
元・相方の某エースは激怒するだろうけどwww

200 :森崎名無しさん:2017/01/10(火) 05:12:42 ID:???
人間ごときにヒントをくれるとは、なんと慈悲深き御方よ
我らが偉大なる毒々しいソリマチ卿を崇めるのだ乙

201 :森崎名無しさん:2017/01/10(火) 07:08:50 ID:???
乙でした!
ソリマチ卿渾身のサバト楽しかったですよ
……ソリマチ卿信徒になろうかな

202 :森崎名無しさん:2017/01/10(火) 07:56:11 ID:???
いやあてっきりシュートによる殺害だと信じて疑わなかったぜ(超次元脳)
皆さんお疲れ様でした

203 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/10(火) 22:51:06 ID:LKwyGoHo
こんばんは、今日はボチボチゲーム後の描写をしたいと思います。
>>198
乙ありがとうございます。楽しんで頂けて安心しております。
『人形は謎の生きてる(?)人形Rゼンメイデンだった可能性は否定できない。だから人形は殺害された!』
とかいう屁理屈もアリだと思いますw
>>199
乙ありがとうございます。魔女側としても鋭い復唱要求をどうかわすか悩んだり、
面白い青が色々出てきて笑ったりして、前回以上に楽しめました。
現在第三のゲーム盤までは考えていますが、
皆さんのレベルが上がって一撃リザインしそうなのもあり、ちょっと怖いですw(屁理屈推理合戦では良くある事ですが)
すみません、謎の蛍妖怪Rさんへの配慮を忘れていました(爆)
>>200
乙ありがとうございます。ある程度は手掛かりを出さないと、
言い当て合戦になってしまう…というGMとしての配慮もありますね。
「ソリマチ卿って案外(ry」にならず崇拝されててよかったですw
>>201
乙ありがとうございます。サバト(アリ殺し)なのが哀愁を誘いますね…。
ソリマチ卿は序盤のザコ的な設定でしたが、意外な人気が出て良かったです。
第三のゲーム盤もキャプ森キャラを魔女化させる予定ですが、人気ではソリマチ卿には勝てないかも…(汗)
>>202
お疲れ様でした。実は>>181のシュート殺人説は結構切り辛かったですw
実際それで、日向達は反町の私室で殺害された事が確定したりするなど、
人間側にとって有利な赤が出たりしますし、私も面白いので、超次元な説を期待してますw

204 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/10(火) 22:52:10 ID:LKwyGoHo
**************************************
【S少年の秘めやかなる安息】

反町「畜生……日向の奴め。あいつのせいで俺のサッカー人生お先真っ暗だ……!」

全国中学サッカー大会決勝戦、その前夜。
反町一樹は誰もいない自分の部屋で、言いたかったが言えなかった事を壁にぶちまけていた。

反町「日向だけじゃない! 日向のお引きの若島津に、そいつらを煽って殺人サッカーを促す吉良監督!
    タケシはまだ良いとしても、あの3人が居るせいで……!」

その理由は勿論、日向、若島津、吉良という、これまでの反町の人生を全否定するような、
現在の東邦学園サッカー部を牛耳る連中のせいである。

反町「尊敬していた北詰監督は、胃潰瘍が悪化し危篤。
    仲の良かった友達からは、日向との癒着をでっち上げられ苛められる。
    これも全部、全部、あいつらのせいなんだ……!!」

これまで優等生として、概ね順風満帆なサッカー人生を歩んで来たが故に、
反町は日向達アウトローの存在を認められない、認めたくないという幼い気持ちもあった。
しかしそれ以上に、日向達はまだ中学3年生の少年の心を黒く蝕みすぎた。

反町「そうだ。アイツらだ。アイツラを殺せば。コロセサエスレバ……!」

――反町はいつしか、日向達の死を強く望むようになっていた。
事故に遭ってくれないか、突然病気になってくれないか、こうなったらいっそ自分がナイフで……!
いや、ナイフは足がつく。ならば、何処にいても殺せるような魔法を使って……!!

205 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/10(火) 22:53:17 ID:LKwyGoHo


反町「――はぁ。一体俺は何を考えているんだ……!」

しかし同時に、反町は聡明な少年であった。黒い妄想を抱きこそすれど、決して実行には移さない。
それどころか、こうした妄想が何も生まないという事すらも知っていた。

反町「喉が渇いた。自動販売機で、ドリンクバーでも買って来ようかな……。
    って、何言ってるんだ俺。自販機でドリンクバーなんて買える訳ないだろ。
    はぁ……疲れてるのかな、俺。独り言ばかりは増えるし……」

……しかし、大舞台である全国大会の決勝を前にして、少しばかりの気分転換は役に立ちそうになかった。
溜息をつくと、ふと自分の旅行用カバンが目に着く。
すると、反町は最近覚えてしまった、自分の後ろめたい欲求を叶えたくて堪らなくなった。
幸い、ここは一人部屋だ。自分がここで何をしていようとも、決して恥じる必要は無い――。

反町「自分でも気持ち悪い趣味だ、ってのは分かってるけど。やめられないんだよなぁ……」

そう呟きながら大き目の旅行鞄を漁る反町。その目的は如何わしい雑誌……ではなく。
近頃疲れた大人向けへの癒しとして百貨店に販売されるようになった、アリの巣観察キットだった。
反町は最近、小さめの観察キットを買い。日常でも良く持ち歩くようになっていた。

反町「最初はアリでも観察してれば気が楽になるかな、って思っただけだけど……」

しかし、今の反町の目的はアリの観察では無い。アリが目当てである事は間違いなかったが、
その利用方法が一般的な用途とは少しばかり違っていた。

206 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/10(火) 22:54:44 ID:LKwyGoHo
反町「よし。今日はこいつと……こいつと……こいつだ」

アリの巣をほじくって、適当な働きアリを3匹ほど見繕うと、
机の上にティッシュを敷いて、アリを乗せる。こうするとアリの身体が良く見えるのだ。
しっかりと3匹ともに区別できるよう、細心の注意を払った上で、こう呼びかける。

反町「よし。お前の名前は、『日向小次郎』。真ん中のお前は『若島津健』。
    それでフラフラしてるお前は、『吉良耕三』だ。良いな、分かったな」

アリ達「「「…………」」」

――勿論、アリ達がそう呼びかけて何かをする訳でも無い。
しかし、この命名が反町にとって大事なおまじない――一種の『魔法』だった。
周囲から見てはアリと話すだけの行為だが、この魔法により反町の脳内ではこいつらが確かに、
『日向小次郎』、『若島津健』、『吉良耕三』となるのだ。反町は物言わぬアリ達に続ける。

反町「くそっ……! いつもいつも俺の事をコケにしやがって!!
    日向ァ、お前はいつも俺にコーラを実費で買わせる上に、こないだも炭酸の吹いたコーラを飲ませようとしやがった!
    若島津ゥ、お前は疲れている俺の背中を蹴り飛ばして、皆の見てる前で転ばせたよな。……畜生、舐めやがって!
    吉良監督、いや吉良ァッ! 何が『心臓をぶち破るつもりでタックルしろ』だ! そんなの、反則指南なだけだろ!!」

アリ達「「「…………」」」

反町はこうしてアリ達を日向達に見立てて日頃の不満をぶつける事により、ストレスを発散させていた。
傍から見ては恐ろしいまでに寂しい行為だが、これが無ければ反町は今頃精神を病み(もう病んでるとか言わない)、
サッカーどころでは無かっただろう。アリ達は今や、反町の生命線と言っても良かった。
しかし、その時だった。

207 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/10(火) 22:56:45 ID:???
アリ達「「「…………」」」

アリ達がティッシュの檻を抜け出し自分の腕を駆け上がろうとしている。
彼らを日向と見立てている反町にとって、これは反抗されたように思えて腹が立った。

反町「くそっ! アリまで俺の事を馬鹿にするのかっ! ……死ねぇえっ!」

ブンッ! ……ブチンッ!

アリ達「「………」」

――反町はアリの内一匹を握りこぶしで潰す。これは日向と名付けたアリだったか。
そして間髪入れずに、

アリ達「「………」」

反町「今ので一匹地面に落ちたか。なら俺のシュートを食らえっ!」

ガシッ、……グシャァァァッ!

床に落ちたアリ(これには若島津と名付けていた)を足で踏みつぶす。
普段は滅多にゴールを奪えない若島津にこうも容易く勝ってみせる自分は、
まるで絶不調でも11人を抜いてゴールを決める、シュートの魔王のようだと陶酔した。

反町「ようし、最後は吉良、お前だなァ。……それ、死ねッ! 死んでしまぇええぇぇぇえぇぇッ!」

アリ「……」

ブンッ、グシャアアアアアアアアアッ!!

最後に、そのまま上機嫌で残された吉良アリを指で潰す。
まるで神話の神々が持つ槍に刺されたかのように、その一撃は絶大だった。……アリにとっては。

208 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/10(火) 23:03:09 ID:???
反町「……はぁ。虚しい」

……そして、吉良耕三を潰してから僅か数秒で陶酔感は消え、死にたくなるほどの絶望感が襲ってくる。
当たり前だ。こんな事をしたところで何も変わらない。
日向は先程ヘリで東京のヒューガー本社に向かい、今は恐らく会議中だろうし、
若島津は人間離れした機動力で、どこかの山奥で熊でも相手に修行中だろう。
吉良は……あの飲んだくれだ。どうせ大会会場の辺りの安居酒屋で引っかけているに違いない。
反町が『魔法』で何億匹のアリを日向達と見立てて殺そうとも、現実の彼らには一切影響しないのだ。

――それでも。それでも、反町は止められないのだ。いくら周囲から見て惨めであっても、
いくら自身の行為が無益であると自覚し理解していても。
それでも、このアリ虐めだけが、今の反町の疲弊した精神を救う唯一の手段だったからだ。

反町「………………寝よう」

ストレスのせいか、最近はあまり眠れない。しかし、昔は眠る事は好きだった。眠ると夢を見れるから。
夢の中では、自分は強豪アルゼンチン相手に10−0で勝ってみせるシュートの魔王だったり。
可愛らしい容姿の神様に言い寄られるハーレムの中心だったり。自分でもびっくりするような凄い存在になれる。
……たまにヒューガーの手によって毒の怪人に改造させられる悪夢も見るけど。

反町「……ふふ……。無限と毒の魔術師、ソリマチ・ベアトリウス・ユグドラシル卿……か。
    なんだか、悪の天才魔術師みたいで、カッコいいな……」

しかし、今日彼が見れた夢はどうやら幸せな夢のようだった。
――夢の中で反町は、いやソリマチ卿は輝き続ける。いつかは現実でも……とは、少し欲張り過ぎだろうか。
とりあえず今は、目覚めの朝まで良い夢見て、ゆっくり休めよ。反町……。
**************************************

209 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/10(火) 23:07:48 ID:???
『反町一樹が自室で殺害した日向小次郎、若島津健、吉良耕三とは彼がそう名付けたペットのアリの事を指す。
 反町は人間の日向、若島津、吉良には一切関与していない為、彼らの生存は当然の事である』
……と、言ったところで一旦ここまでです。

210 :森崎名無しさん:2017/01/11(水) 12:25:16 ID:???
ソリマチ卿は最初のインパクトが凄まじかったからね
そりゃ信徒が出現しますわ

では、我らが偉大なる毒々しいソリマチ卿を崇めるのだ乙

211 :森崎名無しさん:2017/01/11(水) 13:16:30 ID:???
我らが偉大なる毒々しいソリマチ卿よ永遠なれ乙
次も期待してます

212 :森崎名無しさん:2017/01/11(水) 20:48:11 ID:???
勝負には勝ったけど
信徒を獲得したソリマチ卿にある意味負けたか

213 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/12(木) 00:56:07 ID:qD5desek
>>210
ソリマチ乙ありがとうございます。これだけ崇められたらもはや魔法ですね…
普段の言いたい事を言えない感とのギャップが良いのでしょうかw
>>211
ソリマチ乙ありがとうございます。
次回は少し難解な謎&ミステリー寄りなトリックに挑戦したいと思っています。
ただ、ちょっと難解なのでもう少し時間がかかりそうです(汗)
他にも、『ベアトリーチェの密室定義』について解説したいと思っているので、
気長に待って頂ければ幸いです。
>>212
アルゼンチン・ラプュタ文明の末裔パルスダ・アア・メガ・ラプュタ王子とかネタ自体は色々ありますが、
彼らがソリマチ卿を超えられるかは微妙ですね…

214 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/12(木) 01:02:59 ID:???
ベアトリーチェ「……勝ったな」

森崎「ああ。何とかな」

既に周囲の魔力は消え去り。反町が宿舎に空けた大穴も、何もかもが元通りになっていた。
戦いの内に夜は明けて、白みがかった空が森崎と魔女を優しく照らす。
第二の魔女のゲームにおいても、森崎は勝利した。

森崎「魔法の散り際に、幸薄そうな奴がアリを踏みつけて楽しんでる姿が見えたけど……。
    ――あれが、この事件の『真相』って奴だったのか?」

ベアトリーチェ「うむ。魔法が存在しうる猫箱の中身は、今や人間の手によって暴かれた。
          そなたが見たという光景こそが、魔法幻想の向こう側にある、一なる真実よ」

魔女ベアトリーチェは未だ不定形の蝶の姿を取ったまま、寂し気に呟く。
世界の崩壊を食い止める立場上、今回は人間側に味方した彼女だったが、
哀れで惨めなソリマチ卿の――いや、反町一樹の『真実』を目にする事は、
真実を幻想で包み隠す事を至上の喜びとする魔女にとっては、辛かったのかもしれない。
その真実の痛みを感じ、ベアトリーチェは……ベアトは思い出す。自分が何故、魔法を使おうと思ったのか。

ベアトリーチェ「……あのさァ、森崎」

森崎「何だよ。気持ち悪い声出して……。そんなに説教が嫌か?」

戦いが終わる前、森崎はベアトに対して説教をしてやりたいと思っていた。
人間の生死をゲームとして嘲笑う事が、いかな冒涜であるかを伝えたかった。
しかし……ベアトに対してそう言いながらも、今の森崎は彼女を糾弾する気が失せていた。
故に、暫し沈黙が続く。その中で、不意にベアトが口火を切った。

ベアトリーチェ「すまぬ。……最初のゲーム。妾は、やり過ぎた」

215 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/12(木) 01:07:48 ID:???

人間の少女としての姿が保てぬゆえ、ベアトがどのような表情をしているのかは、森崎には読み取れない。
しかし、少なくとも彼女は純粋な想いからそう言っているのだと。そう感じる事は出来た。

ベアトリーチェ「妾はただ、自分の存在を認めて貰いたかった。
          何故なら、そうでなくては、妾はこの世界に存在し続けられないから。
          ――先のソリマチ卿のゲーム盤とその真相を見て分かったろう?
          憎む人物を無限に殺せる毒の魔術師ソリマチ卿は、
          彼の事を理解せぬ第三者に見られれば、あっという間に消え失せる。
          何故なら、第三者にとっては、ソリマチ卿の魔法は魔法でなく。単なるアリ虐めに過ぎぬからだ。
          ……しかし。そのアリ虐めで、反町一樹は精神を保ち、生きようとする気力を持ち続けた。
          妾は、こうした生きる為の魔法すらも、無意味な殺戮で穢そうとしていたようだ」

森崎「……それは、何となく分かったよ。お前も、ソリマチ卿も。
    自分の魔法を認めて欲しい。自分の存在を認めて欲しい。それで必死なんだって事は」

森崎とて、魔女の言い分に納得できずとも、理屈としては既に理解していた。
魔女のゲーム――これは魔女にとっては自身の存在承認の為に必要な儀式であるが、
一方で、真実を暴き出す人間による魔女の処刑にもなり得るのだ。
そうした意味では、魔女もまた、生命を投げ出しゲームに挑戦していると言え。
仮にその際に人間の生命を奪ったとしても、その条件は対等とも考えられる。

森崎「……でも、俺は人間だ。魔女側の理屈は分かっても納得できねえ。
    毎日を頑張ってる人間を、自分の存在の為とは言え殺すって事は……本当に重い事なんだ。
    だから――一つだけ言っておく。仮にお前が今後俺にゲームを挑んで来るとしても。
    もう二度と、残酷な殺し方はするな。……人間を、軽んじるな」

しかし、対等であるからこそ、魔女は人間の尊厳を重んじるべきだ。そう森崎は主張する。
ベアトもまた、先のゲーム盤を通してそうした森崎の主張を理解していた。
魔女の魔法が奇跡であるとするならば。如何に魔法を否定されても、惨めな真相を暴かれても、
それでも尚頑張って日々を生きる反町一樹もまた奇跡。彼の生き様もまた、本来ベアトにとって尊い筈なのだ。

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0ch BBS 2007-01-24